スポンサーリンク

自公分裂の動きが見え始めた与党

政治
この記事は約7分で読めます。

「いいぞ、分裂しろ!」と、思うのは僕だけではないと思うんだけど。

自民 埼玉と愛知で公明候補推薦で調整急ぐ 自公の幹事長が会談

2023年5月30日 18時47分

公明党が自民党との選挙協力を東京で解消する方針を示したことを受けて、両党の幹事長が改めて会談し、自民党は、東京以外に影響が広がらないよう埼玉と愛知では公明党の候補者を推薦する方向で地方組織との調整を急ぐ考えを伝えました。

NHKニュースより

そもそも、自民党と公明党は目指している場所が違う、同床異夢の状態で政権与党にしがみついている。そんな状態だから、国民の政治不信は高まるのである。

政界再編すべき

喫緊の課題を解決できない与党

先日、G7サミットの話題に触れた。

良くも悪くも前代未聞の事態になったが、僕は一定の評価はしているのだ。この件に関して、自民党議員の青山繁晴氏は自信のYoutubeで、「べた褒めで良いのか」と苦言を呈している。

話が長くて要点が分かりにくいのだが、主張の内容としては以下の2点。

  • ゼレンスキー氏に全て持っていかれてしまい、重要議題が薄くなってしまった。
    • ウクライナの防空防衛能力を高める支援をG7におねだり → F16ゲット
    • インドを始めとしたロシアとの関係深い国々に、ロシアへの支援を止めてくれとお願い → モディ氏と握手
  • 核兵器使用の回避策についての議論が深まらなかった(注:核廃絶ではない)

つまり、ウクライナ大統領のゼレンスキー氏が来なかったら、中身ぺらっぺらの会議だったのが問題だということだ。ああ、秘書の方が、「台湾問題はあったんですか」と質問していて、これも内容は殆どなかったようだね。ここも論点として加えるべきか迷ったが、まあ、要点としては除外しておく。

で、青山氏の主張は正論だと思うんだけど、現実的にはゼレンスキー氏は来日してウクライナ戦争の後押しが出来たという意味では、成果があったと思って評価して良いと思っている。

だが、それはそれとして、日本にとってはウクライナの問題も重要なんだけれども、実際にロシアが日本を侵略する可能性を考えれば、その問題を解決するための足がかりとなる話はして欲しかったよね。

そして、それが出来ない原因が自民党と公明党との連携に一因があるといってしまっても、語弊はないだろう。

日本にとって喫緊の改題は憲法改正で、防衛力の強化だ。そういう意味では、G7サミットはインパクトはあったが成果が薄かったというのは評価として仕方がなかろう。

10増10減が問題

で、表面的な亀裂が入ったのは東京での選挙協力である。

衆議院選挙の小選挙区の「10増10減」に伴い、選挙区の数が5つ増える東京への対応をめぐり、公明党は、先週、新たな選挙区への候補者の擁立が受け入れられなかったなどとして東京での選挙協力を解消する方針を決め、自民党に伝えました。

NHKニュースより

最近、負けが込んでいる公明党にとって、東京の選挙区の定員が増えたことと、そこの割り当てを確保することは生存戦略として必須である。

役に立たない茂木氏が幹事長の座にいることも大問題なのだが、公明党との連携を失いたくないが為に、埼玉や愛知を明け渡すなんて言っちゃった。が、東京はダメだと。

この中で、茂木氏は東京以外に影響が広がらないよう次の選挙から選挙区が1つずつ増える埼玉と愛知について「早急に、公明党の要望に沿って調整を進めていきたい」と述べ、公明党が擁立を発表している候補者を推薦する方向で地方組織との調整を急ぐ考えを伝えました。これに対し、石井氏は「なるべく速やかに調整してほしい」と応じました。

