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防衛費増額に社説で反対する新聞

報道
この記事は約7分で読めます。

口の悪い人は、「頭狂新聞」などというけれど、まさにそんな感じの社説である。読むと頭が悪くなりそうだ。

え?そんな社説をブログに取り上げるなって?

<社説>軍拡予算確保法 倍増ありき無理がある

2023年5月12日 06時47分

国内総生産(GDP)比1%程度で推移してきた防衛費を関連予算を含めて2%に倍増するための財源確保特別措置法案の衆院審議が大詰めを迎えている。

東京新聞より

いや、感心してしまったんだよね。あまりの酷さに。

論理が破綻している社説

中身が見当たらない

書いてあることは、「軍拡は悪」「議論を尽くせ」「説明が足りない」の3つだけ。はっきり言って読む価値はない。いや一周回って読む価値ありか?

こんな社説を書けるのだという事に驚きを感じることが出来るのだから。

いや、現実を見ようよ。

与党は来週にも衆院を通過させる方針だが、防衛費倍増や「軍拡増税」の妥当性、専守防衛の在り方を巡る議論は十分と言えない。

東京新聞より

パヨクお得意の「十分とは言えない」理論である。

この理論を使う時は、適切な反論が見当たらないときだ。残念なことに軍事費を増やさないことに説得力が無いのである。ロシア軍のウクライナ侵攻を目の当たりにして、防衛力の強化は待ったなしだというのは、国民の共通の理解になってしまったのだから。

朝日世論調査 質問と回答 防衛費増に賛成41%、増税に反対68%:朝日新聞デジタル
(数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。丸カッコ内の数字は、3月18、19日の調査結果)◆岸田内閣を支持しますか。支持しませんか。  支持する38(40)▽支持しない45(50)◆支...

世論調査の結果などさほど参考にはならないのだが、ここ半年くらいの世論調査の傾向を見ていると、防衛費増額に関しては賛成をする国民が多い。

防衛費を増やすことに問題は無い

世論調査の結果をもう少し示しておこう。

防衛費増「賛成」のうち4割が増税には「反対」…負担増に強い拒否感

2023/01/16 08:02

読売新聞社の全国世論調査では、岸田内閣が掲げる「防衛力強化」や「少子化対策拡充」に賛成でも、実現のための増税など負担増には強い拒否感が見られた。

讀賣新聞より

増税されると困るが、防衛費の増額には賛成するという意見を持つ人が多いようだ。

ところが新聞社にとっては都合が悪いことに、日本の税収は増えている。

22年度税収が過去最高68兆円超に、2次補正で3.1兆円増額=政府筋

2022年11月4日2:28 午後

2022年度の一般会計税収が68兆3500億円余りと、過去最高だった21年度実績を上回る見通しであることが4日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。政府が近く閣議決定する22年度2次補正予算案で、昨年末の見積りを増額修正する。

ロイターより

つまり、増税なしに防衛費を増やす余地があるということになる。もちろん、武漢ウイルス感染症の縛りが解けたことも景気動向には大きくかかわっているのだが、円安傾向が続いていることも大きい。

武漢ウイルス感染症が5類相当に格下げされたことも影響して、この景気動向はしばらく続くはずだ。尤も、アメリカの景気が減速しているのでその影響は出てくるだろうが。

ともあれ、予算的には増税なしでの防衛費増額は可能である。

足りないのは1兆円

「可能である」との根拠はこちらのニュース。

防衛費GDP2% 歳出削減しても財源1兆円程度不足 政府試算

2022年12月8日 4時26分

防衛費の増額をめぐり、5年後の2027年度にGDPの2%に達する予算を措置するためには、歳出削減などを行っても財源が1兆円程度不足すると政府が試算していることがわかりました。

岸田総理大臣は8日、与党に税制措置を検討するよう要請することにしています。

NHKニュースより

去年12月末のニュースで、「防衛費増額をすると1兆円足りなくなる」と試算しているのだが、この計算には税収増の変数が加えられていなかった。

増税以外の防衛費増の財源は、税以外の収入でつくる防衛力強化資金(4兆6000億円)、一般会計の決算剰余金の活用(3兆5000億円)、予算を効率化する歳出改革(3兆円強)の三本柱だ。さらに「さまざまな工夫」で2兆5000億円を積む計画で、うち1兆6000億円は、軍事施設などの耐用年数の短さを理由に戦後認めてこなかった建設国債(借金)を発行する案が浮上している。

強化資金は外国為替資金特別会計からの繰入金が7割を占める。9月以降の為替介入でドルを売って円を買うことで見込まれる収入などが中心とされる。だが、大和証券の末広徹氏は「たまたま24年ぶりの為替介入があっただけ。そんな機会が頻繁に訪れるかは疑問」と指摘。強化資金には国有財産の売却収入も充てるが、こちらも安定確保できるか未知数だ。

東京新聞より

滑稽なことに、東京新聞がそのことを記事にしているのである。外国為替資金特別会計からの繰越金が7割、税以外の収入でつくる防衛力強化資金、一般会計の決算剰余金の活用、予算を効率化する歳出改革と挙げているが、税収増については見込んでいない。この時点では税収の増加の話題も出ていなかったしね。

