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「木原事件」の真相に迫る野党・立憲民主党?

政治
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周回遅れで動き出した野党だが、今からパワハラヒアリングやるのか?

立民、木原氏巡る報道で聞き取り

2023年7月31日7:24 午後

立憲民主党は31日、木原誠二官房副長官の妻が元夫の死亡を巡り警視庁から事情を聴かれていたとの週刊文春の報道に関し、8月1日に警察庁と内閣官房へのヒアリングを行うと発表した。木原氏の出席も求めた。山井和則国対委員長代理は記者団に「木原氏は疑惑の払拭や説明責任を果たしてほしい」と語った。

ロイターより

そして、いつもの「説明責任を果たせ」だ。悪魔の証明は「説明責任」とは言わないんだけど。

政治的な動き

野党は真相などどうでも良い

この話は、ある意味終わった話だ。

木原誠二氏妻の元夫死亡 警視庁捜査1課長「自殺で矛盾しない」

2023/7/28 20:28(最終更新 7/28 20:29)

2006年に東京都文京区で死亡した男性(当時28歳)についての捜査を巡り、警視庁捜査1課の国府田剛課長は28日、「証拠上事件性は認められず、死因は自殺と考えて矛盾はない」とコメントした。

毎日新聞より

少なくとも警視庁はそのように認識している。

しかしながら、立憲民主党としては、なんとか話を蒸し返して国会を引っかき回そうと、警察庁と内閣官房へのヒアリングを開始し、木原氏の出席も求めているようだ。

正直、どうでも良い話である。

立民の木原官房副長官問題「政局化」に呆れる声、自民・平氏「人権侵害の片棒を…」

2023年08月01日 06:00

週刊文春が木原官房副長官の妻の前夫の不審死や再捜査の中止を報じている問題で、立憲民主党は31日、警察庁と内閣官房の担当者を呼び出し「国対ヒアリング」を8月1日に行うことを明らかにした。木原氏に対しても質問状を送り、ヒアリングの出席を要請したが、ネット上で批判的な反応も出た。

SAKISIRUより

僕の見立ては、このサキシルの記事と概ね一致している。ジャニーズ事務所の性加害疑惑についても随分と政治的な臭いがしたが、今回もかなり酷い話になりそうな感じである。

あ、冒頭の写真は、そのジャニーズ関連のヒアリングの時の写真だね。ヒアリングの結果、何かが分かったんだろうか??

事件の概要

さて、余り気は進まないが、話を整理するためには事件の概要も簡単に掻い摘まんで説明する必要があると思う。木原氏の妻が関わる「事件」とされる話の流れを整理しておこう。

  • 2006年4月10日 東京都内の住宅で安田種雄(当時28歳)の変死体が見つかる。この件に関して当時、被害者と婚姻関係にあった女性(後に木原氏の妻となるA子)が事情聴取を受ける。
  • 遺体の第一発見者は被害者の父親で、凶器とされたのは近くに置かれていたナイフ。頭上からのど元に向けて凶器で刺し、傷は肺にまで達していた。
  • 被害者とその妻A子は2002年5月に結婚し、男児と女児の2人の子供を授かっている。2005年頃から夫婦仲は悪化したようで、配管工をやっていた被害者の体内からは、死後に致死量の覚醒剤が検出されたとされている。
  • 当時、被害者とその家族の住んでいた家は、文京区大塚のA子の父の保有する物件で、A子は長女が生まれて直ぐのタイミングでキャバレーに働きに出ている(2005年頃)。家賃がどうだったかは知らないが、生活費はA子が稼いでいたと推測される。出産直後から夜の街で働かねばならなかった理由は、それ以外にちょっと思いつかない。
  • 一方で、配管工だったとされる被害者は、フランクミュラーやロレックスの時計、シルバーのベンツS500を持っていたというのだから、意味がわからない。高級時計や高級外車は一体誰が、どのようにして購入したのか。
  • 2006年4月9日の事件当日、妻A子と子供達は変死を遂げた部屋と廊下を隔てた隣の寝室にいたとされる。
  • しかしこの件は、当初、警察によって被害者の自殺として処理された。覚醒剤のオーバードーズで錯乱して自殺した、という筋書きだったようだ。
  • 2008年、木原氏はA子と出会う。当時、銀座でホステスをしていたA子とは次第に緊密な関係を築いていった。
  • 2014年、A子の妊娠を切っ掛けに木原氏はA子と結婚。しかし、どうやら同時に付き合っていたB子も妊娠してしまい、後に隠し子だという風に騒がれることになる。
  • つまり、木原氏には、A子の連れ子2人に、A子との間に2人の実子。そして、愛人となったB子との間に1人の合計5人の子供がいて、育てていることになる。
  • 2018年4月になって、種雄氏の死について不審な点があるとして再捜査が行われる事になる。12年も経過して再捜査が開始された理由は明らかにされていないが、未解決事件の掘り起こしで「目にとまった」からという事だったらしい。
  • 怪死事件の2ヶ月以上前に妻A子が子供達を連れて家出し、その家出に妻と交友関係のある男性(Y氏)が関わっていたという。このY氏の証言なども踏まえて、A子の殺害容疑が持ち上がったようだ。この再捜査の際には、木原氏の自宅を家宅捜索し、A子は事情聴取されている。更に、追加情報としてZ氏が有力な犯人として登場しているが、詳細は不明である。
  • 2018年12月、捜査に新たな進展はなく、証言や証拠も得られず、捜査は縮小される。