NHKニュースより

当然、埼玉も愛知も地方議員としてはそんなことは呑めないわけで。一方で、「選挙協力」ナシ、というのもまた困る人がいるのだから質が悪い。

福岡でも東京での選挙協力「解消」の余波 公明党県本部は「東京の問題」強調 4月の県議選での遺恨残る自民からは不満も

2023/5/30 12:00

東京の衆院小選挙区などで公明党が自民党との選挙協力の「解消」を打ち出したことを巡り、公明党福岡県本部が余波を警戒している。県本部は28日、福岡市内で臨時大会を開き、選挙協力の解消は「東京の問題である」と繰り返し強調した。ただ、自民党県連は公明党県本部の統一地方選での対応に不満を募らせており、「東京問題」が「福岡」に飛び火する恐れは否定できない。

~~略~~

とはいえ、国政選挙を巡っては呉越同舟は否めない。福岡県内には11の衆院小選挙区があるが、選挙区ごとに1万~2万票といわれる「公明党票」に頼る自民党所属の国会議員は少なくない。公明党も自民党抜きで比例票を積み上げるのは難しくなりつつある。

産経新聞より

しかし、こうした「数に頼った選挙」の実態が、民意の反映に繋がらないことは非常に大きな問題と言える。他党の選挙協力がなければ勝てないような候補など落選すれば良いのである。どうせ、国政の場で役には立たない。

ついでに言えば、小選挙区制や比例代表制などの選挙のあり方も変えるべきだろう。民意の反映という意味では最悪である。

不協和音

そして、政策協議の場でもかなり自民党と公明党の軋轢は広がっている。

自民党埼玉県連の会長を務める柴山・元文部科学大臣は記者団に対し「まだ私の耳には入ってきてないので、今後、執行部から説明をいただかなくてはいけない。内外とも未曾有の困難に直面している中で、連立政権の安定が何よりも大切だという認識は共有しているが、選挙区は高度な調整が求められ、それぞれの地域に対する丁寧な配慮や説明がなければ『はい、そうですか』とはなかなかならない」と述べました。

~~略~~

自民党愛知県連の会長を務める丹羽秀樹・衆議院議員は記者団に対し「茂木幹事長から正式に話を聞いていないのでコメントできないが、実際にそうなった場合は、丁寧に地元と調整して、合意形成に向けていくことが必要だ。今回の方針を『受け入れる』とか『受け入れられない』というのは今は申し上げられない」と述べました。

NHKニュースより

慎重な物言いにはなっているが、埼玉も愛知も、「ふざけるな」というのが正直な気持ちだろう。何故ならば、「正式に話を聞いていない」という言葉が両者から出ている通り、根回しも何もない話だからだ。

岸田政権では、こういった話がちょいちょいあるようだね。

選挙協力の解消に向けて動き出す

さて、こうした話題を取り上げていた東京新聞の記事を引用しておこう。

自公の関係がここまでこじれた理由…それぞれのお家事情とは 選挙協力の解消は東京だけで済むのか

2023年5月27日 06時00分

衆院小選挙区定数「10増10減」で新設された東京28区(練馬区東部)の候補者調整を巡る自民、公明両党の対立が、政権基盤を揺るがしかねない事態に発展している。

東京新聞より

流石の東京新聞、読むべき部分が殆ど見当たらない!

だが、東京28区を含む都内の候補者調整を巡る公明党の怒りは、党本部レベルで広がる。西田実仁選対委員長は24日、既に現職の擁立を決めている東京29区(荒川区・足立区西部)に関し、自民党都連幹部による「度を越した」圧力があったと暴露し、誠実さを欠くと非難。26日にはツイッターで「わが党が『強引だ』とか、欲をかき、自民党を脅しているかのような表現は、甚だ心外」と不満を爆発させた。

~~略~~

ここまで自公の対立がこじれ、表面化するのは異例だ。背景には、岸田政権になってパイプが細っていることがある。

近年、自民党では菅義偉前首相や二階俊博元幹事長、公明党は太田昭宏元代表や漆原良夫元国対委員長らが異なる意見や利害の調整を担っていた。だが、いずれも表舞台から去り、代わりの人材は見当たらない。

