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追悼碑が撤去される経緯を整理する

報道
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これはヒドイ。

(社説)朝鮮人追悼碑 知事は撤去を中止せよ

2024年1月30日 5時00分

過去を記憶にとどめ、反省し、友好につなげる。多くの人々の願いがこめられた朝鮮人追悼碑を、きのうから群馬県が撤去し始めた。にわかには理解できない暴挙だ。ただちに中止するよう山本一太知事に求める。

朝日新聞より

朝日新聞の酷さが分かる社説なのだが、何がヒドイかという話を整理しておかないとダメなんだろうね。

ルール破りがあったことが全て

概要

碑の正式名称は「『記憶 反省 そして友好』の追悼碑」で、直径7・2mのコンクリート製の土台に、幅約4m、高さ約2mの碑文壁や高さ約4mの塔などが配置されている。

建設は平成12年に計画が持ち上がって、平成16年に群馬県が「政治的な行事を行わないことを条件」に、追悼碑の設置許可を出したため、建設が始まった。

ところが、追悼碑の前での追悼行事には、様々な団体が参加して政治的アピールが行われた。

このことを問題視した群馬県は、平成26年に設置期間更新を認めず、このことを不服とした追悼碑管理団体が同年11月に訴訟を起こした。

しかし、令和4年に原告敗訴が確定。この判決に基づいて県側が団体に撤去を求めたが、団体側がこれに応じなかった為に、行政代執行による撤去が令和6年1月29日より2月11日までのスケジュールで行われるに至った。

ポイントを整理しよう。

  1. 政治的アピールなしという条件で追悼碑の建設許可が下りた
  2. 政治的アピールは行われ、設置期間更新は認められなかった
  3. 訴訟が起こされ、原告敗訴
  4. 群馬県側の撤去要請に、原告側は応じない
  5. 行政代執行による撤去に至る

うーん、何も問題はないな。

どんな政治的アピールが行われたのか

さて、この話のポイントにしたがって、「政治的アピール」とは何なのか?という話から整理していきたい。

県側は12年の式典のあいさつで「強制連行」との発言があったことについて、「政治的な行事をしない」との条件に違反したとの見解。守る会は設置不許可を違法だとして提訴。22年に「不許可は適法」とする高裁判決が確定している。

TOKYO ART BEATより

ふむ、政治的発言をしたのは誰だったのか?はこのサイトの情報からは不明だが、発言があったことは事実なんだろう。裁判所も認定したしね。

追悼碑の撤去方針に反対/東京歴史科学研究会が声明

2014年07月25日 14:57

東京歴史科学研究会は22日、群馬県による朝鮮人強制連行犠牲者追悼碑の撤去方針に反対する声明を発表し、追悼碑の存続を求めた。

~~略~~

2012年に同会が追悼碑前において開催した追悼集会で、参加者から強制連行に関して日本政府の責任を追及する発言があったことについて、県は「政治的」であるとして、県の設置許可基準に抵触するとの判断を示した。

朝鮮新報より

この朝鮮新報、会員制のサイトなので、詳しい情報を得ることは難しいのだが……。

群馬県で強制連行犠牲者を追悼、「記憶 反省 そして友好」追悼碑

2012年05月15日 13:16

日本の植民地時代に強制連行され過酷な労働を強いられて群馬県内で犠牲になった朝鮮人を追悼する集会が4月21日、群馬県立公園「群馬の森」にある「記憶 反省 そして友好」の追悼碑の前で行われた。「追悼碑を守る会」が主催。同胞、日本市民ら約160人が参列した。

朝鮮新報より

自供しているな。参加者は民団、総連の県の代表者や、東京朝鮮人強制連行 真相調査団の局長、県議や町議、市長などが参加している。大々的にやったんだろうねぇ、政治的な活動を。

なお、平成26年5月には、追放碑を守る会が不適切な発言があったことを認めている。こちらのサイトに詳細が紹介されている。

「群馬の森」朝鮮人追悼碑情報

まあ、約束破りがあったことは、最早、争点ではないのだ。ここは重要なポイントである。

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訴訟に関して

さて、この件では訴訟が行われている。

2004年に建立された碑は、12年に碑の前で行われた追悼式で「強制連行」という「政治的な発言」がなされたとして、「碑文が反日的」だと主張する排外主義団体の抗議が県に相次いだ。その後、守る会の碑の設置期間更新許可申請を14年に県が不許可処分したことを受け、同年11月、守る会は県を相手取り前橋地裁に提訴。18年の1審判決では県の対応が「裁量権の逸脱」だと認められて守る会側が勝訴したものの、東京高裁では一転敗訴。22年6月に最高裁で上告が棄却され、高裁判決が確定した。

