偶には新聞ネタなどを。活動家のアジビラとして有名な東京新聞の記事に、共同通信の記事なんかを軽く見ていこう。
入管法改正 難民認定問題の課題探る クルド人多く住む蕨でシンポ
2023年7月8日 07時43分
クルド人が国内で最も多く住む埼玉県の蕨市と川口市。およそ2000人の大半がトルコ政府の迫害を逃れて来日し、難民申請をしている。ところが日本は難民認定率が極端に低い上、強制送還をしやすくする入管難民法の改正案が先月国会で成立したばかり。クルドの人々に危機感が高まる中、識者を招いたシンポジウムが先月、蕨市内で開かれた。
東京新聞より
このシンポジウムだが、どうやら定期的に行われているらしい。
メディアはなぜ嘘をそのまま報じるのか
難民じゃない人達
先ずはNHKニュースを引用しておこう。
クルド人の難民認定について考えるシンポジウム 埼玉 蕨
09月23日 18時33分
「国を持たない最大の民族」ともいわれるクルド人の難民認定について考えるシンポジウムが埼玉県蕨市で開かれました。
~~略~~
団体によりますと、トルコ国籍のクルド人が難民として認定されたのは初めてだということで、はじめにシンポジウムにオンラインで参加した男性の代理人の山田幸司弁護士が「入管行政が変わって難民認定される人が増えてほしい」と今後に期待を示しました。
NHKニュースより
この記事は2022年の9月に報じられたもので、半年前にも「クルド人」を「難民認定しろ」と報じている。だが、日本において「難民」とは、入国管理局が認定した方がそう呼ばれるのであって、この記事に出てくる方々も、基本的には「難民ではない」と判断されているのが実情だ。
この記事も違和感満載なのだが、冒頭のニュースの方に戻ろうと思う。
一方、樋川弁護士は在日クルド人を取り巻く状況を解説した。クルド人への差別政策をとるトルコからの難民認定率は、各国平均で45・6%(二〇一八年)だが、日本がこれまで難民として認めたのは一人だけ。「日本の難民認定制度が極めて厳しいというだけでなく、トルコと日本の友好的な政治関係が影響している可能性がある。クルド人難民を認めるとトルコ政府の迫害を認めることになるからだ」と説明した。
東京新聞より
えーと、まず、トルコ政府の政策だが、クルド人への差別政策とあるんだけど、ソレが本当かどうかはちょっと怪しい。
クルド人は弾圧されている?!
えーと、今年、トルコでは大統領選挙が行われた。
エルドアン大統領、保守層に浸透=野党候補はクルド接近で逆風―トルコ
2023年05月29日 05時23分
28日のトルコ大統領選決選投票で当選を決めた現職のエルドアン氏は目先の経済状況より国家の安定を重視するイスラム保守層や民族主義者の間に支持を浸透させた。野党統一候補のクルチダルオール氏は、エルドアン政権の強権傾斜や経済面での失政を批判して選挙を戦ったが、少数派クルド人からの支持を求めてクルド系政党に接近したことが逆風になった。
時事エクティより
これは今年5月のトルコの大統領選挙の時の記事で、エルドアン氏が再選を決めたニュースだ。
トルコ大統領を20年以上も続けている傑物だが、独裁的な面が目立つと批判されている部分もある。特に、少数派クルド人達に対する「弾圧」的な政策というのは問題視されたこともある。
だが、トルコには「クルド系政党」が存在する。それも1つではなく複数ある。弾圧されているはずなのに、政党が存在するのだ。
トルコで迫害されているはずのクルド人が、何故、政党を作っているのだろうか?まずここで違和感を抱くわけだ。弾圧されていたのは本当に「クルド人全員」なのか?と。
イギリス内務省の情報ノート
かつて、トルコ国内には確かにクルド人迫害の疑いがあって、実際に、ヨーロッパ各地に難民として流れ着いた人が多数いた。
そういう事情もあって、イギリスの内務省はトルコのクルド人に関しても調査を行っている。そのレポートがこちらだ。
2020年2月の情報で、出入国管理庁が仮訳したものである。
