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AUKUSがIAEAの政策を破壊する?!

安全保障
この記事は約15分で読めます。

都合が悪いらしいね、支那にとっては。

中国 IAEA加盟国に米英豪原子力潜水艦協力問題の議論促す

2023年11月25日(土) 23時40分

国際原子力機関(IAEA)の11月の定例理事会が、オーストリアのウィーンで開かれました。中国の主導により、米国、英国、オーストラリアの原子力潜水艦協力問題が第11回会議の議題に正式に加えられました。中国IAEA常駐代表の李松大使は24日、理事会のテーマ別討論で基調発言を行い、中国の立場と主張を全面的に説明しました。

レコードチャイナより

米英豪の連携でAUKUSの枠組みを作ったことが、相当気に入らない支那ではあるが、それは自身の海洋進出プランの崩壊を意味するからだろう。

オーストラリア海軍が原子力潜水艦を取得する背景

オーストラリアは潜水艦が欲しい

原子力潜水艦の取得に関しては、以前も言及している。

この時も話題になったのだが、通常動力型潜水艦に対して原子力潜水艦は建造費が高く維持費も高い。果たして日本に必要なのか?割と皆さん興味のある話題のように感じた。

AUKUSの狙いは対支那包囲網という側面と、単純にオーストラリアの潜水艦更新の必要性という側面がある。

前者はともかく後者はなかなか深刻で、コリンズ級潜水艦は1996年に就役して以降、25年程度経過していることと、そもそもコリンズ級は設計の段階から様々な問題が指摘されていて、騒音は劣悪で信頼性が低いという酷いシロモノであった。

特に故障が頻発する運用面での問題は大きく、1隻しか動かせる潜水艦が存在しないという時期もあったほど酷かったようだ。

仮想敵国はインドネシア?

なお、オーストラリア海軍にとって、これまではインドネシア海軍が仮想敵国であった。インドネシア海軍はナンガラ級というドイツ製の潜水艦(韓国で改造済み)を運用していたが、現在はカクラ級潜水艦というやはりドイツ製の潜水艦を運用している。次級としてナーガパーシャ級潜水艦の導入を進めているようだが、余り思わしくない模様。

大宇造船、潜水艦の海外輸出に成功 韓国初

2017.08.02 15:19

大宇造船海洋が韓国で初めて潜水艦の海外輸出に成功した。1988年にドイツから技術提供を受けて開発を始めて約30年で成し遂げた快挙だ。

大宇造船海洋は2011年、インドネシア国防部から受注した1400トン級潜水艦3隻のうち、1隻目の潜水艦引渡式を2日、慶尚南道巨済の玉浦造船所で行った。引渡式にはインドネシアのリャミザルド・リャクドゥ国防部長官やアデ・スパンディ海軍参謀総長のほか、大宇造船海洋の鄭聖立社長ら80人余りが出席した。

中央日報より

インドネシア側はナーガパーシャ級潜水艦の性能に満足していないらしいのだ。その後の続報が見当たらないので、今どうなっているかは知らないが。

インドネシア、軍拡競争に懸念表明 豪の原潜建造発表で

2021年9月17日6:13 午後

インドネシア外務省は17日、オーストラリアが米英と合意したインド太平洋の新たな安全保障協力の枠組みの下で原子力潜水艦を建造すると発表したことについて、軍拡競争を懸念していると表明した。

同省は「地域で軍拡競争と戦力展開が続いていることを深く懸念している」と表明。オーストラリアに対し、地域の平和と安定を維持し、国際法を尊重するよう改めて求めた。

ロイターより

ただ、そのインドネシア海軍としてもオーストラリアの潜水艦事情が改善するのは心中穏やかではないらしい。

周辺海域ではインドネシアとオーストラリアがお互いに牽制を続けているようだけれども、オーストラリア海軍が原子力潜水艦を手に入れてしまえば、ここいらの戦力バランスは確かに変化するだろう。

AUKUS、原子力潜水艦は中国の対抗手段として間に合うか?

