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支那、日本からの水産物緊急輸入全面停止に踏み切る

中華人民共和国ニュース
この記事は約7分で読めます。

割とバカバカしい話だが、少しだけ触れておこう。

中国 日本の水産物の輸入全面停止 処理水放出受け

2023年8月24日 19時00分

福島第一原子力発電所にたまるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について、東京電力が基準を下回る濃度に薄めた上で海への放出を始めたことを受けて、中国の税関当局は、日本を原産地とする水産物の輸入を24日から全面的に停止すると発表しました。

NHKニュースより

なかなか面白いことやるなぁ。

今後どうなるのか

簡単な経緯

さて、昨日から処理水の海洋放出に踏み切った日本政府だが、随分と時間をかけたね。

本来であれば、多核種除去設備(ALPS)の稼働が安定した段階で、処理水を順次海洋放出すべきだった。

平成27年(2015年)頃にはALPSの安定稼働が確認されて、平成28年(2016年)にタスクフォースチームを立ち上げて、「基準以下に薄めて海に放出する案」「加熱して蒸発させ、大気中に放出する案」「電気分解して水素にして大気中に放出する案」「地下深くの地層に注入する案」「セメントなどに混ぜて板状にし、地下に埋める案」の5つの案を出した。

結局、これらの案の中から、実績があり現実的な点を踏まえて、「海洋放出案」と「蒸発拡散案」を軸に検討を進め、令和3年(2021年)に「海洋放出案」に一本化した。

こんな経緯で、海洋放出することになり、地下トンネルを掘って沖合の放出口から海洋放出ができるような環境を整え、漸く昨日放出が始まったという流れである。

ほうしゃせいぶっしつによるおせんりすく

さて、コレについていきなり騒ぎ出したのが支那だ。

あれ、今まで海洋放出について何も言いませんでしたよね?

中国の税関当局は、発表の中で「福島の『核汚染水』が食品の安全に対してもたらす放射性物質による汚染のリスクを全面的に防いで中国の消費者の健康を守り、輸入食品の安全を確保する」として日本を原産地とする水産物の輸入を24日から全面的に停止すると明らかにしました。

また税関当局は「日本の食品の汚染リスクの確認を続け、日本から輸入される食品に対する監督管理を強化する」としていて、水産物以外の食品の輸入にも影響が及ぶおそれがあります。

NHKニュースより

何も言わなかったにも関わらず、海洋放出を開始した途端に日本を原産地とする水産物の輸入の全面停止を決定した。更に、日本から輸入される食品に対する検査をすることにしたようだ。ただ、当面は「監督管理の強化」ということらしいが。

ところで、日本周辺の海流の流れをご存じだろうか?

影響がありそうなのは親潮なのだが……、この親潮の流れは支那の近海には行かない。

海流の流れに乗って巡る可能性を考えても、長期間、支那の近海にたどり着くとは考えられないし、日本の周辺海域でも海洋放出の影響を殆ど受けない(そもそも影響は極めて軽微だが)。

中国で塩「爆買い」、処理水放出で不安 当局が冷静な対応求める

2023年8月24日8:16 午後

福島第1原子力発電所の処理水海洋放出が始まった24日、中国では食塩が飛ぶように売れ、売り切れになる事態となっている。食の安全を巡る不安が、水産物にとどまらず、海水を原料に作られる食塩にも波及した形だ。

ロイターより

にもかかわらずこんな状況になっているのは、支那当局がおかしなメッセージを出したからである。

別に買って貰わなくても困らない

さて、こうした騒ぎに対する日本側の対応だが、基本は放置で良いだろう。

水産加工会社「きゅういち」の餌取達彦取締役は「すごく厳しく中国らしい対応だと感じるが、北海道産の水産物は中国の人たちに人気があると思うので早く元の状態に戻ることを願っている。今後の日本政府の対応なども注視していきたい」と話していました。

NHKニュースより

が、NHKを始めとした報道機関は、リスクを喧伝した上で、「日本政府の対応」とか「元の状態に戻ることを」などと宣っている。

処理水放出へ「風評対策徹底」 政府、漁業者に800億円

2023年7月11日 22:00

西村康稔経済産業相は11日、福島県の漁業者と面会し、政府が8月にも始める東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出の方針を説明した。漁業者側は放出に反対と表明。政府は風評被害に備えて設けた計800億円の基金の活用で理解を得たい考えで、さらなる上乗せには慎重だ。

