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ラオスの受難と、韓国企業の責任逃れ

輸出建造物
この記事は約24分で読めます。

ラオスのダム決壊事故は人災だった。そういうお話である。

ラオスのダム決壊の洪水被害からの復旧支援、農業・水環境・教育改善

2019年3月7日

日本政府は、ラオスにおける水・衛生環境改善、教育・学習環境の改善、農業・生計回復に資する資機材の供与、住宅の再建に資する資機材供与、などの合計4件の無償資金協力を実施することを発表した。

ASEAN PORTALより

喜ばしい話だが、このニュースは日本のメディアでは殆ど目にすることが無かった。どうなってるんだ??

ラオスを襲ったダム決壊

ラオスのダム、大雨でも無いのに決壊

さて、ダム決壊の話を整理しておきたい。

ラオスでダム決壊 数百人が行方不明に

2018年07月24日

ラオス国営通信によると、アッタプー県にある水力発電用のダムが23日夜に決壊し、鉄砲水が6つの村を襲った。6600人以上が住居を失ったという。

BBCより

これが第一報で、翌日には詳報を出している。

ラオスのダム決壊、数十人死亡 6600人以上が家失う

2018年07月25日

アッタプー県にある水力発電用のダムが一部損傷しているのが22日夜に見つかり、近隣住民は避難したが、ダムは23日夜に決壊し、鉄砲水が6つの村を襲った。

ラオス国営通信によると、6600人以上が住居を失ったという。

BBCより

ラオスでダムが決壊して大変なことになっていることが世界中に知れ渡ったのは2018年7月のこと。

BBCは当時、かなり詳細に報じていて、ダムの決壊についてもこの様に報じていた。

決壊したダムは、ラオス、タイ、韓国の企業が参加するセピアン・セナムノイ水力発電所の一部。発電所は2つの主ダムと5つのサドルダム(副ダム)からなり、決壊したのは「サドルダムD」と呼ばれるもの。

建設事業に参加する韓国のSKエンジニアリング・アンド・コンストラクションは、22日に最初に亀裂を発見したと明らかにした。

・ 22日午後9時(日本時間同11時)― 「サドルダムD」に部分的な破損を発見。当局が通報を受け、近隣住民の避難開始。修理チームがダムに向かうが、豪雨のため作業難航。豪雨で複数の道路も被害を受けている。

・ 23日午前3時(日本時間同5時)― 亀裂の入ったサドルダムDの水位を下げるため、主ダム(セナムノイ・ダム)の1つから水を放出。

・ 23日正午(日本時間同午後2時) ― ダムの破損状態が悪化する危険の知らせを受け、州政府は下流の住民にも避難を命令。

・ 23日午後6時(日本時間同8時)― ダムの亀裂拡大を確認。

・ 24日午前1時半(日本時間同3時半)までに― サドルダム近くの村が冠水。午前9時半までに、7つの村が冠水。

発電所事業に参加するタイのラチャブリ発電ホールディングは、「相次ぐ暴風雨」によって「大量の水が発電所の貯水池に流れ込んだ」ため、ダムに「亀裂が入った」と発表した。大量増水の結果、水が下流へ流出し、約5キロ離れたセピアン川の流域にも流れ込んだという。

BBCより

こんな図も紹介している。

25日の時点でかなり詳細なことが分かっていたようだが、ここに韓国企業の名前が載っている事が分かるだろうか。

ダム決壊の主犯は韓国企業?

そう、実は問題のダムを造っていたのは韓国のSK建設だったのである。

韓国企業が施工したラオスのダムが決壊…6つの村で洪水、数百人が行方不明

2018年07月25日07時44分

ラオスでSK建設が参加して建設している大型ダムの一部が崩壊し、数人が死亡して数百人が行方不明になったとロイター通信などが24日に報道した。外信によると前日午後8時ごろラオス南東部アッタプー県でセピエン・セナムノイ水力発電所の補助ダムが決壊した。この事故で50億立方メートルの水が突然放流されて周辺の6つの村を襲った。ラオス当局によると現在まで数人が死亡し数百人が行方不明となった。住宅1370軒が被害を受け、6630人の被災者が発生した。ダムの決壊原因と具体的な被害状況はまだ確認されていない。

