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国産長射程ミサイルの開発を急がせる木原氏

安全保障
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おっとぉ?

国産長射程弾も前倒し検討 トマホークに続き全種類

2023/10/10 17:09

木原稔防衛相は10日の記者会見で、令和8(2026)年度の配備開始を目指している国産の長射程ミサイルに関し、全種類で時期を前倒しできないかどうか防衛省内で検討していると明らかにした。

産経新聞より

急ぐねぇ。

そこまで急がせる理由は?

トマホークの前倒し購入に続いての打診

先日のニュースがこちら。

まさかの木原稔氏は、防衛相になって直ぐにアメリカを訪問して国防長官と会談。その場でトマホークの1年前倒し購入を打診した。

4日にオースティン米国防長官との会談で、日本が米国製巡航ミサイル「トマホーク」の導入を始める時期を1年前倒しし、7(25)年度とする方針で一致したのに続く対応となる。

産経新聞より

この決定は、おおむね好意的に受け入れられ、左翼から「やっぱり型落ちを買うんだ」とディスられることもなかったようだ。

が、防衛相が感じている危機感はかなり切迫したものだという印象は受けた。

国産ミサイルは開発中で、8年度に陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾の射程を延ばす「能力向上型」と、島嶼防衛用の「高速滑空弾」の納入を見込んでいる。2030年代前半までを目指し、射程3000キロの「極超音速誘導弾」の開発も進めている。

産経新聞より

ところが、今度は国内で開発中のミサイルも「不断に検討を重ね、可能な限り早期に具体化する必要がある」と打診したようだ。8年度って、令和8年?それとも2028年?

前倒し検討

このニュースは共同通信も伝えていて、もうちょっと詳しい内容が報じられていた。

国産長射程ミサイルも前倒し検討 トマホークに続き全種類

2023/10/10

木原稔防衛相は10日の記者会見で、2026年度の配備開始を目指している国産の長射程ミサイルに関し、全種類で時期を前倒しできないかどうか防衛省内で検討していると明らかにした。4日にオースティン米国防長官との会談で、日本が米国製巡航ミサイル「トマホーク」の導入を始める時期を1年前倒しし、25年度とする方針で一致したのに続く対応となる。

共同通信より

あー、やっぱり令和8年(2026年)だった。

長射程ミサイルは他国領域のミサイル基地などを破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)に使われる。木原氏は会見で「不断に検討を重ね、可能な限り早期に具体化する必要がある」と強調した。

共同通信より

それにしても、何としてでも急いでもらうというこの焦りは一体何なんだろうねぇ。

国産トマホーク計画が完全復活、防衛省が川崎重工業と契約 「12式地対艦誘導弾」能力向上型の先見据える(高橋浩祐) - エキスパート - Yahoo!ニュース
防衛省は6日、相手の脅威圏外から発射できる「スタンド・オフ・ミサイル」に関する事業の進捗状況を発表した。この中で、川崎重工業と「島嶼(とうしょ)防衛用新対艦誘導弾」の技術研究として今年度から2027年

日本で開発が進められているのは以下のミサイル。

  • 新SSM(12式地対艦誘導弾改)
  • 極音速誘導弾
  • 島嶼防衛用高速滑空弾

この他にもあるようだが、とりあえず開発が急がれているのがこの3つ。このうち12式地対艦誘導弾は地発型・艦発型・空発型の3つが予定されている。とりあえず取得が急がれているのは地発型らしいけどね。

急ぎたい理由

木原氏が此処までミサイル開発を急がせている理由は、おそらくは台湾有事を見据えての事だろう。

台湾有事なら日本はポーランドのような役割=自民党・木原稔氏

2023年4月14日7:45 午前

日本と台湾の交流を進める超党派議員連盟「日華議員懇談会」の木原稔・事務局長(自民党衆議院議員)はロイターとのインタビューで、仮に台湾有事が起きれば日本はウクライナ戦争で避難民を保護したポーランドの役割が求められるとの見方を示した。

~~略~~

木原氏は中国が台湾を取り囲むように軍事演習を行った直後の昨年8月中旬、日華議員懇談会の古屋圭司・会長(自民党)とともに台湾を訪問。蔡英文総統はじめ政府や与党の要人と会談した。10月にも訪台している。