このレポート、イギリスの在留許可が得られたクルド民族が国家的な迫害を受けているとイギリス内務省に訴えて、イギリス内務省が税金を使って調査したものなので、第三者的な立場での視点で書かれている。
そして「留意点」として、クルディスタン労働党PKKの党員である、または関連する人物である場合には、別項目で調査したレポートがある、としている。つまりこのレポート、一般的なクルド人の扱いについて調べたものだという意味だ。
- 基本情報として、クルド人はトルコ国内に推定1,500万人からなる民族集団として生活し、トルコの人口の15~20%を占めている。
- 民族自決を訴えて武力闘争をするテロ組織としてPKKが結成されて、トルコ国内で活動し、今なおテロが引き起こされることがある。
- 一方で、要職に就いているクルド人が多数いて、クルド人国会議員(与野党双方に)大審院にもクルド人がおり、判事や閣僚を務めるクルド人がおり、公務員にもクルド人がいる。
- トルコではトルコ語が公用語として定められ、憲法では教育機関での指導において他の言語を主たる言語としてはならないと規定しているため、トルコ語を話すことが出来ない少数民族は不利な立場に立たされることがある。
- ただし、過去にクルド系言語使用禁止令があったが、2015年以降撤廃。クルド語を教育機関で使用することが許され、法廷では通訳者が用意される。
- 国営と民営どちらのテレビチャンネルでも、クルド系言語での放送を行っている。
……なるほど、クルド人はある程度制約はあっても、迫害されているとまでは言えない状況だと。少なくとも、トルコ政府は融和政策へと切り替えつつあるわけだ。
もちろん、独立運動を推進するPKKを始めとするテロ組織に今なおトルコ政府が手を焼いているのは事実だし、複数のテロ組織に対する武力鎮圧が行われているのは事実だ。そういった活動をされている方の肩身が狭いという事はあり得るだろう。しかしそれは人種差別を根拠とする迫害ではないのではないか。
迫害を逃れて?
さて、そうすると、トルコにおいてクルド人が「生きにくい」と感じる局面はあっても、総じて「迫害されている」と言えるかというと、怪しい。少なくとも「政府による迫害」というのは嘘だろう。
クルド人を絶望の淵に落とす、日本の入管難民法改正 差別と弾圧に加えて大地震…「故郷で生活できない」のに強制送還か
2023/07/09
埼玉県川口市に住むクルド人のエリフさん(30)=仮名=は2019年、トルコから日本に渡ってきた。母国での生活に身の危険を感じたからだ。
47NEWSより
えーと、支那ニュースではなく47NEWSである。
コレのタイトルが凄いのだが、しかし記事の内容はタイトルよりもかなりおかしい。
引用部分に続くのが以下の文だ。
トルコ政府は長年、クルド人に対して言語や独自の文化を禁じ、同化政策を進めてきた。特に1990年代に弾圧は激しさを増し、多くの人が日本に逃れた。20年以上続くエルドアン政権下でも、クルド系政党などへの弾圧はやんでいない。
47NEWSより
これ、一行一行は正しく思えるのだが、繋げて読むとおかしくなるという高等なテクニックが駆使されている。
>トルコ政府は長年、クルド人に対して言語や独自の文化を禁じ、同化政策を進めてきた。 → でも融和方針に転換して2015年以降はクルド語も使えるようになった。
>特に1990年代に弾圧は激しさを増し、多くの人が日本に逃れた。 → エリフさん(仮名)は2019年来日
>20年以上続くエルドアン政権下でも、クルド系政党などへの弾圧はやんでいない。 → 融和方針に転換したうえ、国内政策として進めているのは武装勢力の鎮圧である。
この方が2019年に来日した時には、トルコは既にクルド人に融和的な方針に転換済みだったのだ。そうすると、「ただ暮らしているだけで迫害を受ける」という印象とは全く異なる。「弾圧や迫害を感じながら生活」って、本当に?
