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日本政府も半導体製造装置の輸出管理を厳格化へ

中華人民共和国ニュース
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最初に読んだ時に、「アメリカの話は既に聞いたよ」と思っていたのだけれど、どうやらこれ、日本政府の決定と言うことらしい。

政府 半導体製造装置の輸出管理厳格化 中国などへ手続き厳しく

2023年3月31日 12時27分

政府は、国際的な安全保障をめぐる環境が厳しくなる中、先端半導体の製造装置23品目の輸出管理を厳しくする措置を新たに行うと発表しました。アメリカ・韓国・台湾などへの輸出よりも中国などへの輸出の際の手続きを厳しくします。

NHKニュースより

コレで困るのは……、支那もそうだけど韓国かなぁ。

輸出管理厳格化は支那にも有効

半導体製造装置は日本頼み

冒頭で引用したニュースは、アメリカが提案しているチップ4の構想に基づいたものである。日本政府としても、支那の半導体覇権を阻止すべく動き出したという理解で良いだろう。

発表によりますと、対象となるのは日本企業が高い技術力を持つ、先端半導体の材料に回路を焼き付ける「露光装置」など23品目です。

~~略~~

今回の対応は、アメリカからの要請に応えつつ日本企業への影響をできるだけ抑えようというもので、経済産業省は中国を念頭に置いた措置ではないとしていますが、米中それぞれがどう受け止めるかが焦点になります。

NHKニュースより

日本政府としては「支那を念頭に置いた措置ではない」と明言しているものの、実質は支那対策というかアメリカ対策という事なんだろう。

外交カードの仕込み?

ただ、個人的には昨日の記事に関連する話であるように思う。

支那でまた邦人拘束、今度はアステラス製薬の幹部
「またか」と言うニュースではあるんだけど、今回は末端の社員ではなく幹部が拘束されたというニュースだ。 中国、アステラス製薬の日本人男性拘束は「スパイ容疑」と説明 2023/3/27 18:18 北京市でアステラス製薬の現地法人幹部の日本人男...

こちらの記事の追記で言及しているのだが、アステラス製薬の幹部拘束が支那の外交カードの仕込みだったという分析があった。

そのために、中国が仕掛けた工作が日本人拘束だった可能性がある。  

日本人を拘束した後で、日中外相会談に応じれば、日本側は必ず「早期釈放してくれ」と要求してくるはずだ。それに対して、中国側は「日本は米国の対中半導体輸出規制に、どう対応するつもりか」と問い質す。  

そういう展開になれば、互いの要求を相打ちにして、輸出規制を完全に断念させるのは難しくても「風穴を開ける」くらいはできるかもしれない。そう読んで、日本人拘束という荒業に打って出たのではないか。「釈放してほしいなら、輸出規制に同調するな」という構図に持ち込みたいのだ。

Yahooニュースより

確かに、外務大臣の林氏が支那に訪問した際の、メインの話題が「邦人拘束をしたな?帰国させて欲しい」という要求になるだろう。

支那はこのバーターとしてアメリカへの「対支那貿易戦争」に関する働きかけを持ちかけてくるだろう。チップ4を始めとする政策を含んだ半導体戦争は、支那にとって劣勢の戦いであり、なんとか日本に口利きして貰いたい、あわよくば日本を支那陣営に引き込みたいという思惑があるのだと思う。

ところがそれに先んじて、日本政府は「半導体製造装置の輸出管理を厳格化ね」とやってしまった。驚くべき事に日本が直前になって外交カードを増やしたのである。

これ、狙ってやったのだとしたら、日本もなかなか強かな外交交渉をするようになったのだと、そのように評価できる。

韓国にはなすすべがない

ところで、こうした外交交渉に巻き込まれたのが韓国だ。

半導体の在庫を積み上げて、なんとか価格調整ができないか奮闘中ではあるが、SKハイニクスは減産して対応使用とする一方で、サムスン電子は減産もしないと強気である。韓国内でも足並みが揃えられない状況みたいだね。

半導体露光装置の市場規模は、2018年時点で1兆852億円です。 消費地域別のシェアは、1位韓国36%、2位台湾19%、3位中国18%、4位米国14%、5位日本7%と続きます。半導体露光装置のベンダ国籍別シェア(2018年)は、欧州(84%)、日本(14%)、米国(2%)で、欧州・日本でほぼ寡占されています。

Metoreeより

ちょっとデータが古いのだが、韓国は半導体露光装置の供給を日本に頼っている。とはいえ、このデータも大雑把な話で、露光装置の現在のシェアはオランダASMLが独占状態にある。特にEUV露光装置の分野、ArF液浸露光装置の分野ではASMLの独壇場だ。

https://positen.jp/360

まあ、ニコンやキヤノンが戦える戦場もあるので悲観することはないのだが、それでも全体的に見れば劣勢。そんなわけで、日本が半導体露光装置の供給をストップしたからといって直ちに問題にはならないのだが……。

残念なことに先のニュースでオランダASMLもアメリカの方針に従う意向を示しているため、日本政府の決定によって、支那はかなりダメージを受ける可能性がある。

が、それでもまだ交渉の余地は残されているわけだ。日本相手には交渉ができるからね。問題は外交交渉の場にすら立てないのが韓国である。更に、サムスン電子もSKハイニクスも支那に巨大な工場を作り、生産量の半分くらいを支那での製造に頼る事態になっている。

SKハイニックスの大連工場で生産する3次元NANDは同社の約30%、無錫工場で生産するDRAMは同社の約50%を占める。サムスン電子の西安工場で生産する3次元NANDは同社の約40%を占める。

ここの設備更新は絶望的になるというわけだ。韓国にしてみると「また、輸出管理か!」という話になる。韓国は再び流れ弾に当たって苦しむことになりそうだね。

そんな話だ。

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