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性犯罪歴のある人間は子供と接する職場に就労できなくなるか

政治
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岸田政権の悪行ポイントはどんどんたまっているんだけど、時には良いこともアナウンスした方が良いかな。

性犯罪歴なし証明する「日本版DBS」、学校や保育所は全職員対象…学習塾は見送りへ

2023/08/03 05:00

子どもと接する職場への就労希望者に、性犯罪歴がないことの証明を求める仕組み「日本版DBS」について、政府が学校や保育所、幼稚園で働く全ての人を対象に含める方向で検討していることがわかった。政府は、今秋にも制度の創設を盛り込んだ関連法案を提出する見通し。

讀賣新聞より

これ、数年前から「導入する」という話はあったんだけど、何とか制度が創設される流れになったようだ。

子供達の性犯罪被害を防げ

猥褻教員は戻ってくる

過去にはこんな話があった。

教員わいせつ、再犯防げず 18年度最多282人 処分歴の共有に「穴」

2020/1/20 05:00(最終更新 1/20 09:29)

文部科学省によると、2018年度に児童・生徒へのわいせつ行為などを理由に処分を受けた公立小中学校・高校などの教員は計282人で過去最多となった。一方で処分に関する情報の公開や共有は十分とは言えず、過去の処分歴を隠して再任用され再び性犯罪を起こすケースも出ている。子どもたちを守るにはどうすればいいのか。専門家らの意見を基に探った。

毎日新聞より

実際に過去のデータから、教育の場に戻ってくることが出来て、更に再犯をしているという実例がある。

記事で紹介されているのはこんな実例だ。

愛知県知立市の市立小学校で児童にわいせつ行為をしたとして、強制わいせつ罪に問われた元臨時講師の男が18年4月、名古屋地裁岡崎支部で懲役4年の実刑判決を受けた。男は16~17年にコンピューター準備室やトイレで低学年の男女5人の児童にわいせつ行為をしていた。

男は埼玉県の小学校教諭だった13年に児童ポルノ禁止法違反で罰金刑を受け、停職6カ月の懲戒処分となり依願退職したが、その後、処分歴を隠し、下の名前の漢字を変えて15年に採用されていた。埼玉県教育委員会の処分の情報が共有できていれば、「空白期間」と履歴書を照合したりして再任用を防げた可能性がある。

毎日新聞より

性犯罪者が懲役4年で社会に戻ってくるのも不安を感じるが、児童ポルノ禁止法違反で罰金刑を受けていた人物の再犯だったと聞くと、「マジですか」と。

環境的な問題

ただ、そもそも教員の猥褻行為の発生率は高い。

教員のわいせつ行為の発生率は高い傾向にある。京都教育大の榊原禎宏教授(公教育経営論)らが文科省や警察庁の00~15年度の統計データを基に分析したところ、年間のわいせつ行為の検挙者数(23歳以上)は約9000~1万1500人に1人なのに対し、教員は約5800~9700人に1人で、いずれの年度も上回っていた。

それでも「氷山の一角」との指摘もある。子どもの性被害に詳しい山本恒雄・日本子ども虐待防止学会副理事長は「学校という閉鎖的で支配的な空間では教員と子どもは対等でなく、支配の延長で性暴力が起きやすい。また、被害に遭っても子どもたちは相談しにくい」と学校特有の事情を説明する。

毎日新聞より

常に子供と接する環境にあれば、無自覚に身体的な接触をしてくる子供達に邪な気持ちを抱いてしまう教員がいたとしても不思議は無い。

そもそも、子供に教える事が好きで小中学生の教員になっているのだから、子供との距離が近いことがマイナスであるとは言えないが、それで過ちを犯してしまえば教師失格である。

再犯を防ぐことは難しい

ただ、一度の過ちで教育者の途を閉ざしてしまうことが正しいのか?という点は、悩ましいところ。

子供にとっては一生モノのトラウマになりかねない事案だってあるだろう。そんな犯罪者は極刑に処すべきだという保護者の気持ちは十分に分かる。

一方で、最初からそういった性的嗜好を持つ人物が、教育の場に紛れてくる事を防止することは難しい。そうすると、再任を認める限り再犯を防ぐことは難しくなってしまう。

そういう意味で、今回の措置は妥当だと思う。

で、そういった検討は実は岸田政権では無くて、菅義偉政権時の「教職員性暴力等防止法」成立(令和3年6月4日公布、令和4年4月1日施行)に端を発している。

わいせつ元教員、復職に自ら「更生」を証明 文科省が厳格化指針

2021年12月22日 19時20分

文部科学省は22日、来年4月施行予定の「教員による性暴力防止法」の運用指針案をまとめ、公表した。わいせつ行為で教員免許を失った元教員が免許の再交付を申請する際、元教員自身に更生したことの証明を求め、医師の診断書を提出させるなど厳格化する。

朝日新聞より

保護者にしてみたら、そもそも猥褻行為をした教員が教員免許を失った場合、数年後に免許の再交付を受けることができること自体が信じられない話。

しかし、憲法の保障する職業選択の自由(憲法22条)がある以上は、無期限の教員免許再取得禁止というのは難しいという判断で、猥褻行為をしてしまった教員が免許を失っても、「医師の診断書」があれば再交付が受けられる制度に修正されたようだ。

