うんまあ、そりゃそうなんでしょうよ。支那が、正しい数字を出してくるケースは滅多にないから。
中国のCO2濃度、公表の1・5~3倍で増加…環境省が観測衛星で分析しCOP28で発表へ
2023/12/08 05:00
環境省は、中国の二酸化炭素(CO2)濃度の年間増加量が、中国が公表している排出源などの情報を基に計算された数値の約1・5~3倍に上るとする報告書をまとめた。中国の情報が不正確な可能性があるという。報告書は9日にも、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催中の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で発表される。
讀賣新聞より
それにしても1.5倍~3倍か。良くもまあ過小報告したモノである。というか、今の数字でも支那だけで世界二酸化炭素排出量の1/3を占めていたんだが。
偽りの国
報告は嘘でした
昨日の記事、こちらでも言及していたのだが。
引用している円グラフは2020年のものだが、2021年以降に排出量を減らしたという話は聞かないので、間違いなく増えているのだろうね。
これが、支那が公表している数字での円グラフだったのだが、実は違うのではないか?と、日本の環境省がバラしたようなのだ。GJだぜ。
報告書によると、日本の温室効果ガス観測衛星「いぶき」が、中国の約7万7000地点で、2009~22年のCO2濃度の年間増加量を観測したところ、0・6~1・2ppm(1ppmは1万分の1%)だった。これに対し、各国が公表する化石燃料使用量や発電所数などの情報に基づいた国際的なデータベースによると、中国のCO2濃度の年間増加量は0・2~0・8ppmで、衛星観測の値が約1・5~3倍に上った。一方、日本と米国についても同様の条件で調べたが、衛星観測とデータベースの数値に食い違いはなかった。
讀賣新聞より
しかし、国際的なデータベースに報告した数字が違っているとは。……やっぱり。
石炭輸入量を増やしている
そもそも、支那が二酸化炭素排出量を減らしたところで、支那にとって何の利益もないのである。減らすはずがない。
8月の中国の石炭輸入、過去最高 4430万トン
2023年9月8日午前 9:31
中国税関総署が公表した8月の同国の石炭輸入量は前年同月比53%増の4430万トンと、少なくとも2015年以来で最高の水準となった。前月比では12.9%増。これまでの最高は、20年1月の4356万トンだった。
南部の四川省や雲南省などでは雨量が少なく、水力発電の発電量が減少。これを補うため、火力発電用の石炭需要が増加した。
ロイターより
今年の9月にはこんなニュースもあったが、ここ数年のデータを見ても支那は石炭輸入量を増やす傾向にある。
支那では電力需要に対して供給量が足りていないので、石炭火力発電で補っている部分と、民需で暖房に用いる目的で石炭が用いられている部分があって、毎年大量の石炭を利用しているという実情がある。
支那国内での石炭生産量を増やしているが、追いつかないのが現状である。
中国:2023年度の石炭生産量は増加するが、増加率は低下する見込み
掲載日:2023年10月27日
10月16日付の地元メディアによると、中国社会科学院の国際エネルギー安全保障研究センターは「Blue Book of World Energy – Annual Development Report on World Energy 2023」報告書で中国の2023年度の石炭生産量は増加するが、クリーンエネルギーへの要求が高まっているため、増加率は低下する見込みだとした。
同報告書によると、石炭は、同国の資源保有量とエネルギー安全保障を考慮すると、同国の主要なエネルギー源としての役割を果たし続ける。同国の2022年度の石炭生産量は前年比9%増の45億トンと過去最高の生産量を記録したが、2023年1月~8月の石炭生産量は前年同期比3.4%増の30.5億トンになっている。
JOGMECより
需要が減っているよ!クリーンエネルギーの要求が高まっているね!という記事も出ているけれども、全体的に需要が増えている実態は変わらない。
中国、石炭生産備蓄システムを2027年までに構築へ
2023年12月6日午後 5:00
中国の国家発展改革委員会(NDRC、発改委)は6日、価格の安定と供給確保に向け2027年までに石炭生産の備蓄システムを構築する方針を明らかにした。
ロイターより
更に、石炭の備蓄体制も強化する予定なんだそうだ。
石炭だけを悪者にするつもりはないんだけど、石炭1つとっても化石燃料への依存状況が分かる。原子力発電所も凄い勢いで増やしているんだけどね。
カーボンニュートラルを推し進めるも
なお、直近の情報で支那はカーボンニュートラル達成に邁進しているという情報が盛んに報道されていた。
