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戦略上のターゲット、クリミア大橋が攻撃される

ウクライナニュース
この記事は約7分で読めます。

先日もクリミア大橋が攻撃されていたけど、今回は被害大きかったみたいだね。っと、タイトルに「攻撃される」と書いたけれども、現時点で分かっていることは「爆発音」がしたことだけのようだ。

クリミア大橋で複数回の爆発音、一部損傷し通行止め…首長はSNSに「緊急事態発生」

2023/07/17 12:51

タス通信などによると、ロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ南部クリミアと露本土を結ぶ「クリミア大橋」(全長約19キロ・メートル)の一部が17日、損傷し通行止めになった。地元メディアは17日午前3時過ぎ(日本時間17日午前9時過ぎ)に橋で複数回の爆発音が聞こえたと報じている。

讀賣新聞より

クリミア大橋はクリミア半島とロシア領とを結ぶ、戦略的に重要な構造物である。ここが寸断されると、ロシア軍の兵站に影響が出ると予想される。

橋は破壊されたのか

去年のクリミア大橋爆破への関与をウクライナが認める

先日は、こんなニュースが。

ウクライナ国防次官、昨年のクリミア大橋爆発の関与認める「ロシアの兵たんを断つため攻撃」

2023/07/10 10:16

ウクライナのハンナ・マリャル国防次官は8日、昨年10月にクリミア大橋で起きた爆発へのウクライナ側の関与を認めた。露軍の前線への兵たんを断つのが目的だったという。ロシアのウクライナ侵略500日を機に、ウクライナ軍の戦果を振り返ったSNSへの投稿で言及した。

讀賣新聞より

どのような破壊手段をとったかハッキリ分かってはいないけれども、2022年10月にクリミア大橋の車両用通路側で爆破が起こり、併走して設けられている鉄道にも影響が及んだ。

この損傷は短期間で復旧されたが、今回はどうなんだろうね。

クリミア大橋はロシア側主導で一方的に建設された

そもそも、このクリミア大橋の建設について、当初はウクライナとロシアの両政府の合意によって架橋計画が進められ、ウクライナとロシアの合弁会社が橋の建設に関わる約束であった。

しかし、ロシアによるクリミアの併合(2014年3月18日)によって、この話は頓挫してしまうことに。

Ukraine-Russia sea clash: Who controls the territorial waters around Crimea?

27 November 2018

Russia and Ukraine have accused each other of breaking international law after a Russian border patrol seizure of three Ukrainian ships.

~~対訳~~

ウクライナとロシアの海の衝突:誰がクリミア周辺の領海を支配しているのか?

ロシアとウクライナは、ロシアの国境警備隊が3隻のウクライナ船を押収した後、互いに国際法を破ったと非難した。

BBCより

結果的にはロシアが一方的な判断で橋の建設を進めて完成させている。

Ukraine has also opposed a Russian-constructed bridge that crosses the Kerch strait and connects Russia and Crimea.

~~対訳~~

ウクライナはまた、ケルチ海峡を横断しロシアとクリミアを結ぶロシアが建設した橋にも反対している。

BBCより

そんなわけで、ウクライナにとってロシアの兵站を寸断する効果と、そもそも合意に至らぬままに橋を架けられてしまったという問題があって、クリミア大橋を破壊することに躊躇いは無かった。

現時点では、橋がどの程度損傷しているかも含めて調査中のようだが、一部が損傷していることはロシア運輸省も認めていて、損傷の規模によっては戦争への影響も出てきそうだ。

損傷の程度によっては兵站に影響がでるのは図を見て頂いても分かりやすいと思う。

クリミア大橋にウクライナがミサイル、ロシアは着弾阻止と発表…長距離攻撃が活発化か

2023/07/10 22:21

ロシア国防省は、ウクライナ軍が9日、南部クリミアと露本土を結ぶ「クリミア大橋」の破壊を狙ってミサイルを発射し、露軍が着弾を阻止したと発表した。ウクライナ軍は、大規模な反転攻勢により、ロシアが2014年に一方的に併合したクリミアと露本土との分断を目指している。露軍の主要な補給路の寸断を昨年10月に続いて再び狙った可能性がある。