日本経済新聞より

日本政府は風評被害対策として、福島県の漁業者が利用できる基金を積み立てているわけだが、コレが日本全国に拡大しなければならないとすると、なかなか悩ましい話。

日本政府の対策としては完全に失敗である。当初想定していた「福島県産の海産物」に対する被害に留まらなくなってしまったのだ。

もはや、支那に海産物を輸出するという経済モデルが通用しなくなったと考えて、商売のやり方を考えた方が良い。

図4-16 我が国の水産物輸出量・輸出金額の推移
図4-17 我が国の水産物輸出相手国・地域及び品目内訳

国内に広く販売するスタイルにしてはどうだろうか。日本人の海産物消費量が減っている理由は、肉より魚の方が高いからだ。

国や地域別で輸出額がもっとも多かったのは ▽中国の2783億円で前の年より25.2%増えました。 ▽次いで香港が2086億円(-4.8%) ▽アメリカが1939億円(+15.2%)などとなっています。

品目別では ▽「ホタテ貝」が910億円ともっとも多く、前の年に比べて42.4% ▽「ぶり」も362億円と32.7%増えました。

アメリカや中国で外食需要が回復したほか、アメリカへは冷凍した「ぶり」の輸出が好調だったということです。

NHKニュースより

ここ10年ほどで爆発的に輸出量が増えた日本産の水産物だが、輸出全体から見るとさほど大きなシェアではない。支那向け水産物輸出が輸出全体に占める比率は0.17%に過ぎない(2022年)し、輸入停止が1年間続いても、日本のGDPの押し下げ効果は0.03%に過ぎない。

業者にとっては大きな打撃だろうが、売れる先は何も支那ばかりではないのだし。

強い抗議と対応が必要

で、現時点において支那のこの政治的な駆け引きについて、日本政府側からアクションはない。

岸田首相「中国側に即時撤廃申し入れた」…処理水放出で日本の水産物全面禁輸

2023/08/24 19:30

岸田首相は24日、東京電力福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出開始を受け、中国税関当局が日本産の水産物の輸入を全面的に停止すると発表したことについて、「外交ルートで中国側に対して即時撤廃を求める申し入れを行った」と明らかにした。首相官邸で記者団に語った。

讀賣新聞より

一応、形だけの申し入れはしたようだが、それだけである。せめて、在日支那大使を呼びつけて厳重に抗議するくらいすれば良いのに、それすら無しか。

中国、訪日団体旅行を解禁へ 10日にも

2023年8月9日 20:41 (2023年8月10日 5:23更新)

中国政府が日本行きの団体旅行を解禁する方針であることが9日、分かった。複数の関係者によると、在日本中国大使館が日本外務省に対して同日、10日に団体旅行を解禁すると文書で伝達した。

日本経済新聞より

いっそのこと、対日支那人旅行客の締め出しをしたらどうだろうか?日本に来ると危ないという認識なんでしょうに。また、日本近海での違法操業も是非とも止めて頂きたい。

日本政府としても、想定外の支那のアクションに対応に苦慮しているのだろうけれど、「想定外」というのは、台湾の現状を見ていると想定が甘かったと言わざるを得ない。

そして、この措置が長期化する可能性も踏まえると、やっぱり支那との貿易のあり方は買えていくべきなんだろうと思う。

追記

なお、支那が輸入禁止措置をとるのは今に始まった話ではない。

これは農水省のサイトで説明されている内容で、既に色々な者の輸入を停止しているし、証明書の提出義務づけがなされている。完全に嫌がらせだね、今回の措置も。

中国税関が日本産輸入食品の検査を既に強化との声

2023年07月27日

中国税関が7月7日、日本からの輸入食品に対して、検査を強化することを発表した。中国政府はこれまでも、日本から輸入した水産品をはじめとする食品全般について、放射性物質検査証明や原産地証明を求めていたが、今回の発表では福島県を含む10都県(注)からの食品輸入停止維持のほか、「その他の日本からの輸入食品、特に水産品(食用水産動物を含む)については、必要書類の確認を厳格に行うとともに、100%検査を実施する」とした。

JETROより

したがって、今回唐突に水産物輸入停止を行ったのだけれど、既に全数検査などを求める体制であったことがこのニュースからも分かる。

追記2

更に拡大か。

中国、日本水産物の加工品禁止 輸入停止に続き

2023/08/25

中国の国家市場監督管理総局は25日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出開始を受け、食品業界の経営者に対し、日本の水産物加工品の購入や使用、販売を禁止すると発表した。食の安全を確保するためと主張している。中国税関総署が24日に日本産水産物の輸入を全面的に停止したのに続く措置。中国で日本食品への風当たりが厳しくなりそうだ。

共同通信より

こ、これはチキンレースをご所望か?

