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日韓2+2対話が行われる

外交
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外交担当と防衛担当がそれぞれ参加して会議が行われる「2+2外交安保対話」だが、当然に出てくる話題がある。

5年ぶりに韓日2+2外交安保対話…北朝鮮の核とGSOMIA協力取り上げたか

2023.04.18 07:00

韓日の外交・国防当局が参加する局長級の「2+2外交安保対話」が17日にソウルで5年ぶりに再開された。両国は「北朝鮮の核問題を含む北東アジアの安保環境、韓日外交・国防政策協力、韓日米協力の現況などについて幅広くて深い意見を交換した」と韓国外交部がこの日明らかにした。

中央日報より

それが火器管制レーダー照射事案(2018/12/20)だ。

付き合いきれない国、韓国

現段階で防衛協力は無理

記事でも指摘されているが、先ずはこの火器管制レーダー照射事案が解決されなければならない。

日本の松野博一官房長官はこの日午後の定例会見で、「北朝鮮への対応やインド太平洋での協力を含む日韓・日米韓協力の強化などに対して意見を交わした。その上で日韓安保・防衛協力の強化に向けて緊密に意思疎通していくことで一致した」と話した。

ただこの日日本側は2018年12月の韓国海軍駆逐艦と日本海上自衛隊哨戒機間の対峙に対する言及もしたと明らかにした。松野官房長官は「(2018年の)火器管制レーダー照射事案について今回の対話では本事案を含む防衛当局間の課題についても議論したが外交上のやり取りであり詳細は控えたい」と話した。

中央日報より

今回会議に参加したのは、日本側からは外務省アジア大洋州局長の船越健裕氏と防衛省防衛政策次長の安藤敦史氏が出席している。

5年ぶりの開催というのがなんとも皮肉な話で、つまり前政権のムン君は日本との外交安保対話は不要だと判断していたという意味だ。

第1回 :1998年6月 (ソウル)  
第2回 :1999年7月 (東京)  
第3回 :2000年12月(ソウル)  
第4回 :2002年2月 (東京)  
第5回 :2003年11月(ソウル)  
第6回 :2007年5月 (東京)  
第7回 :2007年10月(釜山)  
第8回 :2008年11月(福岡)  
第9回 :2009年12月(済州)  
第10回 :2015年4月 (ソウル)  
第11回 :2018年3月 (東京)

外務省のサイトより

交互に2年おきくらいの頻度で開催していた対話なのだが、平成30年を最後に対話は途切れている。火器管制レーダー照射事案が令和元年12月に発生したからこそ、こういった状況になったとも言える。

つまり、対話は必要であるとは言え、火器管制レーダー照射事案が解決しないことには関係改善は前に進まないことを意味する。

先ずはジャブ

というわけで、今回の対話は極めて内容の薄いものだった。

 4月17日、韓国・ソウルにおいて、第12回日韓安全保障対話が開催されました。

  1. 今回の対話は、先月の日韓首脳会談において、日韓両首脳が安全保障対話を早期に再開することで一致したことを受け、約5年ぶりに実施されたものです。
  2. 今回の対話においては、日韓両国を取り巻く戦略環境について意見交換を行い、日韓それぞれの安全保障・防衛政策についてお互いに理解を深めました。また、北朝鮮への対応やインド太平洋における協力を含む日韓、日米韓協力の強化等について意見を交わしました。その上で、日韓安保・防衛協力の強化に向けて緊密に意思疎通していくことで一致しました。
外務省のサイトより

これまで対話が途絶えてていたために、改めて現状の確認をした、というのが今回の対話の内容である。

当然、事務レベルでも摺り合わせ出来る内容だが、まずは対話を実現したと言うことが重要なのである。

約2時間30分にわたり行われた協議で両国は、「外交・安保当局間で北東アジアの安保環境に対する認識を共有し、相手国の国防・安保政策に対して相互理解を向上した。韓日安保協力を未来志向的に発展させていこうということで意見をともにした」と外交部は説明した。

中央日報より

二時間半の協議の中身は、通訳の存在を考えると内容としては1時間程度のこと。それが相互の立場の確認だけというのはあまりに成果が乏しい。

これと関連して、先月16日の韓日首脳会談の後続措置の一環として3年8カ月ぶりに正常化した軍事情報包括保護協定(GSOMIA)関連の追加協力案を両国が協議した可能性が提起される。14日に米ワシントンで開かれた韓米日安保会議では北朝鮮のミサイル警報情報を3カ国がリアルタイムで共有するための準備状況に対する再点検が行われた。

