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支那主催のユーラシア経済フォーラム

ロシアニュース
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盛り上がらなかった経済フォーラムの話である。

習近平国家主席がEAEU第2回ユーラシア経済フォーラム開幕式で挨拶

2023年05月25日15:01

習近平国家主席は24日、ユーラシア経済連合(EAEU)第2回ユーラシア経済フォーラム総会の開幕式にテレビ会議の形式で出席し、挨拶を述べた。新華社が伝えた。

人民網より

開催したのは5月24日で、ユーラシア経済同盟が主催する会であった。この経済同盟への参加者はアルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、ロシアで、オブザーバーとしてモルドバである。実は支那は参加していない。

肉のない焼肉パーティー(再)

盛り上がらないフォーラム

第1回のユーラシア経済フォーラムは、2022年5月26日だたようだが、この時もビデオ会議で行われたのだが、ニュースを調べても日本国内で報じられた形跡がない。

で、2回目もビデオ会議で、支那の習近平氏に挨拶をして貰ったというのが冒頭のニュースだ。

習主席は、「激動と変革の中にある世界に直面して、ユーラシアの協力の道をどのように歩むべきか。これは地域の人々の幸福に関わるだけでなく、世界の発展の行方にも深刻な影響を与える。このような時代からの問いかけ、歴史からの問いかけに対し、中国の答えは明確だ。私はグローバル発展イニシアティブ、グローバル安全保障イニシアティブ、グローバル文明イニシアティブを相次いで打ち出し、各国に恒久平和、普遍的安全、共同繁栄、開放的包摂、クリーンで美しい世界を建設し、人類運命共同体の構築を推進するよう共に努力することを呼びかけてきた。今年は私が『一帯一路』(the Belt and Road)共同建設イニシアティブを提起してから10周年にあたる。このイニシアティブの根本的な出発点と立脚点は、遠くの親戚と近くの隣人が共同発展する新たな方法を探求し、各国に幸福をもたらし、世界に恩恵をもたらす『幸福の道』を切り開くことにある」と指摘した。

人民網より

ロシアが盟主となっての経済連合を作ってはみたものの、経済制裁を受けているロシアが同盟国に対して支援できるはずもない。

そこに出てくるのが世界第2位の経済大国と言われている支那である。今、支那経済はかなり拙い状況ではあるが、それはさておき「金持ちです」といって登場したわけだ。で、何を言い出したかというと、「一帯一路」である。

よくもまあ、「人類運命共同体の構築」とか言ってて口が腐らないものだが、こういうことを平気で口に出すあたり、なかなか図太いね。

カビの生えた一帯一路

ところで……。

NHKニュースより
NHKニュースより

一帯一路の話をするのは良いんだけど、関係者は半分だけなんだが良いのか?

NHKニュースより

見た感じ、キルギスはギリギリ恩恵にあずかる可能性はありそうだが、アゼルバイジャンは厳しい感じだ。モルドバはどうかなぁ。

ともかく、今回のユーラシア経済フォーラム関係者は、陸路中心に関係してくるはずで、その通り道になっている国には、僅かながら恩恵にあずかる可能性はある。鉄道を引くって話だからね。だけど、そもそも計画は既に破綻している。

中国の鉄路集団、最終赤字1.4兆円 22年ゼロコロナ響く

2023年5月2日 20:00

中国で高速鉄道を運営する国有企業、中国国家鉄路集団は2022年12月期の最終損益が695億元(約1兆3800億円)の赤字となり、21年12月期(498億元の赤字)から悪化した。売上高は0.4%減の1兆1272億元だった。中国政府が新型コロナウイルスの抑え込みを狙った「ゼロコロナ」政策の影響で旅行・出張客が減った。

日本経済新聞より

これ、単純な営業利益らしいのだけれど、鉄道建設の費用やメンテナンスなどは考慮されていないらしい。

中国高速鉄道網は経済の時限爆弾か 需要不足で負債120兆円

Published 9 months ago on September 12, 2022

中国の経済発展の勢いを象徴していた〝中国版新幹線〟の高速鉄道網が、中国経済の時限爆弾となるかもしれない。

採算性を無視した路線拡大により、高速鉄道を運営する国有企業、中国国家鉄路集団の負債総額は約120兆円に上る。巨額債務で経営危機に陥った中国不動産大手「中国恒大集団」が抱える負債の3倍近い規模だ。専門家は鉄路集団の巨額負債が重大な金融リスクになるとして、警鐘を鳴らしている。

~~略~~

新疆ウイグル自治区の区都ウルムチと甘粛省の省都蘭州を結ぶ区間(1786キロ)は一日160往復の輸送能力があるにも関わらず、実際は4往復しか運行されておらず「旅客収入だけでは電気代すら賄うことができない」。

Japan-forward.より

実際に拡大路線で線路を作りまくったおかげで、大半の路線は赤字。一部の区間は電気代さえ賄えない始末らしい。その負債総額は単純に積み上げただけで120兆円規模だとも言われている。

国営企業なので潰れることは無いだろうが、負債はどんどん膨らむし、問題はメンテナンスがしっかりなされないために、月日が経てば劣化する。とても、外国まで延長して利益を出すような体質ではないのだ。

ゼロコロナ政策に関係なく、そもそも鉄道事業は破綻していて、一帯一路など無理なのだ。

盛り上がらなかったフォーラム

当然、G7が同時開催していて、片やウクライナ大統領を呼んでしまって、世界的な注目を集めている。西側諸国だけが盛り上がっただけとも言えるが、残念ながら第2回のユーラシア経済フォーラムの方はもっと盛り上がらなかった。言ってみれば、焼肉パーティーに誰も肉を持ち込まなかったような話なのだ。

え?支那?支那は絵に描いた餅を提示しただけだが。

露主導の経済連合が首脳会議 G7に対抗

2023/5/25 19:24

旧ソ連構成国で構成するロシア主導の「ユーラシア経済連合(EAEU)」は25日、モスクワで首脳会議(サミット)を開き、プーチン大統領も出席した。旧ソ連圏の「盟主」を自任するロシアは、広島でサミットを開いた先進7カ国(G7)に対抗する構えだ。今月には中国が初の「中国・中央アジアサミット」を開催し、欧州連合(EU)も中央アジア諸国との経済フォーラムを開いた中、ロシアには中央アジアへの影響力を維持する狙いもある。

~~略~~

EAEUは中国やインド、中東、アフリカなどの非欧米諸国との経済協力を進めるとも表明した。

産経新聞より

ユーラシア経済フォーラムで、支那、インド、中東、アフリカの経済協力を!とぶち上げたのだが、肝心のインドはG7の方に顔を出してしまい、支那は顔を出したが寝言を言っているだけ。

中東には金はあるんだけど、あっちこっちで火種を抱えてまとまらない状態だし、そもそもロシアと中東とは利益相反があるので共同歩調を取りにくい。ではアフリカは?というと、飛躍的に経済は伸びるとされているものの、あくまで支援あってこその話。

西側諸国の支援があれば、爆発的な経済成長が期待できるが、支援がなくなればどうなるか。「リープフロッグ」現象とか言いながら持ち上げてはいるが、どうにも自発的な経済効果が期待できるような感じではない。

技術力のないロシアの支援では、ままならないだろう。支那はアメリカとの半導体戦争を抱えているので、期待薄だしね。

そうした構図がわかっている国家にとっては、「西側諸国抜きはちょっと」という感想を抱いたのではないだろうか。

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