とまあ、こんな感じだ。

週刊誌などの情報を継ぎ接ぎしているので、多少矛盾や、事実でない部分が含まれる可能性はあるが、概ねこんな感じの経緯であるとの理解で良いだろう。

週刊誌では、関与した可能性のある人物として、A子、Y氏、Z氏、種雄父を登場させている。が、それ以外にも不審な人物がいたという証言を紹介している。

要は、「自殺ではなく他殺」「犯人は罪に問われていない」という問題を抱えた話であるということだ。ただ、自殺の可能性も残ってはいるんだよね。でなければ、警察も「自殺として処理」しないのだから。

週刊誌の執拗な木原氏への攻撃

色々と不可思議な経緯を辿っている気はするが、木原氏の身辺はなかなか波瀾万丈な感じになっていて、週刊文春も「良いターゲットだ」と感じたのだろう。隠し子の件を報じて、更に今回、妻の件を掘り返して報じた。

「断言しますけど、事件性はありですからね」木原官房副長官・妻の元取調官が異例の実名会見。一方、捜査一課長は「死因は自殺と考えて矛盾はない」 | 集英社オンライン | 毎日が、あたらしい
木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫、安田種雄さん(享年28)が不審死した事件をめぐり、重要参考人X子さんの取り調べにあたった佐藤誠・元警部補が7月28日、「週刊文春」の発行元、文藝春秋社で会見した。...

そして、記者会見に文春が担ぎ出したのが当時、捜査に関わっていた警部補の佐藤誠氏である。

もともと、捜査が終わったのに、未解決事件(コールドケース)として扱われていた経緯もイマイチハッキリしないが、掘り起こした後に8ヶ月程度で捜査が縮小になってしまった経緯も不明だ。

「10月24日の国会開会まで」という捜査の期限が切られていたことと、国会終了後に捜査が再開されずに、縮小されてしまった。事実上の捜査打ち切りである。

初動捜査で、証拠固めをしっかり出来なかったことが、後々の捜査にも影響したことは想像に難くないが、覚醒剤絡みの案件であったことも影響していたとみられる。

つまり、この話は警察の失態だという見方は出来る。そういう意味で、佐藤誠氏の会見は少々やり過ぎた雰囲気はある。そもそも捜査に関わる内容を公表するというのは、公務員として守秘義務を逸脱するものではないか?という疑いがある。尤も、この件は「公益性アリ」と判断されれば免責されるんだけどね。

文春の狙いは週刊誌の売り上げと、アクセス数のアップということだろうから、これだけ騒ぎになれば本望なのだろう。が、人権侵害の疑いは濃厚だ。

なお、これに絡んで「保守系」と言われるネットメディアも大騒ぎしているタコがいるようだ。余程アクセスが欲しいのだろう。そして、実際に木原氏を叩く論調にすると一気にアクセスが増えるらしい。サキシルの新田氏は「嘆かわしい」とこぼしていた。

