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ブータン国境のジャカラング渓谷が支那に開発される

アジア
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この関連の話は、以前に触れたような気がする。似たような記事があったのは何処だったか……。

中国が「隣国の国内」に居住区を建設、写真で明らかに…領土拡大の「既成事実化」に呑まれる小国ブータン

2023年12月15日(金)17時40分

近隣の多くの国を相手に、領土や領海をめぐる争いを繰り広げている中国だが、南西部の国境地帯では「係争地」であるはずの場所で、入植地の建設を急ピッチで進めている様子が、衛星写真によって明らかとなった。これは中国が、ブータン国境で進めている大規模な建設プロジェクト。その背景やブータン側の思惑をめぐり、憶測が交わされる事態となっている。

Newsweekより

国内の不動産開発業はかなり不調なハズなんだけど、他国の開発はやる余裕があるんだ。

着々と侵攻

他国の土地でもお構いなしに開発

開発は急ピッチで進められているようで、アメリカの宇宙技術会社マクサー・テクノロジー社からの情報がこんな形でポストされていた。

ふむ。

https://pbs.twimg.com/media/GBAKKxFXAAEj_yc?format=jpg&name=4096×4096
https://pbs.twimg.com/media/GBAKXLIWkAAaXMo?format=jpg&name=4096×4096
https://pbs.twimg.com/media/GBAKj04WkAEnPrz?format=jpg&name=4096×4096
https://pbs.twimg.com/media/GBAKsatWsAAnVZr?format=jpg&name=large

衛星写真を確認する限りは、居住出来るような建物が作られているね。

12月7日に米民間衛星画像会社マクサー・テクノロジーズが撮影した衛星画像には、ブータンの辺境ジャカラング渓谷で進行している大規模な建設工事がはっきりと写っていた。中国は、ブータン北部の2カ所において、係争地域での入植を進めており、ジャカラング渓谷はそのうちの一つだ。

Newsweekより

ブータンは支那に比べたら圧倒的に国土が小さく、国力も弱い。

支那はそんな小国を嬲るつもりであるらしい。

地図にあるジャカラング渓谷は、ブータンの国土と言う事になっているのだが、支那がこの渓谷の扱いについて物言いを付けているようだ。

で、物言いを付けるのとは別に、勝手に大規模建設工事をしているらしいと言うことのようだ。

なし崩し的に領土問題に

なお、ブータン側がこれを全く関知していなかったかというと、そんなことはない。実のところ、この地域は支那とだけ国境を接しており、他国からアクセスしにくい場所となっている。

ブータンはインドの庇護を受けているモノの、この地域だけは国境を支那と接する位置関係となっていて、支援も支那から受けた方が都合が良いことが多い。

ブータンの意思決定者は、北部国境での取引に集中しているようだ。ブータンは東南西の三方をインドに囲まれ、残る北側だけが中国と接している。この北方は、ブータンの「庇護者」であるインドにとって重要度の低い地域と言える。

その場所で中国は長年にわたって入植計画を進め、それによって土地の領有権について「既成事実」を積み上げてきた。もはやブータンは、交渉のテーブルに着かざるを得ない状態に追い込まれている。

Newsweekより

そうして、支那から支援を受けて開発を進めた結果、支那に領土を脅かされる格好になっているのだ。まあ、ありがちな展開ではある。

オープンソース分析の専門家ダミアン・サイモンは本誌の取材に対し、中国はブータン北部に村の「エコシステム」を構築していると述べた。ジャカラング渓谷の上流には、最初の入植地としてつくられた集落が存在している。

Newsweekより

生活物資や建築資材などのあらゆるモノを支那からの販路に頼っていて、おそらくは商売も支那人と行っているのだろう。

更に悪いことに、非同盟中立政策という頭の悪い政策をブータンが取り続けている点も問題になってきている。

ブータンは長年、非同盟中立政策を外交の基本方針としており、国連安全保障理事会の理事国とは正式な外交関係を持たないという政策をとり続けている。そのためインドは伝統的に、アメリカとの関係を含むブータンの外交問題のパイプ役を務めてきた。しかし、中国政府は現在ブータンに、直接的な外交関係を結ぶよう働き掛けている。

ブータンのロティ・ツェリン首相は就任以降、中国との会談を積極的に推進している。ツェリンが国境交渉に関心を示していることは、中国の侵入を止めるには、取引を行う以外に選択肢がほぼないことを示唆している。

Newsweekより

インドの庇護を受けているとはいえ、インドとしてもブータンの問題に手出しするのは難しい。口出しくらいはするかも知れないが、肝心なブータン首相が親支那派なので、問題をややこしくしている。

幸せの国ブータン、首相は毎土曜日に医師へと変身
【5月13日 AFP】ブータンのジグミ・ドルジ・ワンチュク(Jigme Dorji Wangchuck)国立病院では、毎週土曜日にだけ、ロテ・ツェリン(Lotay Tshering)医師(50)が患者...