2023.03.16 Thu posted at 16:55 JST

オーストラリア・キャンベラ(CNN) 秘密裏に進められてきた米英豪の潜水艦共同開発が公表されてから1年以上が経過した13日、3カ国は急速に軍事拡大を進める中国への野心的な対抗策の詳細を明らかにした。

CNNより

ただし、オーストラリアの戦略としては支那の海洋進出も止めるという視野に立てば、インドネシアが何を言おうとここで戦力増強というのは必要なことなのだろう。

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自由で開かれたインド太平洋構想

セキュリティダイヤモンド構想

故安倍晋三の構想したセキュリティダイヤモンド構想は、日本、アメリカ、インド、オーストラリアで太平洋の航行の自由を確保しようという発想である。

はっきりと見え始めた安倍首相のインド太平洋セキュリティ構想

March 22, 2019

インド太平洋地域に関して、安倍晋三首相は過去10年以上にわたり民主主義国家による効果的な安保連携を掲げてきた。この構想は航行の自由、排他的経済水域の主権、資源サプライチェーンの安保、そして中国の違法な領土拡大に対する懸念に刺激されたものである。

地域の安保イニシアチブを見直すと、安倍首相の構想が実現しつつあることが分かる。

安倍首相は2006年の著書「美しい国へ」の中でも述べているように、早くからオーストラリア、インド、日本、米国の4ヵ国による安保連携を提唱している。最初の内閣総理大臣就任後の2007年8月、マニラで開催された日米豪印戦略対話で他3ヵ国の政府関係者等と会談するために、同首相は代表団を派遣したと、ジャパンタイムズ紙は報じている。

~~略~~

「安倍首相が論文を執筆した2012年は、中国の押しが強くなり、同国がさまざまな建設を開始していたことから、中国により南シナ海が占領されるという脅威が出現していた」と説明している。中国は自国が建設した人工島を軍事化しているとは言え、自由貿易は依然として健在であると同博士は語っている。

FORUMより

支那の暴挙を封じ込めるこの発想を実現するためには、支那が持つ原子力潜水艦に対抗できなければ話にならない。

特にオーストラリアは大陸周囲の広い海を高速に移動できる手段が必要で、全域をカバーする気であれば通常動力型潜水艦ではかなりの数の潜水艦を用意する必要がある。

これまではインドネシアに近接するポイントだけ警戒していれば事足りたのだけれど、今後はそういうわけにも行くまい。

支那はそこまで原子力潜水艦の性能を向上させているからだ。最近は、FOIP(自由で開かれたインド太平洋)という言い方や、セキュリティダイヤモンドという言い方は出てこないんだけど、ベースになっている話はそういうことだ。

支那の原子力潜水艦

最近のニュースだが、こんな話があった。

焦点:中国の次世代原潜、静粛性大きく向上 海中の軍拡競争激化

2023年10月13日午後 6:12

中国が次世代の弾道ミサイル原子力潜水艦(SSBN)の運用を2020年代末までに開始するとの見方が、安全保障政策に携わるアジアの政府関係者やアナリストの間で強まっている。

ロシアの技術支援を受けて静寂性が飛躍的に向上するとみられる「096型」は、探知が難しく、米国や同盟国にとって脅威が増す。海中の軍拡競争を一段と激化させる可能性がある。

ロイターより
焦点:中国の次世代原潜、静粛性大きく向上 海中の軍拡競争激化

支那の新型潜水艦は096型原子力潜水艦(唐級)と呼ばれるタイプで、094型潜水艦より随分と性能を向上させたのだと分析されている。

米国防総省は昨年11月、中国海軍が南シナ海の海南島から従来型の094型原潜による「完全武装の核抑止パトロール」を日常的に実施していると明らかにした。しかし、中国の最新鋭潜水艦発射ミサイル「JL―3」を搭載する094型は、騒音が比較的大きいとされている。

先の研究論文は096型について、隠密性、センサー、兵器の面でロシアの最新鋭潜水艦に匹敵すると指摘。米国とインド太平洋の同盟国に「深遠な」影響を及ぼすだろうとしている。

ロイターより

静粛性の向上はもとより、JL-3ミサイルを搭載して発射出来るという風に報道されている。JL-3ミサイルの射程距離は9,000km~12,000kmだといわれていて、この射程距離が何を実現するかというと、支那沿岸海域からアメリカ本土を直接攻撃することである。

JL-3 SLBM

JL-2ミサイルは、射程7,200kmだといわれていて、コレだとアメリカ本土にはギリギリ届かない。

アメリカ本土を攻撃するのは過去に2回程度で、1回はテロリストによってアメリカ同時多発テロ事件(2001年9月11日)行われて記憶に新しいと思うが、もう1回はあまり話題に上ることはないが、日本軍によって行われた一連のアメリカ本土攻撃である。

