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北朝鮮制裁監視活動中のオーストラリア海軍、またもや支那に嫌がらせをされる

中華人民共和国ニュース
この記事は約9分で読めます。

オーストラリアは支那に舐められているってことかな?

中国軍機、豪海軍ヘリに照明弾を投下 「危険行為」首相が批判

2024/5/7 22:27

オーストラリア国防省は6日、黄海の公海上で中国軍の戦闘機がオーストラリア海軍のヘリコプターに向け照明弾を投下する危険行為をしたと発表した。アルバニージー首相は7日のテレビ番組で「軍としてふさわしくない行動で、受け入れられない」と批判し、中国側に懸念を伝えたことを明らかにした。

産経新聞より

支那人民解放軍はやりたい放題なのだが、それなりの背景があって行動しているということのようだ。

北朝鮮制裁監視活動への妨害行為

アクティブソナーで嫌がらせ

引用した記事にも書かれているが、支那がオーストラリアを挑発する行動をとったのは今に始まったことではない。去年11月にもこんなことがあった。

豪首相、中国海軍を非難 豪海軍のダイバーがソナーで負傷

2023.11.21 Tue posted at 13:01 JST

オーストラリアのアルバニージー首相は21日までに、日本の排他的経済水域(EEZ)内の国際水域で作業していた豪海軍のフリゲート艦「HMASトゥーンバ」に対して中国海軍が行った行為について、危険でプロ意識に欠けるとして非難した。

オーストラリアのマールズ国防相の18日の発表によれば、海軍のダイバーが14日にフリゲート艦のスクリューに絡まった漁網を取り除こうとしていたところ、中国の駆逐艦が近づいてきた。

潜水作業が行われているとの警告にもかかわらず、駆逐艦はソナー(音波探知機)を作動させ、ダイバーの安全を脅かした。ダイバーは海から出ることを余儀なくされたという。診断を行ったところ、ダイバーが軽傷を負っていることがわかった。

CNNより

この嫌がらせをされたオーストラリア海軍所属のフリゲート艦がこちら。

アンザック級フリゲート艦FFH-156「トゥーンバ」で、西方艦隊基地に所属している艦である。

北朝鮮制裁監視活動に参加中だった「トゥーンバ」は、日本沖でプロペラの1つに漁網が絡むトラブルが発生。停泊してダイバーによる漁網の撤去作業が開始された。この際に、近隣を航行していた支那人民解放軍のソブレメンヌイ級駆逐艦「寧波」が「トゥーンバ」に接近した上で、オーストラリア海軍側の「潜水作業中である」との連絡を無視して、アクティブソナーを打ったようだ。

どんな音かというとこんな感じ。

こちらの方はおそらく広域探査用で、支那人民解放軍海軍が放ったのは状況からしておそらく狭域探知用のものなのだろう。

アクティブソナーはまあまあ高い音圧が発生するため、近距離で打たれれば鼓膜損傷というのは十分あり得るようだ。

我々はやっていない

ところが、この時の支那の反応はこんな感じであった。

豪首相が中国大使に反論、艦艇ソナー作動巡り認識食い違い

2024年1月18日午後 2:06

オーストラリアのアルバニージー首相は18日、昨年11月に日本近海にいた豪海軍艦に中国軍艦が音波探知機(ソナー)を作動し潜水作業をしていた隊員が負傷したとする事件について、ソナー作動を否定した中国大使の発言に反論した。

中国の肖千駐オーストラリア大使は前日、豪海軍ダイバーが作業中にソナーを作動した事実はないと述べた上で、近くにいた日本の海上自衛隊の船舶がソナーを作動させた可能性があるとの認識を示唆した。

ロイターより

なんと、支那は「自分たちはやっていない」「寧ろ海上自衛隊のせいではないか」と言い放ったのである。傲慢にも程があるな。

今回は照明弾

で、冒頭のニュースだが、今回は戦闘機から照明弾を発射して、オーストラリア海軍保有の作戦中のヘリコプターを威圧したということのようだ。

問題が起きたのは4日。国連の対北朝鮮制裁の履行を多国間で監視していたオーストラリア軍ヘリの至近距離に照明弾が落ちた。ヘリは回避行動を取ることを余儀なくされた。乗組員のけがや機体の損傷はなかった。