コメント

  1. アバター 匿名 より:

    中国って今現在 北海道沖のEEZ外でサンマ バカスカ獲ってんじゃなかったっけ?
    日本で水揚げされて輸出したサンマと自分らが乱獲してるサンマの違いについてw
    まあ 中国 韓国 北朝鮮 ロシアが反対(政治的目的)してるだけで世界中が猛反対って書きなぐってるマスゴミと某立憲 社民 共産 れいわ こいつらのせいで日本の国益がどれだけ貶められたことやら…

    そういえば放流前にお隣さんは相変わらず剥き出しガイガーカウンターで放射能検査とか、謎の「科学的誠意」ってパワーワードも出してましたねえw

    • 木霊 木霊 より:

      困ったことですが、支那はこれまで遠洋漁業に興味を示さなかったんですが。
      いまはかなり積極的みたいですね。

  2. アバター 砂漠の男 より:

    商売では、国内流通が最も安定した販売・消費ルートである。
    政府が農・海産物の輸出を振興するのはよいが、海外への販売には様々なリスクが付いて回ることを改めて農協や漁協に啓蒙してやるといい。今回はたまたま支那だった、というだけのことである。
    国家同士の軋轢から、取引禁止や関税引き上げなどの通商妨害が起こることは珍しいことではないし、GATTやWTOがあっても、これまで日本は米国、韓国、ロシア、EU、東南アジア諸国などから、散々通商妨害を受けてきたことは周知のことだ。
    今回の支那の禁輸措置に対して、日本政府は支那に報復措置を取るべきである。また日本政府は、事業者たち補償金をバラまくよりも、支那の禁輸措置を受けている道県の産物に対して税優遇措置を与え、事業者たちに商売を継続させるべき。

    • 木霊 木霊 より:

      日本の場合は、内需を拡大して経済を維持してきましたから、やっぱり国外に売る事を前提にするのでは無くて、国内市場を育てることを考えるべきでしょう。
      まあ、そうでなくとも、トップの意向でころころ方針が分かるような国との取引は気をつける必要がありますね。

  3. アバター みみこ より:

    これで在日中国人や韓国人が「日本で」「塩の買いあさり」をやらかしたら大笑いですよね。
    なんかやりそうな気が…。

    • 木霊 木霊 より:

      流石に日本では買わないでしょうが……、いや、そうでもないかな。
      爆買で塩……、単価が低いので転売にはちょっと向かないと思います。

  4. アバター けん より:

    おはようございます。

    汚染水が!塩が!と騒いでいる支那ですが、同様に騒ぎまくっている韓国では、水産物市場に閑古鳥が鳴いていると中央日報が報じています。売上が大激減しているそうです。
    https://japanese.joins.com/JArticle/308239

    このまま風評被害が続けば、支那でも韓国でも廃業する水産業者が増えるでしょう。
    処理水放出が30年続くうちに、ほぼいなくなってしまうかもしれませんね。

    • 木霊 木霊 より:

      ついに支那でも水産物市場が残念なことに。
      まあ、ひとしきり騒いだら落ち着くのではないでしょうか。

  5. アバター 匿名 より:

    中国は今景気が悪いので国内の不満を外部に向けさせる必要があります。あと輸入禁止は日本に対する政治カードにもなり得ますね。
    私としては中国の禁輸によってそのぶん日本国内の海産物価格が下がるので全然構わないですね

  6. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    いいかげん、これに懲りて、いろんな企業が中国から引き揚げてくれることを祈ります。
    とはいえ、簡単には足抜けできないように法的に縛ってますが>中共
    全部置き去りで着の身着のままで夜逃げする覚悟で、チャイナリスクから逃げ出してください>日経新聞とか読んでる社長さん会長さん

    • 木霊 木霊 より:

      流石にリスクを考えられる人は手仕舞いを始めていますね。
      ただ、相変わらず支那から利益が得られると思う人も結構いるんですよね……。

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