1942年2月24日、潜水艦・伊17号によってカリフォルニア州サンタバーバラのエルウッド石油精製所への砲撃し被害を出すことに成功。同年6月21日、オレゴン州アストリア市のフォート・スティーブンス陸軍基地に砲撃し被害に至らずも混乱を生じさせることに成功。同年8月15日、潜水艦・伊25号から発射された零式小型水上偵察機によって、小型焼夷弾を2つオレゴン州のエミリー山に投下することに成功。

1944年には風船爆弾をジェット気流に乗せてアメリカ上空まで到達させ、死傷者を出すことに成功しているのだが、これも余り知られていない。9,300発飛ばして10%程度がアメリカ本土やアラスカ、カナダに到達したようだが。

ともあれ、本土攻撃を受けた経験が殆どないアメリカにとって、相手の槍が本土に届くという事態は、強く警戒すべき事案ではある。

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オーストラリアに原子力潜水艦を保有させる理由

こうした背景を考えると、アメリカがAUKUSを推進した理由がより鮮明になる。要は、オーストラリアに原子力潜水艦を保有させることは、アメリカの保有する原子力潜水艦の基地を手に入れるという意味にもなる。

オーストラリア兵の訓練と合わせて、2023年からは米国の原子力潜水艦がオーストラリアに寄港する回数も増える予定だ。さらに3年後には、英国所有の原子力潜水艦の寄港も増える。

27年には、数十億ドル規模の改修工事が予定されている西オーストラリア・パース近郊の軍港HMASスターリングに、米国と英国の潜水艦が持ち回りで停留する。

その後30年代初頭には、オーストラリアが議会の承認を得た上で、米国からバージニア級潜水艦を3隻購入。さらに2隻を追加購入するオプションも盛り込まれている。

CNNより

アメリカにとって、オーストラリアに原子力潜水艦のメンテナンスの出来る基地を手に入れられることは、歓迎すべきことなのだ。

論文はまた、ロシアの技術の「模倣的革新」に基づき、ウォータージェット推進装置や内部静音装置など、特定の分野で技術が飛躍的に向上した可能性についても詳述している。

ロイターより

支那はロシアの技術を相当手に入れており、潜水艦の静粛性を高めているとのことなので、コレまでのような警備の仕方では足りないということになりそうなのだ。

094型潜水艦まではかなり騒がしい潜水艦だったので、水上艦でもある程度補足可能だったようなんだけれども、096型潜水艦はこの点をかなり向上できているらしい。そして、水上艦で補足できないとなると、原子力潜水艦で追いかけるしかなくなる。

そうなると、とてもではないが現状のアメリカ海軍が保有する原子力潜水艦保有数では足らない。タダでさえ、アメリカ海軍は原子力潜水艦の保有数を減らそうとしており、支那の原子力潜水艦を野放しにするリスクを考えると、複数の国でこれをカバーする態勢を構築するしかない。AUKUSは「そういうこと」なのである。

アジア太平洋地域の安全保障体制を揺るがす

で、これに対して支那はこんなことを言っている。

李大使は、「米英豪の原子力潜水艦協力は世界とアジア太平洋地域の安全保障に深刻な衝撃を与え、核拡散のハードルを越え、国際的な核不拡散メカニズムと機関の全面的な保障監督システムに厳しい挑戦をもたらしている」と指摘した上で、「このような協力は、『核拡散防止条約』(NPT)の目的と趣旨に反する典型的なダブルスタンダードだ」と非難しました。

レコードチャイナより

うーん、自分のところは核兵器を増やしてもNPTの目的と趣旨に反しないと本気で思っている辺りが救い難い。

が、こういった態度をとるのは支那の通常運転なので、生暖かく対応するしかない。逆に言えば「効いている」ってことでもある。

米原子力潜水艦 2030年代にオーストラリアに初配備の見通し | NHK
【NHK】アメリカとイギリス、オーストラリアの3か国による安全保障の枠組み、AUKUSのもと、2030年代にアメリカ製の原子力潜水…

NHKでは「最大の目標は急速に変化する世界情勢の中でインド太平洋地域の安定性を高めることだ」というお題目くらいしか報じてくれないが、やっていることは支那の膨張を封じ込めることである。もうちょっとしっかり説明して欲しいものだ。

面白かったのはコチラ。

オーストラリアの原子力潜水艦は核拡散のパンドラの箱を開ける恐れがある

2021年09月19日

数年前、原子力潜水艦(SSN)隊を手に入れるという“血迷った”ともいえる渇望に苦しんだ後、オーストラリアはついに、中国に対抗して新たに結成されたAUKUS(オーストラリア、英国、米国)というパッとしない名称を冠された同盟の下、バイデン政権から8隻のSSNを約束された。