産経新聞「中国軍機、豪海軍ヘリに照明弾を投下」より

どういう状況なのかは記事からはハッキリ読み取れないが、恐らくはホバート級駆逐艦に艦載されているSH-60R「シーホーク」が対象となったようで、対潜哨戒中だったのだと思われる。

Wikipedia「SH-60 シーホーク」より

そこへ、支那のJ-10が飛来して嫌がらせをしたと。

ホバート級駆逐艦のヘリ「SH-60 シーホーク」が作戦を遂行する途中、中国空軍のJ-10戦闘機が現れ、ヘリの進行方向に照明弾を発射した。中国戦闘機が発射した照明弾は、ヘリコプターの前方300メートル先の上空60メートルで爆発した。AP通信によると、ヘリコプターの操縦士が急に回避機動を行い、人命・物的被害は発生しなかったという。

中央日報より
J-10B
Wikipedia「J-10(航空機)」より

完全に挑発行為なのだが、迎撃というところにまでは発展しなかったようだ。まあ、戦闘機相手にヘリコプターが迎撃というのには無理がある。

で、この行為に対して支那はなんと言ったかというと……。

中国軍機、照明弾で豪軍のヘリを妨害-中国は豪州の主張に反論

2024年5月7日 19:13 JST

中国は7日、オーストラリア軍のヘリコプターが危険な飛行を行ったと非難した。豪国防省は先に、黄海上空で中国軍機が4日に照明弾を投下し豪軍のヘリを妨害したと発表していた。

中国外務省の林剣報道官は定例記者会見で、「豪軍機が国連安全保障理事会決議の執行という名目で中国空域の至近距離を故意に飛行し、中国の海上航空安全を危険にさらす挑発的な行動をしたというのが実際に起きたことだ」と述べた。

Bloombergより

こちらも北朝鮮制裁監視活動に参加中に発生したトラブルである。支那としてはこの監視活動がよっぽど都合が悪いらしい。

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ロシアにとっても都合が悪い

北朝鮮を守れ!

なお、この監視活動に関しては国連の方でも問題が生じている。

北朝鮮専門家パネル、活動停止 ロシアと協力の証拠、最後に報告―日米韓、代替活動模索・国連

2024年05月01日20時41分配信

国連で対北朝鮮制裁決議の履行状況を調べる安全保障理事会の専門家パネルが、4月30日をもって活動を停止した。任期を延長する決議案にロシアが拒否権を行使し、事実上の廃止に追い込まれた。

時事通信より

対北朝鮮制裁決議の履行状況を、国連の方でも調査していたのだけれども、この調査を担当している専門家パネルが活動停止に追い込まれている。

最新の報告書では、 ▽北朝鮮が核・ミサイル開発に充てる資金のおよそ40%を違法なサイバー攻撃によって獲得していると指摘したほか、 ▽輸出が禁止されている武器や弾薬をロシアに供与している疑いも調査していることを、明らかにしました。

しかし先月、専門家パネルの任期を延長する決議案がロシアの拒否権によって否決されたことから、パネルの任期が今月いっぱいで切れ、30日をもって活動を停止することになりました。

NHKニュースより

まあ、都合が悪かったんだろうね、ロシアにとっては。

北朝鮮によるロシアへの武器供給

実際にウクライナ戦線で疲弊しつつあるロシア軍は、武器の確保に苦慮していると報じられている。

ウクライナ高官 “北朝鮮がロシアにとって最大の武器供給国”

2024年1月23日 5時49分

ウクライナ国防省のブダノフ情報総局長はイギリスの経済紙のインタビューの中で、現在、北朝鮮がロシアにとって、最大の武器供給国となっていると指摘しました。

ブダノフ情報総局長は、21日に公開されたフィナンシャル・タイムズのインタビューの中で、ロシアはウクライナでみずからの生産能力を超える砲弾や武器を使っているため他国に供給を求めているとしたうえで、現在、北朝鮮がロシアにとって最大の武器供給国となっていると指摘しました。

NHKニュースより

そこを助けてくれるのが、北朝鮮と言うことらしい。

ロシアが北朝鮮から兵器を購入している噂は前々からあったのだが、物的証拠も挙がっていて、国連でも問題になったというわけだ。

北朝鮮、ロシアに兵器提供 コンテナ6700個=韓国国防相

2024年2月27日午後 6:34

韓国の申源湜・国防相は国内メディアに対し、北朝鮮がロシアのウクライナ侵攻を支援するため、昨年7月以降、コンテナ約6700個の武器・弾薬をロシアに提供したと述べた。