中央日報より

報道された中で唯一、GSOMIA正常化の確認くらいだろうか。

GSOMIAは締結までも締結してからも難航

ちなみに、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)だが、日本の立場としては正常に機能しているという認識だ。

では、中央日報で「3年8カ月ぶりに正常化した軍事情報包括保護協定」などと書かれた理由は一体何か?というと、韓国の立場としてはGSOMIAは凍結されていたのである。

実は、日韓GSOMIAはアメリカが散々圧力をかけてきて、締結に至った経緯がある。日米GSOMIAは平成19年に、米韓も当然に結んでいるのだが日米の間では平成28年まで締結されることはなかった。

アメリカは早い段階で締結しろと圧力をかけたのだが、韓国が強く抵抗したのだ。

NHKがこの話について説明しているが、日米韓で防衛協力をする上では日韓GSOMIAが不可欠だとアメリカは考えている。だからこその圧力だったのだ。

そしてクネクネが酋長だった時代、大統領であった期間の最後に日韓GSOMIAをしれっと結んでしまう。おそらく次期大統領だったムン君は激怒したのだと思うが、後の祭りである。

そこでムン君は日韓GSOMIAの破棄を試みる。

日韓GSOMIA失効回避 韓国、破棄通告を停止

2019年11月22日 17:32 (2019年11月22日 22:28更新)

韓国政府は22日、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に関し、23日午前0時の失効を停止する方針を日本側に伝えた。日本が厳格化した輸出管理措置については、世界貿易機関(WTO)への提訴手続きをとめる。日韓間で輸出管理措置の政府間協議を開く。

日本経済新聞より

ムン君にとって、理由は何でも良かったはずだ。だが、丁度い事に、日本は安倍政権下で輸出管理の厳格化に踏み切った。そしてソレが韓国にとって不都合だったことから、報復措置として日韓GSOMIAの更新を停止する手続きをしたのである。

すんでのところで、韓国政府が破棄通告の効力停止を日本側に通告したことで自動更新されるに至ったが、この「効力停止」というのがまた曲者だった。

韓国側の曰く、「効力停止は韓国の判断でいつでも再開可能」らしい。つまり、いつでも条約破棄出来るぞという外交カードを手にしているという事になったというのである。日本は、「GSOMIAの規定にはそんな取り決めはない」と蹴れば良かったのに、それをしなかった。

まさかそんなやり方があるとは、日本側は想定していなかったのである。

韓国外務省 GSOMIA正常化を決定 日本に伝達と発表

2023年3月21日 18時36分

韓国外務省は先週の日韓首脳会談を受けて、韓国側がいつでも破棄できるとしていた日韓の軍事情報包括保護協定=GSOMIAの正常化を決定し、21日、日本側に伝えたと発表しました。

NHKニュースより

そして、先日その状況は解消された。

そもそも正常だった

ところで、韓国側のこの主張は国際慣習上許されるのか?というと、そんなことはない。

Access Denied
Access Denied

外務省はかなりお怒りの感じで当時も韓国側を批難している。

第二十一条 効力発生、改正、有効期間及び終了

1 この協定は、それぞれの締約国政府がこの協定の効力発生のために必要なそれぞれの国内法上の要件が満たされたことを確認する書面による通告を外交上の経路を通じて行った日のうち、いずれか遅い方の日に効力を生ずる。

2 この協定は、両締約国政府の書面による同意によりいつでも改正することができる。

3 この協定は、一年間効力を有し、一方の締約国政府が他方の締約国政府に対しこの協定を終了させる意思を九十日前に外交上の経路を通じて書面により通告しない限り、その効力は、毎年自動的に延長される。

4 この協定の終了の後においても、この協定に従って提供された全ての秘密軍事情報は、引き続きこの協定の規定に従って保護される。

外務省のサイトより

協定の内容を遵守して執行されるので、日韓GSOMIAは通知がない限り年次更新が自動に行われる。この協定を終了させる意志を韓国政府が示し、書面により通告されたので、令和元年の時点でこの日韓GSOMIAは効力が終了していたはずだった。

韓国側が「あ、やっぱそれなし」と通告してきたので日本側が了承したのだが、しかし協定の規定にはそうした手続きについて一切言及がない。言及が無い以上は、日本側は「通知はなかったもの」として取り扱ったのだが、韓国側はコレを悪用した。

「書面の効力を停止」という状態だと主張したのである。

外交は書面に書かれたことを四角四面に守る事が正義であるという訳では無いのだが、日本の外務省はどうにもその傾向が強い。

ところが韓国側はそれを逆手にとって「そうではない」状態を作り出したと言える。そういう意味で、NHKのこの報道は明らかに公平性を欠く。

韓国の前の政権は2019年に日本との間のこの協定を破棄すると通告し、不正常な状態が続いていました。

NHKニュースより

不正常な状態など存在しないという、日本側の立場を明らかにしていないからである。

2019年に日本政府が韓国向けの輸出管理を厳しくした措置への事実上の対抗措置として、前の政権が日本を優遇国から外した措置を解除することになり、日韓関係改善のための韓国政府の対応が進んでいます。

NHKニュースより

それどころか、荒唐無稽な韓国側の主張を正当な「対抗措置」として認定するような書きっぷりである。バカなのか?

