要は整備不良だな。
韓国空軍のＫＦ１６ 墜落原因はゴムパッキンのエンジン流入
2023.12.11 16:12
韓国西部の忠清南道・瑞山にある韓国空軍基地で９月２１日、離陸中だった空軍の戦闘機ＫＦ１６が墜落した事故について、空軍は１１日、エンジンルーム内のゴムパッキンが外れてエンジン内部に入り、推力が急激に低下したために起きたと発表した。
聯合ニュースより
この話は、ゴムパッキン云々という話が衝撃的なんだけど、結局は整備の問題なのである。
整備不良は日常的に
パッキンが問題？！
……コレだと話が終わってしまうので、少しだけ中身も見ていきたい。
先ずは、関連記事のリンクである。墜落したときに書いたものだ。
そして、無慈悲なこと書いているなぁ。「おそらくは「整備不良」が事故原因として報じられるだろう。」って、ゴムパッキンが原因だとは思わなかったが。
ゴムパッキンは、エンジンの振動を減らすためのものという。空軍関係者は、エンジン内に入ったゴムパッキンがエンジンブレードなどを傷つけ、燃焼室に吸入される空気の流れに異常が生じエンジンが失速したと説明した。
９月に墜落したＫＦ１６は離陸直後、計５回にわたりエンジンの失速が発生。操縦士が脱出した後、基地内に墜落した。
同関係者によると、ゴムパッキンの交換はエンジンメーカーの委託を受けた民間の整備会社が行っている。今回事故が発生したＫＦ１６と同じエンジンを運用している国のうち、同様の事故が発生したケースはほかになく、ゴムパッキンの脱落についてはエンジンメーカーと民間整備会社に原因究明を要請したという。
聯合ニュースより
エンジンの振動を減らすためのゴムパッキンか。いわゆる制振ゴムを使って、エンジンのビビりを抑えるなどの機能を狙って取り付けられているアイテムなんだろうと思う。
ところがコレが外れてエンジン内にゴムパッキンが入ってしまったらしい。そりゃ、エンジンブレードがやられればエンジンの失速は避けられないし、推力を失えば戦闘機が墜落する。
無理もないね。
取り付け
なお、制振ゴムはそう簡単に脱落しないような取り付け構造が採用されることが多い。いや、戦闘機の部品であれば何だってそうなのだが、制振ゴムは構造的に、部品と本体の間に挟まれて使われることが多く、そう簡単に外れたりはしないのだ。
それが外れたということは、おそらくはゴム自身が劣化していて、部品として機能しない状態で外れた可能性が高い。
調査の結果、戦闘機のエンジンのファンモジュール「エアシール」の内側に装着されていた「ラバーシール」が外れ、エンジン内部に入ってしまったことが事故の原因となったことが分かった。
エアシールはエンジンのファンモジュールを取り囲んでいるリング状の金属部品。ラバーシールはエアシールの内面に付ける一種のゴムパッキンで、エンジンが作動する際に発生する振動を軽減する。
空軍の関係者は「脱落したラバーシールの破片がエンジンのブレードなどの構成品の一部を傷つけ、これにより燃焼室に吸入される空気の流れに異常が生じ、『エンジンストール』が発生した」と説明した。
ハンギョレより
ハンギョレの方が詳しかった。どうやら、ゴムの正体は「ラバーシール」と呼ばれる部品で、エアシールの内側に装着されているものらしい。しかし、コチラの記事でも外れた原因は不明だな。
空軍は事故原因が明らかになったことを受け、墜落した戦闘機と同じ型のエンジンを使用するＫＦ１６とＦ１５Ｋの該当部品の状態を点検し、異常がなければ１８日から段階的に飛行を再開させる計画だ。
聯合ニュースより
緊急点検はもちろん必要なんだけど、そもそも老朽化パーツを使いまわしていた可能性が高いことが問題である。
事故機の該当エンジンは1995年12月、韓国型戦闘機事業の第1次分として国内に導入されたものらしい。27年11カ月間運用されていたらしいが、エンジンってモジュール交換するものじゃないの？27年は使いすぎだと思うんだ。
自衛隊も随分と苦労しているようだが、韓国空軍も予算不足なのと、簡単に戦闘機の部品が手に入らずに苦労しているようだ。でも、戦闘機がひとたび空に上がったら、無事に降りてくるようにしっかりと整備してほしいものである。
コメント
異常や事故が発生した際に同型機の点検をするのは当たり前ですが、韓国で「事故後の総点検で異常を発見した」って見たことないなぁ。
官民問わずあらゆる分野で「過去（数ヶ月前）に同じ事故が起きていたが、その際の点検では全て正常と判定されていた」って記事しか記憶にないですね……
おー、そういえば僕も見たことがありません。
「前回も同じ原因で事故が発生した」は結構見るんですけどね。