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期待の持てない内閣改造

政治
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とりあえず触れておこうかな。

岸田首相 内閣改造 正式に発足 初入閣11人 女性入閣最多の5人

2023年9月13日 18時44分

岸田総理大臣は、13日内閣改造を行い、皇居での新閣僚の認証式を経て、第2次岸田第2次改造内閣が正式に発足しました。

NHKニュースより

岸田内閣改造の報道が出たが、その内容は前日までに報じられていたので驚きはない。

内閣の体制強化にはならない

名簿

取りあえずは名簿を引用しておこう。

▼総務大臣に鈴木淳司氏

▼法務大臣に小泉龍司氏

▼外務大臣に上川陽子氏

▼財務大臣は鈴木俊一氏が留任

▼文部科学大臣に盛山正仁氏

▼厚生労働大臣に参議院議員の武見敬三氏

▼農林水産大臣に宮下一郎氏

▼経済産業大臣は西村康稔氏が留任

▼国土交通大臣は公明党の斉藤鉄夫氏が留任

▼環境大臣に伊藤信太郎氏

▼防衛大臣に木原稔氏

▼官房長官は松野博一氏が留任

▼デジタル大臣は河野太郎氏が留任し、デジタル行財政改革も担当します

▼復興大臣に土屋品子氏

▼国家公安委員長に参議院議員の松村祥史氏

▼こども政策担当大臣に加藤鮎子氏

▼経済再生担当大臣に新藤義孝氏が就任し、感染症危機管理も担当します。

▼経済安全保障担当大臣は高市早苗氏が留任

▼地方創生担当大臣に参議院議員の自見英子氏が就任し、万博や沖縄・北方対策も担当します。

NHKニュースより

この他にも注目人事はあるんだけど、先ずはそれぞれの役職について言及して行きたい。

木原誠二氏は幹事長代理に

先ずは、内閣官房副長官から木原誠二氏が外されたこと。後任には内閣総理大臣補佐官だった村井英樹氏が繰り上がりで就任することになっている。

この村井氏、木原氏と同じ財務省主計局の出身であり、先輩後輩の関係にある。そして、共に政策通という立ち位置から木原氏との連携も期待出来る人材だと評価できる。村井氏は過去に小泉進次郎氏のブレーンとしても活躍していたようで、党内では評価が高いのだとか。

ただ、財務省出身で変人だと言われていた木原誠二氏に比べて、財務省の常識枠に収まる人材の村井氏という人事なので、増税に対するストッパーとして機能するのかは不明。寧ろ不安は残る。

自民 木原誠二 前官房副長官を幹事長代理に起用の方向で調整

2023年9月13日 20時47分

自民党は、今回の内閣改造で官房副長官を退任した木原誠二氏を党の幹事長代理に起用する方向で調整を進めています。

自民党岸田派に所属する木原氏は、岸田総理大臣の側近の1人で、おととしの岸田内閣の発足当初から官房副長官を務め、各省庁や国会との調整役を担ってきました。

NHKニュースより

一方の木原氏は、表に出ない位置での岸田政権補佐という立場に回ったようだ。

第一次岸田政権の政策の殆どは、この木原氏の手腕によって回っていたと言うから、引き続きサポートを任せつつ後ろに下げたというのが現状なのだろう。

幹事長代理のポストは記事にあるように要職なので、岸田氏の中では木原氏の評価は高いのだろう。

ネットでは随分嫌われている木原氏だが、結局騒いだのは週刊誌だけで事件性があったかどうかも不明な状況である。嫌われている原因は、おそらく厚顔不遜に見える態度からなんだろうけどね。

使える人材かどうかは別の話なので、岸田氏は手の届くところに残したと。

防衛大臣は木原稔氏

面白いな、と思ったのは防衛大臣人事である。

台湾有事なら日本はポーランドのような役割=自民党・木原稔氏

2023年4月14日7:45 午前

日本と台湾の交流を進める超党派議員連盟「日華議員懇談会」の木原稔・事務局長(自民党衆議院議員)はロイターとのインタビューで、仮に台湾有事が起きれば日本はウクライナ戦争で避難民を保護したポーランドの役割が求められるとの見方を示した。

ロイターより

日華議員懇談会の事務局長を務める親台派なので、支那にとってはかなり面白くない人事だろう。

前防衛大臣の浜田氏もなかなかの人選だと思ったが、今回もかなり踏み込んだ人事だと言える。防衛大臣としての適正があるかは分からないが、元空将の織田邦男氏はかなり評価していたので、おそらくは現場からは歓迎される人事であったと思う。