東京新聞より

ただ、お得意の雰囲気を伝える内容は、多少参考になるだろうか。結局の所、調整役不在によって混乱しているというのが現状である。

尤も、表だって調整する重鎮がいないだけで、実際に調整に走り回っている人はいるのだろうが、上手くいってはいないようだ。何しろ、若手の自民党員は公明党の必要性を感じていない人が多いし、公明党としても自民党への協力は積極的に出来ていない。何しろ、支持母体である創価学会が、今の自民党の方針に対して賛同していないから、協力することに賛同が得られにくいのだ。

手を切るべき時期

国難にあって、この国の体制を考え直すべき時期にあるのに、自民党は政策のあわない公明党との協力を続けること自体が無理なのであって、もはや手を切るべき時期に来ているのではないか。

統一教会の問題もあって、「宗教と手を切る」とぶち上げたのであれば、当然ながら公明党とも手を切らねばダブスタの誹りを免れない。

個人的には宗教の問題は個人の問題であって、政教分離を厳密にやれ等と言うつもりは毛頭ない。だが、協力できない相手といつまでも手を握っていても仕方がないだろう。

岸田政権は、決断の時ではないか。例え、それで自民党が死に体になったとしても、強い自民党を作らなければ、国益を守る事など出来ないのだから。

コメント

  1. アバター 河太郎 より:

    まさしく万能ガムテープみたいなものですね。短期的にはよろしいが、長期的にはというやつ。そもそもの目指す処が違いますからね。そりゃ仕方ない。
    もう、いい加減いいでしょう。手を切って落選するよな議員なら国民としていらんし。

    • 木霊 木霊 より:

      何というか、顔も名前も知らない議員が当選して政治をやっている、というのは、国民が政治に対する興味が薄いからだという側面もありますが、逆に選挙制度がこんなだから興味が持てないという側面もあるのかと。
      使えない議員を減らすためにも、政界の再編はやってほしいものです。

  2. アバター 砂漠の男 より:

    公明が与党・政権内の”腐ったリンゴ”なのは明白で、自民内にも公明への不満が多いのは事実。公明との連立解消は、どの政権が実行するかの問題。

    公明の与党離脱=政界再編であるから、国民や維新は自民にはたらき掛けていくべき。自民は「絶対安定多数(261議席)」を堅持していくために当分の間連立は必要でしょうね。

    • 木霊 木霊 より:

      そうなんですよね。
      「絶対の公明党と組む」という発想からは少なくとも脱却して頂かなければ。
      自民党以外に政権を担当できる政党があればソレを選べるのですが、現状では絶望的なんですよね……。
      民主党政権の罪は本当に重い。

  3. アバター ゆめはる より:

    本当に、自民党は政権欲しさに、目指すところが違うのに公明党と一緒になった。
    既に、恩は還したと思うので、別れるのが筋というものだろう。
    少し話は違うが、国会議員は自分の言ったことに責任を持つ人が殆どいないと思う。
    この少子化時代・・・生産人口はドンドン減少している。
    なんで、10増10減なのかな・・・精々5増10減くらいだろう。
    かなり前だが、国会議員の全員が、国会議員を三分の一減らす・・・我が党は、半減だと言って当選したと思ったが。。。気のせいかな(笑)。

    • 木霊 木霊 より:

      自民党の決断力のなさには困ったものです。
      岸田氏は案外やってくれるかもしれませんが(苦笑

      少子化の問題はしかし、どこの国でも対策を成功させてはいません。
      欧州では「成功事例」だとされる国はあるんですが、しかし実態は…。

      国会議員を減らすという点についてはあまり得策ではないような気もしますが、使えない国会議員がのさばっている状況を見ると、減らしても大丈夫のように思えてなりません。

タイトルとURLをコピーしました