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グテーレス氏が「アナタのもとで国連は最も暗い時期にある」と批判される

イスラエルニュース
この記事は約13分で読めます。

国連は死に体だから仕方ないね。

「あなたのもとで国連は最も暗い時期にある」イスラエル外相が国連グテーレス事務総長を批判 イスラエルとハマスの衝突をめぐり安保理会合

2023年10月25日(水) 11:49

イスラエルとハマスの衝突をめぐり国連安全保障理事会の閣僚級会合が開かれ、アメリカのブリンケン国務長官は「“戦闘の一時停止”を検討しなくてはならない」と述べました。

TBS NEWSより

議論が活発なのは良いことだが、何が起きたのか。

間違いなく国連は最も昏い時期にある

紛糾する国連安保理

タイトルで取り上げた言葉はこちら。

イスラエル コーヘン外相 「事務総長、あなたのもとで国連は最も暗い時期にある」

イスラエルの国連大使も「事務総長はテロリズムを正当化している」などと述べ、即時辞任を求めました。

TBS NEWSより

これ、国連事務総長のグテーレス氏がこんな発言をしたから激怒したということのようだ。

また、安保理の会合では国連のグテーレス事務総長が「ハマスの攻撃は理由もなく起こったものではないと理解することも大切だ。パレスチナの人々は56年間にわたり苦しい占領にさらされてきた」などと発言。

TBS NEWSより

あっちゃー。誤解されるような言い方に聞こえるけれども、事実は事実なんだよな。56年間にわたり苦しい占領に晒されてきたことは。

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激怒した理由はある

ただ、TBS NEWSの解釈と僕の理解は異なる。グテーレス氏の発言については、CNNがもう少し詳しく報じていたので紹介しよう。

ハマスのイスラエル攻撃、「他と無関係で起こったのではない」 国連事務総長

2023.10.25 Wed posted at 12:23 JST

国連のグテーレス事務総長は24日、中東に関する安保理の会合で、イスラム組織ハマスが今月7日にイスラエルに対して実施した攻撃について、「他と無関係で起こったのではない」と述べた。

グテーレス氏は「ハマスによる攻撃は他と無関係で起こったのではないことを認識することも重要だ。パレスチナの人々は56年にわたり、息の詰まるような占領を受けてきた」と指摘。グテーレス氏は、パレスチナの人々は「自分たちの土地が入植によって着実に侵食され、暴力に苦しめられるのを見てきた」と言い添えた。

CNNより

どちらかというと、「ハマスによる攻撃は他と無関係で起こったのではない」の方が問題だと思うんだ。

これに「パレスチナの人々は56年にわたり、息の詰まるような占領を受けてきた」と、「自分たちの土地が入植によって着実に侵食され、暴力に苦しめられるのを見てきた」を言い添えている事を考えると、イスラエルに対して「オマエの所の失政が原因だろう」と言っているのと同じだよね。

英語だろうから、日本語とニュアンスは違うんだろうけど、ハマスの行動には原因があったと指摘するのは、確かにそれが事実ではあるんだろうけれど、だからといってテロが容認される訳ではない。

そりゃ怒るさ。イスラエルの国連大使やイスラエル外相にとっては、国連こそがテロに毅然と立ち向かうべきだと、そう思ったのだろう。

グテーレス氏の発言は更に

なお、上に紹介しただけではなくてグテーレス氏はこんなことも言及している。

グテーレス氏は同時に「パレスチナの人々の不満はハマスによる恐ろしい攻撃を正当化することはできない」と述べた。グテーレス氏は、パレスチナの人々がハマスの攻撃のために、集団的に罰せられるべきでもないと指摘した。

このため、全ての紛争の当事者は軍事作戦の実行において、民間人に危害を加えないよう常に注意を払うだけでなく、病院を尊重し、保護し、そして、現在60万人以上のパレスチナ人が避難している国連施設に対する不可侵性を尊重すべきだとグテーレス氏は述べた。

CNNより

なかなか無理ゲーだな。

テロ組織ハマスを追い詰めるためには、盾となっている民間人をなんとかする必要があるのだが、その為にはガザ地区に地上部隊を突入させて消耗覚悟で戦う必要がある。

イスラエル首相、ガザ地上戦「準備」 米が延期要請との報道も

2023年10月26日09時11分

イスラエルのネタニヤフ首相は25日、テレビ演説し、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの衝突を巡り、「われわれは(ガザへの)地上侵攻を準備している」と語った。詳細は明かさないとしたが、戦時内閣で開始時期を決定すると説明した。

