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インドネシアさん、KF-21開発費出資を1/3に減額宣言

韓国空軍
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インドネシアは色々言ってくるねぇ。

インドネシア「韓国KF-21開発費分担金6000億ウォンだけ出す」

2024.05.06 11:13

韓国型戦闘機KF-21の技術移転を受けて開発費を分担することにしたインドネシアが最近「当初の分担金の3分の1だけを出して技術移転を少なく受ける」という案を提示したことが5日、確認された。

中央日報より

インドネシアは前々から開発費分担金を出すのを渋っていたんだけど、この交渉技術は新しいな。面の皮の厚さも韓国を上回るところがスバラシイ。

インドネシアはKF-21が完成すると思っていない?!

分担金も受ける技術も減らす

韓国側もそろそろ音を上げそうなんだが。

「分担金を減らして受ける技術も減らす」という形で分担金の再協議が妥結する場合、その波紋は少なくないと予想される。現在、韓国に派遣されたインドネシア技術陣がKF-21の核心技術を盗み出した疑いで捜査を受ける状況であるからだ。

中央日報「インドネシア「韓国KF-21開発費分担金6000億ウォンだけ出す」」より

この交渉もなかなか長引いているね。

おっと話を始める前に、このブログの人気記事のリンクを貼っておく。

で、開発に関する話を時系列的に簡単にピックアップをすると以下のような感じに。

  • 2001年 韓国空軍士官学校の卒業式で、当時大統領だった金大中が「自国開発の戦闘機を持つ」ことを発表
  • 2010年 延坪島砲撃事件(2010年11月23日発生)を受けて、KFXにステルス性能を持たせることに決定
  • 2012年 KFXの開発予算が大幅減額で事業継続危機に、背景にはトルコが共同開発を降りたことがあったようだ
  • 2014年 KFXの本格開発に乗り出すことが決定。2023年に戦力化を目指すことに。同年、双発エンジン機とすることが決定される
  • 2015年 韓国航空宇宙産業(KAI)が開発企業に選定される
  • 2016年 韓国とインドネシアとで、インドネシアがKF-21の開発費総額8兆ウォンの20%(約1兆7000億ウォン)を分担する代わりに、一部技術の移転を受けることで合意
  • 2021年 無事、試作1号機の出庫式に漕ぎ着け、KFX改めKF-21という名前に
  • 2023年 武装飛行試験に初成功

ザックリ書いたのだけれど、インドネシアは共同開発に合意した後も、幾度となく共同開発費の出資を渋っていた。

開発費はパーム油で!

インドネシアの共同開発に関する事も列記しておこう。

  • 2010年7月 インドネシアは開発完了後に約50機を受け取る為に開発費用の20%の予算を負担する事に合意
  • 2014年10月 韓国防衛事業庁がインドネシア国防省とKFX共同開発に関する基本合意書を締結したと発表
  • 2014年11月 韓国はインドネシアと共同開発事業を継続する契約を締結した事を発表
  • 2015年9月 インドネシアの国防大臣が度重なる計画の延期と遅延を理由にKF-X事業からの撤退を発表
  • 2015年10月 韓国防衛事業庁はインドネシアのKF-X事業撤退は誤報であると発表
  • 2016年1月 インドネシア国防省とインドネシアン・エアロスペースが、KAIとKF-X事業の契約を結んだと発表。開発費総額の20%(約1兆7000億ウォン)を分担する代わりに、一部技術の移転を受けることで合意
  • 2019年1月 インドネシアが2,272億ウォンを納付
  • 2021年11月 インドネシアが分担金のうち30%を現物納付する条件を提示し、合意
  • 2022年11月 インドネシアが94億ウォンを追加納付
  • 2023年2月 インドネシアが417億ウォンを追加納付(この時点で2,783億ウォン納付)
  • 2024年1月 インドネシア技術者がKF-21の開発内部資料の持ち出しをした疑惑が報じられる

面白かったのがこちらのニュース。

インドネシア、「パーム油」で韓国型戦闘機KF-21の残金支払い?

登録:2021-11-16 09:14 修正:2021-11-16 09:32

韓国型戦闘機KF-21(ポラメ)を共同開発中のインドネシアが未納の事業費の金額と納付方法などが、来年初めに確定する予定だ。

~~略~~

韓国とインドネシアは10~11日、ジャカルタで実務協議を開き、インドネシアの事業費の分担比率(20%)と分担金の納付期間(2016~26年)は従来の契約どおり維持するものの、分担金(約1兆6000億ウォン)のうち約30%(約4800億ウォン)を現金ではなく現物で納付することで最終合意した。

ハンギョレより

分担比率の争いをした挙げ句に、「物納するぜ」と言い出して、最終的にそれで合意してしまった韓国。パーム油で代金を受け取るつもりでは?!と騒がれたものである。

更にディスカウント

ただ、この時の約束も果たせなくなったインドネシア。更に減額交渉に乗り出してきた。

KF21分担金未納のインドネシア「韓国との約束、最優先」…2月大統領選が分岐点

2024年1月23日 12:00

韓国型戦闘機「KF21」共同開発分担金を未納しているインドネシア側が今年、未納金約1兆ウォンのうち1000億ウォン余りを納付し、開発事業を持続するという意思を明らかにした。ただ、インドネシアはKF21事業だけでなく、最近カタールと契約を締結したフランス製中古戦闘機「ミラージュ2000-5」の購入も延期することにして信頼を失っている。