そして、台湾有事における政策シミュレーションに大臣役として参加した経験もある人材ということらしいので、期待して良いんじゃないだろうか。

外務大臣に上川陽子氏

さて、もう一つ注目されている人事が、外務大臣の交代である。

内閣改造 上川陽子氏が外相に 地元の反応

09月13日 12時34分

今回の内閣改造で岸田総理大臣は外務大臣に衆議院静岡1区選出の上川陽子・元法務大臣を起用する意向を固めました。これについて、地元・静岡市中心部の商店街で受け止めを聞きました。

NHKニュースより

人気のない林氏がウクライナ訪問中に交代が決定。帰ってきたらポストがない状況になっていたという、ちょっと不遇な感じなのだけれども、まあ、仕方がない。

仕事が出来ない外務大臣を、いくら岸田派であってもいつまでも内閣に留め置くメリットがない。そんなわけで交代させてしまった模様。

岸田内閣総理大臣記者会見

更新日:令和5年9月13日

~~略~~

(記者)

TBS、川西です。

冒頭、総理の御発言の中で三本の柱の話がございました。政策課題として、経済、社会、そして外交・安全保障だったと思います。それぞれの分野につきまして、留任する閣僚の方がいらっしゃると、それは必要だったということで、その御指名があったのですけれども、外交・安全保障についてのみ留任する閣僚がいませんでした。この分野こそ、政策の継続性という意味で必要なのかなと思ったのですけれども、なぜここの分野で留任する大臣がいなかったのか。特に林(前)外務大臣、何でこれを替える必要があったのか。この点、お伺いしたいと思います。

(岸田総理)

御案内のとおり、外交は、外務大臣あるいは防衛大臣を始めとする閣僚も大きな役割を果たしますが、それと併せて首脳外交というものが大変大きなウエートを占める、このように認識しています。私も長く外務大臣を務める中で、外交のありよう、そして外交における首脳外交の重要性、こういったことも痛感いたしました。私自身、この首脳外交において大きな役割をこれからも果たしていきたいと思います。

そして、あわせて、こうした外交を支えていただく有能な人材は、自民党の中に多数おられます。もちろん従来の林(前)大臣も大変優秀な、有能な大臣でありましたが、党内における有能な人材にもそれぞれ力を発揮してもらう、こうした体制を組むことも、より外交を前進させていく上で、これは意味があると考えています。

そういった観点から、こうした経験あるいは分野における知識豊富な上川大臣、あるいは木原大臣にも御努力いただきたいと思いますし、その先頭に立って、私自身も外交をリードしていきたい、このように思っています。

以上です。

首相官邸より

岸田氏は、面白いことを言っている。

「外交・安全保障で留任しなかったのはどうして?林氏は何故替えたの」という質問に対して「訳意)あいつ、役に立たなかったから替えた」(林氏レベルの交代要員なら党内にいくらでも居る)と応えている。

「俺ももっと頑張る」とも言っていて、首脳外交を推進していくことを明言しているのだが、これは翻って見ると、岸田氏と林氏では方針が異なっていたという意味にも採れる。

川上氏は外交経験が豊富なのか不明だが、法務大臣の時には実直な成果を出していた事を考えれば、まあ、アリなんだろう。

新藤義孝氏はLGBT法案での功績で

なお、保守派として知られていた新藤義孝氏だが、LGBT法案を通す時にかなりの豪腕ぶりを発揮した。

アレが「良かったか」という評価に関しては、個人的には今でも懐疑的なのではあるが、しかし法案が通った前と後で今のところさしあたって大きな変革はなく、逆にある程度の歯止めがかけられる部分もあったと評価もできる。

「首相は中身に関心ない」 成立急いだLGBT法、今もやまない批判

2023年7月7日 19時30分

性的少数者への理解を広めるためとされる「LGBT理解増進法」が成立した。岸田文雄首相の号令で自民党が日本維新の会などと修正協議して成立にこぎつけたが、推進派と反対派の双方が反発する事態に。「理解増進」の名目はかすんでいる。

「公衆浴場や公衆トイレのルールについて、手を加えるべきところがあるか議論していく」。6月21日、自民本部。40人以上が駆けつけた議員連盟の会合で、自民の世耕弘成参院幹事長が声を上げた。