って、ロリコン・ショタコンは病気ですか、そうですか。いや、ノータッチなら未だ許せるんだろうけれど(それでも十分気持ち悪い)、手を出しちゃった犯罪者は、教職員の場に戻ってくることが出来るのかと。

個人的には公益性とのバランス(憲法12条)を鑑みて、再雇用は乱用に当たるんじゃないかと思うんだが。

雇用主は「それ」を確認する義務がある

で、そこのバランスを採って、性犯罪歴を登録した上で、就労希望者が性犯罪歴を証明し、雇用主がそれを確認する制度としたようだ。

日本版DBSは、英国のDBS(ディスクロージャー・アンド・バーリング・サービス)制度を参考にしている。政府関係者によると、性犯罪歴を登録したシステムを活用し、教育や保育関係への就労希望者は性犯罪歴がないことを証明し、雇用主もそれを確認することを義務づける。

対象として、子どもと接する時間の長い学校や保育所、幼稚園のほか、児童養護施設の職員などを想定。性犯罪の種別については刑法犯を中心に検討を進めている。性犯罪歴がある人については、上限を設けたうえで一定期間、就労できないようにする方向だ。

讀賣新聞より

要は、職業選択の自由に考慮して、性犯罪歴がある人は一定期間、子供と接する時間の長い施設で就労が出来ないようにする上、その期間が過ぎても雇用主はその履歴を把握しておけ、という運用になったわけだ。

職業選択の自由を理由に、希望者をの採用の可否を犯罪歴で一定期間は拒めるが、それ以降はそれだけを理由には拒めない。けれど、他に候補がいたらそちらを採用するよね、ってことかな。

これ、法律上、性犯罪歴があるのならば一定の職業には就けなくなるようにした方が良いと思うんだが。雇用主側に、その判断を押しつけるのではなく、公共の利益とのバランスで考えるべきだよねぇ。

まあ、一口に性犯罪と行っても色々あるので、余りに酷いのは教員免許の取得を出来ないようにするんだろうけどさ。

というわけで、菅義偉政権からの宿題を片付ける方向ではあるけれども、これもしっかり整備できれば岸田政権の業績の1つに数えて良いんじゃないだろうか。

コメント

  1. アバター 砂漠の男 より:

    DBSは、今後の日本社会に必須と思うよ。

    また、性犯罪や性倒錯は一種の”病気”なので、その種の犯罪者には刑法によって『専門治療』を科すべきだとも思う。医者の診断書だけではまるっきり駄目だよ。日本にもいい加減な医者は多いからね。抜け穴になる。性犯罪者の社会復帰は、治療実績を前提に査定すべきだよ。

    • 木霊 木霊 より:

      日本版DBSがどの様に整備されるのかは、まだしっかりと調べていないのだけれど、必要になるかと思います。
      まずは法整備とシステム運用のトライ&エラーは必要で、効果が出るか否かは将来的に統計として現れるかどうかということになりますね。
      ただ、性犯罪者の再犯率は高いですから、何らかの変化は期待できるでしょう。

      そして、誤った道に入ってしまった者をどうすべきかですが、医学的な治療によって改善が見られるケースもあると聞き及びますが、改善したかどうかの見極めというのは難しい話となりそうですね。外国のようにGPSを付けたり去勢したりという処置が必要屋もしれません。日本でそこまで踏み込めるのかはわかりませんが。

  2. アバター みみこ より:

    「子供への性犯罪」は「一度の過ち」ではなく、
    教育者でなくとも「一度もしてはいけない犯罪」と思います。

    「教育者の途」が、人生を閉ざす、という意味かどうかわかりませんでしたが、
    性犯罪者の再犯率が高いのは周知のことですし、
    性犯罪でなくとも、前科者の「教育者への道」は子供の安全のためには閉じてほしいです。

    窃盗かなんかの前科がある有名大学の学生(その時退学になっていたか忘れました)が、
    犯罪歴隠して塾の講師をしていて、教え子の小学生を殺した事件がありましたよね。
    前科がある、ということは、理性の抑えが弱い可能性があるので、
    対子供、のような、立場が優位になる仕事につかせることはリスクが高いと思っています。

    • 木霊 木霊 より:

      僕もみみこさんのご指摘通り、性犯罪者が再び教員になることは避けて欲しいと思います。
      教職を続けたければ、犯罪を犯さなければ良いのですから。職業選択の自由は確保されていると思いますよ。

      そして、現行システムだと学習塾には適用されないらしいですね。
      ソレもどうかと思うわけですよ。僕の体験からいっても活動家崩れのような人が講師になっている学習塾は結構あります。紅い思想を振りかざしながら教壇に立つ講師を冷たい目で見ながら受講していた記憶(途中でバカバカしくなって、受けるのを止めましたが)がありますしね。
      何にせよ、今回は一歩進めたという意味合いに捉えれば良いのだと思います。

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