ブログで触れていなかったニジェールの軍事クーデターだが、ちょっとややこしい展開になってきたようだ。
ニジェール軍事政権、フランス大使に48時間以内の出国を命令
2023.08.26 Sat posted at 17:36 JST
西アフリカ・ニジェールの軍事政権は25日、首都ニアメーに駐在するフランス大使に対して48時間以内に出国するよう命じた。ニジェール外務省が明らかにした。
外務省は国営放送局ORTNに発表した声明で、シルバン・イテ大使が同日予定されていたニジェール外相との会談を拒んだと説明した。
CNNより
ニジェールはアフリカの内陸国で、この辺りは紛争の絶えない地域であり、軍事政権が出てきてもさほど不思議に思わない。それが正しい事かどうかは知らないが、国として存続する為には必要なのだろう。
だが一方で、世界の中のニジェールの位置づけを考えると、面白いことが分かる。
紛争続くアフリカの現状
フランスの植民地だったニジェール
この辺り一帯は、ヨーロッパ諸国による植民地支配があった地域で、ニジェールはフランスの植民地だった。
冒頭のフランス大使追放の話は、その辺りに関係している話である。フランス領西アフリカの一部として、フランスが支配し、最大民族のハウサ人を利用した統治が行われていたのが19世紀末のこと。
ニジェールが独立国になるのは1958年の自治国化に続いて、アマニ・ディオリによる独立が実現したのが1960年のこと。ディオリはニジェールの初代大統領になる。
この時は共和国として産声を上げたのだけれど、この時はニジェール首都のニアメ周辺に住むジェルマ人中心の政治であった。フランス領西アフリカの時代からジェルマ人のエリートをフランスが優遇していたことと関係しているようだ。
ただ、1974年の軍事クーデターやその後の民主化運動などと相まって、ニジェール国内の混乱は収まらず、結局、最大民族のハウサ人が政治の表舞台に出てくることになる。
初代大統領のディオリから、一党独裁体制を実現する為に他党の排除が行われてきたことが、混乱の原因なんだろうと思う。植民地では割とある展開だよね。
軍事政権主体の歴史
ただ、民主化の動きや民政への移行はあったのだが、結果的には軍事クーデターによって政権転覆、軍政へ移行という事が繰り返されることになる。
ニジェールに対しては西側諸国からの金銭的、軍事的支援が続いていたが、これはアメリカの掲げる「テロとの戦い」に関わってくる話になる。
ニジェールでは、過去には「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ」(AQIM)による外国人を標的とした誘拐や襲撃テロが発生していたが、2017年3月にAQIMの傘下組織等で構成される「イスラム・ムスリムの支援団」(JNIM)が結成され、現在では、JNIM、「ボコ・ハラム」、「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)関連組織「西アフリカ州」等が活動している。主にマリを拠点に活動している「アルカイダ」系組織のJNIMは、ニジェールでは中部及び南西部で活動しており、2017年7月に同国中部・タウワ県で発生した治安当局拠点に対する襲撃テロ、2018年11月に同国南西部・ティラベリ県で発生した同国軍基地に対する襲撃テロ等について犯行を自認した。JNIMは、2021年、ティラベリ県トロディ以西から隣国ブルキナファソ北部・サヘル地域ヤガ県、同国東部・東部地域にかけての地域を活動域にしていると指摘された。
公安調査庁のサイトより
これは公安調査庁のサイトからの引用なのだが、テロ組織ISの関連組織「西アフリカ州」なる過激派組織や、アルカイーダ系のJNIMなどの過激派組織が活動拠点をニジェール国内に作っていて、コレに対抗するための軍事拠点をアメリカやフランスが置いていたのだが、そのことがニジェール国内の西側諸国への忌避感を高めてしまう。
元々フランスが植民地化していたことも、結構しこりを残しているだけに、ね。
「仏が軍事介入もくろむ」 ニジェール軍部隊が非難
2023年08月01日14時11分
ニジェールでクーデターを起こした軍部隊は7月31日、追放を宣言されたバズム大統領の復帰を目指し「軍事的介入を実行する方策を探っている」として、旧宗主国フランスを非難した。
コロナ仏外相は同日、ニジェール側の主張を「間違い」と否定する一方、バズム氏の復帰は依然として「可能だ」と述べた。
時事通信より
で、2023年7月26日に、独立以来5度目のクーデターが発生する。
バズム政権が倒れる
モハメド・バズム氏がニジェールの第10代大統領になったのは2021年4月2日のことで、前イスフ政権の任期満了に伴う総選挙に勝利して大統領に就任している。
