【韓国】電気料金引き上げで放射光加速器が止まる！

流石だな！

[R&D予算拡大鏡]⑲電気料が止められて停止した研究施設

入力2023.11.21　午後4時12分

浦項加速器研究所は先月、放射光加速器の運営を短縮することを内容とする新しい運営計画を研究者に知らせた。

NAVERより

加速器研究所が電気料金引き上げで困っているらしいという話だ。流石だな！韓国は。

電気代が高い！え？高いか？

放射光加速器もスパコンも

この手の機器が電力をもの凄く使うというのはそれなりに知られていて、世界各国で電気代の値上げは問題視されているため、韓国だけでなくこうした動きは各国にあるのではないか？とは思う。

が、ニュースでは余り見かけないね。

放射光加速器は、電子を光の速度に近づけて加速した後に発生する光を利用して原子と分子単位の画像を撮影する装置だ。部品素材や新薬開発などの先端産業の源泉技術確保に必要な核心研究施設だ。突然の運用期間の短縮に、研究者たちは恥ずかしさを隠すことができなかった。（参考［単独］浦項放射光加速気道電気料負担に可動短縮） これに先立ち、8月には韓国科学技術情報研究院（KISTI）が運営する大容量データハブセンターのクラスタ装備の半分が稼動を止めた。

国家科学技術の核心研究装置がこのように突然止まったのは、電気料を出すお金がないからだ。

NAVERより

韓国では、加速器の運用時間を短縮する発表が出ており、また、大容量データは部センターのクラスタ装備（多分、これスパコンのこと）の半分が稼働を止めている。

その原因が、電気料金が支払えないからだというものだ。

韓国、来年第1四半期の電気料金を9.5％値上げ　40年ぶり上げ幅

2022年12月30日2:15 午後

韓国の李昌洋産業通商資源相は３０日、２０２３年第１・四半期の電気料金を１キロワット時当たり１３．１ウォン引き上げると発表した。上昇率は９．５％と４０年ぶりの大きさとなる。

ロイターより

韓国政府、電気料金5.3%値上げ決定　韓国電力危機に配慮

2023年5月15日 17:17 (2023年5月15日 18:55更新)

韓国政府は15日、電気料金の5.3%引き上げを決めた。燃料高に伴う価格転嫁のために住宅用と産業用ともに値上げする。政府試算では4人世帯の平均で1カ月あたり300円程度の負担増になる。独占的に電気事業を手掛ける韓国電力公社は巨額の赤字に苦しんでおり、政府は異例のタイミングでの値上げを決めた。

日本経済新聞より

産業用電気料金を９日から値上げ　家庭用は据え置き＝韓国

2023.11.08 16:12

韓国産業通商資源部と韓国電力公社は８日、産業用電気料金（大容量使用者向け）を９日から１キロワット時（ｋＷｈ）あたり平均１０．６ウォン（約１円）値上げすると発表した。住宅用と小規模事業者・中小企業用の電気料金は負担を考慮して据え置きとする。

聯合ニュースより

確かに、値上がりしているけれども、2022年4月からせいぜい1kwhあたり10円程度だ。

電気代だけで数億円

ただ、この電気代も大型設備ともなるとバカにならない。

研究機関が今年末までに支出する電気料は昨年より２０～３０％増える見通しだ。来年からはガイドラインにより経常費５％を節約しなければならず、予算削減による事業費も減り、機器の運営はさらに難しくなる。一年だけで数十億ウォンの電気料がかかる大型研究施設を運営する機関の立場では、自己救済策を設けること以外にはまったく手段がない。

NAVERより

年間数十億ウォン（数億円程度）の電気料金が必要となってくるこれらの施設の予算は常に決められているので、２～３割の電気料金の値上げともなると対応出来なくなるのも無理はないのだが、流石に電気料金の変動に対応出来ないという予算編成はされないので、通常は余剰分から予算を引っ張ってくる話になる。

が、この変動費を吸収できないから稼働時間を短縮して電気の使用を減らしましょうという話になっているのだ。

いざ政府は対策を出す計画がないと一蹴した。課期政府関係者は「電気料実態調査を行ったのは当然だが、現在では特別な対策を出す計画はない」とし「来年の予算と関連して、過去の政府部でできることはすべて終わった状況」と話した。

NAVERより

なかなか無情な話ではあるが、大型研究施設側も「予算を増やして」と政府にお願いしてみたモノの、「ダメ」と却下されたようだ。まあ、韓国政府もお金が無いから仕方がないね。

ただ、何度も書くが電気代が値上がりしているのは韓国だけではない。他の国でも似たようなやりとりが為されていて、しかし大抵は電気料金の変動分に対応出来る程度の予算は付けられているはず。それを超えた場合はごめんなさいということにもなるはずで、韓国だけの話ではおそらくない。記事に取り上げられないだけじゃないかな？とは考えている。

科学技術の発展を阻害

とはいえ、そもそも電気代の高騰は世界的なトレンドである。韓国国内で電気料金値上げを政府が抑えてきたことが、こうした予算編成に繋がっている可能性が高く、値上げをしても設備を止めなくても良いような予算編成にすべきである。