専守防衛の幻想

そもそも、この社説の柱である「専守防衛路線」といいうのは、とっくの昔に「幻想」であることがわかっているので、看板をさっさと下ろすべきである。

一国だけで他国と戦争できるのはアメリカや支那くらいなもので、ロシア軍のウクライナ侵略戦争をとっても、そこそこ豊かな国だったウクライナが戦争を続けるためには多数の外国からの支援をお願いするしかなかった。

ロシアだって、あっちこっちから兵器をかき集めてきていて、一国だけで戦争を仕掛けたわけじゃない。

そうすると、集団的自衛権の行使をして自国を守るより他ないのである。専守防衛の方針は、他国の戦争に手を出さないということを意味するので、集団的自衛権の行使の妨げになる。

そもそも、日本の防衛戦略だって片務的な日米同盟ありきだったのだから、本当に成り立っていたのか、今後も成り立つのかは分からない。現実を見ようよ。

ウクライナがロシアに侵攻されたのだって、軍事同盟などの手段で防衛する事ができなかったからでしょうに。

国債で戦費を賄うことに対する忌避感

更にここ。

一般会計はすでに財源の三分の一を国債に依存している。国債依存が強まれば、財政はさらに悪化し、負担を将来世代に強いることになる。戦時国債の乱発による軍備拡張で戦争に突き進んだことを教訓とし、戦後は防衛費のための国債発行を「禁じ手」としてきたことを忘れてはなるまい。

東京新聞より

いつも、「オウベイガー」とか叫ぶ割には、どうして「防衛費のための国債発行」を「禁じ手」とするのか。

ドイツ 軍備増強へ14兆円基金可決 憲法改正で財源確保 国防費GDP比2%へ

2022/6/4 09:15

ドイツ連邦議会(下院)は3日、軍備増強に向け、1000億ユーロ(約14兆円)の特別基金を設ける法案を可決した。国防費は北大西洋条約機構(NATO)の目標値である国内総生産(GDP)比2%に達する見通しになった。財源確保のため、基本法(憲法に相当)が近く改正される。

~~略~~

ドイツは基本法で財政均衡を定めており、基金のための起債には法改正が必要。3日には、基本法の新たな条文を定める法案も提出された。保守系野党、キリスト教民主同盟(CDU)が支持し、3分の2以上の賛成で可決された。

産経新聞より

あのドイツですら、防衛費を確保するための特別基金を設け、その原資を確保するために国債を発行している。

そもそも、税収を増やせるのであれば増税なんて必要ないという視点をどうして入れないのかねぇ、この新聞は。結論ありきで社説を書くから、中身に無理がでるんだって。

どうすれば良いのか

あんまりの社説にあんぐりと口を開けることになったのだが、軍拡予算について書くのであれば、もう少しやりようがあるだろう。

以下のような文章構成はいかがだろうか。

  • 先進国は軒並み防衛費をGDP比2%以上に増額している
  • 日本の防衛費は今のレベルでは足りない
  • 支那・ロシア・朝鮮半島といった無法者国家が乱立する立地条件において、日本一国で防衛することは困難を極める
  • 国民の生命と財産を守り、かつ、なるべく国民への負担を減らすためには集団的自衛権の行使が可能となる体制を構築しなければならない。今や、協調体制にて国家を守る時代なのである。
  • 幸いにも、クワッドやAUKUSといった下地が出来つつあり、日本は重要な役割を果たすことが可能である。
  • その為には、70年以上も改正を放置していた憲法をできるだけ早急に修正し、自衛隊を軍事組織として格上げする必要がある。
  • また、グレーゾーン事態に対応できるように海上保安庁と海上自衛隊のスムーズな連携を可能とするために、自衛隊法や海上保安庁法など不適切な部分の法改正も急務だ。
  • そして、そうした体制を整えるために必要なのは経済基盤の強化であり、日本だけ立ち遅れている経済成長の後押しが必要である。その為には思い切った減税対策を打つべきではないか。
  • 折しも武漢ウイルスの騒ぎが終わり、景気を回復できる絶好のチャンスが訪れている。
  • 日本政府は軍事と経済の両輪を回しながら、外交政策にも邁進して不測の事態に備えねばならない。LGBTだの、カーボンニュートラルだのにうつつを抜かしている暇はない。

とまあ、こんな感じだ。え?富国強兵路線だ?国民の生命と財産を守るためには、必要なプロセスじゃないかな。

コメント

  1. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    「充分とは言えない」
    これ、能力ないヤツが、締め切り守れない、あるいは作品仕上がらない時に言う事が多いですよね。
    「こんなんじゃ(時間が足りない、画材が足りない、資金が足りないetc)、ボクの才能を発揮しきれない!満足出来るものが出来上がらない!」
    物事にはだいたい締め切りがあって、一流クリエイターは契約した締め切りまでに、顧客が満足するクオリティの物を仕上げるものだ、ってのが、あの人たちはどうしても理解出来ないようで。
    まあ、だから「資本主義経済」が理解出来ないのでしょうけれど。
    ※その意味で、ダビンチはクリエイターとしてはダメダメで、ピカソは凄かった、と。
    ※能力はともかく、締め切りの点で。

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