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フランスの暴動は収まらず

北欧ニュース
この記事は約8分で読めます。

フランスは大変なことになっているねぇ。

仏、少年射殺の抗議暴徒化 警官4.5万人配備 秩序回復へ「全ての選択肢」

2023年6月30日6:49 午後

フランスで17歳の少年が警官に射殺された事件に対する抗議活動が全国で激化し、建物や車両が放火され、店舗が略奪されるなどの被害が相次いでいる。

ロイターより

数年前もイエローベスト運動で荒れていたけれど、今回も大概酷い。日本の場合は、岸田氏の酷い政治を見てもこうはならないんだろうけど。

暴動は起きるべくして起こった

非常事態宣言が発出されるレベルに

詳しいことは良く分からないのだが、どうやら警官の静止を振り切って逃げようとした少年が射殺されたからだ、とされている。でも、おそらく切っ掛けが何であれ良かったのかと。

ボルヌ首相は記者団に対し、政府が秩序回復のために「あらゆる選択肢」を検討すると語った。

マクロン大統領は欧州連合(EU)首脳会議が開かれていたブリュッセルから急いで帰国し、前日に続き危機管理の緊急閣議を招集した。

マクロン大統領はこれまでのところ、非常事態宣言の発出は否定している。

ロイターより

非常事態宣言の発出が時間の問題レベルにまで悪化しているらしいね。

うんまあ、何がそこまで駆り立てるんだろうか。

フランス第2の都市である南部マルセイユ当局は、30日に予定されていた公共デモを禁止し、全ての公共交通機関を現地時間午後7時に停止すると発表した。

30日、パリ郊外のナンテールでは、デモ隊が車に放火し、道路をバリケードで封鎖。パリ中心部のショッピングモールではナイキの店舗が暴徒に押し入られ、数人が逮捕された。ある情報筋がロイターに語ったところによると、スーパーマーケットのカジノは複数の店舗で略奪の被害にあっている。

ロイターより

暴動でかなり酷いことに。

燃えるパリ

抗議活動なら何でもありって、そんな訳はない。

パリ郊外 警察官銃撃で少年死亡 抗議活動拡大 180人以上拘束

2023年6月29日 21時17分

フランスのパリ郊外で17歳の少年が警察官に銃で撃たれて死亡する事件をきっかけに、各地で警察への抗議活動が広がり、一部では暴動に発展し、これまでに180人以上が拘束される事態となっています。

フランスの捜査当局によりますと、パリ郊外のナンテールで27日、17歳の少年が、車の停止命令に応じなかったとして、交通検問中の警察官に銃で撃たれて死亡する事件が起きました。

NHKニュースより

180人以上が既に拘束されているらしい。なお、30日には875人が拘束

フランスでは去年、交通の検問中に警察官による発砲で死亡した人は、これまでで最も多い13人に上り、警察に対する批判が高まっていました。

NHKニュースより

警官による発砲で死亡した人が年間13人って、どんな世紀末なんだろう?と思ってしまうが、実は日本が特殊なのであって、外国で射殺案件が起こることはさほど珍しくない。

それでも車を燃やすほどじゃないと思うんだ。

一方、捜査当局は、少年に発砲した警察官の身柄を拘束し、29日、殺人の罪で起訴するかどうかを判断する手続きの段階であることを明らかにしました。

パリ中心部の繁華街では30日複数の店で窓ガラスが割られ、店内が荒らされるなどの被害が出ていて、現場では警察官が規制線を張るなどして警戒を続けています。

さらにパリ郊外の一部地域では、7月3日まで、夜間の外出禁止令が出されるなど緊張が高まっています。

NHKニュースより

既に夜間の外出禁止令が出されていて、一般人にとっては迷惑な状況になっているっぽいね。

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警官の発砲件数が増加

ところで、遠因ではあるが今回のようなことが起こった背景には、警官による発砲の基準が緩和された事があるらしい。

マクロン大統領が就任した2017年の法改正により、それまでより警官による発砲の基準が緩和された。その結果、2016年に137件だった自動車に対する警官の発砲件数が2017年には202件に急増し、その後も年間150件前後で推移してきた。

それによって昨年は13人が死亡しており、ナヘルの件は今年に入ってから3例目だった。

ロイター通信によると、死者のほとんどは黒人かアラブ系だ

Yahoo!ニュースより

この記事では、「警官など公的機関がマイノリティに対して抱く組織的な構造的差別」が問題だとされている。フランス版BLM運動だとか言っているが、アレも単なる暴動だよね。