時事通信より

しかし、イスラエルは地上部隊をガザ地区に侵攻させることを未だ躊躇している。

ハマスとの戦闘に関し、「軍事・統治能力を破壊してハマスを排除し、人質の帰還に向けて全力を尽くすこと」が目的だと語った。その上で「われわれは既に多くのテロリストを殺害したが、これは始まりにすぎない」と強調。どこにいてもハマス戦闘員を標的にするとして、ガザ住民には南部への退避を促した。

時事通信より

現在の状況はハマスの軍事・統治能力の破壊と、人質の帰還に向けて全力を尽くす状況であると、イスラエル側は説明しているが、これが説明になっているかどうかはちょっと怪しい。

が、一理はあると思う。作戦的にイスラエル軍が早期にガザ地区に侵攻してしまうと、ハマスは軍事拠点に立て籠もって交戦をすることが予想されて、戦闘が長引く可能性が高い。そうすると、被害が拡大する可能性はあるのだ。

空爆を続けていることとの被害の比較などは出来ないんだけれど、イスラエル軍が早期決着を図る為には下準備が大切だと判断しているだろうことは、なんとなく納得できる。

グテーレス氏はこの方針を批判しているということになるが、イスラエル側としては「アイツは分かっていない」と言うことになるだろう。

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被害が多いじゃないか!

グテーレス氏は重ねてこう言っている。

グテーレス氏は、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への激しい攻撃について、深く憂慮しているとし、民間人の死傷者の水準や、近隣地域の大規模な破壊の継続を挙げた。

グテーレス氏によれば、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)で働く職員のうち、少なくとも35人が過去2週間のガザに対する攻撃で死亡した。

グテーレス氏は、「国際人道法の明白な違反」がガザで目撃されているとし、例として、イスラエルが今月に入り100万人以上の人々に対して退避を指示したことを挙げた。

グテーレス氏は、ガザに届けられた支援について、数日で枯渇しかけている燃料供給を含めて、同地の膨大な需要に対応していないと強調した。

グテーレス氏は、即時の人道的停戦とパレスチナ・イスラエル紛争の2国家解決、無条件での人質全員の即時解放を改めて訴えた。

CNNより

何というか、イスラエルの方針を頭から否定しているように聞こえるよね。イスラエルにとって、国連に期待することは、早期解決に向けるテーブルを整える事である。

被害者面して素人丸出しのこんな指摘をされても、イスラエルとしては受け容れられまい。

ハマスの攻撃を防げなかったことについて、ネタニヤフ氏は「戦後に私を含めて、皆が答えを出さなければならない」と語った。

時事通信より

イスラエル側の受け止めは、ハマスのテロ行為を防げなかったことこそが、自身の責任であり、それは戦争が終わってから考えるべき事だとしている。

誤解されている!

で、まあ、この話はコレで終わらなかったんだな。

声明の「誤った解釈」に「ショック」 国連事務総長、イスラエルの反発に

2023.10.26 Thu posted at 09:36 JST

国連のグテーレス事務総長は25日、前日の安全保障理事会での自身の声明にイスラエルが反発したことについて、「誤った解釈」に「ショックを受けている」と述べた。

~~略~~

「だがパレスチナの人々が恨みを抱えているからといって、ハマスによる恐ろしい攻撃を正当化することはできない。また、そのような恐ろしい攻撃によって、パレスチナ人に対する集団的懲罰を正当化することはできない。戦争にもルールがある」とも述べた。

