スポンサーリンク

傍若無人な支那、南シナ海でフィリピンに迷惑をかける

中華人民共和国ニュース
この記事は約9分で読めます。

南シナ海での支那の傍若無人ぶりが加速しているな。

フィリピン 南シナ海で中国船が放水銃発射で初の負傷者

2024年3月6日 18時58分

フィリピン政府は南シナ海で5日にフィリピンの船が中国海警局の船から放水を受けてけが人が出たことについて、南シナ海の補給任務で負傷者が出るのは初めてだとしたうえで、「最も重大な案件だ」と述べ、中国側に自制を求めました。

NHKニュースより

支那海警局の船が、色々な嫌がらせをしてフィリピン側が対抗しているという構図になっているのだが、厄介だね。

南シナ海が火薬庫に

九段線は何の根拠か不明

先日は支那の船がフィリピンの船に衝突する事件があったのだが、日々、色々な話が出ているね。

フィリピン、南シナ海で中国船が「危険な操縦」と非難 船舶衝突

2024年3月5日午後 2:54

フィリピン沿岸警備隊(PCG)は5日、南シナ海で中国船が「危険な操縦」を行い、フィリピン船と衝突したとし、中国海警局を非難した。

PCGの報道官は、フィリピン船が軽度の構造的損傷を受けたとX(旧ツイッター)に投稿。「(中国側の)無謀で違法な行動が衝突につながった」と述べた。船首が互いに接触する映像も投稿した。

ロイターより

どの辺りの話かということを、改めて説明しておくと、南シナ海の話である。

支那が主張する九段線というのは、国際社会では認められていない話なのだが、彼らは真顔でこの領域は支那の海であると主張している。

ところが、九段線の範囲は、仮に南沙諸島を中国が領有すると認めたとしても、EEZでもここまで広くはなりません。九段線の範囲は現行国際法上の何に基づいているかが不明なのです。中国は南沙諸島の領有権、領海やEEZに加え、今回裁判で否定された南シナ海の「歴史的権利」を持つとしていますが、それで何が得られるかが曖昧なのです。

そもそも、九段線の元となる線を最初に引いたのは、現在の中国(中華人民共和国)ではなく、戦前の中華民国政府でした。

Yahooニュース「仲裁裁判所が否定した九段線とは?」より

支那は「昔からこの海域はうちの海だ!」と意味不明なことを主張しているのだが、「歴史的権利」というのは根拠が必要なのは国際常識である。

南シナ海仲裁判断

なお、この辺りは国際法上ではケリがついた話である。

南シナ海仲裁判断の意味 – 国際法学会 "JSIL" Japanese Society of International Law

こちらのサイトで丁寧に説明されているが、フィリピン政府が南シナ海の領海に関する支那との紛争について国連海洋法条約に基づいて設立された仲裁廷に申し立て、最終的な判断が2016年7月12日に下された。

それによれば、フィリピンの全面勝訴ということではあったが、残念ながら仲裁廷が認めたのは、支那の「歴史的権利」の主張の妥当性は無いということであり、南シナ海における支那の各種活動の合法性は無いということである。

残念ながら、仲裁廷は領土、領海を決定してくれるところではないのである。

尤も、支那は仲裁廷の決定すら守らないので、実質的な効果が得られたかというと、残念な結果となったと言わざるを得ない。ただ、国際社会における九段線に関する主張は否定されたことは意味のあることなのである。

十段線に拡張

と、そういえば、この「九段線」なのだが、去年末くらいに「十段線」になったという話があったので、紹介しておかねば。

中国の新地図にアジア一斉反発 領有権主張「十段線」に拡大

2023/9/1 18:10

中国が発表した新しい地図に対し、アジアで非難が一斉に広がっている。地図には、中国が南シナ海周辺の領有権主張に用いる独自の境界線「九段線」を拡大した「十段線」が記され、領有権を争うフィリピンやベトナムなどのほか、台湾も反発。一方的な領有権の主張は、9月上旬にアジアで相次ぎ開かれる国際会議で火種となる可能性がある。

地図は中国自然資源省が8月28日に公表した「2023年版標準地図」。南シナ海のほぼ全域の領有を主張しており、九段線を台湾東部に拡大した十段線が記されている。また、ヒマラヤ地域では、中国が「南チベット」として領有権を主張するインド北東部のアルナチャルプラデシュ州も中国領として記載された。