イスフ政権は2011年から2020年12月まで続く選挙で選ばれた民主的な政権だった。が、任期満了に伴う選挙で過半数をとれなかったバズム氏は、決選投票を行って漸くニジェールの第10代大統領に就任する。
二代にわたってアメリカ寄りの政策をとってきたが、アフリカの貧困はなかなか解消しなかった。コレに付け込んだのがテロ組織であり、「ニジェールが貧困なのは西側諸国のせいだ」ということになった。
しかしバズム政権は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」や「アルカイダ」につながる武装組織の標的となった。こうした組織は、サハラ砂漠の一部や、サハラ砂漠南縁部に広がる半乾燥地域「サヘル」で活動している。
BBCより
不幸だったと言うべきかもしれないが、バズム政権が決選投票で大統領になったことも火種となった。
対抗馬だったマハマヌ・ウスマン氏は「不正選挙」を訴えてバズム政権を激しく攻撃。これに呼応した軍部が2021年3月31日にクーデター未遂事件を起こすが、この時はなんとか抑え込み、同年4月2日に大統領に就任。
しかし、2023年7月28日に大統領警護官により身柄を拘束され、バズム氏は失脚することになる。
軍事政権が発足
で、無事に軍事政権が発足することになった。「無事に」というのもおかしいのだが、国内でテロが多発するような状況である。治安維持を真っ先に考えるのであれば、軍人がトップに立っていた方が色々と都合の良い事もあるだろうとは思う。
アマドゥ・アブドラマン大佐は、軍服姿の兵士9人を後方に従え、テレビで演説。憲法を無効にし、すべての機関の機能を停止し、国境を閉鎖したと述べ、こう続けた。
「私たち国防軍と治安部隊は(中略)これまでの政権を終わらせると決定した」
「治安情勢が悪化し続け、経済的・社会的統治が劣悪になっているためだ」
BBCより
ニジェールがこうした事態に陥った理由は隣国のマリやブルキナファソの動向が関係している。両国とも軍事クーデターによる政変済みの国だ。
イスラム主義者の圧力を受け、隣国のマリとブルキナファソでは近年、ジハーディスト(イスラム教聖戦主義者)との戦いを助けるとして軍部が政権を握った。両国ともかつてフランスの植民地で、フランスと大きな利害関係がある国だ。
両国ではニジェールと同様、かつては多くのフランス軍が駐留して援助をしていた。しかし、イスラム主義者の攻撃が続く中で反仏感情が高まった。この3カ国の人々は、イスラム主義者に対抗するための対応が不十分だと、フランスを非難するようになった。
BBCより
まあまあ酷い植民地政策をしたことで定評のあるフランスである。流石にコレに対して反論するのは難しかろう。
ワグネル、アフリカでも活躍する
さて、ザックリとニジェールの状況の説明に紙面を割いたが、弱小国が外国の軍事力を当てにするというのは何時の世界でも同じ。
ところが、ここで登場するのはワグネルなのだ。
マリは軍事政権が成立すると、まずフランス軍を追い出し、数千人規模の国連の平和維持部隊も撤退させた。そして、ロシアの雇い兵組織「ワグネル」を迎え入れたのだった。
BBCより
そう、あのワグネルである。
ワグネルを巡る話は先日したばかりだが、ロシアは国家として手を出すのはヤバイ案件を、ワグネルにやらせていた。具体的には金を積んでアフリカや中東への軍事支援をやっていたのである。
そのワグネルのトップを暗殺してしまったことで話はこれからまた拗れる事になるとは思うが、別の民間軍事会社がワグネルの穴を埋めることが出来るのかは、よく分からない。
アフリカ「ワグネル」は消えず 政変ニジェール取り囲む
2023年8月29日 5:00
クーデターが頻発するサハラ砂漠南部のサヘル地域で、ロシアの民間軍事会社ワグネルが影響力を強めている。創設者エフゲニー・プリゴジン氏は搭乗機墜落で死亡したと伝えられるが、アフリカにおいてワグネルはすでに「エコシステム」として機能しており、活動は継続される公算が大きい。政変のさなかにあるニジェールが今後のワグネルの動向を占うことになる。
日本経済新聞より
が、トップのプリゴジンが暗殺されてなお、ワグネルの存在感はニジェールでも強いようだ。
アフリカ大陸の問題は地域に委ねよ
何故混乱が起こるのか
誤解を恐れずに言えば、アフリカ大陸の問題はアフリカの国々自身が解決する問題で、外野が騒ぐ話ではない。
綺麗事を言う人々もいるが、要はアフリカ大陸から産出される資源を西欧諸国が狙っている構図であり、それは大航海時代からの伝統でもある。
欧米人は特にそうだ。