グテーレス氏は25日、「7日にイスラエルで起きたハマスによる恐るべき前代未聞のテロ行為」を明確に非難したと繰り返した。

同氏は「パレスチナの人々の恨みについて語った」ことを認めた一方で、「ハマスによる恐ろしい攻撃を正当化することはできない」と述べたことを強調した。

グテーレス氏の声明に対してはイスラエルが強く反発し、同国の政府関係者はグテーレス氏の辞任を要求したほか、国連職員への査証(ビザ)発行を停止している。

CNNより

「俺の発言は誤解されている!」という話らしいんだけど、どう読んでも誤解されていないよ。安心して欲しい、グテーレスさん。

ハマスのテロ行為を批難はしたけど、イスラエルにも「手を出すな」と言っているのと一緒だから、それはテロを容認しろと言っているに等しい。

イスラエルの肩を持つ気はないんだけど、テロだと認定したのであれば、テロを撲滅するための作戦を批判するのはダブルスタンダードではないか。

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何故、ハマスの凶行を止められなかったのか

イスラエル情報機関元トップが語る

コレに関して、少し面白い記事があったので紹介しておこう。

イスラエル情報機関元トップが語る「ハマスを怪物にしたのは?」

2023年10月24日

「ハマスとは軍事部門だけではなく、イデオロギーそのものでもある。イデオロギーは軍事力では破壊できない」

そう語るのは、イスラエルの情報機関で長官を務めたアミ・アヤロン氏です。

ハマスせん滅を掲げ、地上作戦に向けて突き進むイスラエル。双方の犠牲者が増え続け、憎しみの連鎖が続く今回の事態をどう見るのか。

アヤロン氏から聞いたのは「現在の状況を招いたのは他ならぬイスラエル自身だ」という、意外な言葉でした。

NHKニュースより

色々書かれているが、注目した部分はこの部分。

「ハマスは2年前の5月21日※に軍事的に大きな失敗を犯した。ハマスはガザでの権力を維持するためならどんなことでもする。もしイスラエルを攻撃すれば、ガザでの指導的な立場を失うことを理解している。だからイスラエルを攻撃することはない」

これがイスラエル側の想定、思い込み、でした。

NHKニュースより

「イスラエル側」が「ハマスは攻撃してこない」と思い込んでいたということだ。

イスラエルの諜報活動は「SIGINT(通信傍受など)」や「HUMINT(人的情報収集)」などを基本としています。

~~略~~

どの部隊も自分たちが何をしなければならないかを正確に知っていました。しかし、彼らはそれがいつなのか、そして、全体像については知りませんでした。少人数の指揮官だけが、直接会って話をしていたのです。

インターネットや携帯電話、そんなものは何も使う必要がありませんでした。そして、我々は何も知ることができなかったのです。これは諜報活動の大失態でした。

NHKニュースより

そして、諜報機関が事前の動きを察知できなかった理由は、「直接会って話をしていたから」なのだそうな。

コレについては納得できる部分もあるんだけど、ヒューミントを使っていたはずなので、全くその気配を察知できないというのはちょっとおかしくないか。相当量の武器弾薬をため込んでいたのに、それを察知できず、更に使うことを予測できなかったというのは、なかなか無理がある説明だ。

イスラエルの政策は失敗した

で、このイスラエル情報機関の元長官は何を主張しているのかというと、イスラエル政府が悪いということのようだ。

私は20年以上前にシンベトを去りましたが、多くの軍司令官、特にシンベトの長官はみな「ガザに対する政策は間違っている」と言い続けました。

間違った前提に基づいた政策であり、そもそもハマスの理論と戦略を理解していない人たちによる政策だったのです。

~~略~~

ハマスとファタハをどんなに分断させようとも、少なくとも占領を終わらせるということに関して、彼らが分断されることはないのです。

NHKニュースより

分裂政策を推進し、ハマスとファタハを分断することで「交渉する相手がいないよ」というスタンスをとってきたという。

そして、ハマスを怪物に育ててしまったのは、首相のネタニヤフ氏なのだという事らしい。

要約すると、イスラエルの戦略の失敗が今回のテロの発生を招いたという事を主張されているわけだ。ここでもテロ容認かよ!

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終わらないテロ

ただし、この人の主張は頷ける部分もある。

しかし、ハマスとは軍事部門だけではなく、イデオロギーそのものでもあります。イデオロギーを破壊することはできません。軍事力を使いすぎると、逆にイデオロギーに力を与えてしまうこともあります。人々の意思を抑圧することはできないのです。

ハマスの軍事部門を壊滅することはできるでしょう。私が理解するところでは、これが今回の戦争のイスラエル政府の目的です。

イスラエル、パレスチナ双方に非常に大きな痛みを伴いますが、達成することは可能です。

NHKニュースより

イデオロギーの破壊は出来ない、というのはまさにその通りだと思う。軍事力だけでは平和にたどり着けないのは事実なのだ。

ハマスをすり潰したところで、他のテロリストが現れてイスラエルの戦いは終わらないと言うことになる。それは歴史的にも正しいと思うのである。ここだけは同意できるし、終わりのない戦いになる可能性は高いのだ。

じゃあ、どうしたら良い?というと、この方は「話し合え」と言っているんだけど……。

交渉のテーブルにつくことが決定的に重要です。

交渉なしには何も達成できません。より多くの暴力、より多くの戦闘、そしてより多くの人が死んでいくことになるでしょう。

NHKニュースより

話し合って失敗したのが今回のテロだったんじゃないのかな。分断は争いを生むから融和を図れという流れがあるのは事実なんだけど、それは前回もやって、融和路線が受け容れられるのがファタハで、受け容れられないのがハマスだという構図になっている。どうしたって、受け容れられない層が出てくるのだ。