~~略~~

AUKUSの下でオーストラリアがSNNを調達することは、特にアルゼンチン、ブラジル、カナダ、イラン、日本、サウジアラビア、韓国といった非核兵器国も、原子力潜水艦を取得して核燃料(低濃縮ウランおよび高濃縮ウラン)をIAEA保障措置の対象外にしようとすることによって、核拡散というパンドラの箱が開く恐れがある。これは、すでに新技術による課題に直面しているIAEA保障措置(検証)制度を弱体化させ、核物質が核兵器に転用される可能性をもたらすだろう。オーストラリアにSSNを供給するというAUKUSの決定は、徒労になるだけでなく、地域と世界の安全保障に深刻な脅威をもたらしかねない。

戸田記念国際平和研究所のサイトより

不思議ロジックで、オーストラリアが原子力潜水艦を手に入れると、IAEA保証措置制度が弱体化するらしい。いやもう、支那がガンガン原子力潜水艦を作っているんだが、それに対抗することは「徒労」なのだろうか。

核不拡散のお題目は、もはやスローガン的な意味くらいしかなく、実際に世界中に拡散しつつある。拡散速度を抑えるくらいの効果しかないわけで、意味があると言えば意味があるのだが、拡散しないということではないしね。

反対する勢力は

なお、AUKUSに反対する勢力はこの通り。

ロシア、エジプト、アルジェリア、パキスタン、イラン、キューバなどの国も次々と発言し、米英豪の原子力潜水艦協力は大量の兵器級核物質の移送を伴い、深刻な核拡散リスクがあるとの見解を表明し、「前例のないこうした行為は、3カ国及び事務局が暗黙のうちに行うことはできず、IAEA加盟国の共同参加を前提とした政府間プロセスを通じて適切に処理される必要がある」と主張しています。

レコードチャイナより

何というか、見事に東側の面々ばかりで説得力がないにも程がある。ロシアはともかく、エジプトやアルジェリア、キューバなどはオーストラリアが原子力潜水艦を保有したところで困らないだろう。

ロシアやパキスタン、イランは既に核兵器に繋がる技術を持っているので、今更という感じの話である。パキスタンやイランは既に核兵器に手が届いているのだけれど、IAEAでよくもまあヌケヌケとこんなことが言えるモノだ。

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日本もAUKUSに参加すべき

原子力潜水艦を取得する意味

さてと、長々と書いたのだけれども、結局はコレを考える時に背景として知っておくべき話だと思うからだ。日本がAUKUSに参加すべきか否か、という話では、参加すべきであると思う。

AUKUSの主な目的はオーストラリアによる原子力潜水艦の開発及び配備の支援ということになっているのだが、潜水艦の他に自立型無人潜水艦や長距離攻撃能力、敵基地攻撃能力などの軍事分やの増強の他に、軍事分野やサイバー戦争の抑止のためのサイバーセキュリティ、AI、または量子コンピュータを用いた暗号化技術を念頭に量子技術の開発を対象としている。

したがって、このグループに加わって研究開発を続けることは、日本の国益に資する可能性が高い。そういう意味でもJをプラスしてJAUKUSの枠組みになっていくべきではないかと考えている。

そして、日本が原子力潜水艦を取得すべきか?だが、コチラの動画を見た上で、少々認識を改めた。

これまで、通常動力型潜水艦は静粛性が高く、原子力潜水艦は五月蠅いという認識だったのだが、静粛性が高まったことによって通常動力型潜水艦の優位性は建造費が安いくらいのメリットしかなくなってしまっているのだとすると、話は少々変わってくる。

AUKUSへの参加で、周囲に潜んで敵方の原子力潜水艦の監視や追尾をするという任務を負う必要性を考えると、攻撃型原子力潜水艦の保有を検討すべき時期かもしれない。

戦略型は必要ないが

前回の記事でコメントを頂き、その時点では「攻撃型」でも「戦略型」でもない原子力潜水艦を作ったら、安く建造できるのか?と考えていたのだけれども、よくよく考えると、必要とされる性能は攻撃型原子力潜水艦にカテゴライズされることになりそうである。