中央日報より

中央日報も情報を出した。

こんな状況になってしまったから触れたくも無かったのだろうが、韓国企業が建設に参加とあって、黙っているわけにも行かなかったのだろう。

一方、SK建設は事故のニュースが伝えられるとすぐに現地とソウル本社に非常対策委員会を設置した。アン・ジェヒョン社長らが事故収拾に向け現地に出発した。

中央日報より

SK建設も頑張っていますよー、アピールには余念がない。

どうやら手前が決壊してしまったダムがあった流れのようで。

程なく手抜き工事が発覚

そして、いつも通りの展開になる。

ラオスで韓国企業が建設に参画したダム決壊…数百人が行方不明

登録:2018-07-25 09:26 修正:2018-07-25 10:59

 韓国企業が建設に参画したラオスのセピエン‐セナムノイダムが23日(現地時間)決壊し、下流の村を水が襲い少なくとも数百人が行方不明になったと現地のメディアが24日報道した。

~~略~~

 外信は700メートルの長さの補助ダムが決壊したと伝えた。補助ダムは本ダムが放流した水の圧力を減らす役割をする。ダムの決壊であふれた水の量は、五輪規格プール200万個分にあたるほど多い。現地に数日間降った豪雨や手抜き工事が原因である可能性があるという推測が出ている。

ハンギョレより

どうやらこのダム、アースフィルダムというタイプを採用していたらしく、BBCが報じていたように、早い段階から亀裂などが見つかっていたらしいのである。

そしてまあ、亀裂が広がって大変なことに。

「崩壊」ラオスダム、SK建設が参加… 予定より5ヶ月前倒し

入力2018-07-24 18:59修正2018-07-24 19:37

24日副ダム崩壊のニュースが伝えられた、ラオス東南セピエン・セナムノイ(Xe-Pian Xe-Namnoy)水力発電ダムは、SK建設が韓国西部発電と共同受注し施工中のダムである。

韓国メディアdongAより

SK建設が参加と書かれているが、実際は設計から施工までをSK建設メインで行っていたらしいことが後に発覚する。

そして、その施工もかなり不味かったことが分かる。

設計よりも6.5m低く

なんと、基本設計よりも平均で6.5mもダムの高さを低くしたというのである。

「ラオスのダム崩壊」SK建設、利益増やそうと設計変更疑惑

記事入力 2018-10-15 07:25

去る7月に崩れ、ラオスのダムの施工会社であるSK建設がダムの形式などの設計変更により、過剰な利益を得ようとした内部文書が14日、確認された。実際、今回崩れたダムを含めSK建設が担当した補助ダムの高さは文書に含まれている基本的な設計図面より平均6.5mずつ低くなった。政府資金も投入された「政府開発援助」(ODA)事業であるが、当時の国会予算審議も経ずにサポートされ、政府がSK建設に無理に利益を捻出させた格好になったという指摘が出ている。

NAVERより

もちろん、設計変更と言うことは何処の世界でも見られる話だ。詳細設計をしたら、必要強度を出すための高さが変わるという事もあるだろう。

だがしかし、この基本設計で承認されて資金が出された後で平均6.5mも高さを下げたというのは大問題である。

しかし、SK建設は、より利益を作るための「詳細計画」策定に乗り出した。金議員が確保した文書には、△ダムの形式と築造材料の変更、斜面の傾斜調整などで、工事費1900万ドルを節約して、△2013年4月に予定着工を延期することによって、他の出資者の金融費用負担を圧迫して、早期完工インセンティブボーナス交渉」で有利な位置を占めしようという内容が含まれた。