じゃあ、別の国になったら解決するのか?といったら、それをやったのがイスラエル建国なのである。ダメなんじゃないかな。

及び腰のアメリカ

で、諜報機関シンベトの元トップはアメリカに「出てこい」といっている訳なんだけど。

今回もその責任はアメリカ大統領にあります。

それは、イスラエルを気にかけているというだけではなく、世界的な紛争を避けるため、そして、軍隊を派遣することなく、この地域でのアメリカのリーダーシップを発揮するために、バイデン大統領はその責任を負わなければならないのです。

NHKニュースより

アメリカはもう世界の警察を辞めたんだよ。

米国、イスラエルの戦線拡大を警戒 高官「空母で抑止」

2023年10月10日 7:37

米国防総省高官は9日、レバノンの親イラン武装勢力ヒズボラがイスラエルでの戦闘に加わるシナリオに懸念を示した。米軍の空母打撃群が長距離攻撃の役割を担うと明言し、戦線拡大を防ぐ考えを強調した。

~~略~~

東地中海に展開する予定の原子力空母ジェラルド・フォードを中心とする空母打撃群に関し「イランやヒズボラなどへの抑止のシグナルだ」と説明した。「この戦闘に参加して緊張を拡大させようとする敵はそれを再考すべきだ」と明言した。

日本経済新聞より

空母派遣は決まって、空母「ジェラルド・フォード」は既に東地中海に到着しているようだ。

この空母の登場によって、ハマスは動きにくくなるだろう事は予想できるが、しかし、単に地下に潜るだけでかえって長期化を招く懸念もある。

ただ、アメリカにとって空母を派遣しないという選択肢は採れないので、巨額予算を投じて睨みをきかせるという作戦に出るしか無い。これはウクライナ事態にも影響を及ぼすため、悪い選択肢ではないのかもしれない。

解決の一手とは言い難いんだけど。

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新たな特殊部隊を設置

そして、イスラエルは新たな特殊部隊を立ち上げて設置することにしたようだ。

イスラエル諜報機関、報復へ特殊部隊「ニリ」新設…越境攻撃携わったハマス戦闘員の殺害図る

2023/10/23 22:32

イスラエルの 諜報機関シンベットとモサドは、パレスチナ自治区ガザからの越境攻撃に携わったイスラム主義組織ハマス幹部や戦闘員を捕らえて殺害するための特殊部隊「ニリ」を新設した。イスラエル紙エルサレム・ポストなどが伝えた。

~~略~~

規模は不明だが、諜報の専門家と作戦部隊から構成されるという。ニリは、越境攻撃に携わったハマス戦闘員や指導部を特定した上で追跡し、殺害を図る。

讀賣新聞より

なかなか武闘派組織らしく、殺害が作戦目的として掲げられている。ピンポイントで敵を減らしていくという恐るべき組織なのだが、人道上の措置を考えるとこれが悪いとも言い難い。何故なら、わざわざ報道に乗せてアピールをしているからだ。

ハマスの凶行を止める為には、こういう実行手段を持った事をわざわざアピールする事が大切なのだろう。

結局、イスラエルがこの事態を「自分たちの手で解決する」という姿勢を見せることが、解決への第一歩なのだと思う。

和解は難しいと思うよ。

その上で、イスラエルが国連に求めている事は、国連軍を派遣してハマスに対して「国際社会はオマエ達を支援しない」という強いメッセージを出すことだろう。それが出来なければ、やっぱりグテーレス氏の退任を求められても仕方がないし、それこそが交渉のテーブルに着かせることに繋がるのだろうね。

コメント

  1. アバター 河太郎 より:

    ども。騒ぎとなってる理由?
    簡単明瞭、プーチン同様にネタニヤフは先の見通しが甘かった。に尽きると。
    こういうの言うと発狂する人いるんですけど、私はパレスチナとイスラエルの双方が壊滅しようと、「スエズ運河が無事」なら、どうでも良い人なので、別にどちらにも加担してません。てか、どうでも良いんですよ。イスラムもキリスト教もどちらも不寛容な宗教で大嫌いたから。