そもそも日韓GSOMIAは何も損なわれていないと、そう押し通すべきだった。何故なら、協定の中にそのように書かれているからだ。日本政府ももっとその点を強調すれば良いのだが、韓国側の主張を受け容れている節がある。何ともやりきれない。

とはいえ、おそらくはこの日韓交渉の裏にはアメリカがいる。そして、支那への対応が厳しさを増しているので、日本と韓国に対して「オマエら暢気に喧嘩してるんじゃねぇ」と切れ気味に圧力をかけているのだろう。

ミサイルの脅威

J-アラートで大騒ぎ、だがその実態は

さて、ところで先日、J-アラートが鳴り響いて、メディアも結構騒いだのはご記憶に新しいと思う。

(社説)Jアラート 「守り」の体制検証を

2023年4月18日 5時00分

北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返している。国連安保理決議に違反し、地域を不安定化させる行為は、断じて許されない。一方で、全国瞬時警報システム(Jアラート)をめぐる混乱は、政府の情報発信のあり方に重い課題を突きつけた。徹底した検証と国民への丁寧な説明が不可欠だ。

~~略~~

これまでは、いずれも上空通過が予想されたが、7回目となった先週の場合は、約5分後に「北海道周辺に落下するとみられる」として、避難が呼びかけられた。

だが、その約20分後、自治体向けの緊急情報ネットワークシステム(エムネット)を通じ、「落下の可能性はなくなった」と通知された。実際、日本の領域や排他的経済水域(EEZ)への落下は確認されなかった。

朝日新聞より

朝日新聞はJ-アラートが出されてから、エムネットによって情報が修正された点を問題視して、アメリカと韓国との情報連携をしっかりしろという注文を付けている。

政府は昨年末の安保3文書の改定で、敵基地攻撃能力の保有に踏み出した。「攻め」の態勢づくりには余念がないが、足元の「守り」は十分なのか。韓国、米国との情報共有はうまくいっているのか。政府の対応の総合的な検証が求められる。

朝日新聞より

なかなかトンチンカンな社説で面白い。特に、韓国をアメリカより先に出してくる姿勢は、如何にも朝日新聞らしい。

しかしこの事案はかなり深刻な話なのである。

コレの続報は信用に足る情報が出ていないので、断片的な情報から推測するしかないが、分かっていることはいくつかある。

Jアラート発出判断は適切、レーダーから消失=北朝鮮ミサイルで官房長官

2023年4月13日12:53 午後

松野博一官房長官は13日午前の記者会見で、北朝鮮が同日朝に発射した弾道ミサイルに関連し、北海道を対象とした落下情報がその後訂正されたことについて、ミサイルなどの危険性を速やかに通知する「Jアラートの役割に鑑みれば、発出判断そのものは適切だった」との見方を示した。

Jアラート発出の経緯を巡っては「北海道に落下する可能性のあるミサイルを探知したところ、探知の直後、レーダーから消失していた」と述べた。その上で「限られた探知の情報の中でシステムがそうした航跡を生成したため、国民の安全を最優先する観点から発出した」としている。

ロイターより

1つは、レーダー探知範囲にあった北朝鮮のミサイルは、レーダーから消失したこと。弾道ミサイルの落下地点予測は、比較的単純な原理で実現されている。したがって、高い確度で落下地点の予想が可能であるのだが、ミサイルの航跡から判断して北海道に落下する可能性があると判断できた。だからJ-アラートを出したのである。

ところが、現実的には北海道には落ちなかったし、現段階でミサイル落下地点は不明だ。

防衛省の発表では、ミサイルの高度が高くなりすぎたので補足できなくなったということになっている。

発射されたミサイルは固体燃料エンジンの新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」で、北朝鮮側の主張を信用するのであれば、飛翔途中で軌道変更を行ったということだ。

北朝鮮が新型固体燃料ICBM「火星18」を初発射試験、加速中の上昇角度変更と時間遅延分離始動を実施(JSF) - エキスパート - Yahoo!ニュース
4月14日、北朝鮮は昨日13日に発射したミサイルは新型の固体燃料ICBM「火星砲-18」であると発表しました。北朝鮮は昨年の2022年12月15日に「推力140tfの固体燃料ロケットモーター地上噴射