聯合ニュースによると、同相はコンテナには300万発以上の152ミリ砲弾か50万発の122ミリ弾が積載されていた可能性があり「この2つが混在していたことも考えられ、少なくとも数百万発の砲弾が提供された」と発言。

ロイターより

不良品が多数混じるので、北朝鮮からの武器は前線では嫌がられているというようなニュースもあったが、そもそも大量の武器がロシアに供給されることが問題なのである。

逆に言えば、北朝鮮の監視と制裁はロシアへの圧力にも繋がるということになる。そして、支那はロシアに直接的に武器供与をすることが憚られるので、北朝鮮にやらせているという構図になっている。

北朝鮮のミサイル 資金源はなに?必要な対策は?元国連の専門家に聞く

2023年2月7日

「北朝鮮から船1隻分の石炭が来たので、山分けした」

2022年11月、中国で石炭を扱う業者から聞いた話です。 北朝鮮産の石炭は国連安全保障理事会の経済制裁により、取り引きが原則禁止されています。核・ミサイル開発の資金に使われるおそれがあるからです。

NHKニュースより

支那としても北朝鮮から購入できる資源や人的資源は魅力的であるようで、積極的に北朝鮮を支援したい意向のようだ。その結果、対北朝鮮制裁監視活動を妨害する暴挙に出ている、というのが今回の構図なのである。

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追記

続報があったね。

照明弾巡り対立激化 豪、中国主張を否定

2024年05月08日20時30分配信

中国軍機がオーストラリア軍ヘリコプターに至近距離から照明弾を投下したことを巡り、両国が激しく対立している。豪政府が「危険かつプロ意識に欠ける」と抗議したのに対し、中国政府は「豪軍が挑発した」と反論。豪側は8日、「国際法を守っていた」として、中国の言い分を全面的に否定した。

時事通信より

スバラシイ!

これ、どうやら支那のJ-10戦闘機は「照明弾」を落としたわけではなく、フレアをヘリコプターに向けて発射したというケースのようで、通常ではあり得ない対応だったようだ。つまりオーストラリア側の主張の方が正しいのだという風に理解すべき事案で、支那側の妄言を鵜呑みにする必要はない。

アルバニージー豪首相は8日、中国側の主張を「拒否する」と明言。「豪軍が国際空域で活動し、国際法を順守していたことに疑問の余地はない」と強調した。「あらゆる機会にこの問題を提起する」とも述べ、6月にも想定される李強首相の豪州訪問時に取り上げる意向を示した。

時事通信「照明弾巡り対立激化」より

そんなわけで、首相がこれくらいしっかりと発言してくれないと、有耶無耶で終わらしてしまってはオーストラリア軍の士気を低下させてしまう。

支那の圧力に屈するべきではなく、寧ろオーストラリアは積極的にこのことを国際社会に訴えていくべきだろう。それをオーストラリア首相は「断固として戦う」姿勢を見せたのだから、評価せざるを得ない。

コメント

  1. アバター 匿名 より:

    日本の周辺って台湾ぐらいしかまともな国がないってのが地政学的にやばいですな

    • 木霊 木霊 より:

      そうですね。
      台湾も親日一色という国家ではないのですが、少なくとも他の近隣諸国と比べたら遥かにマシな国です。上手いこと付き合っていきたいですな。

  2. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    ソ連時代の「東京急行」には、それなりの現場のルールと意思疎通があったと聞いてます。
    とはいえ、当時のF-4では、Su-27あたりが随伴してきたら手も足も出ない緊張感もあった、とも。

    これに対し、中共のそれは、近代海軍/空軍の不文律とかそういうの、全く無いですからね……
    ※「ソ連」が「ロシア」になってから、極東も低下していると感じられる。
    P3Cが当たり屋にやられて以降、米軍は間違いなく中共の技量もモラルも信用してないでしょうし、その認識は西側で共有され、こうして新事実で上書きされ続ける。
    恐いのは、いつ、これが紛争のトリガーになるか、その事ですね。

    紛争で済めば、まだマシか……

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      支那経済がどこまで持ち堪えるのか?ということが、この方針の維持ができるのかとか、そういう話に繋がっていくと思います。
      結構なチキンレースになっていると思うんですが、いつまでできるのやら。

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