産経新聞より

そもそも「九段線」に根拠がないので、「十段線」にするのも自由自在である。

各国の反発を受けたが、支那の報道官はどこ吹く風であったそうな。

中国外務省の汪文斌報道官は31日の記者会見で、地図に関して「関係方面が客観的で理性的に対応することを望む」と述べ、領有権主張を正当化した。

産経新聞「中国の新地図にアジア一斉反発」より

いやいや、そもそも支那自身が理性的とは言い難いのだけれど、そこは大丈夫なのか?大丈夫なんだろうなぁ、彼ら的には。

スポンサーリンク

オーストラリアも支那に注文を付ける

なお、これを「他人事」に出来ないのがオーストラリアである。もちろん、日本だって他人事では済まされないのだが。

豪、南シナ海での危険な行為懸念 フィリピン・中国船衝突受け

2024年3月6日午後 3:29

オーストラリアのアルバニージー首相は6日、南シナ海における危険で不安定化を招く行為を非常に懸念していると述べた。

フィリピンの沿岸警備隊は5日、南シナ海で中国船が「危険な操縦」を行い、フィリピン船と衝突したとし、中国海警局を非難した。

ロイターより

首相がきっちり釘を刺す姿勢は評価できるね。

オーストラリアは一時は支那にべったりだったが、色々な危機感を感じてこんなことになっているのだろう。ダーウィン港は盗られちゃったしねぇ。

なお、日本としても色々な支援はやっている。

政府、フィリピンに警備艇やレーダーなど無償供与へ…中国念頭に安保面で連携強化

2023/11/01 05:00

政府は、価値観を共有する国の軍に防衛装備品の無償供与などを行う「政府安全保障能力強化支援」(OSA)で、フィリピンに小型警備艇やレーダーを供与する方針を固めた。岸田首相が11月3日に訪問し、フェルディナンド・マルコス大統領との会談で確認する見通しだ。合意すれば、OSAで初の事例となる。

讀賣新聞より

政府 東南アジア4か国の海上保安当局に長期的支援の方針固める

2024年2月12日 18時39分

日本政府は、フィリピンやベトナムなど東南アジアの4か国の海上保安当局に対して長期的な支援を行う方針を固め、計画作りに乗り出しました。専門家は、南シナ海で各国と領有権争いが続く中国を念頭にしたものだと指摘し、「各国にとって非常に力強い助けになる」と分析しています。

NHKニュースより

だけど、要所要所でしっかりとメッセージを出すことは重要だよ。もちろん、こうした形として現れる支援はとても大切なのだけれど。

不測の事態は発生するか

というわけで、小競り合いの続く南シナ海なのだが、放置すると紛争に発展してしまう可能性がある。

中国大使館、駐米フィリピン大使の南シナ海巡る発言を非難

2024年3月4日午後 1:40

在フィリピン中国大使館は3日の声明で、フィリピンのホセ・マヌエル・ロムアルデス駐米大使の南シナ海を巡る最近の発言について、「基本的な事実を無視している」と強く非難した。

ロイターより

言っていることは完全に寝言なので、取り上げるまでもないのだが……。

声明は、ロムアルデス氏の発言は「南シナ海問題を不用意に誇張しており、憶測であり、中国に対する悪意ある中傷だ」と反発。同氏は中国脅威論や被害妄想の拡散をやめて、「他国の代弁者としての行動」を控えるべきだとした。

ロムアルデス氏は2月28日、米国は南シナ海問題と台湾問題を大きな懸念と見なしているが、小競り合いが実際に起きていることを考えると、「本当の火種」は西フィリピン海(南シナ海)だとの認識を示した。

ロイター「中国大使館、駐米フィリピン大使の南シナ海巡る発言を非難」より

フィリピン駐米大使が事実を指摘したら、支那駐比大使が噛みついたという構図で、何時ものパターンではある。

ただ、こうしたことが表立ってやられ始めると、緊張は徐々に高まっていく。

こうした時に、国際社会が協調して支那に「ダメだぞ」と言ってあげないと、図に乗ってしまう。放置するのが一番ダメなパターンなので、しっかりと圧力をかけていくべきだろう。

スポンサーリンク

シーレーン防衛の観点からも放置できない

で、この南シナ海の事態が放置できない理由は、書くまでもないとは思うのだけど言及しておこう。

日本のシーレーンと呼ばれる輸出入に使う海路は、南シナ海を横切ることになっている。台湾有事が起きた場合にも困ったことになるが、南シナ海が支那の勢力下に入っても困ったことになる。

自民台湾PT、機雷対応を議論 シーレーンが「生命線」

2024年2月16日 17:00

自民党の台湾政策検討プロジェクトチーム(PT)は16日、武居智久元海上幕僚長を招き、台湾有事の際の機雷除去の対応などを議論した。PT座長の鈴木馨祐氏は「台湾有事の場合は日本のシーレーン(海上交通路)が大きな影響を受ける可能性がある」と語った。