発射失敗説を唱える方もいるが、引用したJFS氏の分析によれば、ミサイルの軌道を変える飛ばし方を実現したことで、日本側で探知が出来なくなった可能性が高いとしている。

固体燃料ミサイルのコールドランチ発射

レーダー消失の原因として、「軌道変更」の可能性を紹介したが、それ以外にも分かっていることがある。

これは北朝鮮の労働新聞が公開した発射試験の様子だということだが、移動可能なTEL(輸送起立発射機)からの発射であったことと、コールドランチで発射されたことが分かる。

これらの事から、より発射の兆候を掴みにくくなり、落下地点予測を難しくしている事が分かる。

つまり、現在の日本の迎撃ミサイルでは対応できない可能性がますます高くなっているのだ。

GSOMIAの重要性は増したが

そういう意味で、その直後に行われた外交保安対話は、日本としても成功させたいという思惑はあったのだと思う。

韓国からの情報は、精度が低くて使い物にならない。ヒューミントもノイズが多くて使いづらいという問題はあった。

だが、韓国のレーダーの精度が上がってきていることを考えると、情報を貰えるのであれば、日本側は落下地点予測がよりやりやすくなるのは事実だ。

また、今に始まったことではないが、日本のシーレーン防衛は韓国にとっても他人事ではないはずなのだ。そういう意味では無関係ではいられない国ではあるのだが。

また、この日外交部は「両国が互いの国防・安保政策に対する理解を向上した」と明らかにしたが、これは昨年12月に日本が国家安全保障戦略など「安保関連3文書」を改定し「反撃能力」の確保を宣言したこととも無関係ではないとの分析が出ている。韓国政府は「韓半島(朝鮮半島)を対象にした反撃能力行使とともに韓半島安保と韓国の国益に重大な影響を及ぼす事案は事前に韓国との緊密な協議と同意が必要だ」との立場を日本側に表明してきた。

中央日報より

でも、話は元に戻るのだけれど、じゃあ韓国軍を信頼できるのか?と、このことに尽きるんだよね。

自衛隊が韓国軍を信頼する為には、韓国軍側に誠実さが必要なんだが、その信頼を全てぶちこわしたのが火器管制レーダー照射事案なんだよ。分かっているのかな?そこのところ。

韓国大統領のユンユンが努力しているのは分かるが、日本としてはその点を置き去りにして「やっぱり協力しましょう」と言うことは難しいし、現場の自衛官にそのように命令することは困難だろう。現場の蟠りを取り去る為にも、何らかの処置が必要である。それは韓国軍の謝罪と、その当時の現場の指揮官の更迭などの処分が必要となりその上でお金の話も出てくるかも知れない。何らかの目に見える形での反省が無い限りは、この話は前に進みそうにない。

迎撃の難しくなったミサイルにどう対処すべきか

さて、アメリカの要請で日米韓で連携を、という流れが加速しているのは事実ではある。しかし、ミサイル迎撃という観点に絞って考えると、韓国からの機密情報を得たところで、100%迎撃ということは本来不可能であるという点は変わらないのである。

迎撃精度を高める期待はあるもの、そもそも韓国側の情報の信頼性が薄いという問題を解決できない限りは期待するだけ無駄である。

そして、迎撃精度を高めることが出来たにしても、どの程度変わるのか?という話だ。飽和攻撃に対応出来るわけではないし、高高度でミサイルをロストしてしまうような事態が解消できるかは不明だ。

そうすると、やはり長射程ミサイルの保有という流れの方が正しいのだと思う。

敵基地攻撃の長射程ミサイル、南西諸島配備へ 「標的の恐れ」反発も

2023年3月18日 5時00分

政府が保有を決めた敵基地攻撃能力(反撃能力)を担うミサイルについて、防衛省は沖縄本島を中心に保管し、運用部隊を南西諸島に配置する方向で検討を始めた。この地域で発射すれば、中国や北朝鮮の基地が射程内に入ることになる。ただ、相手側の攻撃目標にもなりかねないとして、地元の反発も予想される。

朝日新聞より

活動家の皆さんは一斉に反対の声を挙げているし、現実問題として今の自衛隊にピンポイントで敵基地を破壊するだけの能力が無いのは事実だ。

しかし、これは相手に届く長い槍を持っていることが重要なので、些細な問題で騒ぐ層の相手をするのは時間の浪費である。

「相手側の攻撃目標にもなりかねない」という発言は敵に向かってしてください。だから、ミサイルを持つのは止めるべきだと。