たしかにそういう側面はあるのだろうが、それ以前に治安の悪化という問題もあるのだ。

フランス、10人に1人は移民 2021年推計

2023年3月31日 14:06

フランスの国立統計経済研究所(INSEE)は30日、総人口に占める移民の割合が1968年の6.5%から2021年には10.3%に増えたと明らかにした。人数にすると約700万人になる。

21年の調査によると、移民の3分の1以上は仏市民権を取得済み。移民とその子孫はおおむね社会に溶け込んでおり、多くはフランスで子どもをもうけている。

~~略~~

移民の大半は大都市に集まっており、パリでは最大で人口の5分の1を占めている。

AFPより

移民の大半がパリにいて、パリ人口の5分の1が移民という状況。ところが、移民の3分の2は市民権の取得に至っていない。

当然ながら、貧富の差が生まれてしまうわけで。「構造的差別」という難しい話よりも単純に移民が良い職につけないからという話なんだと思う。

そして、パリ郊外や街中には定期的に野営地が出来たりする。

仏パリで野宿する移民3000人超をバス移送、野営地撤去へ

2016年11月4日 17:46

フランスの首都パリ(Paris)の市当局は4日未明、市内北東部に広がっていた移民の野営地撤去に着手し、移民3000人余りのバス移送を開始した。

AFPより

「移民危機」再来か 苦悩の欧州 三井美奈

2023/2/10 09:00

昨年暮れ、パリのルーブル美術館前に突然テント村が現れた。不法移民の少年たちのデモだった。底冷えのする小雨の中、約300人が「僕たちに住居と滞在許可を与えて」と訴えた。

その一人、モアメドさんはアフリカ・コートジボワールから来た。「僕は15歳。学校に行って、ここで働きたい」と話した。チュニジア経由で地中海を渡り、パリまで3カ月がかり。道中で密航業者にナイフを突き付けられたといい、手首の傷痕を見せた。

産経新聞より

移民が悪いという積りはない。だが、急激に移民が増加するとどうしても文化の軋轢が発生する。少しずつ受け入れるならばともかく、大量の移民が押し寄せれば、どんなに優れた政策をしていたとしても、トラブルにはなる。

警官による発砲の基準が緩和された原因があって、結果がある。それだけの話だとも言える。

4夜連続

で、7月1日にも暴動が継続して発生して収まっていない。

仏暴動4夜連続、994人拘束 内務省

2023年7月1日 16:20

仏内務省は1日、17歳の少年が警察官に射殺された事件をめぐり4夜連続で行われた抗議デモで警察が拘束した参加者は全国で994人に上ると発表した。

6月27日にパリ郊外でレンタカーを運転していたナエル・Mさんが停止命令を無視し、警官に撃たれて死亡した事件をきっかけに抗議デモが広がり、一部が暴徒化した。

AFPより

もはや「抗議デモ」を切っ掛けとした暴動であり、制御不能な状況になっている。

これは当面、状況を収めるためにマクロン政権も苦労しそうではある。で、結局のところこの問題の根源にあるのは、安易な移民推進政策なのだ。

それ故に、極右勢力を利する環境がさらに醸成されるだろうという風に予想される。

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追記

うーん、これ、当面厳しいのかな。

フランス南部マルセイユで衝突と催涙ガス 警察による少年射殺に抗議続く

2023/7/2

パリ郊外で警察が少年を至近距離で射殺したことへの激しい抗議がフランス各地で5日間にわたり続く中、南部マルセイユでは7月1日、市民と警察が衝突し、警察は催涙ガスを使った。現地当局によると、少なくとも56人が逮捕された。この日の全国での逮捕者は、少なくとも322人に上るという。

BBCより

収まる気配を見せない、パリの暴動。

過激さを増しているようだ。

もはやこの段階において、「自然鎮圧」などと言っていたら当面は沈静化することは無理だろう。フランス大統領は戒厳令を出す決断をすべきだ。

もはや暴動している人々に理性はないし、秩序は崩れてしまった。

追記2

コメントで情報を頂いたのだけれど、コレは凄いなぁ。

後の方の方が書いているけれど、もはや内戦(Civil war)の様相である。

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追記3

Twitter情報で申し訳ないんだけれども、これ、何かの特撮かと思ったよ。

https://twitter.com/SakemotoMasao/status/1675620006728704001

トラックに黒づくめの男達がすし詰めで運ばれて、パリ市内で……。組織的なテロかな。情報の正確性に関しては分からないんだけど。

コメント

  1. アバター 河太郎 より:

