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【韓国陸軍】K-21 歩兵戦闘車

韓国陸軍
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装甲車とは、簡単に説明すると読んで字の如く装甲を備えた車両のことを指す。そのうち、歩兵部隊を前線に運ぶ役割を持っている車両を歩兵戦闘車と呼び、近年ではこうした輸送車両を運用する事が主流になっている。

陸軍の機械化が進んで、高速で走行可能な戦車が登場すると、戦車に随伴する歩兵を輸送する車両が必要となる。当初はハーフトラックなどが利用されていたらしいのだが、不整地での移動の必要性と、砲弾飛び交う前線に移動するためには装甲が必要となってきたのだ。そこで7人程度(1個分隊に相当)の兵員を載せ、攻撃可能な兵装を備えた車両が登場した。それが兵員戦闘車と呼ばれる車両である。

当然、陸軍偏重の韓国軍においても、兵員戦闘車はいくつかが利用されている。

そのうちの1つ、K-21歩兵戦闘車なのだが、車長、砲手、操縦士+兵員9名を搬送できる。そのうえ、エアバッグ浮揚装置によって水上で7km/h出せる渡河機能付き!やったね!高性能(笑

K-21 歩兵戦闘車

戦闘装甲車K-21

K-21歩兵戦闘車は、何と!韓国の「名品武器10選」に選ばれた程の装甲車だ。自分で「名品」というあたりが既に恥ずかしいね。

K21戦闘装甲車

K-21歩兵戦闘車にはエアバックが装備されて、橋のない河川を渡るための渡河機能が与えられている。このような渡河機能が求められたのは、38度線に横たわる複数の河川を突破して敵陣に切り込むことが想定されているからだろう。

韓国は未だに北朝鮮との戦争中で、時折、国境付近での散発的な衝突が発生することがある。そして、対北朝鮮の戦闘では、陸路を選ぶと38度線付近にある河川をまず超えねばならない。故に、渡河機能は韓国陸軍の兵員輸送車にとっては必須の機能だ

上の写真は、その渡航機能を実現するためのエアバックを膨らました状態みたいだね。

なお、エアバッグを広げていない状態ではこんな感じ。この状態だと素人目には戦車のように見えるが、役割が明確に違うらしいよ。

オドロキの浸水機能付き

しかし、このK-21。不幸にも訓練中に浸水して死者まで出して、戦力化の一時中断がなされてしまった暗い過去を持っている。

韓国軍:K21装甲車、訓練中にまたも浸水事故

記事入力 : 2010/07/30 08:17:38

29日午後1時50分ごろ、陸軍機械化学校(全羅南道長城郡)水上操縦訓練場で操縦教育中だった最新型のK21歩兵戦闘装甲車1台が、原因不明の浸水事故で沈む事故が発生した。この事故で、装甲車を操縦していたキム・ジゴン下士(軍曹に相当)=23=が死亡した。

アーカイブ「朝鮮日報日本語版」より

「名品」と言われるK-21装甲車に深刻な欠陥・・・射撃の度に近接センサー破損

記事入力:2012/10/11

私たちの手で作った「名品武器10選」に選ばれたK-21装甲車の近接センサーに深刻な欠陥があると明らかになった。

~~略~~
近接センサーはK-21装甲車武装装置中にある各種部品がまともに作動するのかを感知する核心装備で、K-21装甲車1台に28個の近接センサーが装着されている 。

元記事リンク切れにより「minaQのつぶやき 」さまより

何故か、水中起動時にエンジンをフル回転させると、車外との圧力差が生じて装甲車の中に水漏れが発生するんだそうな。なんて残念な仕様なんだ。どんな理屈か良くわからないが。

さらに装甲車の外部に露出している近接センサーが、射撃によって生じる衝撃で破損する機能付き!撃ったら衝撃で壊れるとか、何のためのセンサーかと。(苦笑)

さらにさらに、韓国軍の整備はニコイチが原則。故に、兵器の稼働率も低い。K-21もその例外ではないようだ。

オーストラリア向けバージョン「レッドバック」

とまあ、様々なトラブルを乗り越えてK-21装甲戦闘車は460両ほど配備されているのだが、これをベースにした車両を海外に売り出そうというプロジェクトが!!

そう、その不幸な国はオーストラリアである。

韓国から提案された「レッドバック」の形状はちょっとユニークだが、最近の兵員輸送車のトレンドを反映した形でもある。ライバルとなる独ラインメタル社製の歩兵戦闘車「リンクスKF41」の形状によく似ているように思う。形状処かスペックも結構似ている。あとポーランドのPL-1とかもね。

仕 様
重量42トン
エンジン独MTU社製MT881Ka-500 ディーゼル 1,000hp
最大速度65km / h
クルー3 + 8人
兵装主砲30mmキャノン
対戦車ミサイル(ATGM)

ニュースから拾った「レッドバック」の仕様なのだけれど、この情報がが正しいかどうかは正直よく分からないのでご注意を。

K21に比べて重量が随分重くなっている理由は、オーストラリアからの要請によって携帯対戦車擲弾発射器RPG-7やら即席爆発装置IEDに対抗できるだけの装甲を追加したからということのようだ。計画が始まった頃には750hp程度のエンジンを使う予定だったのだけれど、重量が重くなりすぎてK9自走砲のエンジンを流用することにしたらしい。その馬力は1000hpとなかなかのものだね。

トランスミッションに関しての報道は無いが、多分、K9自走砲のモノを流用しているのだろう。だとしたら、米ゼネラルモーターズ社製のATDX1100-5A3を統一重工がライセンス生産するパターンだな。

果たしてライバルとの一騎打ちに打ち勝つことが出来るか?が注目のポイントだが、2009年頃から売り込みをかけているK9自走砲とあわせて採用されれば(個人的には採用されるとしたら、両方というパターンになると予想している)、結構なビジネスになりそうだね。結果は2022年6月頃に出ると言われている。

ただ、このレッドバック、K21歩兵戦闘車が必要とした渡河性能を実現するエアバッグが重量増により実現が難しくなったと予想されるため、韓国軍への採用は難しいかもね。

レッドバックを国内でも運用するニダ!

「難しい」と思っていたのだけれど、どうやら折角作ったから国内でも使うという話になったらしいぞ。うーん、良いのか?

韓国軍 次世代戦闘車両「レッドバック」のテストを2022年開始へ

2021.07.13

大韓民国(韓国)国防部は2021年7月上旬、来年(2022年)4月から6月にかけて新型歩兵戦闘車(Infantry Fighting Vehicle:IFV)のテストを開始することを明らかにしました。

テストするのは、自国のハンファ・ディフェンスが開発したAS21「レッドバック」歩兵戦闘車です。同車は2021年7月現在、オーストラリア陸軍で行われている次世代戦闘車両選定プロジェクト「ランド400フェーズ3」の最終候補として評価中です。

「乗り物ニュース」より

ほえー。

確かに新たな機能を盛り込んだレッドバックの方が有効だとは思うが、K21歩兵戦闘車を約460両、導入・運用しているにも関わらず、更に重量級のレッドバックを導入するのか。

どうなることやら。

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