彼らは人種差別を否定しながらも、自らが外国人達を下に見る傾向にある。それは長い間培われてきた傾向であり、そう簡単には改善しない。アフリカ大陸の価値観はアフリカ大陸内で培われたモノであるのだから、外から正義を押しつけたところで何の説得力も持たないのだ。
それが大前提である。
で、それを前提にして、アフリカ大陸の現状を見た時に、中東もその傾向が強いが、アレは民族や宗教の問題というよりも部族間対立である。常に他の部族より高い権益を確保しようという狩猟民族の性のようなもので、内戦が続いているのは「可哀想」というのは傲慢な思い上がりだと思う。
資源争奪戦
一方で、日本もアフリカ争奪戦に参戦している側面があって、だからこそアフリカの紛争を助長する結果にもなっている。
舞台はアフリカ 激化する“資源争奪戦”
2023年8月21日 16時21分
貧困や紛争など課題が山積する一方で、豊かな天然資源に恵まれ、「最後のフロンティア」とも呼ばれるアフリカ。いま、このアフリカを舞台に資源の争奪戦が繰り広げられている。アフリカ各国への巨額の支援を背景として存在感を示す中国に、日本はどう巻き返しを図るのか。その資源外交の現場を取材した。
NHKニュースより
以前から支那がアフリカに手を伸ばしていると言う話はあって、開発資金援助から実際の開発までどんどん手を突っ込んでいる。
建物だけではなく、銀行や金融に手を突っ込んでいる。
ジンバブエが独自通貨を廃止し「人民元」採用、 アフリカに中国の新たな支配地が誕生する!?
2015年12月31日公開
アフリカ南部にあるジンバブエが人民元を「通貨」にすると報道されていますが、いったいどういうことなのでしょう?よく考えるととても奥が深い問題なので解説します。
ジンバブエでは2008年頃に天文学的なインフレに見舞われました。原因は独裁者・ムガベ大統領(91歳!)が白人が保有する農場や工場をタダ同然で取り上げたことにありました。農業技術等を持っていた白人たちはジンバブエを去り、経済活動は完全にマヒしてしまいました。
~~略~~
中国人民銀行は、貿易黒字や海外からの直接投資などで中国に流入した外貨(主に米ドル)を一元的に買い入れ、それを準備資産として人民元を発行しています。つまり人民元はジンバブエ・ドルのように「いくらでも印刷した紙切れ」ではなく、一応は「価値の裏付け」のある通貨となります。
diamond.jpより
アングル:日本で「デジタル人民元」警戒論、ドル基軸揺らぐ恐れ
2020年1月24日6:42 午後
日本の政府・与党で中国政府が開発を進めるデジタル人民元への警戒感が高まっている。中国がデジタル人民元を実際に発行すれば、伝統的な金融サービスの恩恵から遠く、中国の影響力が強いアフリカ諸国で急速に広まり、米ドル基軸体制が揺らぐ可能性があるとみるからだ。中銀デジタル通貨を巡り、自民党内では「デジタル円」の発行を視野に、官民で早期に研究に着手すべきだとの声が出始めた。
ロイターより
支那は資本力を使ってアフリカ諸国に手を伸ばし、資源の獲得と人民元の国際化に利用しようとしていた。
当然ながら、日本としても支那に投資で負けるようでは資源獲得の意味で困る。もちろん、欧米諸国も似たような側面があるのだが、日本や支那は特に製造業に力を入れていて、素材が手に入れられなくなることが困る。
資源開発の分野でも、隣国のザンビアとの国境沿いに広がる「カッパーベルト」と呼ばれる銅やコバルトなどの鉱山が集まる一帯などで中国企業が権益を獲得するケースが相次いでいて、日本が出遅れているのは否めない現状だ。
NHKニュースより
結局のところ、「アフリカの事情など知ったことでは無くて資源が欲しい」とは言えないので、「アフリカに平和を」などという話を出すのだが、これは麻生氏のような考え方で協力するという方がマシだと思う。
「自由と繁栄の弧」だ。
で、「アフリカ大陸」と主語が大きくなってしまったが、ニジェールは比較的西側諸国に対して親和的だった時代があった。
しかし結局のところ「搾取される側だ」という反感を買ってしまっている状況にある。特にフランスには良い感情を持っていないからね。
日本がどう立ち回るのか、と言うことも含め、バランスの良い外交を心掛ける必要がある。が、それが「金銭的な支援」なのか?と言うことは、少々疑問だ。ニジェールが今、本当に欲しているのは、ワグネルの様な戦える力だと思うから。
追記
コメントで教えて頂いたので追記を。
ガボンでクーデターか、軍幹部が政権掌握表明 大統領選結果に反発
2023年8月30日2:46 午後
アフリカ中西部ガボンで30日、軍幹部らが権力を掌握したとテレビ放送で表明した。選挙管理当局が大統領選で現職ボンゴ大統領が3期目当選を果たしたと発表したことを受けた。
ロイターより
ガボン……どこ?