    本題から言うと「どっちの言い分が正しいか?」なんか関係ないんですね。イラクで大量破壊兵器出てきました? それと同じです。ようは「コイツらは殺っても良い」と世界から認知された方が悪になる。善悪なんて相対的なものてすから。
    前半、どう考えてもハマスは暴虐で、何の罪もない人を殺戮した。
    んでネタニヤフは「こりゃ世界は俺等にお墨付きを与えるな」と踏んだ!
    んが、当たり前たが「南に逃げろ」と市民には指示して、そこへの燃料、水、食糧の搬入を妨害してる。燃料がハマスの手に渡るから…てのは正しいが、そんな事は「想定内」であって、そこに対象できてない時点でネタニヤフは無能!
    すぐにウクライナが降伏すると踏んで進撃した元KGBのオッサンと同じ!
    当たり前なんてすが、大量の避難民を南に送り込んで、水も食糧も病院の燃料も断てば、「民族浄化を実は意図してる」と
    アラブ側に疑われるのは当然!!
    ただでさえ親分の米国&EUが嫌われてるのに、そして嫌ってる側はウクライナの戦争に関与する中露が影響力持ってる!
    何を言おうが、ハマスてはない市民を、万単位で飢餓や医療停止に追い込んだ時点で、「防衛する権利と正義」は批難にかわる。結局、プーチンもネタニヤフもエルドアンも習近平も同じですが、独裁的な力を持ってると、忖度する部下と、己の全能感で「情報を見誤る」のですな。
    自分にとって「最善な分析」をみて、最悪な分析は無視しますからね。
    そりゃイスラエルは怒るの当然だよね! を続けたければ、暫く貧乏くじを引き続け、無条件な被害者であり続けるべきだった。剛腕を見せつけるのが少し早かった。そして米国西欧の支持で「全世界が俺の賛同者」と思うのが早すぎた。
    これ、ね、今後、イスラエルてかユダヤ系は、ずうっとテロの対象になりますよ。米国てもね。別にハマスやパレスチナの味方してるんでなく、冷静に分析するとそのような解答に達しました。
    正直、イスラムやクリスチャンやユダヤ教の連中がどうなろうと知った事ではないので、どっちかの肩を持ってません。

    • アバター 河太郎 より:

      これは偏見なのかも知れないこですが、
      どうも木霊様は「真実はどうなのか?」に拘る傾向を感じてしまうんですね。
      「歴史」になってしまえば、そこ(歴史戦)は大事なんですが、現在進行系のそれもガチの戦争となると、真実もクソも無いと想うんですよ。
      あるのは「カードの切り方」だけ!
      基本的には西欧と米国とアラブ世界いがいは「他人事」なんで、そこ味方につけたきゃ「カードの出し方」に尽きる!
      カードの切り方、出し方に善悪なんて無いので。上手くやるか否かだけ。
      善悪てのは、そこに味付けするスパイスに過ぎませんよ。そこを「神の掟」みたく善悪をつけたがる人ばかりだから、いつまで経っても戦争はなくならない。
      私は世界を歪めているのは悪人じゃなくて、「善意の善人」こそ諸悪の根源とおもってますのて。悪人てのは文法があるんてすよ。利害で考えるから。善人てのは思想や宗教や信念で動きますからね。結局は世の中を歪める。

      • アバター 河太郎 より:

        ネタニヤフが強硬派で殺りたくて仕方ないのは、別に否定しません。
        そういう信念なんですね。そうてすか…くらい。
        ただ、お墨付きを欧米にもらい、反撃てきると思った瞬間、餌にくいつく犬みたく嬉々として反撃。
        手加減しとく利も考えない。
        底が浅いんですよ。

    • 木霊 木霊 より:

      あー、えーっと。
      どうしたものかな。

      ちょっとまとめてコメントお返ししますので、お待ちください。

  2. アバター 河太郎 より:

    あと前々から引っかかるてたんですが。
    木霊様は、テロ反対と、力による現状変更をいつも反対なさりますよね?
    テロって仏大革命のジャコバン派による
    ラ・テロル(恐怖政治)ですよね語源。
    んで、ロシア革命や辛亥革命だけでなく、フランス革命も明治維新も、さらに
    米国独立戦争(植民地独立よりも、王政→革命の方に評価する米国人が多い)も
    全て「力による現状変更」で産まれてる。それはレッドチームやいらんなくめいだけじゃないんてすね。
    てかフランスと米国がそうな時点で、「力による現状変更」を否定するのって、
    今の国際秩序の根本を作った歴史を否定するのと同意だと想うんすよ。
    そこんとこ、どうお考えなのか一度、聞いてみたかったんです。
    私的には「力による変更の否定」は意味がない(そもそもレッドチームも西側とそこから産まれてる)と思ってます。

    • アバター 河太郎 より:

      あ、書き忘れました。英国もすね。
      そも王の専制から立憲君主制になったのはクロムウェルの清教徒革命てすね。
      つまり英仏米の西側の中心が全て力による変更で産まれてる!
      米国がガン社会なのは、憲法修正案第二条で「ミリシア(民兵)による武装権」が認められてるからです。
      これ立派に「革命権」ですよ!!
      連邦政府、外国政府を問わず、不当な支配(元は英国から)を強いられた時に、
      銃で反抗して良い法案ですから! 
      その為の「武装権」なのは、英国王政からの独立と革命(王政の廃止)から産まれてる事から否定のしようがない!!
      全ては暴力(銃口)から産まれてる。
      そもそも近代の民主主義や議会が、この三国の革命から産まれてるのは明白な定説です。なのに何故に力による変更を否定なさるのか理解に困る。
      だって人間は怠惰で変わりたくない生物で、いつも少数が武器もって変更を迫る事で変わってきました。
      暴力は何が何でも悪いてのは、思考停止だとおもうですよ。