木原氏は刑事告訴へ

で、この件について、木原氏は法的措置に踏み切ったようだ。ソレも刑事告訴したらしい。

「マスコミ史上稀にみる深刻な人権侵害」木原誠二官房副長官が「週刊文春」記事を巡り文藝春秋社を刑事告訴へ

2023/07/05

岸田文雄首相の最側近とされる木原誠二官房副長官(53)が、「週刊文春」を発行する(株)文藝春秋を刑事告訴することがわかった。7月5日、木原氏の代理人弁護士が司法記者クラブに「御通知(至急)」と題したA4判で3枚にわたる文書を送付し、明らかにした。

文春オンラインより

これに喜んじゃったのは文春だけで、他社はこの動きに尻込みした。

文春は、「木原氏が圧力をかけたせいで、捜査が縮小された」という言い掛かりをつけているのだが、この証拠がない。

文春が出した証拠は、タクシーの中で隠し取られた音声データ(正確にはドライブレコーダーの映像のようだが)だが、これは心証形成には影響はあるが証拠としては採用できない。むしろ、これを提出したタクシー会社の方が訴えられるような話である。

こういった背景があるので、大手報道各社はあまり積極的にこの件を取り扱いたくはないようだ。まあ、当たり前と言えば当たり前だろう。筋が悪い。

政治的な動きと疑問

木原氏は、岸田政権において政策立案などの中枢に関わっていて、特に経済分野などに携わっているとされている。が、今回の話で、木原氏は殆ど仕事らしい仕事が出来ない状況になっている。おそらくは、次の内閣改造で飛ばされる可能性が高い。

政治家としての脇の甘さという指摘はあるかも知れないけれども、流れを見る限りは木原氏はシロだ。妻A子もおそらくはシロ、或いはグレーかな。

木原氏が「圧力をかける」「捜査を止めさせる」と口にした可能性はあるが、しかし2018年当時にも、今ですらそんな権力を持ち合わせているとは考えにくい(政権内部に入ったのは2021年10月から)。妻A子は夫殺害疑惑はあれど、そもそも長身の男性に対して喉から肺に貫通するようにナイフを突き立てることに無理がある。これは姿勢を低くしている状態であっても不自然だ。凶器がナイフでないケースも想定されるべきだが、少なくとも捜査当局はナイフが凶器だったとしている(文春は種雄氏の父の目撃証言として、凶器らしき長物を持った不審な男を見かけたとしている。ソレが凶器だった可能性は否定できない)。

警察も、A子犯人説は採用していないし、少なくとも女性の単独での殺害は不可能だろう。そうすると、殺人事件だったとしても主犯である可能性はかなり低い。A子が被害者に強い恨みを抱いていたとしても、である。

そうすると、木原氏に何か出来たという文春のストーリーは瓦解する。確かに状況からして自殺という可能性は低そうだが、結局ソレを覆すだけの証拠は集めることが出来なかった警察の問題、というのが今回の話の主軸で、警察に対する捜査妨害があったか?といえば、国会の開催を理由に捜査の期限を切っていた辺りの話、無関係とは言わないまでも、殆ど関係がないだろう。

結局、この話も事実無根の騒ぎを大きくして、岸田政権への嫌がらせをしようという話が主軸になっている。野党はソレを見て、「よし、妨害してやれ」と。

そして、案外、経済関連の仕事をしている木原氏に対して財務省が嫌がらせをしている可能性もある。そうだとしたら、不毛な話だよね。

コメント

  1. アバター 河太郎 より:

    どうも。真相については、殺人事件なんざ、そうそう他人の知り得ない事情があるもんで、それって政治とはまた別な話でしょ。とは想うです。
    ただ……悪いけど議員にしてはあまりに脇が甘すぎる。そもそも結婚する前に、相手を調査するだろうし、それで、そんな疑惑を持たれた女性と結婚する?
    もちろん、どの女性を選ぶかは個人の自由であり、そこは他人のとやかく言う話ではない。ないけれと、政治家として某かの功績を求めるならば、それ選ぶ?
    他人はとやかく言う生き物でして、それくらいは政治家なら解ってるはず。
    公人として生きるならば、そのくらいのリスク計算はするだろうし、リスク度外視して生きたいならば、やめて、その女性と別人生を歩めば良い事です。
    そういう女を選んだ王族や皇族もいるしね。だから、そうでないなら脇が甘すぎ。そんなんに政治まかせる?って話で。シロでも真相がどうでも、クロとして扱われるのが公人。脇が甘すぎ!
    木霊様の言う話は個人としては同情するんですが、子供ならともかく女をきれないで、後々に騒ぎになる奴に、果たして国政を任せて良いものだか? 私は疑問に思いますね。

