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【ドラマチック・コリア】これからアパートの価格はもっと下がる!

大韓民国ニュース
この記事は約8分で読めます。

ちょっとニュースの内容が面白かったので、記録の意味を込めて記事にしておく。同じ趣旨の記事はシンシアリー氏も書いているね。

「アパート値最大30%下げる‥今からドラマチックになる」

入力2023. 11. 14. 15:07修正2023. 11. 14. 15:12

22億江南アパートが3ヶ月ぶりに8億ウォン急落して14億ウォンで取引され、近隣の他のアパートも3ヶ月で4億ウォンも下げて取引された事実が最近、国土交通部の実取引が公開システムを通じて確認しました。

Daumより

「ドラマチック」って言葉の使い方が凄いな。ただ、ニュースの内容は、不動産価格が下落しているよと言う話ではある。

「ドラマチック」に不動産価格は下がるのだ!と報じられる

不動産バブルが弾ける

支那の不動産バブルの話は動向が掴みづらいが、一応民主主義かつ資本主義経済を採用している韓国の場合は、話が分かり易い。

今年の2月と7月に似たような記事を書いていて、「もうダメだー」という意味合いの言及をしているのだけれど、上がりすぎた不動産価格はいつかはその反動で暴落する。

尤も、日本のバブル崩壊とは意味合いが違う為に、「不動産バブルが弾ける」という言葉を使うことは、余り適切では無かったかも知れない。ただ、構図としては不動産価格上昇は「決して下落することがない」という土地神話に支えられていた点は類似していて、一旦下落に転じてしまうとその勢いを減じる事が難しい。

韓国の不動産価格も、おそらくは似たような状況になるはずで、支那の不動産神話の崩壊に引き摺られる可能性が高いので、これに韓国政府がブレーキをかけることは出来ないだろう。

ここにマンション売り物が最近急速に増え、オークションまで2016年以降最大値を記録しながら今年に入って反騰していたマンション値が再び下落傾向に入ったという見通しが力を得ています。

Daumより

実は、韓国政府は既に不動産取り引きに対して梃子入れをして、一時期その価格は反発していたのだけれど、効果が薄くなってきたので下落しているということだ。

3年間で15万人が複数の住宅を購入

こうした値動きになっている理由は、割と支那と似た構図になっている。

韓国で「1人が793軒購入」という不動産「異常」売買

2023年10月13日 13:00

韓国では最近3年間に、全国で15万人余りが複数の住宅を購入した。その総額は100兆ウォン(約11兆円)に上る。1人で数百軒を購入した事例も複数あった。

国土交通省の資料によると、2020年から今年8月まで全国で住宅を2軒以上購入した人は計15万1513人で購入総額は計99兆6584億ウォンだった。

中には1人でソウル144軒、仁川468軒、京畿道181軒と、首都圏だけで793軒を購入していた事例もある。売買価格は平均1億4600万ウォンだった。

200軒以上購入した人は計9人。この人々が購入した住宅は計3919軒で、仁川が1800軒(45.9%)で最も多く、京畿道848軒(21.6%)、ソウル775軒(19.8%)と、首都圏が87%を占めた。

AFPより

住宅価格高騰を当て込んで、一人で793軒の不動産を購入した事例もあったというから、凄いというか何というか。当然、自分で住む目的で購入したのではなく、不動産投資を行っていたモノという理解でいいだろう。

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何故そんなに物件を持っていたのか

何故こんな多くの物件を所有していたか?ということなのだけれども、おそらくは韓国文化が原因である。

どういうことかというと、韓国の文化には傳貰(チョンセ)という制度があって、物件の所有者は借り手に保証金として物件の価格の7割程度の保証金を支払い、借り手は物件を一定期間借りることが出来る。この時に、月々の家賃は発生せず、退去時には保証金を全額返還して貰えるという夢のようなシステムである。何しろ、借り手は実質タダで物件が借りられるからだ。