コンゴの隣か。そして、コレも選挙絡みのクーデターらしい。
アフリカ・ガボンでクーデターか 軍高官らが政権掌握と大統領選の無効を主張
2023年8月30日
中部アフリカのガボンで30日、軍高官らが政権を掌握したと宣言した。ガボンでは26日に大統領選があり、現職のアリ・ボンゴ・オンディンバ大統領が勝利を宣言していたが、この結果を無効にするとしている。
ガボンの選挙管理委員会によると、ボンゴ氏は3分の2弱の票を集めて3期目の当選を決めていた。一方、野党側は選挙に不正があったと主張している。
ガボンでは過去53年にわたり、ボンゴ一族が政権を握っていた。軍部による政権掌握は、この長年の統治を終わらせる可能性がある。
BBCより
なるほど、「民主主義の後退」という評価をしているところもあるんだけど、そもそもアフリカに民主主義が本当に必要だったの?
僕にはどうもそうは思えない。
ワグネル、帰国か=給与と家族に不安―中央アフリカ
2023-07-09 06:06
中央アフリカで、ロシアの民間軍事会社ワグネルの戦闘員たちが帰国の準備を始めたのではないかとうわさが広まっている。中央アフリカのトゥアデラ大統領の補佐官は7日、うわさに対し「ワグネルはここにいる。マスコミが何を言おうと、いいかげんな主張にすぎない」と反論、撤収を否定した。
ワグネルは2018年から中央アフリカに駐留してきた。しかし、ロシアで6月に引き起こした反乱後、会社の将来は見通せなくなった。
時事通信より
プリゴジンの乱の影響でワグネルの解体が視野に入ってきて、これまでアフリカの治安維持に協力してきた力の一角がいなくなることで、勢力争いが活発化したと見るべきでは無いか。
上にも書いたが、アフリカ大陸は部族間対立構造になっていて、どこかの部族が没落すれば別の部族が勢力を増すような相互補完関係にある。ロシアの弱体化がアフリカの混乱に拍車をかけたと言うことだと理解すれば、分かり易いんじゃないかな。
そういう風土の地域に民主主義は馴染まないよ。ヤクザの抗争みたいなことが始終起こっているんだから、寧ろ力の論理で分かり易く支配構造があった方が地域の安定に資すると思うのだ。
コメント
こんばんわ。
今日、旧仏領ガボンでもクー・デターが発生。どのメディアもマリやニジェールとの”関連性”を探る展開です。
プ氏の反乱後、ワグネルの解体とアフリカでのワグネル利権の行方が一部界隈で議論されていましたが、今回のニジェールの騒動は、プ氏を退場させてワグネルを掌握したロ政府が、現地のワグネル部隊を動かして、(ワグネル利権ごと)ニジェールをロシアの影響下に置こうとしているように見えますね。
こんばんは。
また何というタイミングで。
当然、マリやニジェールに関連する展開なんでしょうけれど、ロシアの影響力に関してはちょっと懐疑的です。そこまで力のある国では、もはや無いと思っていますから。
ただ、ではどんな関連かと問われると、無関係では無い以上何らかの関与があるんでしょうねぇ。
マリやニジェールというと、元ホトケ外人部隊OBの若者のYouTuberが、戦地経験を話してました。
戦争やってた言うと「何処で?」と聞かれ、マリの〇〇と答えると、
「それ何処?」となる(笑)
でもマリのトブンクツ(だったかな?)とか、たしか19世紀の植民地争奪戦の時代に、英仏ともに沢山の探検家を現地調査に向かわせて、沢山を死なせてる。
物資の移動や人の移動で結節点になる地域なんでしょうね。
失礼!ホトケは仏です(笑)
キーボード操作になれてると、
どうもスマホ入力は面倒で、こういうミスになるm(_ _)m
ブラインドタッチのほうが速いのになぁ。
こんにちわ。まったく暑いですね。