    • 木霊 木霊 より:

      この話は、警察の捜査とは別の流れが出来ているんじゃないの?という趣旨で記事を書かせて頂きました。

      したがって、「政治とはまた別な話でしょ」と言われれば、まさに仰るとおりでありまして、にもかかわらず立憲民主党は政治利用しようとしているというのが、記事の本筋であります。そして、政治工作として財務省が蠢いている節があるというお話ですな。

      では、木原氏に擁護する余地があるかといえば、表舞台に出てくる政治家として、「覚悟が足りない」と、そのように思う次第。
      「惚れた女を守るのは、政治家である前に男として当然だ」くらいは言い切って欲しいものであります。その上で、政治家として問題があるかといえば、そうした開き直りが出来ない程度には覚悟が足りていないという意味で、政治家としては未熟なのだろうと、そう思います。

  2. アバター 河太郎 より:

    ああ、なるほど。覚悟について、私とは別な視点で、それはまた参考になります。名前を失念しましたが、戦国時代の武将で、息子が初陣でピンチに陥った時に、「殿、若をお救いに参ります」と言った家来に、「放っておけ、あそこで切り抜けられん様な奴ならば、いずれは何処かで討ち取られる。それなら跡目にもならんから放っておけ」言った人がいる。そういう冷酷さは指導層には必要と私は想うんですね。議員に関して言えば、火種になりかねない事がわかりきってる相手を、わざわざ妻にするか?
    そこ、手切れ金で切り捨てるんでない?と想う訳で。そういうリスクある異性と恋愛はともかく、結婚しちゃう辺りについて、それで座礁する事なく政治家人生をそのまま行けると思っていたのならば、考えが甘すぎて計算力が無さすぎと思ったという話はです。
    だってさあ、彼が首相になったら、ファーストレディになる女性っすよ。その程度の事を計算できんのかね?と。
    そこでまた、木霊様が浪花節な事を仰るのも実は理解できないです。
    いや、恋に生きて必死に相手を護っても人の道には外れないのですが、それなら私人として生きりゃ良いではないですか。私にゃ考え甘いとしか思えないです。これ本音。

    • アバター 河太郎 より:

      あ、立民を擁護する気はさらさらないんで。リベラル派は大嫌いだし。
      ただ、政治では足の引っ張りあいは当然で、攻撃する弱点と見れば集中攻撃してくる。これ当然で。キレイ汚い関係ない。そこで足を引っ張られても、引きずりながらゴールするくらいのタマでないと国政なんか動かせないでしょう?
      当然に、そういう世界に生きる以上、不利な要素になりかねないパートナーなんか選ばないと想うんですね。そうしないという事は、自分の野望や成し遂げたい事より、個人の私生活を重きにおいて行動する人って事ですね。
      それが悪いという話ではなく、大舞台で活躍する政治家として資質が欠けるというお話であります。

      • 木霊 木霊 より:

        敵に弱味を握られるという点ですが、その弱味を持っていてもプラスに変えるたくましさは欲しいかなと思っています。
        戦略次第なんだと思いますよ、不利な要素になりかねないパートナーの存在って、結局対メディア対策をしっかりしてあれば良いということでもありますし。

        まあ、木原氏にそこまでの手練手管があるとは思えませんけど、これからの政治家ではありますので、負けずに頑張って欲しいと応援しております。
        木原氏、人間的に好きか?といわれると、そうではないんですけどね。

    • 木霊 木霊 より:

      なかなかお厳しい。
      そうですね、政治家にはそういった厳しさも必要でしょう。
      そして、木原氏が妻を選んだのであれば、落選もやむなし、ということなのかも知れません。その辺の判断は有権者次第でしょうかね。

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