尤も、「タダ」と言っても見せかけだけで、実際には借り手が物件を借りる時に多額の費用が必要になるため、この費用を銀行から借りる事で工面するとなると、毎月の返済が発生することになる。つまり、家賃を支払っているのと余り変わらない。が、最終的にお金が返還されれば一括で支払いが可能なので、返済金額の調整さえ上手く行けば安く物件を借りられる事にはなる。

じゃあ、物件の所有者はどんな得があるのか?といえば、一時期にまとまったお金を受け取ることが出来るので、このお金を運用することで差益を手にできるというメリットがある。

特に、韓国では長らく不動産の値上がりが続いていたので、所有している物件は持っていれば黙っていても値上がりする。チョンセを利用することで一時期に資金を入手できるので、更に新しい物件を買って人に貸すということを繰り返していたようだ。

特に、ムン君こと文在寅が政権の座にいた時は、値上がりが凄かったことは図を見て頂ければ分かると思う。2020年は前年度比10%も値上がりしていたのだから、不動産所有者は笑いが止まらなかっただろう。一人で多数の物件を保有していていた背景には、そんな仕組みが存在していたからなんだ。

不動産取り引きが停滞

ただ、近年はそういったシステムが崩壊しつつある。

ソウルの不動産価格が暴落、成約件数も過去最低を記録―中国メディア

2023年6月15日(木) 19時0分

2023年6月13日、中国のポータルサイトの捜狐(SOHU)は、韓国ソウルの不動産取引価格が25%下落し、第一四半期の成約件数が昨年度の7割にまで減少するなど、同国統計史上最低値を記録したことを伝えた。

~~略~~

また、今年第一四半期の成約件数について、韓国の不動産情報サービスの「経済10000Lab」社の分析結果を引用し、「今年第一四半期の不動産(マンション、戸建て、ビジネスビルを含む)初購入者数は6万8105人で、10年の統計開始以来、第一四半期での最低値を記録した。22年同期は8万7660人で、前年同期比の77%にまで減少した」と伝えた。さらに今年3月、韓国企画財政省が不動産税産出の基準となる今年の住宅公示価格を前年比で平均18.63%引き下げ、過去最大の下げ幅を記録したことも併せて伝えた。

レコードチャイナより

不動産価格が上がり過ぎたことで、一般人が手を出しにくい金額になってしまったことと、金利の上昇でローンの支払いが難しくなり結果的にマンション需要が減ってしまったことで、この仕組みは崩壊してしまった。

残念なことに、チョンセを利用していると言うことは、確実に返金する必要がある。が、運用が破綻してしまって返金されないケースが多発しているようで、今後数年にわたってこの影響は大きく出ると予想される。

これに対し、投機的な売買や不法贈与など不動産取引での違法行為を防止するための制度整備が必要だという指摘が出ている。

AFPより

政府に投機的売買や不法贈与を取り締まれと言っても、もう遅いと思うんだ。崩壊は始まってしまったのだから。

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ドラマチックと言われましても

それが「ドラマチック」などという言葉を使って表現しているのは、些か不謹慎な話だが、そうとしか表現できない事態が巻き起こる可能性を冒頭の記事は示唆している。

一方、「現在の金利状態が長期化され、内在収益率と安全資産収益率が逆転した状態であることを勘案すれば、長期的に現在価格対比最大30%、最高点対比最大50%水準の追加下方圧力が持続するだろう」と展望した。

~~略~~

報告書を書いた白光製教保証券首席研究院は「今年のアパート市場価格は政策ローンや金利引き下げなどの影響で年間基準プラスで締め切られる可能性が高い」とし「政策ローン終了と市場金利上昇、入居物量増加の影響などで、 2023年10月以降、実取引価格からはややドラマチックな価格下落を見込む」と明らかにしました。

Daumより

ドラマチックなどと言われても、巻き込まれる側の韓国国民は悲惨である。この点は、ムン君の政策も問題ではあるのだが、ユンユンの舵取りも被害を拡大している。

[寄稿]破局の可能性を高める韓国の家計負債…総選挙まで放置していてはならない

登録:2023-08-10 01:27 修正:2023-08-10 23:22

市場の要求は明確だ。家計負債というバブルを取り除くのはやめて、むしろバブルをさらに膨らませてほしいというのだ。新たな不動産購入者が融資を受けて市場に登場してはじめて、既存の不動産投資家は差益を得たうえで、市場から脱出できるからだ。