    こんにちわ。凄いですねぇ。黄ベスト以来ですか車どんどん燃やすの。
    仏に嫁いだ従妹いますんで、少しメールで聞いてみましたが。従妹の旦那は木霊様と似た職の純正フランス人ですが。
    黄ベスト着てデモ参加していた彼としても、今回は賛成はしかねていると。
    警察力が強硬なのは、やはり移民問題が背景にあるんですね。そこセンシティブな問題を内包するので、あまり口にしたがらない。ただ……保守派でインテリな層には、こうした暴動がトリガーで、移民たちへの圧が強まる事を期待するむきもあるようです。暴動は必ずしも移民主体とは限らないが、基本は貧困者の参加が多い。すると逮捕者も移民の割合が多くなる。その結果として規制やら何やらがやりやすくなる。そういう処を内心に望んでる気配があるそうで。

    • 木霊 木霊 より:

      この話はマイルドに表現しましたが、結局のところは移民問題に行き着くと思います。
      問題の根幹が「経済的理由」に基づくものであれば、困窮者に対する職が与えられることである程度改善可能だと思います。
      ただ、「文化的理由」に基づくものだとすると、解決は絶望的でしょう。「宗教的理由」又は「民族的理由」に根ざすものだとすると、解決できた歴史を知りません。

      「保守派でインテリな層には、こうした暴発がトリガーで」の下り、コレは既に数年前からあって、欧州で極右勢力が台頭して、政党が出来つつある背景がまさにそのあたりの影響なのでしょう。マクロン政権は長くないかも知れませんね。次こそマリーヌ・ル・ペン氏がトップに近いところに座ることになるのかも知れません。

  2. アバター BOOK より:

    木霊様 皆様こんにちは

    う~ん
    >移民が悪いという積りはない。だが、急激に移民が増加すると

    既に綺麗ごとで済む事態じゃない気が

    >人数にすると約700万人
    >人口の5分の1が移民という状況。ところが、移民の3分の2は市民権の取得に至っていない

     すなわち470万人が居座り外国人。

    既にEU中堅国フィンランド、デンマーク等の総人口を上回っている。
    (日本だと静岡県の総人口を上回り北海道・福岡に迫る)

    すごい人数ですよね。これって移民?難民ですか?

     少なくとも人数規模としては「民族移動」に達してると思うのですが

    歴史的には小国~大帝国まで様々な国の滅亡原因となった「民族移動」

    >「抗議デモ」

    >を切っ掛けとした暴動

    なんでしょうか? 少なくとも黄ベスト運動とは「異質」

     「半武装蜂起」 にそろそろ迫っているのでは

    歴史に学ぶならキレイゴトで「民族移動」を容認などしちゃいけない。
     すれば超大国でも国家存亡の一大事じゃないかなあ?

    • アバター BOOK より:

      あ、一応追記

       民族移動で一番有名な 古代(西)ローマ帝国-ゲルマン民族の大移動による絶滅、、、ってやつだけど、これは突然の出来事じゃなく、帝国最盛期でさえ皇帝の主要任務は北の蛮族(ゲルマン民族)からの帝国防衛だった訳で、その過程で逆に蛮族の国(現在の仏・独・英とか、、(笑)を征服しつづけることで大帝国となっていったわけです。

       ゲルマン民族の大移動は、数百年間常にあった。帝国は 内部衰退しそれを止められなくなったため滅びたわけです。(今に写すとどういうことになりますか、、、)

      (帝国衰退の主因が、移民の労働力に頼り、ローマ人が働かなくなっていった、、、、ローマ市民権:国籍を安売りした、、、とかお笑いですが)

      ちなみに移動の根本原因は気候変動と言われてて、それで欧州があれほど気候変動にアレルギーがあるかもですね。

    • 木霊 木霊 より:

      スミマセン、綺麗事いいました。
      アメリカの失敗記事でも触れましたが、移民を社会に招き入れることというのは、綺麗事で済まないことの方が多いと思いますよ、実際。

      そもそもフランス経済も移民に頼る部分が結構あるので、今更方針転換も難しいのでしょうが、結構ドラスティックな政策を打ち出さないと、保たないかもしれませんね、フランスという国家自体が。

      • アバター BOOK より:

        木霊様 皆様こんばんは

        >スミマセン、綺麗事いいました。
        イエイエ、かく言う私の方はキレイゴトならぬ妄想かも?ですし、ただ私が勝手に「民族移動レベル」と言った大規模だと、移住側の意識は移民でに住みつかれた側からは侵略と言う困った場合も多かったと想像、、、宣戦布告などというシステムはごく近代のシステムであって、長い歴史上では侵略戦争と大規模移民の間に明確な線引きは存在しません、、、そもそもインディアン側から見ると欧州民族の大規模侵略によって誕生した国家がアメリカですし

