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インド開催のG20に、習近平氏参加せず

中華人民共和国ニュース
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逃げたな。

バイデン大統領、習主席のG20サミット欠席の報道に「失望した」

2023年9月4日

アメリカのジョー・バイデン大統領は3日、中国の習近平国家主席がインドで開催される20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を欠席する予定だとされたことを受け、「失望している」と述べた。

ロイター通信は先に、今週にニューデリーで行われるサミットには中国代表として李強首相が出席すると伝えた。

BBCより

習近平氏は「それどころじゃねぇ!」とお怒りかも知れない。「インド開催」というのと「国内の不動産バブルがヤバイ」ということもあって、動けない可能性は高い。

海外よりも国内問題

インド・ニューデリーで開催するG20

G20のスケジュールは、インド・ニューデリーで9日、10日の2日間開催の予定で、当然ながら我が国の首相もお出かけになっている。

岸田首相、5日インドネシアへ=ASEAN出席、インドでG20も

2023-09-04 16:14

岸田文雄首相は5日から、インドネシアとインドを訪問する。ジャカルタで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議、ニューデリーで20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席。11日に帰国する。

時事通信より

自称「外交の岸田」ということで、頑張って欲しいところではあるが、おそらくは今回の会議で、海洋放出のことについてのコンセンサスを得てくる心積もり出いるのだと思う。

もちろんそれ以外にもやることはあるのだが、岸田氏は案外、目先のことに気をとられてしまうタイプなので、あまり多くは期待しないでおこうと思う。

正直、G20の会議って得られることが多くないし、ほとんど何も決まらないことが多い。船頭が多いので船が山に登ってしまうケースが多いのだ。

ただ、インド開催なのでモディー氏との顔つなぎは重要だ。

習近平氏の欠席理由

とまあ、そんな中で習近平氏の異例の欠席なのだが、コレまで欠かさずG20に顔を出していた立場であるのに、何故そうなのかと、首脳陣達をザワザワさせたことだろう。

習氏が北戴河会議で激怒 G20欠席、発端は長老の諫言

2023年9月5日 0:0

謎に包まれていた今夏の「北戴河会議」の雰囲気が明らかになりつつある。それは、習近平が、中国共産党総書記に就いてから昨年までの過去10年とは全く違っていた。

象徴的なのは、長老グループからの厳しい「諫言」と、それを受けて習が、自らの側近らを叱咤激励した「怒り」である。内政に混乱の兆しがあるといってよい。

日本経済新聞より

正直、日本経済新聞のこの見方が正しいとは思わない。謎の多い北戴河会議だが、支那国内での長老達の影響力はさほど大きくない。

これは習近平体制が盤石となった事と関係していて、今や習近平氏に気軽に意見できる人材は、支那国内に見当たらない。

だから、長老達から諫言を貰おうと、それを重視するか?といえばおそらくはそうではないのだろう。ただ、嫌味をたっぷりと言われた可能性はあって、習近平氏が気にしていることにクリティカルヒットした可能性は否定できない。

そして、それがおそらく国内経済の問題なのである。

しかし、住宅バブルの問題だって、習近平体制以前からの路線である。寧ろ、問題の多い住宅開発の実情にメスを入れたという側面すらあるので、「それに文句を言われても」という感じだろう。

だが、それに付随する国内の情勢不安があって、治安維持の面でトラブルを抱えているとしたら、なかなか厄介な話である。実際に、台風関連で紫禁城を水没させるという前代未聞の事態を引き起こしただけに、それを言われると弱いのではないだろうか。

治水事業の失敗は、習近平氏としても言われたくない弱味になると思う。何しろ、スポンジシティ構想などといって、積極的に治水事業をやっていたのだから。が、それは悉く失敗しているようだ。

あと、ネガティブな理由としてはコレかな。

G20の前にASEAN会議もあるんだけど、確実に話題に上る案件だ。当然、「どういうつもりなのか」と詰められるのは間違いない。そういえば、カシミール地方の領有権も主張したんだっけ。そりゃ、インドに行きたくはなくなるな。