      • アバター BOOK より:

        河太郎様、木霊様 ちょい多忙で、なかなかコメできません。

        1.以前ハナシの流れで河太郎様が地政学に言及されたので、

         確か砂漠の嵐作戦、ノーマン・シュワルツコフ将軍のコトバとして記憶していますが(検証ゴメンなさい)中東に初赴任の米将兵への最初の訓示は

         「石油・イスラム・キリスト・ユダヤは一旦忘れろ。ここはそんな物が出来るより数千年前から戦場だ」(≒地勢が最も重要。石油・イスラム・キリスト・ユダヤは単なる時事トピック)

         この言が正しいかどうか?正しいとすれば、スエズ運河も単なる時事トピックでしょう。

        2.木霊さんは>「真実はどうなのか?」に拘る

         続き3にも関連しますが、木霊さんスタンスは特に国連側・西側 (グテーレス氏、バイデン氏?) に関しては、
         言った事≒「約束 守るかどうか」の観点と思いますよ。

           (事実認識の細部に関しては私も木霊様と認識違いますが、「観点が約束」は共有してると思います)

        3.>木霊様は、テロ反対と、力による現状変更をいつも反対なさりますよね?
          >暴力は何が何でも悪いてのは、思考停止だとおもうですよ。

         …で現実よりタテマエやヤクソクを重視する理由

         そりゃ「この立て付け」で米国に約束守ってもらわないと、台湾有事では日本全部が支那に取られますもの(笑)

         米国が傍観者になって「よし、力比べで事を決めろ」などという事態を想像してみて下さい。
         ・・・・支那の下請け南北朝(今じゃロシアも下請け、理由後述)が大喜びで日本各地に核ミサイルばらまいて台湾・日本から無条件降伏を引き出しますよ。

        尚、台湾にはTSMCがあるので核を落とされるのは日本

         そうさせないためには「米国」に「力による現状変更を許さない」という「約束」守らせる必要があるのです。

            —–
        今じゃロシアも下請けの理由

         第2次大戦前後ならともかく、今の支那の国力はGDP・人口・軍事力 全てざっとロシアの10倍ありますよ? 
         (軍事予算はオモテムキはロシアの数倍程度ですが、便衣兵は支那の伝統ですし、現実にも武装漁船とか、最近は企業に武装義務を課したりとか、実体は10倍あってもおかしくない)

         対ウクライナ、米国代理戦争で弱ってもいますし、支那に逆らうより、尻尾降って、北海道や東北貰った方が得。。。。。
         。。。。おぞぞぞぞぞ
        ——————–
        そりゃ現実

         そもそも米国のいう国自体、イスラエル→パレスチナ の図式を ブリカス→インディアン として築いた国ですし。 それ言ったらキリがありませんが、

         第2次世界大戦後、、、、「おま言う」連合国共が、「民族自決」「力による現状禁止」ってルール作ってでまとめたのが国連で、

         日本は「旧敵国」なので力振るったとたん「全国連加盟国の敵」なので、イロイロ事質取って「おま言ったルール」を守らせる。のが今の所生き残る道


        尚、別スレコメントしましたが、どの道早ければ10年ぐらいで欧州諸国はイスラム諸国になるので、問題の本質はどんどんズレて行くでしょうね。

  3. アバター 河太郎 より:

    知人に自動車部品メーカーで、軍需品(アサルトライフルの弾倉)を製造販売の指揮してる人がいます。
    その人から聞いたのですが、デトロイトの周辺って、パレスチナ難民の移民が多くて、実はアラブ系が人口の9割を超える街が幾つもある。
    んなもん、バイデンがイスラエル支持を全面的にすれば、反対運動起きるに決まってるではないですか。
    南米も北米も、以外なくらいにアラブ系は多いですよ。いくら欲心からとはいえ、中露が即時停戦を言い出した時や、
    ブラジルが言い出した時に、拒否権で潰せば、そりゃ国内からも反発が出ますよ。それはアメちゃんのバイデン政権の事だから構わんですけど。
    ウクライナへの資金出せの、弾薬くれの、挙げ句に産油国に嫌われそうな同意を日本に強要して、巻き込むの止めてくれませんかね?
    日本は東アジア地域では色々と歴史問題を抱えるが、中東地域やイスラムには、
    なんの瑕疵も与えた歴史が無く、本来は中立でいられるはずなんですね。

