ネットニュースを探したのだけれど、インドがイスラエルを支持したというような内容は見当たらなかった。
イスラエルを支持するもまだ「様子見」のインド
10/10(火) 18:50配信
戦略科学者の中川コージが10月10日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。パレスチナ情勢におけるインドの立ち位置について解説した。
~~略~~
中川)インドは早々に「イスラエルを支援する」と言っています。インドの首相がモディ氏で、インド人民党(BJP)だからということもあると思いますが、いずれにしても、インドの石油消費量は高いわけです。
Yahooニュースより
ラジオで中川コージ氏がインドについて言及した内容がニュースにされている程度だね。
テロとの戦いにあふれる世界
インドはイスラエル支持
では、本当のところはどうなのか?ということなのだが。
インドの公式サイトでインド首相のモディ氏が公式に連帯をすることを認めたことを報じている。
モディ氏のポストの内容を引用した方が分かり易いかも知れない。ヒンディー語で説明されても、翻訳が正しいかどうか分からないしね。
ともあれ、インドはイスラエルを支持するという立場を表明したわけだ。インドの立ち位置からかんがえると、ロシアや支那の立場に寄り添うのか?という気もしたんだけれども、これには事情があるようだ。
カナダとの関係悪化
ご存じのように、実はカナダ首相のトルドー氏がおかしな指摘をしたために、インドとの関係は悪化している。
カナダとインドの関係が、プロレスではないか?というコメントも頂いていて、その可能性も考えては見たのだが、おそらくはトルドー氏が左に行きすぎて空気読めない病気が出たのだろうというのが僕の見立てで、それは今も変わっていない。
インド、カナダ外交官20人超の出国要請=シーク教指導者殺害で対立
2023-10-03 18:39
カナダで6月に起きたシーク教指導者殺害事件で、カナダ側から関与を指摘され反発するインド政府が、同国に駐在する20人以上のカナダ人外交官の出国を求めている。インドの民放「ニュース18」が3日、政府筋の話として報じた。実行に移されれば、両国関係のさらなる悪化は必至だ。
同民放は政府高官の話として、カナダが「テロ捜査に協力しない」ことが外交団の規模縮小を要請した主な理由と伝えた。最終決定はしていないという。殺害された指導者はシーク教徒の多いインド北部パンジャブ州を中心とする独立国樹立を目指す運動を支持し、インド政府が「テロリスト」として指名手配していた。
時事通信より
確かに、カナダで殺害されたシーク教指導者ハーディープ・シン・ニジャール氏は、インド北部パンジャブ州で独立国家を作ろうと画策していた人物である。
インド政府としても暗殺する動機は十分にある。
一方、カナダではシーク教徒が台頭してきていて、なかなか困った存在になっている。とはいえ、トルドー氏はシーク教徒から支持される立場にあるので、積極的にシーク教徒や先住民などを登用する立場になるので、恐らく彼の「インド政府が関与している疑いがある」という発言は支援者向けの内容なのだろう。
パキスタンでテロ
ところで、こんなニュースが。
パキスタンテロ死者59人に 内相、インド関与におわす
2023/10/1 07:54
パキスタン南西部バルチスタン州政府は9月30日、同州にあるモスク(イスラム教礼拝所)近くで29日にあった自爆テロの死者が59人になったと明らかにした。
地元メディアによるとパキスタンのブグティ内相は、敵対する隣国インドの情報機関が過去のテロ事件に関与してきたと主張。
産経新聞より
パキスタンで発生したテロに関して、パキスタンの内相が「インドが関与している」と、まるでトルドー氏のような発言をしちゃったというニュースだ。
別にパキスタンがカナダと仲良しというわけではなくて、インドとパキスタンが犬猿の仲だからそういう話になるわけだ。
で、ここに出てくる「インドの情報機関」というのに関連するニュースがこちら。
アングル:インド諜報機関に突如脚光、西側諸国で静かに活動拡大
2023年10月5日午後 5:51 GMT+9
インドの対外諜報機関、調査分析局(RAW)は近隣諸国にとって恐ろしい宿敵だ。パキスタン、スリランカ、ネパールはいずれも、RAWが政治に干渉し、暴力行為に携わった非合法集団に関与していると非難してきた。
そして先月、カナダのトルドー首相がバンクーバー郊外で6月に起きたシーク教徒殺害にインド政府の諜報員が関与していたと主張したことで、謎に包まれたRAWが世界的に脚光を浴びることになった。
ロイターより