アメリカとの話し合いは次の機会に

実際に出かけていけばかなり面倒くさいことになるインドに行くよりも、ここは国内問題に集中して起きたいと考えた可能性は高い。

不動産問題は、暴動に直結する事態になる可能性が高いため、とにかく早い段階で潰しておきたいはずだ。

それに、バイデン氏とはAPECで会える。

習氏とバイデン氏は11月に米サンフランシスコで行われるアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、会談する可能性がある。

BBCより

無理をしてまでインドに行く必要はないと考えているだろう。

シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院の呉木鑾准教授によれば、習氏は今や「皇帝マインド」を抱いており、外国の要人が自分のところにやって来ることを期待しているという。

中国が厳格な新型コロナウイルス規制を解除して以後、ドイツとフランスの首脳、そしてバイデン政権の高官4人の北京を訪問。「習氏は外国からの要人を自国に迎える際、非常に高いステータスを示せる。BRICS首脳会議でも特別待遇を受けた。しかし、G20ではそうもいかないだろう」と呉准教授は指摘している。

Bloombergより

Bloombergの指摘もなかなか興味深いね。

本当にそんなことを思っているのであればとんだ裸の皇帝なのだが、強ち間違っているとも言えないような。ただ、外国のトップと会っても国内問題は容易に解決できないし、ひたすらチクチク言われる可能性は排除できない。国内に引きこもっていた方が心の安寧を得られるだろう。

習近平氏って、そういう器だと思うんだよね。

追記

やる気喪失、習近平氏

面白い記事があったので紹介しておきたい。

中国・習近平が「やる気」喪失?BRICSでの弱々しい姿に憶測飛び交う

2023.8.26(土)

・南アフリカで開催されたBRICS首脳会議(サミット)で、中国・習近平国家主席の弱々しい姿が目についた。

・中国国内では経済の低迷に加え、大洪水による被害、幹部や解放軍の人事混乱など、ここにきて習近平政権のほころびが一気に噴出し始めている。

・第3期目に入り圧倒的な権力を掌握している習近平だが、やる気と自信を失い始めているのか?

JB pressより

支那の内情に詳しい福島香織氏の記事である。

一部消息筋の話では、北戴河会議で、習近平は側近たちに、洪水防止水害対策の失敗、経済政策の失敗の責任問題や、それを挽回する策を求めたのだという。側近たちを一人ひとり呼び出し、一日中怒鳴り散らし、問い詰めたのだという。

だが、誰ひとり、積極的な意見を言わず、責任ある態度もとろうとしないことに習近平は腹を据えかね、「君たちが何もしないなら、私も何もしたくない」「私も人間だ、休息が必要だ」と、「躺平主義」を宣言した、という。

習近平は、自分が直面する問題のすべてが鄧小平、江沢民、胡錦涛時代につくられたものだと彼らをののしり、また金融、銀行、不動産企業をののしったという。また官僚たちに良心がないことを怒った、そうだ。その怒りがあまりに激しく、精神科医ですら近づくのを恐れたという。これをなだめようとした彭麗媛にも当たり散らしたらしい。

JB pressより

記事の中に、途中に引用した北戴河会議の話が出ている。習近平氏のやる気の無さは、北戴河会議で叱られたから、という筋の説明になっている。

流れとしては日本経済新聞の記事と同じだが、ソースが同じなのか、それとも別ソースで確度の高い話ということになるのか。

「外交の場で色々と言われたくないから」という分析をしたが、それは裏を返せば自信を失っているからという風にも言える。習近平氏が「やる気を失っているから」なのか「弱気だから」なのかは、正直よく分からないのだが、このままの状態が進むと制御不能な事態に突入していくリスクは高まりそうだな。