    • 木霊 木霊 より:

      色々と丁寧な示唆をいただいており、感謝しております。

      さて、今回の記事の趣旨は、身も蓋もない話をすれば、国連の機能不全をイスラエルがあげつらったという話であり、特にグテーレス氏の無責任な発言が気になった、というそれだけの内容であります。つまり、イスラエルが悪いのか、ハマスが悪いのか、そういう話は取り敢えず脇に置いて国連は何やっているのよという話であります。
      そこはご理解ください。

      その上で、本件についてイスラエル側の肩を持つような発言が目立つのは、僕自身の文章力の無さに起因しておりますが、しかし、様々な歴史的背景はさておき、テロルで物事を解決する姿勢を許してしまうというのは、民主主義の根幹的部分を揺るがす事だと考えています。
      すなわち、本邦の現職議員であった安倍晋三をテロによって殺害し、政治のあり方を変えたことであり、現職総理大臣である岸田氏を暗殺せしめんと、手製の爆弾を投げる行為に等しいのであって、その犯人の背景を解明する必要性はあっても、心情を理解する必要性を感じません。僕のスタンスはそういうモノであります。

      ネタニアフ氏の判断ミスがあったかといえば、恐らくはそうなのでしょう。
      ですが、それをテロ行為で解決するといのは間違いだと僕は考えています。

      テロと戦争を同レベルで語るのか?ということを言われるかもしれませんが、ハマスがイスラエルの無辜の市民を虐殺した時点で、どのような崇高な目的を掲げたところで所詮テロです。翻って、イスラエルのガザ地区爆撃が市民を虐殺したのであれば、それは批難されるべき事でありますし、僕自身もそうありたいと考えています。故に、イスラエルの件は、イスラエル政府がテロリスト達を捕らえる(その過程で命を落とすケースを含みます)ことで、一応の区切りがつくものだと。

      しかし、これはテロだからという捉え方であって、ハマス側にしてみれば聖戦を唱え、自らの主張を暴力によって体現しようとする現れでありましょう。イデオロギーの破壊は出来ないのですから、区切りは付けられても終わりのない戦争(停戦の余地はあると考えています)に飲み込まれたのかもしれません。そういう意味では河太郎さんの「どちらでもよい」という意見には賛同いたします。

      それと「力による現状変更」の話ですが、これはまた違う次元の話であると考えています。綺麗事や理想論のように映るかも知れませんし、最後は力がモノを言うというのは歴史の証明するところです。それが今の国際秩序の根本を作った歴史の真実であったとしても、力による現状変更を許容するということはすなわち、他国からの侵略を受けた際に、それを容認するという事に繋がります。これが罷り通るのであれば、世界大戦に突入ですよ。そして秩序構築のやり直しになります。そうならぬように、国連を作って力による現状変更は止めましょうということになっています。国連憲章という事ですな。

      アメリカの同盟国である以上はそこのラインを間違えるべきではなく、アメリカと一対一で直接対峙するような愚行は二度と犯すべきではないと思います。もちろん、第二次世界大戦後の秩序が偽りであるという指摘はあるでしょう。ただ、アメリカという最もヤバイ国を相手にするよりはマシであろうと思います。政治的な立ち回りで日本の尊厳を失わないでいるようにすべきではあるんでしょうね。

      他方、東側の理論はそうではありません。盤面をひっくり返すために、ルールを押し付けるのが彼らの在り方ですから。

      このように語ってしまえば、底の浅いポジショントーク的な部分が見え隠れするでしょうが、そのことが河太郎さんを幻滅させてしまったとしても、仕方がないことだと思います。割と単純なロジックですからね。

  4. アバター 河太郎 より:

    木霊様、BOOK様
    ご多忙のところ丁寧なご返事と回答痛み入ります。感謝してます。
    お二人の回答は「シンプルゆえに真実」であると思います。
    幻滅とは逆ですな。
    特に木霊様の「米国という最強・最狂の敵を相手にするよりマシ」は
    まさに正鵠を射ている回答と思います。私は日本にとって「最も剣呑な潜在敵」とは、中露ではなく米国だと想うております。
    戦後70年以上を過ぎて、未だ首都の制空権を在日米軍が握ってる事からも解る。日本が独自の道を歩む時に、最も障壁として立ち塞がるのが米国と思っております。
    奴らの鎖を断ち切るには、まずは背中(大陸側)を刺されぬよう、中露の瓦解か衰退を待たねばならず。
    次いで米国が衰退するか、モンロー主義に戻って引きこもる時を待つしかない。維新から大東亜戦争の終結まで彼らも70年あまりかけて、日本を手にしたのですから、簡単には日本は軛から抜けられないでしょう。
    おそらく我々の生きている間に観る事は、難しいでしょう。
    正直、お二人とも、心底から米国を宗主国・味方として崇拝なさってるのでは無い事が解りホッといたしました。
    私自身はイスラエルそのものはリスペクトしてます。行ってみて感じたですが、技術と金と根気で緑の沃野へ変えている事や、後は国としての緊張感が保てている事が。日本と大違い。観光大国とか騒いで、梅毒を蔓延させてる祖国とは大違い。
    ただ、リスペクトするという事と、
    彼らが今後、受けるであろう憎悪という代償を分つ必要は欠片も感じませんけれど。それはアメちゃんの責任ですから、テロでも何でもお前らがイスラエルと共有しろよ!とは米国に思っております。
    幸い杉村千畝氏などの功績もあり、中東諸国と共にイスラエルからも日本は悪感情を持たれてない。
    だからどちらにも組みするなと思っております。
    力による改変については、どう足掻こうと米国は今後、覇権から退いてゆくでしょうし、中露もそこに変わるとは思えない。ただ、連中はコケても地域大国としては残る可能性が高くて、日本にとっての危険性は変わらない。であるので、それ以上のパワーを現状維持している米国と事を構えるわけにはゆかん…という事でしょう。
    ただ……私は米国そんなに頼りになるとは思ってないんですね。てか、簡単に裏切るでしょう。彼らが日本列島という不沈空母の価値と天秤をかけてる間だけの話。200年凸凹の歴史しか無い国なので、結論はできませんが、あの国は1世紀弱ていどで
    モンロー主義が流行る傾向と見てます。いずれ頼んでも米軍は出てゆく日が来ると思ってます。
    その時にどうなるか?
    ここから半世紀から1世紀あまりが、人類史の近代史での変換期で、
    どう足掻いても、いずれ力による再編は起きる。そして、その時にアジア(この場合はオリエントと言うべきか)、欧州、アフリカの結節点であるイスラエル地域の方を優先するのは確度が高い。
    ただ、米国とあと数十年以上、その力を利用できる可能性があるとしたら、地球温暖化が進んでくれる事だと想います。
    北極海航路が実現すれば、EUとアジアの間のハブになるのは日本ですから。
    そこをアメちゃんは、渡す訳にはゆかなくなるではないですか。
    そういう意味で私は温暖化が進んだ方が良いとも思ってもいます。

  5. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >話し合って失敗したのが今回のテロだったんじゃないのかな。

    「昔の人はいいこと言ったぜ、理非無きときは鼓を鳴らし攻めて可なり、てな、談判破裂して暴力の出る幕だ」

    もうとっくに交渉フェイズは終わってるし、相手に交渉の余地がないから無駄でしょう。

    必要なのは、ガザの住民自身が、ハマスその他のテロ組織を追い出し、手を切る事。
    彼らの立場も一考の余地があるとは言え、自浄努力せずにのほほんと暮らしてきた、そのツケを今払ってる、そう思うしかありませんし、彼ら自身に戦ってもらえないと、こちらの敵味方識別は役に立たないのですよ。

    • 木霊 木霊 より:

      話し合う為のコストを支払わねばならない、というのが今のイスラエル・パレスチナの現状だと理解しています。
      ペットされるのはハマスの存在ですかねぇ。

      日本は、どうやって高く善意を売りつけるかを考える時だと思っています。今回、どちらにも正義はありませんし。

      • アバター 七面鳥 より:

        >日本は、どうやって高く善意を売りつけるかを考える時だと思っています。今回、どちらにも正義はありませんし。

        然り。

        どんな理由があっても、テロ行為は許されるべきではありません。正当化されてはいけない。
        だから、国内的には松本サリン含むオウムの一件も、安倍元総理の一件も、厳重に厳重に処罰を与えなければいけない。
        個人の事情と、しでかした事の罪は別の話ですから。
        同様に、パレスチナ(以外の全ての紛争)の事情は、人を傷つける理由にはならない。
        これは、イスラエルにも同じ事が言えます。
        そしてブリカスとカエル喰い、本当にお前ら責任取れ。

        • 木霊 木霊 より:

          イギリスとフランスはそろそろ許してあげてください。
          ……いや、責任とっていないので許すわけにはいきませんか。

          • アバター 七面鳥 より:

            くどくなりますが。

            つくづく、「覆水盆に返らず」ですね。

            一度しっちゃかめっちゃかになった国境と宗教と民族の境目と恩讐は、それを上回る巨大な「グレートリセット」でも無いとダメなんでしょうね。

            ※「こぼれた水は、また汲めば良い」とオオタコウイチロウ コーチも言ってますし。(違