そういう感想を持つのは自由だが、それが実体を伴っていたかどうかは怪しい。
>政治活動をしていた妹夫婦は、身柄の拘束を恐れてエリフさんより1年早く日本に逃れた。
ええっと、エリフさんと無関係よね?それとも、身内だからという理由で、当局の取り調べを受けたとでもいうのだろうか。
トルコでは少数民族として認められず、深刻な差別や迫害を受けている。たとえば、政府はクルド人を監視するため、ジャンダルマ(憲兵)が居住地域を定期的に訪れる。役所でも、書類の発行をわざと1カ月も遅らせるなどの嫌がらせにあう。まともな仕事をもらえず、あったとしても安い賃金の肉体労働だけだ。「ここでは子どもを育てられない」。日本に行くことを決意した。
~~略~~
最大の不安は6歳の娘のことだ。物心がつく前に来日し、トルコでの記憶はない。現在は川口市内の幼稚園に通い、友達の多くも日本人だ。トルコ語は両親との日常会話で使う程度で、簡単な単語しか理解できない。
47NEWSより
2023年で6歳ということは、2019年には2歳である。つまり、子連れで日本に来て居着く積もりだったのである。
この話は、「難民申請をしている移民希望の方」の話なのだ。
健康保険は「保険」である
健康保険には加入できる
一般的に「保険」とは、日常生活で起こる様々なリスクに備えて、みんなでお金を出し合い万が一に備える制度である。当然、健康保険も「保険」なので、月額の保険料を支払う必要がある。
シンポの最後には、来日十一年のクルド人の男子大学生(21)が発言。「けがをしても健康保険がなく病院に行けない。それでも帰国しないのは、日本の人たちと仲良く暮らしていきたいから。一人でも多くこの問題に興味を持ってほしいです」と会場に語りかけた。
東京新聞より
2022年11月に来日したクルド人男性が「怪我をしても健康保険が無い」って、そりゃそうでしょうよ。保険料は幾ら支払ったんですか?と。
ちなみに、国民健康保険は昭和61年に被保険者の国籍要件を廃止しているので、外国人であっても住民登録されていれば加入できる。つまり、保険証が無い人は、健康保険に加入していないという意味だ。
外国人だから使えないのではない。
外国人住民の国民健康保険加入について
住民登録をしているかたは、国民健康保険に加入しなければなりません。
川口市のサイトより
ただし、職場の健康保険に加入しているかた、在留資格が「特定活動」のかたで、医療を受けること及びその付添いを目的とするかた、被保険者の除外要件にあてはまるかたは、加入することができません。
在留資格が「公用」のかたについては、国際礼譲上、住民登録を免除されており、認められた在留期間が3ヵ月を超えるかたであれば、国民健康保険に加入することができます。
外国人住民のかたにつきましては、平成24年7月9日に法律が改正され加入要件が変更されました。
嘘つくのやめてもらっていいですかね?
マイナンバーカードに健康保険証を統合する話で随分ともめているのけれど、反対派はどういう層の人なんだろうね。
私の人生めちゃくちゃに…入管難民法改正「全員帰れと同義」 クルド人ら川口で訴え 仮放免の窮状にも言及
2023/04/19/11:58
入管難民法の改正を巡り、埼玉県内で暮らすクルド人の家族らが16日、川口市内で記者会見を開き、入管施設収容を一時的に解かれた「仮放免」の窮状と法改正反対を訴えた。日本に避難したクルド人は難民認定されないため働くことができず、健康保険もない。県外移動も許可が必要だ。改正案は、難民認定申請が2回却下されると強制送還が可能になることなどを盛り込み、当事者や支援者は「法改正をやめて」「家族の命を助けて」と悲痛な声を上げた。
埼玉新聞より
そもそも、難民認定できないんだから、お帰りになるしかないのだ。勝手にオーバーステイしておいて、「帰る場所がない」って、そりゃおかしいよ。そして、健康保険証に関しては上記の通り。
3,000人近くの犯罪者
オーバーステイは犯罪である。
Q.現在、オーバーステイになっていますが、捕まりますか。
A.オーバーステイはとても危険な状態です。実際に逮捕されます。
オーバーステイになっていても重大に考えていない方がたまにいるようですが、オーバーステイは犯罪です。3年以下の懲役または300万円以下の罰金が定められています。警察や入国管理局も常に不法滞在者の調査をしており、いつ摘発・逮捕されるか分からない状態です。また、日常の生活での手続きや、本人確認などからオーバーステイの事実が発覚し、ある日突然逮捕されることもあります。当センターは秘密厳守でご相談に応じますので、オーバーステイでお困りの方は当センターにお電話下さい。
外国人在留資格ビザセンターのサイトより
素直に、罪を認めよう。
現在は2回目の難民申請中。クルド人の支援団体によると、埼玉県川口市と蕨市には、2千~3千人のトルコ国籍のクルド人が住む。多くの人が難民申請するが、トルコ国籍のクルド人の難民認定は過去、2022年7月の1例のみだ。
47NEWSより
したがって、たった1例を除く、2,000~3,000人の殆どが、トルコ政府から合法的にビザが発給されて、航空機で日本に来て、難民申請をしたまま居ついている方々という事になる。厳密には、法律の許容するグレーゾーンと言えなくもないが、意図的にオーバーステイしているのだから、犯罪者ということになる。
そして、親のエゴで子供を巻き添えにしてはいけない。
「クルド人が多く住む村は、政府の支援も行き届かない」と打ち明ける。
47NEWSより
エルドアン大統領は5月の大統領選で勝利し、政治体制が変わる気配はない。日本からトルコに送還されたクルド人の中には、トルコ到着直後に逮捕され、裁判にかけられた人もいる。いったん日本に逃れたことで、帰国すると反政府的とみなされて弾圧を受ける恐れが高まっている。「トルコにはもう帰れない」
これなどは完全に嘘だね。
政治犯が日本に入り込もうとして送還され、トルコに帰国したら逮捕されるような事案はあったかもしれないが、裁判にかけられる権利を持っていたことが記事には書かれている。
日本に逃れたら反政府的?
