近況は「お知らせ」に紹介するようにしました。
スポンサーリンク

ナゴルノ・カラバフ戦争が終結

東欧
この記事は約7分で読めます。

さて、ロシアの話に触れる前に、もう一つ重要なニュースを取り上げねばならない。

ナゴルノカラバフ アルメニア系勢力の“共和国” 組織解体へ

2023年9月28日 21時55分

アゼルバイジャンが隣国アルメニアとの係争地、ナゴルノカラバフで起こした軍事行動を受けて、アルメニア系勢力がつくった「共和国」と称する組織が来年1月までの解体に向けて手続きを始めました。アルメニア側は、今後、支配してきた地域を明け渡すことになるとみられます。

NHKニュースより

あまり馴染みのない地域の話ではあるが、ナゴルノ・カラバフ戦争(1988年2月~1994年5月)によってアゼルバイジャン領内に成立したとされているナゴルノ・カラバフのアルツァフ共和国は、本年の9月28日をもって終了した。

スポンサーリンク

ロシアの影響力低下

山岳地帯の一地域を争奪する

ロシア帝国崩壊(1917年)により、アゼルバイジャン民主共和国とアルメニア共和国が誕生するに至る。そして、アルメニア人とアゼルバイジャン人との間で所有権を争っていた一地域は、国家間の軍事衝突に発展する係争地となってしまった。

カスピ海に面する国、アゼルバイジャンだが、ロシアに国境を接し、古くからロシアの影響を避けられない国である。

ロシア帝国崩壊後、ソ連から派遣された赤軍の圧力によってアゼルバイジャンもアルメニアも共産化され、ソ連によって国境画定交渉が設けられた結果、ナゴルノ・カラバフはアルメニア側に帰属すると確認された。が、その翌日にはアゼルバイジャン側の強硬な反発によってアゼルバイジャンへに帰属すると覆されてしまい、ナゴルノ・カラバフは自治権が与えられることになった。これによりナゴルノ・カラバフ自治州が誕生することになる。

ソ連の政局変化によって紛争が勃発

ところが、ソ連の影響力が低下すると、このナゴルノ・カラバフを巡る紛争が活発化。結局、ナゴルノ・カラバフ戦争(1988年2月~1994年5月)に発展。アゼルバイジャン側が守勢に立たされたまま、ロシアの介入によって停戦を迎える。

このアルツァフ共和国、国際社会はその存在を認めておらず、結局そのまま終了するに至った。

Statement by Azerbaijan’s Ministry of Defense

19 SEPTEMBER 2023 13:22

Systematic shelling of positions of the Azerbaijan Army by the formations of Armenia’s armed forces using weapons of different calibers, continued mining of our territories, enhancement of engineering support for battle positions, as well as an increase in the number of trenches and shelters in the Karabakh region of Azerbaijan in the past few months have further escalated the tensions.

~~対訳~~

アゼルバイジャン国防省の声明

アルメニア軍によるアゼルバイジャン軍陣地への様々な口径の武器による組織的な砲撃、我が国領土の継続的な採掘、戦闘陣地への工学的支援の強化、さらにここ数ヶ月のアゼルバイジャンのカラバフ地域における塹壕やシェルターの数の増加は、緊張をさらにエスカレートさせている。

MINISTRY OF DEFENSE OF THE REPUBLIC OF AZERBAIJANより

で、アゼルバイジャンによる軍事作戦が実行され、アルツァフ共和国が消滅に至る。

ナゴルノカラバフは、旧ソビエト諸国のアルメニアとアゼルバイジャンが互いに帰属を主張し、これまでもたびたび武力衝突が起きていましたが、今月19日の軍事行動のあと、アルメニア側は、武装解除などを受け入れて敗北していました。

NHKニュースより

ここいらの地域は、オスマン帝国が押し寄せたりモンゴル帝国に編入されたりロシア帝国に占領されたりと、いろいろと版図が書き換わっているところなので、地政学的にもリスクがあることは事実なんだけども、近代は完全にロシアに翻弄された感じの状況になっている。