「日本はエネルギーも食料も輸入に頼っている。シーレーンの確保はまさに生命線になる」と強調した。「機雷が敷設されたケースとして、場合によっては(日本側に)浮遊してしまう可能性がある」と指摘し、政府に対応策の検討を促した。

日本経済新聞より

こちらは「台湾有事が発生した場合に、台湾海峡に機雷を撒かれると大変だね」という議論なのだが、南シナ海でも同じことが言える。

ここが通れなくなると、日本の船舶は遠回りをせざるを得なくなり、必然的に原油価格の高騰を招いたり輸出品の値上がりを招いたりと、日本人の暮らしに大きな影響を及ぼす事が確実である。事態が発生する前に、予防的に様々な措置を講じることが大切である。

追記

こういう話も知っておいて欲しい。

台湾問題は「わがこと」 ブレーキなき中国、抑止力で有事回避を 京都「正論」懇話会で岩田清文氏

2024/3/8 15:51

2月29日にホテルグランヴィア京都(京都市下京区)で開かれた京都「正論」懇話会の第73回講演会で、元陸上幕僚長の岩田清文氏は「台湾有事」の具体的なシミュレーションを提示し、抑止の必要性を訴えた。「激変する国際情勢と我が国の防衛 台湾・日本有事を抑止せよ」と題した講演の要旨は以下の通り。

~~略~~

中台紛争を起こすのは習氏だ。彼は台湾統一を達成することで毛沢東以来の偉業を達成した英雄になりたがっている。普通の国なら野党やメディア、議会などがブレーキとなるが中国にはブレーキがない。

産経新聞より

支那はブレーキの壊れたトラックで、習近平氏がハンドルを握っているので、アクセルをふかし始めたら、あっという間に加速してしまう。

それが「台湾有事に発展」するかどうかということは、誰にも分からないのだが……、他ならぬ習近平氏が台湾は支那の「核心的利益」「武力侵攻を否定しない」などと言っているから有事を想定せざるを得ないのである。

コメント

  1. アバター 砂漠の男 より:

    日本も米国も何もしていないわけではないが、支那はフィリピンに狙いを定めて、紛争海域で優勢に立とうとフィリピンに執拗な攻勢をかけている。
    マルコスJr大統領は支那に1インチの領土も奪わせないと強硬姿勢だけど、先日その紛争海域で両国の海警船同士が接触事件を起こした。
    https://www.youtube.com/watch?v=HxpONENEaWI&t
    支那船が幅寄せしてフィリピン船に接触させたように見えるね。これもひとつの実力行使だから、フィリピンは均衡を維持するのにもだいぶ苦労しているだろうね。

    • 木霊 木霊 より:

      南シナ海はきな臭い状況が続いていましたが、結構ヤバイ感じなんですよね。
      ちょーっと、本気で圧力を高めないと、おかしなことになりかねないと思います。

  2. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >九段線の元となる線を最初に引いたのは、現在の中国(中華人民共和国)ではなく、戦前の中華民国政府でした。

    せやったら、九段線の内側、台湾のモノやん……

    という突っ込みはさておき。

    中華思想というやつは「弱気をくじき、強きにへつらう」「強い者にはめっぽう弱く、弱い者にはめっぽう強い」ですから、格下と思って東南アジアに強く出ているのは皆様御存知の通り。
    で、「ええ加減にせえよゴルァ!」されると、ベトナム一国にも負ける「張り子の虎」なのも歴史が証明してますよね。
    いずれ、東南アジアが同時に立ち上がった時(そうならないように支那は各個にアメと鞭しているわけですが)、負け犬はどうなるか、その未来までは見てから死にたいものです。

    ※海のシルクロード、その出発点あたりもキナ臭くていかんですね。テロリストに好き放題挿せてる紅海沿岸国とか、そう遠くない将来にものすごいしっぺ返しがありそうな気がしてなりません。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      支那の場合はジャイアン理論で押し通しますから、「台湾はオレノモノ」「だから九段線もオレノモノ」という感じなんでしょう。
      そして、その文脈で行くと、やはりより強い者に屈するのも支那の宿命でありますから、アメリカを利用しない手はないのでありまして。

      • アバター 七面鳥 より:

        彼らは「今、中国はアメリカを越えた!恐るるに足らず!」と、割と本気で思ってるのが大問題なんですよね……

        ※お手盛りだらけのGDPとか、これから人も物も保守と老代のコストがかかるだろう海軍とか。
        ※その意味では「日本を越えたニダ!」のお隣もまったく同じ。
        ※お前ら、一度たりとも超えたことないから。

タイトルとURLをコピーしました