インドには調査分析局(RAW)という諜報組織があって、各国にその人員を配置している。これがテロを起こしたというのが、カナダやパキスタンの主張なのである。根拠があるかは知らないが。
インドは長年テロ対策に躍起に
なお、インドが加害者のような記事ばかり紹介しているんだけど、インド自身も外国からのテロに苦慮している。
米印首脳、国境越えたテロを非難 パキスタンに過激派対応求める
2023年6月23日12:28 午後
バイデン米大統領とモディ印首相は22日、国境を越えたテロを強く非難するとともに、パキスタンに対し同国の領土が過激派組織に利用されないために行動するよう求めた。ホワイトハウスが共同声明を発表した。
共同声明は「両首脳は(アルカイダなど)国連にリストアップされた全てのテロリスト集団に対する協調行動を改めて呼びかけた」としている。
インドは、1980年代後半からカシミール地方でインドの治安部隊と戦っているイスラム過激派を支援しているとしてパキスタンを長年非難。パキスタンはインド側の主張を否定している。
ロイターより
実はパキスタンにも諜報機関がある。軍統合情報局(ISI)という組織をパキスタンは保有していて、これがタリバンを支援していたという話はそこそこ有名である。
パキスタン諜報機関がタリバン支援=アフガン政府顧問
2009年10月18日10:35 午前
アフガニスタンのスパンタ外相の上級政策顧問であるダブード・モラディアン氏は、ロイターのインタビューに答え、同国で自爆テロなどの攻撃を繰り返す武装勢力に対し、隣国パキスタンの諜報機関である軍統合情報部(ISI)が支援を行っているとの見方を示した。
ロイターより
ISIが何処までの実力を備えているかは不明だが、イスラエルのモサドに引けを取らない実力組織であると言われている。
ISIの関与を示す確たる証拠はあるのかとの問いに、モラディアン氏は昨年7月にカブールで2人のインド人外交官を含む数十人が犠牲になったインド大使館での自爆攻撃を例示。パキスタンは当時、この事件を強く非難し、自国の関与を否定したが、モラディアン氏は、ISIの諜報員がかけた電話記録を証拠として挙げ、その情報を各国の情報機関にも提供したという。
ロイターより
そして随分とその対応に苦慮しているんだね。だから、インドとしては「テロは許さない」というスタンスを示すのは、まあ、当然というか。
特に、インド首相のモディ氏はテロに対してキビシイ姿勢を示しているようなので、イスラエルの現状を考えるに、「連帯をする」と表明したことは自然な成り行きのように思われる。
岸田氏も自身がテロの被害にあった、一歩間違えれば命が危なかったのに、あんな惚けたコメントを出すとは。肝が据わっていると言うべきか、平和惚けしていると言うべきか。
コメント
イスラエルで開発された銃器をインド・ウクライナ・ブラジルでライセンス生産している。
インドはイスラエルの高度な軍事技術を欲している。
ほう、調べてみると確かにIMI製ネゲヴ軽機関銃をインドが購入する話が出ていましたね。
IMI製タボールTAR21・アサルトライフル、IMIガリル・スナイパーライフルも採用しているようですね。
イスラエル製の小火器は結構高性能なようで。インドがイスラエルを支援するとした背景にはそういう話もあるのですね。参考になりました。
こんばんは!
ちゅうか「イスラエルの高度な軍事技術を欲している」のは世界各国で普通のコトなので、ことさらここでインドが云々の根拠としては薄いのでは?
最近の例 EL/M-2032 戦闘機用の火器管制レーダー
・MIG21改(イスラエル・チリ・タイ・コロンビア・ルーマニア)
・TA-50/FA-50 ゴールデン・イーグル(大韓民国の旗 韓国、ポーランド輸出仕様
銃器のライセンス生産と比べ、金額も協力体制も桁違い
そうですね。
ただ、インドとしてはロシア製の武器から脱却する方向で色々な国から技術を得て内製化出来るように動いていますから、可能性としてはアリかなと。
主要な要因というわけではないんでしょうけれど。
こんばんわ
ハマスによる攻撃の後、モディ首相とネタニヤフ首相の電話会談があり、
その際、モディ首相がネタニヤフ首相にイスラエル支持を表明した模様です。
https://www.hindustantimes.com/india-news/modi-gets-phone-call-from-netanyahu-condemns-terrorism-in-all-its-forms-101696962923528.html
南アジアでは平素からテロが多く、インド人犠牲者も少なくないので、
インドは公式にテロを糾弾するスタンスでしょう。
こんばんは。
電話会談までやったのですか。
仲良しアピールも大切という訳ですね。