そして、今、アゼルバイジャンがこの地域を取り戻したのは、完全にロシアの影響力の低下がある。

非常に敵対的な動き

で、こうした動きに対してロシアがお怒りである。

ナゴルノカラバフの情勢についてロシア大統領府のペスコフ報道官は28日記者団に対し「情勢を注視している。最も重要なことは人道的な問題だ」と述べました。

そのうえで「ロシアの平和維持部隊は人々を支援し続けている」と述べ、ロシアの役割を強調しました。

NHKニュースより

ほう、「人道的な問題」が重要ねぇ。

ロシアがアゼルバイジャンやアルメニアで虐殺を見過ごしたことを、この報道官殿はすっかりお忘れらしい。

アングル:「ロシアは守ってくれなかった」、アルメニア系避難民の嘆き

2023年9月29日午後 6:52

アゼルバイジャンを脱出したサムベル・アラベルジャンさん(45)にとって、これは人生2度目の逃避行だ。

同国の首都バクーでアルメニア人家庭に生まれたサムベルさんは、まだ子どもだった1989年、生地を離れた。飛び地であるナゴルノカラバフを巡り、アゼルバイジャン人とアルメニア人の武力衝突が発生した年だ。

そして今回、そのナゴルノカラバフからも脱出することになった。アゼルバイジャンは前週、この地域で電撃的な軍事行動を起こし、アルメニア系住民12万人にとって30年続いた事実上の独立に終止符が打たれた。

ロイターより

なんなら、ロシア兵が犯罪を犯したんじゃないかという話もあるくらいで、今回のこの話も、ある意味象徴的な話ではある。

一方、アルメニアのパシニャン政権がICC=国際刑事裁判所の加盟国になろうとする動きを見せていることについてペスコフ報道官は「両国の関係に悪影響を及ぼさないことを期待している」と述べました。

ICCは、ことし3月、ウクライナ侵攻を続けるロシアのプーチン大統領に対して逮捕状を出していてペスコフ報道官は「非常に敵対的な動きだ」と述べアルメニアをけん制しました。

NHKニュースより

結局、アゼルバイジャン側もアルメニア側も、ロシアの影響力が弱まったことで、自らの生存戦略を画策しだしたという構図なのである。

ロシアに翻弄された同地域ではあるが、アゼルバイジャンの領土として帰ってきたと言えるだろう。日本も、竹島や北方領土をあきらめる必要は無いよね、ということを示す一件だったと思う。

追記

アゼルバイジャン主導で話は進む

続報だ。

カラバフ自治州の元「大統領」3人拘束 アゼルバイジャン

2023/10/4 10:00

南カフカス地方の旧ソ連構成国、アゼルバイジャンとアルメニアの係争地「ナゴルノカラバフ自治州」を巡る紛争で、アゼルバイジャン当局は3日、30年以上にわたり自治州の主要部を実効支配してきたアルメニア系組織「ナゴルノカラバフ共和国」の元「大統領」3人を拘束した。アゼルバイジャンメディアの報道を引用する形で複数のロシアメディアが伝えた。

産経新聞より

本文では言及しなかったのだが、ロシアとアルメニアは軍事同盟を結んでいる。ところがアルメニアへの軍事力提供にまで手が回らなくなった結果、アゼルバイジャンが相対的な力を増し、ナゴルノ・カラバフを取り戻したという構図がある。

その上で、今回は3人の「元大統領」が逮捕されたと。

アゼルバイジャンは「共和国」幹部ら300人以上を国際手配し、これまでに複数の幹部らを拘束。実効支配や紛争を主導した罪などで訴追する思惑だとみられている。

産経新聞より

この辺りはアゼルバイジャンにとっては、当然というか、立場的に不法に占拠していた「共和国」の幹部を犯罪者として扱うという判断になる。

つまり今回の話はアゼルバイジャン主導で進んでいると。

パシニャン氏は辞任を否定

一方で、アルメニアでは今回の騒動の責任を誰がとるかで揉めているもよう。

アルメニア首相、辞任を否定 「問題解決されず」

2023年10月5日3:00 午前

アルメニアのパシニャン首相は4日、係争地ナゴルノカラバフを巡る対応を巡り国内での辞任圧力が高まる中、自身が辞任してもアルメニアが直面する問題は解決されないとの認識を示した。

ロイターより

ちょっと可愛い響きの首相、パシニャン氏だが、アルメニアの民主化の象徴である。2018年の首相選挙によってアルメニアの民主化は大きく進んだ。

その結果、ロシアからの支援が受けられなくなった。

ロシアの影響力というのは、2000年以降どんどん弱っていっている。やはりソ連崩壊から、東側の諸国は決定的に結束が緩んでしまった。それ故に、民主化を目指したのがアルメニアで、その風を読んだのがパシニャン氏だということだ。

そして、「自身が辞任してもアルメニアが直面する問題は解決されない」というのは、ロシアの弱体化とアルメニアの民主化からの後退を望まないという意思表明でもあると思う。

コメント

  1. 河太郎 より:

    不思議なんてすねぇ。アルメニアは一次大戦時のアルメニア人虐殺をずぅっとトルコを責めてきていて、まぁ日本の従軍売春婦の言いがかりみたいなもんです。 
    そこ解決せん事には…とは想う。想うのですが、こちらが火病の連中に振り回され続けたせいで、考え過ぎるのかなぁ?
    当事者たちには、それほどでもでもないのかなぁ……今は。1980年代〜90年頃までは、被害者が生存していて、報道にも出てきたんですけれどね。もう流石に生きてないだろうと。そもそもオスマン・トルコ帝国によるアルメニア人虐殺がどの程度の規模で、どの程度に真実なのか解らないし。ただ、エルドアン側が歩み寄らねば通らない話だし。そこを認めちゃうと、ケマル.アタチュルク政権以前の
    帝国時代に遡る訴訟がどんどん出てくる。エジプトだってトルコから独立してますしね。領土持たない国家であるマルタ騎士団なんか、キプロス、ロードス島と奪われた財は天文学的(まぁイスラム教徒から海賊行為で奪ったものだけど)てすかるねぇ。なまじっか歴史が長いたけ、一つ認めると、どこまで賠償対象になるのか? 面倒な国ですからねぇ。

    • 河太郎 より:

      アルメニアと和解を進めていたのは、 
      中央アジアへのアクセスが欲しくてと想うんですよ。それは当然に一帯一路との接続を意味しますよねぇ。
      アゼルバイジャンが幾らテュルクとしても、エルドアンは肩入れしていたウイグルを見捨ててるでないですか。
      そうまでした一帯一路への接続。その為にアルメニアとの国交正常化を進めてきたのに、ここでナゴルノ・カラバフ戦争に加担するとは、要は「一帯一路への接続と、中央アジアへの道」を棄てるつもりなのだろうか??
      そこが気になるのですよ。
      東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)のウイグルを捨てるのは、基本的には「解らない」からだと思うす。
      スゥエン・ヘディンが援蒋ルート開拓の為の中央アジア探検を実施して以降、
      あそこの回族に関する文化的実態は西側には資料が無くて(ムスタファ・ケマル・パシャが小トルコ主義を取ってから、回路が閉ざされて、トルコ人も良く解らないでいる)、解らん!というのが見捨てた理由と想うんですが。アゼルバイジャンは近場で、まぁ事情が解ってる。
      そこで加勢するて事は…以下略で、要は
      北京と距離を保つ事にしたのですかね?

      • 木霊 より:

        一帯一路への接続の話ですか。
        そういえば、アルメニアはそんな話に飛びついていましたっけ。
        https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/04/99b1696390c5c52a.html
        ただ、この話、筋が良いかというと、どうもそんな感じはしないんですよね。
        支那の不動産開発が火を噴いている状況を見るにつけ、「割り切った」可能性はあるかもしれません。示唆頂いたのでちょっと調べて見たいと思いますが、これはなかなか調べるのには苦戦しそうですね。

    • 木霊 より:

      そこいらの事情はこの記事には盛り込めていません。
      というか、割と蛇足になるんですよね。

      オスマン帝国のアルメニア人虐殺に関しては、アメリカも認定したようで。それに対してトルコは反発しているわけですが、そもそもこの話、虐殺があったからどう解決するんだという話でもあります。民族・宗教・政治・領土問題が複雑に絡み合う話で、何処に責任を求めて良いのやら分からない、相互にやりやった歴史でもあり、かなり複雑だと認識しています。何というか、どこかの政府主導で一方的な虐殺が行われたという単純な構図ではないんですよね。
      どれが真実で、どれが捏造された話かも分からないほどでもありますし。

      とはいえ、アルメニアとアゼルバイジャンの対立にはトルコが出てくるわけで、ご指摘のようにトルコとの関係を解す必要はあるのかもしれません。ですが、根本的にはこの対立はロシアが裏で糸を引いている話でもあって、虐殺の話を持ち出しちゃうとロシアも被弾するという面倒なことに。
      あくまで、一地域の所有権が変わったという話で、正常化したとか、そういうつもりでは言及しておりません。

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    本件、意趣返しに、アルメニアが南西部のアゼルバイジャンの飛び地になんかしでかさないか、心配ではあります。
    そうする理由は少ないのかもですが、南部の何とか回廊を閉鎖するだけで、また火種になりますから……

    本当に、領土問題と民族問題は度し難し。
    ※間違った地図認識を元にそれを煽る某半島の左派は、本当に度し難い。

    • 木霊 より:

      こんにちは。

      意趣返しという話は出てくるかも知れません。
      しかし、アルメニアにとって、あまりアゼルバイジャンと事を荒立てるメリットは大きくないんですよね。
      エネルギー利権とか、パイプラインの話とか、揉める要素は一杯ありますが、お互いに戦争を引き起こしても得られるメリットは薄い。もちろん、じゃあアルメニアが納得できるのか、或いはアゼルバイジャンはこれで手打ちにするのか、という話は別途考えればならないんでしょう。
      新たな火種になる可能性は十分ありますが、今はひとまずという風なんでしょうね。アルメニア側は、ナゴルノ・カラバフの地を年初あたりから諦めていた雰囲気ですしね。

  3. 河太郎 より:

    そうですね。無いものねだりして済みません。一帯一路は座礁しかけてますから、そこでの割切りはあるかと。テュルクの大トルコ主義(オスマン覇権の復活)のエルドアンとしては、不動産で沈没しかねない一帯一路より、眼の前のアゼルバイジャンへの影響力でしょうね。
    私は仮にアルメニア虐殺あったとしても、例の震災話みたいなもので、
    ロシアのポグロムの方が規模は大きい。ソ連以後の中央アジアへの扱いを考えると、ロシアも話題にされたくないでしょうし。

    トルコ留学した事のあるウイグル青年について、トルコで結婚した日本人女性マンガ家が描いてるのですが、基本的には、西トルキスタンも東トルキスタンも、同じテュルクといえ、一次大戦&ロシア革命以降の交流が途絶えているので、本国トルコの人とは話が噛み合わないらしい。

    私がこの辺を調べた資料って、
    スーフィズムとカンフーの関係からなんですよ。西域より西側は、舞踏を教義に入れるスーフィーと、中国のカンフーが混ざっていて、割とインドネシアのシラットみたくなってるんです。
    手と腕を鞭のように使う壁掛拳とか。
    あと西遊記の沙悟浄が持っている三日月型の槍もそうですね。先端が三日月なのは、イスラムの武器だからです。
    北京五輪前の中国は、「武術」という大枠で、フルコンタクトのカンフー(散打という奴)を総合格闘技にして、空手もレスリングも柔道も「武術だから」という訳で、総合した「国際競技化」を目指してました。
    それで国術としてイスラム武術も「中国文化」として喧伝してました。
    中国武術は少林寺みても解るけれど、打撃格闘技にも投げや逆手技がある。
    これはロシアのシステマも同様で、鉄鞭とか、あと足関節技とか、そもそもは暴れる馬やラクダを抑える為の技から進化してますんで。その遊牧民技を互いの共通項として、中国中心の総合格闘技を創ろうとしてたんですね。
    ただ、チベット問題が大きくなるうちに、イスラム武術との交流は途絶えましたが。まぁ、そういう形で、一帯一路のずっと前から、文化的に取り込もうとしてたんです。あくまで格闘技という文化面ですが、中央アジアに触手を伸ばしていたのは事実でして。

    無駄話になりましたが、ロシアがシステマを輸出し始めたのも、それに対抗した動きなんだと思います。あれはカフカスのマイノリティとイスラム武術をミックスしてますから。それらの交流が途絶えたのも、文化面を交流より、自国への囲い込みへ中露が舵を切ったからだと推察しています。
    つまりは文化面で、そうハリウッド映画やディズニーのように、文化的に融合してゆこうという試みは、21世紀にはかんぜんに廃れたようですね。
    金と武器と資源なのでしょう。お粗末。

    • 河太郎 より:

      蛇足。西遊記の沙悟浄が何でイスラムなんだ?と思われるかも知れませんが。
      あれカッパでなく河伯なんです。
      黄河は源流が天山山脈やタクラマカン砂漠に近い「崑崙山(現実の崑崙山脈ではない)」にあると、20世紀初頭まで考えられていて、沙悟浄は砂漠の彼方にある黄河源流の神なんですよ。
      それ故に回族風の妖怪で、玄奘一行の案内人になるんですが。
      玄奘とマホメッドは実は同時代人で、中央アジアで出会ってる伝説があります。
      その辺りが、カッパが砂漠の西域でお供になる理由なんですね(笑)

      • 木霊 より:

        河伯って、初めて聞きました。
        いやでも、そもそも河童が支那に居たのか?というのは、常々疑問に思っていた話ですが、そういうことなんですねぇ。
        どう考えても砂漠を旅するのは無理が(苦笑

    • 木霊 より:

      興味深い話をありがとうございます。
      トルコの動きに注目した話はまた別途。どこかで書ければ良いと思っています。
      エルドアン氏は再選した後、再びロシアに近づいている感じなんですが、狙いがイマイチよく分からないんですよね。プーチン体制はいつまでも続くものではないのですが、今はプーチン氏を支持した方が色々と都合が良い話もあるんでしょうね。
      その辺りは見えてこない部分も多いのですが。

  4. BOOK より:

    こんばんは!