マリとガボンは?ですが、ニジェールについてはウランが問題なのだと思います。
https://www.jica.go.jp/overseas/niger/others/guide.html
フランスはニジェール産ウランを大量に消費しており、ニジェールの主要ウラン鉱山の所有者はフランスのSOMAIR社です。よって、フランスは今回のニジェールでのクー・デターで、ウラン鉱山の国有化を何よりも恐れているでしょう。その背後に世界最大のウラン産出国ロシアがいるとすれば、一筋縄で済みそうにありません。現地では、クー・デターを支持するニジェール国民が、ロシア国旗を振っている姿も見えます。
https://www.youtube.com/watch?v=ax_9xwCIvrQ
報道では、現在ニジェールにはフランス軍1500、アメリカ軍1000が駐留しており、これに対し隣国マリとブルキナ・ファソの軍事政権が、ニジェールへの軍事支援を表明したとのこと。また、フランスの駐ニジェール大使が、国外退去命令を無視して大使館に居座っています。フランスも後に引かないようです。かなりきな臭い話になっています。
こんばんは。ふと……ニジェールとナイジェリアってスペルが似てるよな?
んで独立年度の地図を観ると、ニジェールの南はベナンになってて……実は老眼のせいで。ベナンは小さい国を罫線を引いて白地の国に印字してあり、そこはベナンではなかった(笑)
んで白地の国がナイジェリアですね。ニジェールを挟み南北がナイジェリア、アルジェリアとなる。
なんの事はない、ニジェール河が境界線になってて、英仏が植民地の境界線にしたのが国名が微妙に似てる理由で。
中東の国境線がそうですが、ただでさえ部族だの氏族だので内紛するような地域で、こんな雑な分け方したら後世の戦争になりますねぇ。
本音を言うとアフリカの事はどうでも良いのですが、ここいらは探検記だの冒険スパイ小説だので、さんざん読んできた。で、想うんですが、19世紀の植民地争奪戦、大戦後の独立と資源と傭兵の時代(コンゴ動乱とか)、そして冷戦後……
ときて、「何も変わってない」気がするんですね。基本は何もかもブリカスとカエル食いが悪いんですが、結局は木霊様の御指摘される「ある部族の衰退は別の部族の隆盛となる」構造が原因なのでは?
そこ何とかせんと、アフリカはどーにもならないでしょうね。
彼らの場合、栄えたダホメ王国(奴隷輸出国)とかでも、高度な文化を持ちながら歴史的な発展段階だと古代から中世なんすよ。古代王国からいきなり植民地になって、20世紀後半にいきなり近代国家って、そりゃ無理ある話で。
そこ考えると、軍事独裁政権でカリスマが社会改革を目指すしか方法がないのかなぁと想うんですね。ただそんなカリスマは1世紀に一人か2人ですから。
まぁ大半は挫折してポル・ポトみたくなるんでしょうね。モブツとかロクなのいないものなぁ。
似ているとは思っていましたがそんな雑な理由だったとは。
歴史とは面白いですね。
「民族自決」という言葉は都合よく使われがちなので好きではありませんが、かくあるべきだとは思うのです。
そして、争いは外から解決することは極めて難しい。干渉することで恨みを買うくらいなら、不干渉でいた方が良いように思いますよ。それで国が滅んだにせよ、手を出して恨まれるよりはマシでしょう。
あのぅ……記事違いなのですが、いずれ木霊様に取り上げて欲しいリストでして
m(_ _)m ラピッド・ドラゴンという長距離巡航ミサイルがあって、1000キロの射程距離あるそうで。
なんか自衛隊が導入して、輸送機に積んで投下して、そこから自律型のミサイルが敵地を攻撃するとか。
それ、出来るの?