朝鮮新報「群馬の朝鮮人追悼碑撤去問題/存続訴え市民団体が集会」より

まあ、流石に勝訴は難しいよね。

何しろ、「裁量権の逸脱」というのは荒唐無稽な話で、設置許可と継続許可は県側の裁量の範囲内である。

朝鮮人追悼碑の不許可は「問題なし」 最高裁で群馬県の勝訴確定

2022年6月16日 18時00分

群馬県高崎市の県立公園にある、戦時中に労務動員されて亡くなった朝鮮人労働者の追悼碑をめぐり、県が設置期間の更新を不許可としたのは違法だとして、碑を管理する市民団体が取り消しを求めた訴訟の上告審で、最高裁第二小法廷(岡村和美裁判長)は団体の上告を棄却した。不許可は適法とした二審・東京高裁判決が確定した。15日付の決定で、憲法違反などがないとだけ判断した。

Web魚拓より

そして、最高裁で憲法違反ではないということが確認され、司法的には決着がついた話なのだ。つまり、上述したポイントの3番目までは、原告側も争ってはいない。ポイントの4と5が問題なのである。

撤去するしかない

つまりこの話は、人権とか歴史改編とか、そういうステージにある話ではなく原告側が県側と適正に契約を行い、その契約が原告側によって履行されなかったので、現側が再契約をしなかった、と、それだけの話なのである。

「ルールに反したことがすべて」群馬の山本知事、朝鮮人追悼碑撤去で

2024/1/25 17:57

群馬県の山本一太知事は25日の定例会見で、高崎市の県立公園「群馬の森」にある朝鮮人追悼碑を行政代執行で29日から撤去することについて「碑文や設置の趣旨に問題があるといったことではなく、設置の際に定めたルールに反したことがすべてだ」と語った。そのうえで、「最高裁まで審議して下された決定に従い粛々と処理する」と従来の立場を強調した。

産経新聞より

群馬県知事の山本一太氏はエキセントリックな人物ではあるが、この件について言っていることは真っ当である。

そして、県が司法判断に従い、行政代執行をするというのは、当然の行為である。分かっているか?沖縄県知事よ、オイ。

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メディアのおかしな主張

荒唐無稽な朝日新聞

でまあ、ヒドイ内容の朝日新聞の記事なのだが、ちょっと頭がおかしいのではないか。

事の発端は、県立公園内にある追悼碑を疑問視する人々が「反日的だ」として撤去などを求め始めたことだった。

朝日新聞より

これが先ず事実誤認である。

「そよ風」などの団体が追悼碑の存在について問題視していたことは事実だが、今回の話は司法の場に持ち込まれて判決が出たのだから、スタートはどうあれ、判決に対して真摯に対応するのは行政としては当然の話である。

政治的行事を禁じた設置条件に違反があったと県は主張する。「強制連行の事実を訴えたい」などの発言があったことは団体側も認めている。しかし、その後は碑の前での集会を自粛するなど対応しており、この10年ほど「問題」は起きていないという。

朝日新聞より

10年ほど問題は起きていない?そりゃそうだろう。だって、訴訟に踏み切ったのは平成26年である。それ以降に原告側が問題を起こすのであれば、それこそ阿呆のやることだ。

そもそも「自粛」であって「取り止め」ではない。実際に政治的活動が行われていなかったかどうかは怪しいところである。あくまで大々的に行われず、行った証拠が見られないと、それだけなんだろうね。だが、そこは今回の争点ですらない。

しかし、司法は撤去まで求めてはいない。また、二審判決は形式的なルール違反を過大に重要視する一方、憲法が保障する表現の自由への悪影響に対して目配りに欠けており、承服しがたい内容でもある。公園で「強制連行」を語ることを一律に禁じるべきなのかも疑問が残る。

朝日新聞より

裁判で争われていたのは県側の設置更新拒否の手続き面の話である。これが適法であれば、どうあっても追悼碑は違法建築物であるとの誹りは免れない。そして、違法状態を改善するために原告団体側に要請していたが、これを無視してきたのは原告団体側なのだから、行政代執行で撤去は当然の帰結だろう。

「撤去に突き進む県の姿勢は不可解だ」とあるが、どう考えても朝日新聞側の主張が不可解である。

東京新聞も追随

なお、似たような論説を書いたのは東京新聞である。安定のサヨクっぷりだな。

友好への思い 記憶と反省 行政代執行を開始 朝鮮人追悼碑の建立から20年 群馬県の市民団体「引き継ぐ活動続ける」:東京新聞 TOKYO Web
群馬県の行政代執行による朝鮮人労働者追悼碑の撤去が29日、高崎市の県立公園「群馬の森」で始まった。碑を管理していた市民団体は「追悼碑が...