NAVERより

構造材料なども変更したとあって、まさに利益を追求してグレードを落としたということが明らかになっている。

そして、どうやらその上で手抜き工事をし、突貫作業をしたようなろくでもない産物だと言うことが明らかになった。

 SK建設は、このダムは地下空間を最大限に活用して大規模な落差を作り、水を広げることなくパイプに移動させて、エネルギー損失を最小限に抑えることができると予想した。昨年工期より5ヶ月繰り上げて工事を終えたSK建設は1年早く高速湛水に突入、試運転に入った。来年2月から商業運転に突入する予定だった。

 東南アジアダム工事で後期を短縮したのはSK建設が初めてだ。発注先はSK建設に工事の早期完了の感謝の印として、2000万ドル(約227億円)をボーナスとして支給したほど。 SK建設は、プロジェクトの完了後、年間1億4000万ドル(約1620億円)の電力販売収益を上げると推定した。

その結果、雨に耐えきれずに決壊と。

韓国企業側「ラオスのダム決壊、事故4日前の11センチ沈下」

2018年07月25日18時27分

SK建設や韓国西部発電など韓国企業が参加したラオスの水力発電ダムは、決壊する4日前に沈下が発生していたことが明らかになった。

~~略~~

キム社長はこの日の報告で「7月20日、セナムノイ貯水池造成のために築造した5つの補助ダムの一つが豪雨で11センチ沈下した」と明らかにした。

中央日報より

まあ、本来はロックフィルなりを選ぶべきだったんじゃ無いかという話なんだけど。

方式よりも、工事のやり方が問題だったと思うぞ。

隣国にまで被害拡大

そして、事態は更に深刻なことに。

ダム決壊の濁流が隣国まで カンボジアでも多数避難

2018年7月26日 16時39分

ラオスでダムが決壊して100人以上が行方不明になっている事故で、隣国のカンボジアにまで水が流れ込み、1200世帯以上が避難する騒動に発展しています。

「ライブドアニュース」より:リンク先記事は削除されています

ふむ、カンボジアと言えばラオスの下流にある国だ。

よって被害を受けるのは自然な流れとも言えるのだろうが、一体何処が賠償するんだろうねぇ。

Questions raised following deadly Laos dam collapse

JULY 26, 2018 — 5:50AM

~~略~~

SK Engineering sent its president and an emergency team to help with the rescue and repair effort. In a statement Thursday, it said it would help build lodging for those displaced.

“We will find out causes of the incident thoroughly and take necessary actions quickly,” it said in a statement earlier this week.

The Thai partner in the dam project, the Ratchaburi Electricity Generating Holding Public Co., said the joint venture had sent experts to the area to investigate the situation and discuss with the authorities how to resolve the problem.

StarTribuneより|リンク切れ

誰が悪いかは揉める話になりそうだが、SK建設が免責されることはあるまい。

アジアの最貧国ラオスの立場

貧しい国ラオス

ラオスという国は貧しく、資源も無い。そこで、水資源を活用して発電を行い、アジアの電池計画を発動したのだが、その先に起きた事故だったと言うことのようだ。

「アジアの最貧国」でダム決壊。記者が現場で訪れて見えてきたこと

2018年10月23日 15時11分 JST | 更新 2018年10月23日 15時11分 JST

2018年7月、東南アジアの真ん中、人口約700万人の国ラオスで、大規模なダムの決壊事故があった。多くの村が水に流され、2万人が被害を受けたという事故だが、発生直後は国際的なニュースになったものの、時間がたつとメディアで報じられることもなくなった。

~~略~~

原因は何なのか。解明にはまだ時間がかかりそうだが、少しずつ事実がわかってきている。ダムの建設を手がけていたのは、韓国、タイ、ラオスの企業が出資する合弁会社。主体になったのは、韓国のSK建設だった。

同社は当初、「決壊」と認めず、大雨で水があふれたと説明していた。しかし、同じ韓国の西部発電は韓国の国会で、「決壊の3日前に補助ダムの一部が沈下していた」と明らかにし、避難の呼びかけが適切だったのかに疑問が浮上している。