     この問題に関して、大きく2つの観点(航空万能さんのサイトより)

    1.アルメニア パシニャン首相 
     「ナゴルノ・カラバフ民族という概念が存在しないため『民族自決に基いて独立した』という主張は成立せず、我々はこの矛盾に向き合う必要がある。

    2.航空万能サイト管理人さん
     結局、歴史をどの時点で切り取るかによって、どちらも正しく、どちらも間違っている

    で、2が いつも自明の理ながら困った問題とされますが、私が問題にしたいのは「1」
    「民族自決の原則」(国際人権規約共通第 1 条 1966年採択)

    まあ、これぐらいかなあ? 代案の難しい落とし所ですが。
    私見として、
    結果から見るとクソな落とし所であった。 

    このナゴルノ・カラバフに留まらず、アフリカ各地の戦乱や、、、、、何より「日韓問題」まで、このクソ原則が足をひっぱっている。

     まず
    ①民族って何?
     本来は過去の歴史を分析する際の分類手法であって、現存の人間集団に関して明確な定義などない。あえて言えば半島ウォッチャーなら分かりやすい分類。  「ウリ」が「ウリ達」と認め、外国(具体的にはちょっかいかけてくる近隣の大国)が認めた集団のこと。
    だから、せっかくまとまっても新たなウリがあらたな民族自決を主張すれば、何故か国際法上有効な分裂と見做される(苦笑)

    ②200~300年我慢すれば、皆仲間で幸せ。
     天下統一。 パクス・ロマーナ。パクス・モンゴル帝国。イギリス連邦。半島は日本を恨むが、台湾は日本に感謝する。 戦乱を終わらせるため戦乱の勝者が統一する。その後善政をしいて平和が維持されれば、みな仲間として認め合い、敗者も自分を勝者と認識する。と言うのが歴史上の事実。

     100年未満で解体したり放り出すと、恨みの方が強く残る。 と言うのが歴史上の事実。

    「民族自決」に変わり得る、新しい方法を考えよう! 勝者責任とか?

    • 木霊 より:

      こんばんは。

      「歴史をどの時点で切り取るかによって、どちらも正しく、どちらも間違っている」というのは、そりゃまあ、それ故に揉めるのであって、自明の理であって問題解決には繋がらないですよね。
      では、「民族自決」が良いかと言うと、コレも結局何を持って「民族」と言うのかというところで議論が百出するので、あまり意味がない話になってしまいます。特に中東やこの東欧辺りは人の行き来が活発ですし、そもそも征服した・された歴史が多すぎで、どこかの時点を区切って「民族」を主張しても誰も幸せになれないという。この点は概ねBOOKさんの「民族って何」の問いの中身と見方は同じであります。
      だからもうちょっと長いスパンで歴史を評価していこうという話は、なんとなくうまくいきそうな雰囲気もありますが、朝鮮半島のように過去の恨みを募らせるだけの民族もいるわけですから、あんまり意味はない気もします。
      結局のところ、僕としては上手くやっていけるところで手を携えて騙し騙しやっていくくらいしか手はないのかな?という気がしています。解決策はないという事を、ある程度認めて妥協していくしか無いのでしょう。そんな、上手いこと行かないから、戦争が起きちゃうんですがね。

      • BOOK より:

        こんばんは! わざわざお返事ありがとうございます。

        >解決策はないという事を、ある程度認めて妥協していくしか無いのでしょう。そんな、上手いこと行かないから、戦争が、、、

        同感です。戦争さえ起らなければ。。。。

        自己レス&愚痴になってしまいますが、歴史の時計の針を逆戻りさせることが出来れば、、、

        >天下統一。 パクス・ロマーナ。パクス・モンゴル帝国

        このあたりまでなら、最も強力な兵器は「弓矢」、ロジスティックスは「兵馬」だったんですよね。

        「弓矢」と「兵馬」で覇者となるには政治・経済(兵を食べさせる)の能力、万の人間を家族を養い動かす力・組織の器も必要でした。

        しかし近年のアフリカ等。
         近代兵器は威力ありすぎでチンピラや反社の大将程度の器でクーデター起こせちゃうものだから、いつまでも国が安定しない。

        ゴメンナサイ。完全にボヤキでした。