ロイターより

木原稔氏が親台派であることは有名で、今年の4月にもこんな発言をしていた。台湾を取り囲むような軍事演習は散発的に行われており、最近も緊張が高まっている。

台湾国防部が異例の発表 中国軍部隊を名指しで「動向を監視」

2023年9月22日 14時00分

台湾国防部は21日夜、中国軍の福建省の地上部隊を名指しして「動向を監視している」と発表しました。異例の発表で、中国軍の部隊が比較的大規模に集結した可能性や、台湾側が把握している情報をあえて開示して中国軍の動きを抑止するねらいがあるといった見方が出ています。

NHKニュースより

昨今の緊張した国際情勢や、支那人民解放軍の不穏な動きなど、心配な要素はたくさんある。

別に、杞憂であればあったで良いし、防衛装備品の取得が急務であることもまた事実。兵器開発にはお金がかかるが、開発費は経済発展の方向にも寄与するので、投資しておくことに越したことはない。少なくとも、アメリカから安易に兵器を買うよりは国内開発のほうが建設的である。

だが、時間的猶予が怪しいので、敢えてトマホーク配備にも踏み切り、購入も前倒しにしたというわけだ。

コメント

  1. アバター BOOK より:

    そもそも自衛隊・防衛庁の台湾有事の想定年は2027年ですからね。現場からの突き上げか有力者からの𠮟責か

     ・https://gendai.media/articles/-/115118

    ただこいつはちと古い&甘い想定で、支那は日米参戦を極力避けるため台湾島だけ攻撃、となってるけど、より新しい分析は皆さんご存じ。初撃は沖縄&九州へのミサイル飽和攻撃。

    、・https://www.csis.org/analysis/first-battle-next-war-wargaming-chinese-invasion-taiwan

    させないため【抑止力】≒【反撃力】は2026年中に! 
    トマホーク200発じゃ不足。さっさとしないと間に合わない。反撃力はいくらあっても足らない。

     しかもナニセ2027年5月以降は韓国もまたパヨクに戻って支那加担の可能性高まるので、そうした場合 小牧(愛知) 横須賀 ぐらいまでも先制攻撃される恐ろしいシナリオも。   
    。。。。ヤダヤダ

    • 木霊 木霊 より:

      CSISの分析はあんまり信じていないんですが、ミサイル飽和攻撃はシナリオとして考慮しておかねばならないのは事実です。
      その時に反撃力があるかないかで、抑止力としては非常に大きな差が出ると思います。

      そして、ファクターとして韓国を考えると……、面倒くさいですねぇ。

  2. アバター 砂漠の男 より:

    木原防衛相には、先島諸島など沖縄の離島へのシェルター配備にも目を向けてほしいね。
    公明が牛耳る国交省に任せておいたら、建設そのものが進まないからね。

    そういえば、尖閣沖合で見つかった支那の海上ブイはまだ撤去されていないそうだ。
    やることやらないから付け込まれて自分があとで困る。チョロ岸田は甘ちゃんだろう?

    • 木霊 木霊 より:

      シェルターの話も少しずつは進めているようですね。
      ただ、ご指摘のように国交省案なので、なかなか。

      尖閣沖のブイの話ですか。
      あれも記事にしますかね。

  3. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    行動派の防衛相で何より。
    御神輿が軽くてぬるい分を、少しでもカバー出来れば。
    ※前任者が酷かったし……

    まあ、レフトサイドの方々は、それらの全てが気にいらないのでしょうけれど。

    ※マスコミのジャニ叩き、某密入国タレント推し、その他諸々、報道を支配したいという点から見ると動きがあからさますぎて……対抗手段がないのが歯痒いですが。

    ※その意味で、既に情報戦は始まっているし、言えば初手では負け、出遅れているのですよね。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      前任者、浜田氏は悪くなかったんですよ。部下に自由にやって貰って、責任は上司が取るというタイプの方でしたから。ただ、外交的な交渉が出来ない方でしたから、アメリカとの交渉も、なかなか。その点、木原稔氏は実行部隊でしたから、その辺りはバリバリやってくれそうですね。

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