ラオス政府は、「工事に不備があった」と指摘。8月に、ダムの専門家らをメンバーにした委員会を立ち上げ、半年かけて原因を探るという。

今回の事故は、単なる「ダム決壊」だけにとどまらない。ラオスという国の方向性にもかかわる。

海に面さないラオスは、外貨獲得手段として水力発電の道を選び、1990年代前半からダム建設に着手した。

ラオスのエネルギー鉱業省などによると、現在、国内には53基の水力発電所があり、発電能力は計約7000メガワット。このうち8割が輸出に回る。最大の購入国タイには現在、4200メガワット分あまりを輸出し、将来的に9000メガワットまで増やす約束をしているという。

発電能力は2021年までに現在の2倍近い1万3000メガワットに増強する計画で、現在でも40基以上を建設中、100基以上の新規建設計画も進んでいる。

ハフィントンポストより

なかなか良く纏まった記事で、問題点はコスト削減ありきの民間主体の事業開発にあったと指摘している。

しかし、コストありきで韓国企業を選んでしまう辺り、センスが無い。

ラオスにしてみたら、「先進国の韓国企業が優れた技術でダムを造ってくれるのだ!」というハズだったのに、蓋を開けたらいつもの手抜きである。

[単独]「工事費を減らそう」、ラオスのダム」SK建設、経営会議報告資料」文書を入手]

2018.07.31 19:56:22

ラオスのダム事業は、内部でも敗着事業と呼ばれるほど、事業性が低く、進行がスムーズなかったプロジェクトだった。水力発電を介して取得する今後の収益は決まっているのに対し、予想される工事金額が大きすぎて、内部で無理に工事費を3分の1ほど縮小させた。

ラオスのダム事業に参加したSK建設出身情報提供者が27日、記者に伝えた内容だ。

情報提供者から入手された「経営会議報告資料 – 最終」によると、事業初期の2012年3月9日に主に測定された総工事契約金額は8億9900万ドル。しかし、この金額は徐々に低くなる。最終的に6億5800万ドルまで下落した。

~~略~~

情報提供者と業界によると、ダム施工経験がないSK建設が大規模なダム工事を引き受けたため、設計だけの経験が豊富な企業がするのが良いという内部の意見があった。しかし、最終的にはダム建設の経験が相対的に少ない企業が設計を引き受けることになった。ところで、SK建設社長出身がこの企業の幹部だったことから、「好み・前官礼遇・チケット周期」などのうわさが出回った。

韓国メディアより

それどころか、SK建設、ダム建設は経験のないことが発覚しちゃった。更にSK建設は阿漕なことをやっていたようで。

  • 基本的な設計変更の権限がSK建設の点を活用して、「管理費と利益」を工事費の15%(1億200万ドル)まで確保
  • PNPCと「管理費と利益」を工事費の12.2%(8300万ドル)まで保証することで合意
  • 工事費1900万ドルを節約
    • ダムの築造材料の変更
    • 斜面の傾斜調整
  • 2013年4月に予定着工を延期することで、他の出資者の金融費用負担を圧迫して、「早期完工インセンティブボーナス交渉」で有利な位置を占める

やりたい放題だな。

韓国企業は支援も手抜き

それどころかこんなニュースが。

SK E&C dismisses Laotian minister’s claim of faulty design

Published : Jul 29, 2018 – 15:28 Updated : Jul 29, 2018 – 17:24

SK Engineering and Construction on Sunday denied the speculation raised by a Laotian minister that the cause of a dam collapse in the Southeast Asian country was the builder’s poor construction.

“Nothing has been confirmed as the cause of the dam collapse. We believe the rescue operation and assisting flood recovery must be prioritized at this stage,” a SK E&C official told The Korea Herald. “Finding the exact cause of the accident will be conducted separately.”

The comments came after Laos’ Minister of Energy and Mines Khammany Inthirath said that poor construction might have contributed to the accident, in a radio interview with Radio Free Asia.

ザ・コリアヘラルドより

いやはや。

何をお作りになっているのか知らないが、衝撃の写真が添付された腹筋崩壊ニュースである。

ネット界隈でも騒がれていたようなのだが、写真のキャプションは「洪水犠牲者のために一時的なシェルターを建設」って事になっている。え?トイレじゃ無いの??