        以下確信犯てき妄想

         視点を「地質年代」ぐらいまでの超グローバルに広げてみましょう。 「温暖化・CO2増加」 は実は共に「地球の植物・生物繁栄」で見ると「今より良い条件」です。(過去のそうした時代、例えば恐竜時代の過剰な植物の化石が今の石炭)

         ただし問題は各生物種の「最適居住地域、主に緯度」がシフトし、動物であれば人間の民族移動を桁違いで上回る「動物移動」が起きていた化石的証拠がいくつも見つかっています。
         (連動して世界各地に人間がいる。人間って環境適応性がスゴイのですよ。衣服・住居の発明で)

         今の大問題は温暖化速度の抑制、今世紀末までに1~2℃以内は達成できそうにないこと。主な理由は欧州SDGs利権がCO2排出抑制の方法をウソで捻じ曲げたことですね。

        例えば電気自動車ってのはCO2の排出場所を自車から発電所にシフトさせただけのシロモノで、働きは送電線と同じです。 CO2を1ccだって減らしてるわけじゃありません。 でも例えば電気自動車専業「テスラ」の最大収益原は「CO2排出権の販売益」です。
         実際にはCO2減らしていないのだから、こんなの基準の決め方でどうとでも出来る。

         しかも救われないのが「先物市場」が既に成立してて、こうした金融経済の一般として、ありもしないCO2削減成果が、実態の数倍の規模で踊っている。。。。。。。 破綻確実ですが、破綻したかどうかの判定方法までアイマイと言う、地球環境のことなどどうでも良く今自分が儲かるかどうかがSDGs利権の関心どころなのでしょう。

         ハナシを「温暖化・阻止できない」にもどすと、ワタシのいーかげんな計算に基づくと今世紀末までい5~7℃上昇、本来地質年代的変化が100年以下で進行する恐ろしい事態で。

         それでも人類種は移動が得意なので絶滅はしないだろうけど現住居地では生存できなくなる人口はいかほどか?

  3. アバター 音楽大好き より:

    木霊様、皆さま、今晩は

    フランスの事件ですが、これは「ヨーロッパの」事件ですね。
    結局は「不法移民の問題」で、ヨーロッパ南部(アフリカに近い)が問題なんでしょう。ボートピープル(不法移民)を殺すわけにもいかず、といって、送り返す先もない(送り返す≒殺すだから)。奴隷に近い待遇で働かせたりするわけにもいかないし。
    非難されるのは【不法移民を送り出した国(国民がまともな生活ができないような政治をしている国)】ではなく【不法移民がたどり着いた国】なんですよね。対応のしようがない。

    そのような「まともな政治が出来ていない国」に何らかのペナルティーを課しても、不法移民が増えるだけ・・・。

    我国の近くにも「困った国」がありますが、今のところ「いやがらせ」レベルなんで、「幸運」と思うべきなんでしょうか?? 対策を考えておく必要がありますね。「困った国」の支配階層には大打撃で、そこの国民にとっては何でもない、といった策があればいいんですけど。

    • 木霊 木霊 より:

      ご指摘通り、ヨーロッパの事件ですね。
      もっと言えば、EUの失敗とも言えます。
      シェンゲン協定があるので、一度国境を超えてしまうと来る移民を拒むことが難しい。そして、意図的に国境通過させる国があるので、まあ、そういうことになるのでしょう。

      我が国近くにある困った4カ国は、それぞれ思想信条は異なりますが、何処も移民を送り込んでくる構えですね。
      もはや、入ってきた時に厳しく取り締まるしか無いんでしょうかね。

  4. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    いやもう、もうね。
    笑うしかありませんね。

    https://twitter.com/Mossie633/status/1675396635684372480

    何がしたいのかはわからないが、「北斗の拳」ッぽいっ事だけはわかる。

    https://twitter.com/noradjapan/status/1675494413886427138

    警察署にRPGって。
    事件の推移が沖縄のアレと酷似しているだけに、変な笑いが出て来ます。
    といいますか、どうして暴徒がRPGなんか持ってるんだ?

    • 木霊 木霊 より:

      映像で見ると、かなり酷いですね。
      日本のメディアが映像でこういた状況を報じる日は来るんでしょうかね。
      伝えたとしても、表面をなぞるような内容になるのかも知れませんが。