でも、前に無人戦闘機のお話をせがんだ時に、木霊様は、将来的には無人戦闘機というよりも、ミサイル型の無人機を搭載した空中空母の出現を予言されてました。ラビット・ドラゴンは、輸送機に積んで複数の自律型巡航ミサイルを放つ訳で、木霊様の予言が実現してません?
ちょっと御意見が伺えれば、もしも記事に取り上げて頂けると嬉しいです。まだ本決まりではないとは想うんですが。
巡航ミサイルを無人攻撃機と考えれば、
まんま予言が的中したと想うのですが。
木霊様的にはどうでしょう?
こんにちは。
つい最近まで「ナイジェリア」と「ニジェール」の区別がついてなかった七面鳥です。
※共に同じ「ニジェール川」から名前を取ったって、アリかそんなん。
>彼らは人種差別を否定しながらも、自らが外国人達を下に見る傾向にある
彼ら西洋人は、キリスト教以外は遅れた邪教であり、西洋文明こそが最も進んでいて、それ以外は全て遅れており、自分達の文化、価値観、その他全てをもって世界を啓蒙しなければならない、と遺伝子レベルで思い込んでいるようです。
だから、「日本はそもそもLGBTに関しては、むしろ先進国である」という事が理解出来ない。
「肌が黒い」「(自分達の文化に属する)服を着ていない」だけで、下等な非人間と判断して、アフリカ人を奴隷として売買する。
そんな彼らが鉛筆ナメナメ定規で引いた「俺とお前の取り分を示す線」が現在のアフリカ大陸における国境線の多くであり、アフリカにおける文化、人種、宗教その他を無視したものだから、そりゃ暴動が収まるわけないんですよね。
※同じ事は中東にも言える。大体ブリカスとカエル喰いのせい。
アフリカ問題を解決するには、一度国境をチャラにして、白紙に戻してから一〇〇年くらい放置するのが一番じゃないかって思います。
その間、何があっても絶対に誰も手を出さない(食料等の支援含む)と言う条件で。
※当然、南アフリカもガラガラポンの対象。
そうすりゃ、痩せた大陸が支えられる適当な線で、人口も文化も宗教も落ちつくんじゃないですかね?
※酷い発想ですが、半端な支援は大地が支えられないほどの人口を増やすことを意味するから、結局は将来の苦しみを増産しているに他ならないと考えます。
なお、カミュの「異邦人」で殺されたアラブ人はアルジェリア人で、殺された男の弟の視点で描かれた「ムルソー再捜査」という小説もある事を、昨日知りました。
※アルジェリアとニジェールがフランス、ナイジェリアがイギリスの植民地とは、覚えにくいにもほどがある。
七面鳥様こんばんは。
放置プレイせよとの話には大賛成です。
資源がある地域が多いから、なかなかそうはゆかないのでしょうが。
根本的な解決には、貴兄の仰る方向しかないと思うんですね。
ルワンダのフツ族とツチ族の間で起こったジェノサイドも、もともとは人口爆発で耕地が足りなくなり部族間の争いが激化したのが原因不明だそうです。
「銃 鉄 病原菌」を書いた鳥類学者が
続編の本で書いてましたよ。
ビアフラの件を観ても、アフリカの飢餓は戦争や内戦によって、輸送が止まる事から起きるのが大半ですね。その争いの元を絶たないと。それに人口爆発で熱帯降雨林を伐採や焼畑にした事が、エボラ出血熱のウイルスが出てきた理由ですし。たしか森の縮小で宿主のミドリザルが激減して、それで人類に感染るようになったそうですから。酷な言い方だけど、農業を中心とした国は適正規模の人口があると思うんですよ。
非道な言い方に見られるかも知れませんが……難民キャンプとかで生き残るのは
十代男子が多い。親は新しい生活に慣れるには頭が固定していて、女児の場合は数年すれば子供を産み始める。なので体力があり、頭が柔らかく、長じて落ち着いた時期に子供をもうける事のできるティーンの男子が生き残り易いのは、自然淘汰の原理から正しいと想うんです。
昔、難民キャンプで飢える子供が可愛そうで、チョコやアメを与えた奴がいるんですが、どうなった思います?