いや、トイレにしたって下水施設も浄水施設も見当たらないのだから、もはや、作業員の綺麗な靴に突っ込みを入れている場合じゃ無い。

日本の支援とラオスとの関係構築

復興開始

そんなわけで、韓国によって悲惨な目に遭わされたラオスだが、日本の支援が一助となり、復興に向かいつつある様だ。

ラオス南部アタプー県では2018年にダム決壊に伴う多大な水害被害が発生していたため、日本政府は戦略的パートナーでもあるラオスに対して緊急援助物資を供与していた。この水害被害を受けた地域は、現在は復旧・復興を進めているため、日本政府はこの復旧・復興を支援することを決定した。

ASEAN PORTALより

ここで素晴らしいのは、学習支援を含んでいることである。災害時の対応や、迅速な避難の方法、児童・生徒に対する心理ケアなどの研修を含んでいて、災害国日本のノウハウをこれでもかと言うほど詰め込んでいるところだ。

水害に遭った地域の農地の回復や種苗・家畜・農機具等の資機材や物資の供与や研修等もあり、8.5億円程が供与され、無償資金協力の実施が決定している。

一帯一路対策

だが、これは日本の善意100%と言う訳でも無い。

ラオス 中国「一帯一路」で債務の罠に

2018年5月7日(月)

習近平国家主席が推し進める、巨大経済圏構想「一帯一路」。

東南アジアのラオスでは、中国とシンガポールを結ぶ長距離鉄道が建設されています。 総事業費は、ラオスの国家予算の2倍に当たる60億ドル、日本円でおよそ6,500億円に上ります。

「NHK」より

既に支那の一帯一路構想の債務トラップに嵌まって抜け出せない状況にあり、このまま放置すると日本の国益に大きく影響する可能性があるのだ。

このまま責任逃れをして逃げ切る体制の韓国企業が、果たして本当に逃げ切れるのかは今後の報道を待つより無いが、支援と言いつつ謎行動しかしない韓国に期待をすることがそもそも間違いである。

善意だけでは無いにせよ、日本を頼ってくれる親日国を増やす事は、未来への投資に繋がるだろう。

ラオス、ダム崩壊事故は防げたと発表

あれは人災

で、後日、情報が出てきたんだけれども、うん、まあ、調べるまでもなかったね。

「ラオス補助ダム崩壊、防げた」という発表に韓国建設会社「同意できない」

2019年05月29日09時09分

昨年7月、ラオス南部で大規模な人命被害を引き起こした水力発電所補助ダム崩壊事故が不可抗力的なものではなかったという調査結果が出た。施工者であるSK建設は科学的根拠が欠如した結果だとし、同意できないと反発した。

中央日報より

「不可抗力的なモノでは無かった!」と言われちゃったねぇ。

簡単に言ってしまえば、韓国企業の手抜き工事が原因となった人災だったという話である。

調査委員会

しかし、この事故に関してラオスは国を挙げて調査を行い、独立専門委員会(IEP)という第三者委員会を立ち上げて調査してもらっている。

28日、国営パテト・ラオ通信(KPL)によると、ラオス国家調査委員会はこの日、セピアン-セナムノイ水力発電所補助ダム崩壊事故に対する独立専門家委員会(IEP)の調査の結果、不可抗力的な事故とみることはできないという結論が出たと明らかにした。

IEPは、昨年7月23日に発生した崩壊事故前の数日間、集中豪雨に見舞われたが、崩壊が始まった時にダムの水位が最高稼働水位にも達していなかったとしながらこのような結果を出した。それと共に、ラテライトで築いた補助ダムに微細な水の通り道が存在し、漏水による内部侵食が発生して基礎地盤が弱まったことが根本原因だと指摘した。

IEPは「適切な措置で防げた崩壊事故ということで疑いの余地がない」と明らかにした。死者40人、行方不明者66人、罹災民6000人余りが発生した当時の事故が人災という意味に解釈される。