讀賣新聞より

7月9日にはウクライナ軍がクリミア大橋にミサイル攻撃を仕掛け、ロシア軍に着弾を阻止されている。再度狙われる可能性は示唆されていただけに、驚きはさほど無かったが……。

具体的な損傷は今のところ不明だが、詳しく分かったら又追記したいと思う。

追記

破損しているかが焦点になると思うのだが、現段階において大きな破損が確認されたという情報は無い。

クリミア橋で「非常事態」 路盤が破損、2人死亡

2023/7/17 14:44

ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島とロシア本土を結ぶクリミア橋で17日未明、路盤の一部が破損し、橋が通行止めになった。

産経新聞より

産経新聞は「路盤の一部が損傷」という表現を用いているけれど、これだと破損の状況は殆ど分かっていないという事と同義である。

追記2

どうやら、水上ドローンを使った攻撃だったようだ。

クリミア橋爆発、ウクライナ関与か 「水上ドローンで攻撃」現地報道

2023年7月17日 17時01分

ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島とロシアを結ぶクリミア橋で17日未明に発生した爆発事件で、ウクライナメディアの「RBCウクライナ」は同日、情報筋の話として、ウクライナ保安局などが関与した無人艇による攻撃だと伝えた。

~~略~~

爆発により、ロシア南部ベルゴロドから来ていた家族のうち両親が死亡し、娘が負傷した。橋は交通が一時停止し、午前9時前、鉄道輸送が再開したとしている。

朝日新聞より

うーん、民間人に犠牲が出たのではないか?という部分が少々不安だが、戦地であることに変わりはないので、どう評価されるのか。

何というか、ロシア側は民間人がクリミアに観光に出かけることを奨励している節があって、この手の攻撃を受けにくくする狙いがあるように思われる。

今後の展開は、「ロシア政府に対する不満が高まる展開」「民間人の犠牲者を出してしまったウクライナ軍が批難される展開」などが考えられるが、どうなるんだろうね。

これがトラブルがあった部分みたいなんだけど。

どういう攻撃だったのか、床版が橋脚にある支承から外れている感じの場所と、完全に床版が落ちてしまった場所があるようだね。下からの爆風で吹き飛ばしたにしても、「こうはならんだろう」という壊れ方だ。

追記3

うーん、これは。

クリミア橋で爆発、道路橋が損傷 ロシアは「テロ」と非難

2023年7月17日3:40 午後

ウクライナ南部クリミア半島とロシア本土を結び、ロシア軍の重要な補給路となっているクリミア橋が「非常事態」により破損し、2人が死亡、子ども1人が負傷したとロシア当局者が17日明らかにした。ウクライナメディアは橋で爆発音がしたと報じた。

爆発が報告されたのは現地時間夜明け前。損傷したのは道路橋で、並行して走る鉄道橋には目立った損傷は見られていない。ロシアは道路橋に対する「テロ攻撃」だったと非難。ただ、黒海からウクライナ産穀物を安全に輸出させることを主な目的とする国際合意「黒海イニシアティブ」の履行停止は、この事件と関連していないと表明している。

クリミア橋は全長19キロで、2014年のロシアによるクリミア「併合」後にプーチン大統領の命令で建設。昨年10月に大規模な爆発が発生している。

ウクライナ政府は今回の爆発について公式見解を発表していないが、ウクライナのメディアは、ウクライナ治安当局が背後にいるとの匿名の当局者の発言を報じている。

ロイターより

何らかの報復行動に出るんだろうね。

プーチン氏、メンツを潰された格好だから、何らかのアクションは必要と。

コメント

  1. アバター けん より:

    暑中見舞い申し上げます、

    攻撃を受けたクリミア大橋の破損映像がテレグラムにアップされていたのでご紹介。
    https://t.me/ostorozhno_novosti/17942

    別の映像では、警官か軍人が傾斜した路面上に飛散した何かを回収しています。金属片?
    https://t.me/ostorozhno_novosti/17935

    いつもの通り、メドベージェフが吠えていました。(楽な仕事で羨ましいです。)

    • 木霊 木霊 より:

      橋の上で何を回収いているのやら。
      金属片だとして、橋の上に散乱するものなのかな?という疑問が湧きますね。

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