朝日新聞より

僕には法律を作る必要があったとは思えなかったが、結果から言えば議論が深まる切っ掛けになったと評価できる。

そして、おそらくは岸田氏肝いりでの法案成立だっただけに、その立役者になった新藤義孝氏には今回の大臣の地位が与えられたという感じなのだろう。

全体的に見てあちらこちらに気を配った人事

というわけで、注目する人事もある程度はあるものの、全体的な印象で行くと特に尖った人事があったわけではないように思える。

内訳を見ると各派閥に配慮したことが露骨に見え、それが狙いであったということなのかも知れない。

特に女性を5人入閣させたあたり、メディアに対しても配慮している感じがするし、安倍派や麻生派を厚遇したことも狙いが分かり易い。

それにしたって、どうして財務大臣の鈴木俊一氏をクビにしなかったのか。そこは本当に理解出来ないというか、したくないというか。河野太郎氏や高市早苗氏を留任したことも、色々なバランスを考慮してのことなんだろう。

そういった部分がどうしても評価できない部分だね。

追記

そうそう、このニュースを忘れていた。

総理補佐官に国民 副代表務めた元参院議員 矢田稚子氏起用へ

2023年9月14日 20時53分

岸田総理大臣は、国民民主党の副代表を務めた矢田稚子元参議院議員を総理大臣補佐官に起用する意向を固めました。国民民主党との連携を探るねらいもあるとみられます。

岸田総理大臣は、改造内閣の発足に伴い、閣僚以外の人事についても調整を進めています。

そして、国民民主党の元参議院議員の矢田稚子氏を労働分野に精通しているとして、新たに総理大臣補佐官に起用する意向を固め、与党幹部に伝えました。

NHKニュースより

ある意味驚きのニュースである。

国民民主の元議員を総理補佐官に任命するという驚きの人事が。当然ながら、公明党への牽制球の意味が大きいと思う。

どうやら、矢田氏は次の選挙に出る気はないらしいのだが、未だ国民民主党とのラインは繋がっているだろうし、おそらくは党首の玉木氏も了解の上での人事なんだろうと思う。流石に玉木氏が「知らない」という訳はないだろうからね。

コメント

  1. アバター 砂漠の男 より:

    萩生田氏は政調会長留任で、最大閥安倍派(100名)からは4人が入閣したけど、不満が出ているようだ。55人の麻生派も4人だからね。
    岸田氏は来年秋の総裁選で安倍派の数の力を必要としており、自分は第4派閥の会長で「石田三成」ポジションなのに、今回の内閣改造で岸田氏と彼の内閣の先行きは分からなくなった、とみる。
    本人は”明日は今日よりよくなる”とコメントしたらしいが..なんのこっちゃ? 尚、木原誠二氏は、肝心な時に仕事をしなかった模様。

    • 木霊 木霊 より:

      なるほど。
      タイトルには「期待の持てない」とは書きましたが、外交と防衛の分野を強化したいという意思は見られますから、全く期待が出来ないってこともないとは思っています。
      木原誠二氏は…、色々言われていますね。
      噂が本当かどうかは検証したいところです。

  2. アバター ご飯美味しぃぃ! より:

    こんにちは。
    上川氏のプロフィールを見ると趣味の中に「神輿担ぎ」とあり、ちょっと「フフッ」ってなりました。
    担いだ神輿が重かったか軽かったかお聞きしたいですね。
    日本舞踊も嗜まれるとのことで、外交の舞台で雅に踊っていただけることを期待します。
    (与太話でごめんなさい)

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。
      そうですか。神輿担ぎ。
      今回の神輿は軽くて良さそうですね。好きなところに行けると良いのですけれど。

  3. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    ・林(元)外相を切っただけでも、とりあえず評価しておきます。まあ、もっと早く切って欲しかったですが。
    ・小渕氏は被害担当艦ですかね。
    ・高市氏の、党内だかの「次の首相候補」順位が上がったと、ツイッターかどこかでチラ見しました。だとしたら嬉しい限り。
    ・閣僚はまあまあ、とにかくトップをすげかえないと……

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      恐らく岸田総理の頭の中には解散があると思います。
      既に解散している場合じゃなくなってしまいましたし、麻生氏の都合もあって年末までは解散が難しいでしょう。
      ですが、おそらくは国民民主党を巻き込んで政界再編という辺りまで見据えているんじゃないかと。

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