何故ならば、加速器にしろスパコンにしろ、科学の発展を後押しするための設備だからこそ、韓国内に作ったのだから。

大型研究施設を運営する限り、出演演関係者は「電気料に対する政府の特段の対策がなければ研究基盤が崩れる可能性があるという懸念が研究者たちの間に広がっている」とし「機関別に自救策を設けているがこれも容易ではない状況」と言った。

NAVERより

韓国の研究者達は「研究基盤が崩れる」と大騒ぎしているようだが、投資に見合う成果が出せているのであれば、騒ぐ権利はあるだろうね。

で、騒いだ結果、調査はして貰えたんだけど、対策はないと。もはや乾いた笑いしか出ない。

韓国核融合エネルギー研究院が運営する韓国型超伝導核融合研究装置（ＫＳＴＡＲ）も状況は同じだ。水素とヘリウムの核融合反応を通じてエネルギーを生産する核融合の核心技術を研究するこの装置の年間電気料は50億ウォン水準だ。核融合連の関係者は「来年も電気料引き上げの可能性を念頭に、事業費で85億ウォン以上を電気料に割り当てて運営に支障がないようにする計画」とし「診断装置の改善と追加開発予算を減らし、実験に焦点を合わせて運営する」予定」と話した。

NAVERより

まあ、無い袖は振れないので、節約して貰うしか無いよね。世の中は世知辛いのである。

それでも電気代は安い韓国

電気代が値上げして苦しいのは、韓国民や企業も同じなのだけれど、こんな記事が出ていた。

韓国の小規模商工業者、8月の電気料金、前年同期比46％も上昇

2023年9月12日 8:00

韓国で今夏、小規模の商工業者（小商工人）の電気料金負担が昨年より46％増えたことがわかった。特に7～8月の1カ月間だけで月平均料金引き上げ率が32.2％も急騰したと調査された。

韓国電力公社の資料によると、この3年間、一般用（甲）の月別平均電気料金は71％も値上がりした。

通常、商業用建物内の使用者に適用する一般用（甲）料金は小商工人・自営業者の料金制だ。

一般用（甲）における8月基準の3年間の料金を見ると、2021年41万47ウォン（1ウォン＝約0.1円）から2022年48万1660ウォン（以下、前年同期比17.5％）、2023年70万1790ウォン（45.7％）に増加した。前月（53万816ウォン）と比べても、1カ月間で32.2％（17万974ウォン）値上がりした。

AFPより

値上げ比率を見るとかなり価格が上がっているように見えるんだけど、2023年で月額7万1790ウォン（8,200円程度）というのは日本から見たら安いだろう。だって、日本なら1月で1万円超える家庭も珍しくないんだけど（3人世帯で1ヶ月平均は11,116円程度なので、商用ならばもっとかかるだろう）。

こうやって見ると、電力料金を低く抑えておくことは、国際競争力を高めることに繋がるのは間違いがないのだろう。

まあ、電力を供給している韓国電力は赤字で苦しんでいるんだけどね。

あれ？今作っているヤツはどうするの？

と、ここまで書いて、そういえば「アイツ、どうなったの？」と気になることが。

多目的放射光加速器、忠清北道清州に決定…２０２８年運用開始

登録:2020-05-08 20:27 修正:2020-05-09 10:55

新薬開発、ウイルスの構造観察など、未来産業発展の核心に挙げられる「多目的放射光加速器」が忠清北道清州市の梧倉に構築される。

科学技術情報通信部は8日午前、政府世宗庁舎で開いたブリーフィングで「多目的放射光加速器」構築事業の施行地域に清州市梧倉を最終選定したと明らかにした。終盤まで競合した全羅南道羅州は、清州に僅差で敗れた。

科学技術情報通信部のイ・ミョンチョル放射光加速器構築敷地選定評価委員長(科学技術翰林院理事長)は「アクセシビリティなど地理的条件が良く、発展可能性が大きい清州を多目的放射光加速器の構築予定地に選定した。主な利用者である科学技術者が、政治的意味合いなしに科学的・客観的に公正かつ信頼性をもって評価した」と明らかにした。

ハンギョレより

この記事だ。

2020年なのでムン君が韓国大統領をやっていた時代なんだけど、多目的放射光加速器を作るニダ！2028年には運用開始するぜ！と息巻いていた。

政府などが1兆ウォン(約870億円)を投じて構築する多目的放射光加速器ができる清州市梧倉テクノポリス(53万9千平方メートル)は、高速道路、高速鉄道に隣接していて交通条件が良く、首都圏など全国から2時間以内でアクセスできる。また梧倉・五松・大徳などの産業・研究団地、政府部署、国策研究機関などとも近い。イ・シジョン忠清北道知事は「放射光加速器による研究の成果が、全国に広く拡散しバランス発展を先導できるようにする。世界最高水準の地位を備えられるよう支援を惜しまない」と明らかにした。

ハンギョレより

予定通りであれば2022年に着工して2028年に運用開始なので、ユンユンが英断で止めない限りは少なくとも作り始めてはいるのだろう。調べても出てこないが。

ま、まあ、作り始めちゃっていたとしたら、運用時にコストが凄くかかる事になるので、色々と調整が大変なんだろうけれど、未だ計画段階なのであれば、撤退できるね！