この記事にはIEPの構成員に関しての情報が含まれていないのだが、まずはこちら。

ラオス・ダム決壊、事故調設置で韓国の「過失」追及へ “欠陥工事”の見方強まる

2018.8.6

ラオス南部で建設中のダムが決壊した事故で、建設に携わった韓国企業への責任追及が始まろうとしている。

~~略~~

委員会の構成について、局長は「世界銀行と、国際的に公認された他の独立専門家らも調査に参加するだろう」と説明したという。

~~略~~

ラオスのソンサイ・シーパンドン副首相は「洪水はダムにできた亀裂が原因で発生したもので、被害者への補償も一般的な自然災害とは違う形になるべきだ」と述べ、合弁会社の責任を追及する姿勢をみせている。第三者を入れた調査を行うのも、韓国企業の責任を客観的に明らかにする狙いがありそうだ。

Zakzakより

ただ、この記事に出てきているラオスのソンサイ・シーパンドン副首相というのは、事故直後に設置された国家天災対策特別委員会のトップである。

つまり、ソンサイ・シーパンドン氏の指示で作られた委員会である可能性が高く、他国にその主張をハッキリ示す為の独立性を高めた委員会がIEPであったという風に理解出来る。

では誰が?と言う話なのだが、この記事が参考になるだろう。

Xepian-Xe Namnoy Saddle Dam Collapse Is Not Force Majeure, Says A Report

Create: 28/05/2019 16:24

(KPL) The findings of an investigation conducted by a panel of professional and independent experts have suggested that the root cause of the saddle dam D of the Xepian- Xe Namnoy hydropower project is not force majeure.

The National Investigation Committee revealed on Tuesday the results of the dam collapse investigation which has been conducted by the Independent Expert Panel, IEP.

The IEP’s members are Prof. Anton J. Schleiss of Switzerland, Honorary President of the International Commission on Large Dams (ICOLD), Mr. Ahmed F. Chraibi of Morocco, Former Vice President of ICOLD and Dr. Jean-Pierre Tournier of Canada, a Vice President of ICOLD.

Lao News Agencyより

韓国を犯人に仕立て上げるための組織であった可能性も否定できないのだが、そう思われないような仕立てになっているようだ。

  • スイスのアントン・J・シュライス教授(国際大規模ダム=ICOLD学会名誉教授)
  • モロッコのアフメド・F・チュライビ氏(ICOLD前副総裁)
  • カナダのジャン・ピエール・トゥルニエ博士(ICOLD副総裁)

このICOLDというのは国際大ダム会議という組織で、日本にも支部がある大きな組織らしい。

日本大ダム会議 – 日本大ダム会議

まあ、これが「信頼おける組織」かどうかは、ご自身で確認頂きたい。

何が問題だったのか?

ところで、報道から判明する問題点というのは、前回も挙げているのだが、もう一度見直しておこう。

端的に言えば韓国企業なんぞに頼んだことが間違いなんだが。

  • 韓国のSK建設が設計から施工まで主導して建設を行った
  • SK建設はダム建設のノウハウを持っていない会社
  • 基本設計よりもダムの高さが6.5m低くなった
  • ダムの形式と築造材料の変更を仕様決定後に行う
  • ダムの斜面の傾斜調整を仕様決定後に行う
  • 予定着工延期と、工期の5ヶ月短縮を行う
  • 予定より1年早く高速湛水に突入(湛水:ダムに水を貯めること)
  • 早期完工を実現し、2000万ドルのボーナスを得ていた
  • 事故4日前にはダムの堤が11cm低下
  • 事故前にはダムの堤に亀裂が発見される
  • 事故前にダムの修理の為にSK建設が現地入りして、材料をかき集めていた
  • 補助ダムは5つあるが、決壊したのは1つだけ