カーボンニュートラル達成に向けた中国政府、企業の対応状況
2023年8月8日
地球温暖化問題は、世界で注目されている課題である。温室効果ガス排出削減のため、各国は脱炭素社会の実現に向けて目標を立ち上げている。世界最大のエネルギー消費国かつ二酸化炭素(CO2)の排出国である中国は、CO2排出量の削減に向けて、2030年までにカーボンピークアウト、2060年までに実質的なカーボンニュートラルを実現することを目指している。この目標達成に向けて、中国政府や企業が数多くの政策や行動を打ち出している。本稿では、中国政府の関連政策や、企業事例および日系企業の動向などについて紹介する。
JETROより
曰く、習近平氏がカーボンニュートラル達成を掲げたので、政府や企業が次々とその方針を打ち出したんだとか。
2022年6月には、住宅都市農村建設部と国家発展改革委員会が「都市・農村建設分野におけるカーボンピークアウト実施方案(以下、実施方案)」を発表した。同実施方案では、グリーンで低炭素な建設を推進することと定められた。目標としては、2025年まで都市部の新規建設物件にグリーン建築基準(注1)を全面的に適用させ、同基準に適合する建物の割合を30%以上、政府投資による新規建設の公共物件・大型公共物件のすべてを1等級以上にする。2030年まで建築材料の消費量を2020年比で20%削減、建築廃棄物の再利用・リサイクル率55%にすることが示された。
JETROより
だが、その内容がなかなか面白い。曰く、「グリーン建築基準に適合した新規建設を進めるぜ!」という。
……まだ、マンション建てる気なんだ。
その他、企業の協力を得て省エネを促進し脱炭素に務めるって事らしいのだけれど、その取り組みは各企業に任される方針のようだね。
何れにしても、大目標として掲げているカーボンニュートラル達成は2060年と随分先に設定されているし、ピークアウトは2030年なので、まだまだ増やす気らしいことは間違いが無い。だからこそ、数字の上では減らしましたと言うことなのだろう。国際的な批判もかわしたいので、過小報告をしているってことらしい。
そうでなければ、おそらくは世界の二酸化炭素排出量の半分を占める状況なんだろう。
まあ、何にせよ、日本側がしっかりとした資料を持ち出して、指摘したというのは喜ばしいことだよ。多分、日本が化石燃料依存を強めているというステマを煽動しているのも、某国の工作機関の仕業だろうから(憶測である)。
追記
自白か。
「化石賞」なぜ日本ばかり? 中国、際立つ少なさ―COP28
2023年12月09日20時32分
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催中の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で、日本が温暖化対策に消極的だとして、国際的な環境NGO「CAN」から不名誉な「化石賞」を2度も贈られた。温室効果ガスを大量に出す石炭火力発電を使い続けているのが理由だ。一方、世界最大の温室ガス排出国である中国は化石賞にほとんど縁がない。
~~略~~
中国が化石賞に選ばれない理由について、CAN関係者は「中国国内でのNGO弾圧につながる可能性もあり、あまり刺激したくないのでは」と分析。その上で、日本に対し「化石賞には批判だけでなく、政策改善への期待も込められている。世界にもっと貢献してほしい」と話した。
時事通信より
日本には文句が言い易いから、って、バッカじゃないの?
コメント
ちと環境から離れますが、でも記事と大関係あるお話です。
んーと、いま中国で若者の失業率が公開情報(昨年から発表停止中)で約20%。
実態は45〜60%と推定されてます。
んで、どーしてそうなるの? と、環境問題は実は同源なんですね。
たぶん北京政府の中枢でも「実際のところ」が把握てきてない。上に、頂点のキンペーくんに粛清されたくないから、公式書類としても「うっそ〜」を載せる、
その嘘の上に経済やら何やら政策を立てるから、現場と乖離して、その乖離がどんどんどんどん拡大してゆく!
もはや政府の中枢も何が何だか解らなくなってるのでは?
実際、大躍進も文革もそうでしたし。
中国の発展を半世紀遅らせるの解ってて止められなかった。止めようとしたら自己批判させられた後で紅衛兵に撲殺!
また、これが再来してるだけかと。
たぶん「騙そうとしてる」だけでなく、
自分らがフェイクを通貨みたく使いすぎて、もう「本当」が解らなくなてるかと。まぁカオスですね。
支那の数字は、地方政府から出されたものを中央政府が纏めるスタイルですが、地方政府が中央政府のオーダーを満たすように数字を歪める事が多い。
それはご指摘のように大躍進政策の時がそうであったように、今回も一時的に「集団指導体制」に移行して多少まともになったにも関わらず、それを辞めてしまったために逆戻りというわけですね。