碧桂園の利払いは完了

そういえば、明日は碧桂園はドル建て債務の期限だったような。

中国の碧桂園、土壇場でデフォルト回避-ドル建て債利払い実施

2023年9月5日 12:30 JST 更新日時 2023年9月5日 13:59 JST

中国不動産開発大手の碧桂園が、ドル建て社債2本の利払いを猶予期間内に実施したと債権者に通知した。非公開情報だとして匿名を条件に同社債保有者が明らかにした。同社にとって初のデフォルト(債務不履行)は回避された。

Bloombergより

と、調べたらどうやら何とか支払いを実施した模様。どうやって資金調達したかは不明だが、良くもまあ外資が残っていたな。

総額2,250万ドル(約33億円)の利息の支払いをして一息ついたという報道が散見されるが、年内に20億ドル超の社債元利払いが残っているとされているので、碧桂園の金策は続きそうだ。

当然ながら、習近平氏の眠れない夜も続きそうである。

追記2

中央日報の記事で面白いモノを見つけた。内容が正しいかはさておき、なるほどと思った次第。

「長老が国家危機に苦言…習氏『私のせいなのか』側近に激怒」

2023.09.06 09:15

中国の習近平国家主席が最近共産党指導部出身の長老グループから厳しい諫言を受けた後、側近に怒りを表出したという主張が提起された。

5日、日本経済新聞の中沢克二編集委員兼論説委員は「習政権ウォッチ」という記名オンライン連載物を通じてこのように主張した。

中央日報より

中央日報が日本経済新聞の有料記事の中身を日本語で書いちゃうのはどうなのか?と思うのだが。中沢氏は怒って損害賠償して良いと思うよ。

で、内容なんだが。

中沢委員は「『総意』を携えた代表者数人だけが今回、実際に北戴河入りした」として「『これ以上、混乱させてはいけない』。長老の代表者は、習を前にして、従来にない強い口調の諫言を口にした」と主張した。この時、先頭に立った長老は、元国家副主席であり江沢民の最側近だった曽慶紅氏(84)と伝えられた。

中沢委員は習主席が「別の場で怒りを爆発させた」と伝えた。習主席は「(鄧小平、江沢民、胡錦濤という)過去三代が残した問題が、全て(自分に)のしかかってくる」とし「(その処理のため、就任してから)10年も頑張ってきた。だが問題は片付かない。これは、私のせいだというのか?」と言って側近に不満を表出したという。

中央日報より

習近平氏は、「過去の指導者の失策を自分が尻ぬぐいする」という状況に怒りを滲ませているようだ。なるほど、そういうこともあるんだ。

習近平氏の言い分が正しいかどうかはさておき、支那の国内で降り積もっている問題を取り除かねばならない状況である事は事実だ。終身皇帝を勤めるには、なかなか大変な状況っぽいね。

ただ、これでやる気を無くされても困る。

投げ遣りになって、「勝手に戦争初めて良し!」と人民解放軍をけしかけかねない。

コメント

  1. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >習近平氏が「やる気を失っているから」なのか「弱気だから」なのかは、正直よく分からないのだが、このままの状態が進むと制御不能な事態に突入していくリスクは高まりそうだな。

    ネットでミーム化している「総統は××についてお怒りのようです」動画のような事にならないと良いのですが。
    というか、あれの習近平版を見てみたい。

    真面目な話、この手のストレスが積み重なると、人は割と簡単に「狂う」ものなので、とち狂った命令が出ないことを祈ります。
    ※こっちのプーだけじゃなくて、あっちのプーも、ですが。

    • 木霊 木霊 より:

      「総統は××についてお怒りのようです」動画は秀逸なのが多いですね。
      あれは素材が卑怯なんですが。

      さておき、笑い事ではなくなってしまうのが独裁者様のところで。
      何しろ、周りにはイエスマンしかいません。手遅れになってから情報貰っても、軌道修正しようがないという。

  2. アバター けん より:

    こんにちわ、

    反中共系メディアの看中國で、いまの習近平氏は国内では身内の反逆を恐れ、国外では暗殺を恐れていると論評されています。その衰弱ぶりは晩年の毛沢東によく似ているようだとも。相当なプレッシャーがあるんでしょうね。

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