ツェリン氏は医師らしいんだけど、癌に蝕まれた地域を切り離すなんて判断をするかもしれないね。

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文化的・宗教的に重要な地域

で、支那の狙いは宗教に関係している施設を手にしたいということのようだ。

英ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)の教授で、チベット史を専門とするロバート・バーネットは、NDTVの取材に対し、ブータンにとってこの地域は、宗教的・文化的に重要な意味を持つと述べている。

「ブータンの人々にとってジャカラング渓谷は、文化的・宗教的に重要な地域であるベユル・ケンパジョンに隣接している。つまり中国は最近、はるかに力の弱い隣国の文化的に重要な地域について、その隣国が対応の選択肢をほとんど持たないのをいいことに、根拠の疑わしい主張を強弁しているということだ」

Newsweekより

とはいえ、「ジャカラング渓谷」と調べても殆ど情報の出てこない、どちらかというと観光地としてはマイナーな場所のようだ。

個人的にブータンの事情には殆ど触れたことがないので、この土地がどの程度重要なのかは分からないのだけれども、本当は重要な土地であるということが後に分かったとしても後の祭りということになるだろう。

経済的に侵略されている状況で、例えば日本が手を差し伸べたとしても、この問題は恐らく余り改善しないだろう。多少の抑止力になるかもしれないが、ブータン自身が危機感を抱いていないことには、どうしようもないから。

コメント

  1. アバター 山童 より:

    あぁ……やはり。大陸性のドクリトンの国は、こういうジワジワ侵略する。
    ロシア沿海州や、戦前の満洲に白系ロシア人が多かったのは、コサックを送り込んで勢力圏に(帝政ロシアが)していたからでせう。
    比べれば大陸国でも海洋性の米国は、カナダを侵略しなかったし、テキサスにしても、アレはテキサス共和国の「メキシコからの独立」であって、USAに合流するのは後のこと。ローン・スターとされるだけあって、連邦に参加するまでは完全な独立国家で、ロシアがクリミアでやったのとは別物なんですよね。
    これは大陸性国家の「性格」みたいなもので、善悪で捉えても仕方ないもんだと想うんですよ。そういう性格!
    もともと島の英国を除いて、ヨーロッパだってユトレヒト条約以前は、どこの国も似たような事をやってた。
    英国を例に揚げれば、中国でも(日本のような面の支配でなく)鉄道網で点と線の支配を行うでないですか。スエズ運河を引いた後のエジプト統治もそうだし。
    海洋性国家とは別なドクリトンで動いてると想うんすね。
    従って、ロシアや中国を相手にする時は、常に「ひさしを貸して母屋を取られる」的な行動原理に接してると認識すべきなのだと想うんですよ。
    ブータンは、そういう地政学的な観点に基づく相手の研究が不足というか、隙を見せ過ぎなんですね。

    • 木霊 木霊 より:

      「大陸性のドクトリン」とは、なかなか素敵な表現ですね。
      確かに彼らにとっては「ドクトリン」として組み込まれていますから、上からの指示なく動く。
      したがって、善悪で語ることの出来ない状況であると。

      ブータンが弱小国であることは避けられない事実ですから、保護者のインドに泣き付くしかないわけですが、そう簡単にはいかないのでしょうね。

  2. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    ブータン、「幸福率No.1」とか、ずいぶん前ですが凄まじい勢いでマスゴミが喧伝してましたっけ。
    んなわけねーだろ、って思ってましたが、「国民の自己評価で、井の中の蛙だっただけで、IT化で現実を知ったら数値激減した」ようですね。

    チベットがそうであったように、あの地政学的位置で、支那の侵食に耐えられる道理が無い、そもそも支那との経済的繋がりは元から深いから、食われるのも一瞬でしょうね。
    それをしないのは、しない方がまだ価値が高いから、だけかと。
    ※多分、食ってもうまみが少なかった、今までは。

    七面鳥としては、自然生態系、固有種なんかがそのまま残れば、そこを誰が支配しようが知ったことないのですが(歴史のデータは『正しく残す』条件で)、共産主義者にそんな配慮は期待するだけ無駄ってものなので、そうなるより早く、現中華帝国がクラッシュすることを祈るのみです。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。
      「幸福度No.1」は完全にプロパガンダだったということですね。
      知らないことは国民にとって幸福なのかもしれませんし、そのとこを熟知しているのが支那のような共産国家で、情報統制で色々と頑張っているようです。困った国ですよ。

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