家計負債の規模が所得によって耐えられる水準なら、このようなシナリオは現実とはなりえない。実際に「借金して家を買え」というような不動産規制緩和策が実施された2014年の国内総生産(GDP)に対する家計負債の比率は76%で、借金をしていなかったすべての経済主体の所得まで動員すれば家計負債問題は解決できる水準だった。しかし2023年現在、家計負債はGDPに対して103%にのぼる。これは韓国国民の所得では決して返済できない水準であり、韓国経済にとって雷管になるのに十分な規模だ。

~~略~~

しかし、状況はこれとは真逆に動いている。金融通貨委員会(金通委)の度重なる家計負債縮小要求にもかかわらず、政府は上半期に39兆ウォン(約4兆2500億円)の特例住宅ローンを不動産市場に注ぎ込み、7月からは逆伝貰(伝貰(チョンセ)は契約時に高額の保証金を賃貸人に預けることで、月々の家賃は発生しない不動産賃貸方式。逆伝貰は不動産価格の下落によって賃貸人が賃借人に保証金を返せなくなったり、安い伝貰住宅が増えて賃貸人が新たな賃借人を見つけられなくなったりすること)に直面しているギャップ投資(売買価格と伝貰保証金の差額だけで不動産を購入し、不動産価格が上がった時に売却する)家に対して総負債元利金返済比率(DSR・債務返済額(元利金)が可処分所得に占める比率)規制の例外を適用している。

ハンギョレより

ユンユンが苦戦しているのは、政権交代した段階で既に制御不能になっていたので、軟着陸させようと色々手を打っているのだが、どうにも逆に状況を悪化させている節がある。

ユンユンの政権支持率は低く、かつ野党勢力の方が強い状況が続いているので、「思い切った政策が打てない」という問題を抱えている。これは来年の総選挙を前にその傾向が酷くなっていて、弾劾裁判待った無しという様な状況になりかねないことも関係している。

つまり、今の韓国政府にはこの住宅価格の下落について打つ手が無いことを意味している。何というか、「頑張ってね」というしか無いんだけど、支那と同じ傾向でも、原因とか採れる対処法が全く違うからなぁ。

コメント

  1. アバター 山童 より:

    なるほど……お隣さんの家計負債率が異様に高いのは、チョンセが影響していたのか……そりゃ借金して家を買えとか、借金して家を借りろ…ではそうなるよなぁ。
    で家主の方も一時金のチョンセは返済せにゃならない訳でしょう?
    投資に失敗するのなんざ容易いでしょうから、家主と店子が連鎖破綻とかあり得るのかも……。焦げ付いた金融機関も……。
    いやぁ、コレでデフォルトになると、何回目の破綻なのでしょう?
    くわばらくわばら。

    • 木霊 木霊 より:

      チョンセだけが問題だとは思いませんが、チョンセがあったことで社会的に不動産投資というのが受け容れられやすい土壌だったように考えています。
      魂をかき集めてでも不動産投資しろ、というのが一時期、韓国国内で囁かれた言葉だったらしいですね。
      ご指摘のような連鎖破綻はコレからですね。

  2. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    この件、シンシアリーさんの所でも出てましたね。
    そして、不動産関係ではありませんが、ウォン円レートが大幅に円安に振れていて、そう言う時は過去に韓国経済がドボンする前兆だと、Money1さんも言ってます。

    「悔し紛れに打つ手がなく、悔し紛れに途方に暮れる」韓国ちゃんの明日はどっちだ?

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。
      ええ、両方読んでますし、シンシアリーさんのところで見かけたから記事にしています。
      Money1さんのところはかなり韓国経済リスクを色々と警告していますね。何れのサイトも、参考にさせていただいております。

      キビシイ状況が続く韓国ですが、来年5月までは苦戦が続く(それ以降苦戦しないとは言っていない)でしょうから。

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