ちょっと良くわかりませんね。反政府的な活動をなさっていたからこそ、日本に移住しようと思ったんでしょ?素直に帰れよ。祖国だろう?
「入管に、私たちはここにいたいと伝えたい」。記者の目を見つめながら、「人権が欲しい。送還しないでほしい」と強く訴えた。
47NEWSより
都合のいい人権を振りかざしているが、人権がない訳ではない。日本国籍がないのである。
先月、難民申請を原則二回までに制限することなどを柱とした入管難民法改正案が可決、成立した。樋川さんは「在日クルド人は未成年の占める割合が高い。幼少時から保護者が難民申請をしていて申請が三回以上の子どもは多い。日本で生まれ育った子ども世代が重大な不利益をこうむることになる」と懸念した。
東京新聞より
日本で生まれ育ったトルコ国籍のクルド人の子供達が「重大な不利益をこうむることになる」のは、不法行為を行っている親の責任である。
間違ってはならない。
コメント
こんにちわ。はぁ……またか( ´Д`)=3
んと、マスコミが川口の事件を縮小しようとするのは、入管法の改正の時に、
さんざん「可愛そうなクルド人」で騒いだからでしょう。尻拭いがいやなだけ。
政治亡命するならば、日本国内で一切の政治活動をしないと誓約しろや!
クルドのPKKが嫌われるのは、関係ない第三国で対トルコの活動するからですよ。
それは違うだろって!
それとクルドとモメてるのは、実はトルコだけでなく、イランもイラクもシリアもそうなんですよね。彼らに味方するってのは、親日国トルコだけでなく、
イラン・イラク・シリアも敵に回すって事になります。それ、日本人に何のメリットがある訳で??
はっきり言って、日本人に関係ない民族紛争で、そもそも数カ国を敵に回してまで庇う理由を聞きたいですね!
これは木霊様も申されてましたが、英国のMI5みたいな専門組織を作り、監視体制を作らないとマズいですよ。テロ事案は警察は成果を出した試しがないし。
クルド人が虐げられる環境にあるのは事実だと思うんですが、だからといって好き勝手に日本に来て難民申請が通るのか?と、それだけの話です。
難民の話はなかなか難しいとは思いますが、そもそも祖国を捨てねばならなかったのか、単純に「チョロそうだから来日した」のかでも、話は異なります。
諜報の大切さは、日本政府としてももっとしっかり認識すべきです。
こんにちは。
・昭和中期からの「江戸っ子」なら、川口はそもそも治安が悪いことは承知。
・今、イメチェンしようとしてるところでこれだもの。馬脚を現したというか。
という件はさておいて、マスゴミは、ほんとうにもう、「JAROに訴えちゃる」レベルのミスリードが酷すぎて。
隣の紅い国なら速攻で全員縛り首レベルだろうに、って思います。
キューポラのある街として、職人の集う活気のある場所になった時代もあったんですが、何というか失敗しちゃいましたよね。
川口市がイメージチェンジのためにおかしな政策に手を付けたというのは、国政としても困った話ですが、片棒を担いでいるのがメディアなんですよね。