コレくらいのヤバイネタがニュースから拾えるんだけれども、これのソースの殆どが韓国メディアだったというのもまたイタイ話だね。

ともかく、こうした事実を積み重ねただけでも「人災だったろう」と言うことが理解出来る。

韓国側の苦しい言い訳

科学的・工学的根拠が欠如

こんなのを認定されてしまうと、韓国としてもSK建設としても大変困る。何しろ、賠償責任が生じてしまうからだ。

だから、当然、否定するワケだが……。

これについてSK建設はこの日、安宰ヒョン(アン・ジェヒョン)代表理事の名義でコメントを出し、「IEPの調査結果は事故前後に実施した精密地盤調査結果と一致しないなど科学的・工学的根拠が欠如している」としながら「経験的推論に過ぎない調査結果に同意することはできない」と反論した。

中央日報より

かなり苦しい。

これ「事故直後に実施した精密地盤調査結果」というのは、韓国側が「調査した」と主張するものだが、どのような組織が調査したかは知らないけれども、IEPの方がしっかりした組織であることは疑いが無い。

ちょっとここから無理があるんじゃないかな。

「経験的推論に過ぎない」とか言っちゃっているけれど、IEPの、というかICOLDの「経験」をバカにするのはちょっと……。

続いて「今回の調査にオブザーバーとして参加した韓国政府調査団と世界有数のエンジニアリング専門企業なども、IEPが明らかにした事故原因と異なる意見を持っている」とし「今後、明確な事故原因究明のためにラオス政府の原因調査および検証が客観的で公正な手続きで進められるよう求める」と明らかにした。

中央日報より

そして、韓国政府調査団が信用できないことは指摘するまでも無く、「世界有数のエンジニアリング専門企業」って、韓国企業だろ、それ。

プロジェクトの開発に関わっている韓国の会社も事件の原因の調査を行っています。

Lao News Agencyより

ほれ、この記載から考えるとSK建設か、それの親会社が関与している可能性が高そうだよ。

IEPの調査について

さて、韓国側の調査結果はよく分からないので、IEPの方の話を報道から抜き出していこう。

EPが実施した調査は、IEPが利用可能な裏付け情報、2018年8月以降に実施された3回の現場視察の間に行われたIEPの観察、および推奨された破損後地盤調査の結果に基づいていた。

Lao News Agencyより

……いやいや、科学的・工学的根拠に基づいた調査だったようだよ??

IEPは、失敗の根本的な原因は、主に涙小管の相互接続された経路の存在による、侵食可能な範囲と組み合わされた高透過性に関連していることを見出した。貯水池の充填中に水位が上昇するにつれて、浸透流がこれらの経路および地平線に沿って基礎内に発達した。これはラテライト土の内部侵食と軟化をもたらした。

基礎の侵食と軟化がある程度に達すると、ダムの安定性はもはや保証されず、サドルダムの最高部での深い回転滑りが引き起こされた。これがついにサドルダムとその基礎を完全に破壊し、貯水池から壊滅的な制御不能な水の放出を引き起こしました。

Lao News Agencyより

この辺りが「経験的推論」ってヤツらしいのだけど、「主に涙小管の相互接続された経路の存在による、侵食可能な範囲と組み合わされた高透過性に関連」って破損後地盤調査の結果から類推される話。

つまり、ダムに適切な建設様式を採用しなかった為に、細かい水路がダム表面から内部に形成されて、それが接続することで拡大し、浸食してったって話。

「高透過性に関連」とか言われているけれど、つまり、決壊してしまったダムの形式である「アースフィルダム」が適切に施工されていなかったと、その様に指摘されているんだぜ。

IEPの調査は無視するニダ!

流石にIEPの調査を無視しないかな、と思っていたけどそうでも無さそうだ。

SK建設は「深層的かつ追加的な検証を通じて、すべての専門家が同意できる結果が導き出されるように最善の努力を尽くす」とし「当社は今回の結果発表とは関係なく、過去10カ月間行ってきたように、被害の復旧と補償のために最大限の努力を尽くす」と付け加えた。

中央日報より

凄い事言っているよ。

「すべての専門家が同意出来る結果」って、韓国の専門家は意地でも認めないよね?IEPの結論。そして、「今回の結果半票とは関係無く」って、無視するよと言っているのと同じ。

こんな事言っちゃって、今後外国でダム作ろうという話になるのが凄いな、流石韓国としか。

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