もはや引用する価値もない。……と思ったら、面白いことが書いてある。

県はこの司法判断を基に「不許可のまま設置されているのは違法。撤去要請に応じないのは公益に反する」とし、撤去と原状回復を市民団体に求めた。数回の協議が行われ、移設地として払い下げ可能な土地の提示もあったが、アクセスの問題などで団体側は受け入れず、進展はなかった。県は撤去に応じなかったとして、行政代執行に踏み切った。

東京新聞より

群馬県側は代案を用意していたんじゃないか!どのような土地が提示されたかは知らないが、原告団体側が我が儘を言っただけのようだね。

追悼碑は平成16年、市民団体の申請に県が「政治的行事を行わない」との条件付きで認めたが、追悼式で「強制連行の事実を訴え、正しい歴史認識を持てるようにしたい」などの発言があり県は26年、許可を更新しなかった。その後、訴訟となり令和4年、最高裁で市民団体側の敗訴が確定。県は碑の撤去と原状回復を求めて協議を続けたが、平行線をたどっていた。

産経新聞より

産経新聞の記載は良く纏まっていて分かり易い。

山本知事は「追悼碑は現在、静かにたたずんでいる」とする市民団体側の主張にも「静かにたたずんでいるのなら、そもそも裁判にはならない。最高裁まで行った以上、その決定に従う」と繰り返した。

産経新聞「「ルールに反したことがすべて」群馬の山本知事、朝鮮人追悼碑撤去で」より

まあ、群馬県記事の山本氏の発言が全てだろう。

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韓国系メディアは興奮気味に批判

なお、中央日報はこんな感じである。

日本市民「朝鮮人追悼碑の撤去は蛮行」
中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします
[ルポ]撤去危機の群馬「朝鮮人追悼碑」…「韓日友好20年の象徴、なぜなくすのか」
撤去を決定した群馬県に行ってみると

もう、言及するのもばからしい。そもそも群馬県のこの地に追悼碑を建てた理由がイマイチハッキリしない。確かに群馬県においても朝鮮人労働者が働いていたという記録はあるのだが、強制連行の事実は終ぞ確認されていない。

つまり「強制連行」は確認された歴史的事実ではなく、日本政府としてもこの言葉を使用してはいない。何が「強制連行」なのかも、実はかなり曖昧なのである。朝鮮人労働者が過酷な労働をしていた事実はあるが、それは日本人労働者と何か特別に差が付けられたという話も確認されていない。それなのに、この始末である。

韓国側は国民情緒法が支配する国なので、このような記事になるのも仕方がないのだが、日本政府としても間違いは正さねばならない。

そもそも日本は法治国家なのであって、群馬県もこの件に関しては丁寧に対応している。しかし、司法での決定を行政が率先して破るわけには行かないのである。分かっているか?沖縄県知事(2回目)。

まあ、それだけの話なんだけど、それにしても朝日新聞の社説はヒドいな。

コメント

  1. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    「約束破ったのだから、当然の措置」
    これ以外に言う言葉はないのですが……ねぇ。

    思いますに、追悼碑というものは、
    ・本邦では、文字通り、死者を悼み、静かに、己の行いなどを反省し今後に生かすもの
    ・彼らには、単なるアジテート、デマゴーグの象徴
    なのでしょうね。

    だから、中華文明とその末裔は、平気で人の墓をダイナマイトで吹っ飛ばせるのでしょう。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      何というか、そもそも韓国人労働者の件は、日本側が特に反省するようは話じゃないんですよ、そもそも。
      確かに韓国人が日本で労働して、それが日本の産業を助けていた事実はあるのでしょう。今回の話はそれを否定することじゃないんですよね。知事も損なことは一言も言っていない。プロパガンダに使うなと言う約束を破ったことが全てなのです。

      追悼碑のあり方が異なるということは、考えても見ませんでしたが……、ありそうなことですね。

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