つまり、魚雷や機雷などを主兵装とし、敵の水上艦艇や潜水艦などの攻撃を任務とする潜水艦である。VLSを搭載するかどうかも含めて考える必要はあるのだが、原子力潜水艦の発電性能を考えれば蓄電池だけで性能を担保するというのは非現実的であるが故、やっぱり原子力の動力を得るべきだろうとの結論に至った。

もしかして、もっと蓄電池の性能が上がって長距離航行できるようになれば、原子力推進に代替しうる能力の確保が見えてくるかも知れないけれども、当面は難しいだろう。

実のところ、日本政府も過去に「防衛計画の大綱」で攻撃型原子力潜水艦の取得を検討した時期があったのだけれど、見送られている。

「歴史の転換点に」 豪が攻撃型原潜配備へ、対中抑止に米英と連携

2023年3月14日 20時00分

米英豪3カ国は13日、安全保障協力の枠組み「AUKUS(オーカス)」による豪州の原子力潜水艦の保有計画を発表した。軍拡を続け、南シナ海や台湾周辺で活動を活発化させてきた中国の抑止を図る狙いがある。豪州は2030年代に米国から最大5隻の攻撃型原潜を買い入れ、40年代前半には共同開発した新型原潜を国産で調達する。

朝日新聞より

だが、オーストラリアが2030年までにアメリカから攻撃型原子力潜水艦を買い入れるという事態に直面して、今一度考え直す必要性が出てきている。

高い買い物ではあるが、日本の潜水艦が何処までの守備範囲をカバーするのか?という戦略の練り直しに従って、導入の検討をすべきだろう。少なくとも、僕は3隻程度は維持すべきだろうか?と考えているのだけれど、皆さんは如何だろうか。

バージニア級潜水艦1隻だと、約35億ドル(約3,800億円)程度で取得されている。フランスのシュフラン級潜水艦は約17億ドル(約1,830億円)程度で、大きさも大体半分ってなことになっている。そして、オーストラリアは1隻5,000億円程度で原子力潜水艦を入手することになっていたので、日本で作ったとしても5,000億円程度は覚悟する必要があるだろう。作っていれば値段を下げることも出来るかも知れないけどね。

たいげい型潜水艦は700億円前後で作っているので、そう考えると高い買い物になるよね。シュフラン級潜水艦くらいのサイズ感にしたらもうちょっとお安く出来るかもしれないが、必要な機能が満足できるのかは良く分からない。AUKUSに参加する前提なら、バージニア級潜水艦と同じサイズ感が必要になるかも知れないが。

コメント

  1. アバター 砂漠の男 より:

    日本もAUKUSに参加し、原潜技術情報にアクセスするべき。
    カネを出しても意味ある投資になる。
    将来どこかで、日本の原潜実証試験艦の保有が現実化するだろうから。
    『むつ』とコンセプトは同じ、異なるのは時代(米国)の要請。

    • 木霊 木霊 より:

      AUKUSに参加する意義は「原子力潜水艦欲しい」というよりも、記事の途中に言及した無人機技術(水中を含む)などの取得やサイバーセキュリティ関連も含め、トータルで技術力を求められる点にあります。
      是非とも参加して欲しいところ。

  2. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    ・AUKUS参加は肯定。
    ・原潜は、手に入るなら、そりゃ欲しい。

    ですが……
    >たいげい型潜水艦は700億円前後で作っているので、そう考えると高い買い物になるよね。
    結局これかと。
    「むつ」の『放射線漏れ』を『放射能漏れ』と報じて国内の核アレルギーを一気に悪化させたマスゴミの所業は言うに及ばず、しかしその敷居は緩やかですが下がってきているはず。
    ※あの福島原発の事故を経験してもなお、だからこそ、脊髄反射的なやり玉論は(一部を除き)減っていると感じています。
    それでも、世論が原潜を肯定するまではまだ時間がかかるでしょうけれど……

    それよりも、潜水艦による「点」ではなく、無人機を活用した「面」の対潜戦略と戦術が必要だと思ってます。
    P1が無数の無人機連れて飛んでいくところが見たい……

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      結局のところ、対費用効果を検討せざるを得ないところがあって、軍事費が無制限に使えるのであれば原子力潜水艦の建造も吝かではありませんが、限りある軍事費を無駄に使うことになるくらいなら、限定的な運用で留めるしかありません。
      ご指摘のように無人機の運用の方が日本向きかも知れませんし。ただ、検討はやっておく必要があって、原子力潜水艦を持っていた場合にどのような運用をするのか?持っていない場合に何が出来ないのか、などなどやっておくべき事は沢山ありますね。

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