AFPより

一応、この記事の出た時点で、2783億ウォンだけを納付していたインドネシア。冒頭のニュースでは「やっぱりお金払いたくない」と言い出した。

しかしインドネシアは分担金納付を繰り返し延期し、最近「今年から2026年まで毎年約1000億ウォンずつ3000億ウォンを追加で出すことはできる」という提案を韓国側に通知したことが分かった。「当初より分担金を減らし、技術移転もそれだけ少なくする」という条件も付けたという。現在までインドネシアが韓国側に支払った分担金は約3000億ウォンであり、この条件なら最終的に6000億ウォンだけを支払う。

中央日報「インドネシア「韓国KF-21開発費分担金6000億ウォンだけ出す」」より

インドネシアさんは、本当に仕方ないなぁ。

しかし、実のところインドネシアは別口で戦闘機を幾つか手に入れる話が出ていて、ラファール戦闘機を購入したりF-15戦闘機を買う話を出したり、F-16が欲しいと言ってみたりふらふらしている。確か、ミラージュ2000-5戦闘機は手に入れていたんだよね。

そうすると、KF-21戦闘機って本当に必要なの?という疑問が出るのも無理はない。戦力化するのも2028年から更に遅れそうだし、技術の一部はもしかしたら手に入れている可能性も。

USBにKF-21戦闘機資料…KAI派遣のインドネシア人、技術持ち出そうとして摘発=韓国
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どうなることやら。

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追記

今のところまだ決定というわけではないようなんだけど、F-15EXを購入する運びになっている記事は紹介しておいた方が良いかな。

Indonesia, Boeing sign deal for sale of F-15 fighter jets

August 23, 20237:26 PM

JAKARTA, Aug 22 (Reuters) – (This Aug. 22 story has been corrected to rectify the time of purchase from ‘this year’ to ‘last year’ in paragraph 8)

Indonesia’s defence ministry and U.S. planemaker Boeing (BA.N), opens new tab have signed an agreement on the sale of 24 F-15EX fighter jets to help modernise the Southeast Asian country’s ageing fleet, the ministry and the company said.

Officials from the ministry and a Boeing executive signed the memorandum of understanding at Boeing’s St. Louis, Missouri, facility on Monday, Boeing said, though it underscored that the transaction was subject to U.S. government approval.

~~対訳~~

インドネシアとボーイング、F15戦闘機売却契約に調印

インドネシア国防省と米航空機メーカー、ボーイングは、東南アジア諸国の老朽化した戦闘機の近代化を支援するため、24機のF-15EX戦闘機の売却に関する合意書に署名したと、同省と同社が発表した。

ボーイング社によれば、同省の職員とボーイング社の幹部は月曜日にミズーリ州セントルイスにあるボーイング社の施設で覚書に署名したという。

ロイターより

F-15EX戦闘機の価格の問題もあって、最終的に導入決定に至っていないようなんだけど、基本的には購入する方向で話が進んでいるようだ。

Indonesia – F-15ID Aircraft | Defense Security Cooperation Agency

で、インドネシア空軍がF-15IDN(F-15EXのインドネシア版)を手に入れる事が決定すれば(アメリカ政府の承認が必要)、「KF-21は本当に必要?」という疑問が出てくるのは当然である。逆に言えば、KF-21戦闘機はインドネシアにとっては保険的な扱いだったと言うことなのかも知れない。

そして、アメリカ政府がOKを出しそうだから、手切れ金を支払ったというのが真相のような気がするよ。まあ、そのうちハッキリとするのだろうけれど。

コメント

  1. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    韓国の肩を持つわけではないけれど、インドネシアは本当にクズだなと。
    まあ、その口約束、空手形にのった韓国がバカなんですが(彼ら的には「騙されるヤツが悪い」ですよね?)。
    とはいえ、インドネシア含む東南アジアには、まとまって中共の相手してもらわないといけないので、批難してばかりも居られない、背に腹は代えられないのはよく分かる。

    ……つまるところ、中共をおとなしくさせればいい、そんな話に……落ち着いてくれると良いなぁ。
    ※中共という巨悪(笑)が居なくなると、途端に東南アジア諸国による地域紛争が勃発する方に100カノッサ。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      インドネシアのクズ度は日本も学習済みなんですが、韓国とインドネシアの外交バトルを見ていると実に清々しい気分になります。あれが、本当の外交というヤツですわ。というか、日本もああいった手合いを欺せるくらいの腹芸ができるようにならないとダメなんでしょうね。やっていることは、かなりヤバイんですが。
      とはいえ、インドネシアのやっていることは韓国のメディアのフィルターがかかっているので、どちらが悪いか?という話をすべきではないかも知れませんね。

      さておき、なかなかインドネシアとの付き合いも難しいのですが、ご指摘通りシーレーン周りの国とはできるだけ仲良くしたいところで、色々な事情をお持ちの国もあるのですが、バランスをとったお付き合いをしたいところ。支那が崩壊したら……?いや、多分、そんな心配は不要でしょう(棒)。

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