飢餓状態の所に突然、高血糖かつ高カロリーな物を与えたので、血液・体液の電解質バランスが崩れ、心不全で亡くなりました。心臓を動かす電気信号は血液のpHや電解質バランスに影響されますからね。情で考えれば良いって話ではないと想うんですね。
>河太郎様
全部が全部、そうだとは言わないのですが。
昼間は難民キャンプでメシ食って、寝て、夜になると国境越えてよその集落を襲う。
そんな生活が当たり前の所(というか青年達)もそこそこ居る、と以前どこかで読みました。
今飢えている子供に糧を与えるのは至極ごもっともなのですが、育てられないのに産むな、まず第一次産業を建て直し、そのための安全を確保してからにしろ、と。
そうでないと、支援を飲み続ける底なし沼ですし、最初から働く気がない青年層を量産するだけですし。
※他部族は殺して犯して奪って良い、という、紀元前のモラルが最新の火器持ってるのだから始末が悪い。
支援のあり方について、考えるべき時ですね(実際はもう何十年も前から考えるべきでしたが)。
>チョコやアメを与えた奴がいるんですが
ヒデヨシェ……
こんにちは。
大航海時代には、その時代に合った価値観があったのだと思います。そこは時代背景から色々関わっていく話だと思いますから、反省は良いのですが今更何か言ったところで詮無きこと。
で、現代の価値観については、やっぱり彼らの押しつけが酷い気がします。結局、欧米の彼らは自分たちが一番優れているという感覚でいるんですよね。そんな感覚で世して良い結果が出るわけが無い。
況してや過去に色々やらかしていますからね。
100年くらい放置するという案は面白いのですが、結局この話って、地下資源利権に絡む話。そう簡単には「不干渉」なんてことも出来ない。特に、支那やロシアが利益を求めて進出してきていますから、放置も出来ない。金を出してくれるところになびくのは世の常ですし。
そうすると、プレイヤーとしての日本は悪くない立ち位置にいます。
まあ…木霊様の仰る資源問題から、実現はムリに近い現状ではあらますね。
ワグネルが行く何十年も前からアフリカの白人傭兵は資源確保の為に動いてましたし。フォーサイスの「戦争の犬たち」
やワイルド・ギースのマイク・ホア大佐とか。それを今は中国が「戦狼」て映画にして戦狼外交なんてワードを産んでいる。英仏がやってきた事をレッドチームが踏襲してるだけ。ただ放置はできん。
でも根本解決は七面鳥様の言われる方法しかないとも想う。
つまりは西側と中露が自分等の事で手一杯になり、放置するしかない世界的カオス(世界大戦や世界恐慌や巨大隕石や致死的な世界的疫病やエイリアンの侵略)
になるまでは変わらないって話では。
彩図社ってキワモノを扱う版元の、「最凶都市ヨハネスブルグ」て本ありまして。
アサヒをドロップアウトした著者が、南アで欧米人記者と伴に、児童労働を「手に職を与えている!」と公言する(人としては良心的な)農場主にインタビューしてるんですが。その農場主の言葉を聞いた米国人記者が、
「白人は自分たちこそ優秀人種と心根では思ってる。それはリベラルな報道人の俺でも本音はそうだ。だからこそ、彼の言葉には吐気がする」って悩んでしまうシーンあるんです。著者は「アサヒで似たようなバイアスの中で仕事してきた私だが、アジアの有色人種である者として、彼にかけてあげる言葉を想いつかなかった」と述べてます。
この「責任の所在は俺等の先祖にないから」な感覚って、現地人の著者への反応でも見られるんですよ。そういう意味で
日本は「良い立ち位置」なんでしょう。
ただ、それ北京にも当てはまります。
今後は火薬に火がつくかも知れないけらど、まぁ中国のアフリカ搾取は年季が足りませんから、欧米ほどの反発は受けてない。面倒な話ですが。
>河太郎様
>そういう意味で日本は「良い立ち位置」なんでしょう。
アフリカの(中東も)分断に基本全くかかわっていない、という歴史的経緯もあり。
そして、「先進国として白人国家に近いが、白人ではない」というのきっとそれなりの比重があるはず、と思ってます。
それを上手く使うか、「所詮は黄色いサル」と蔑まれるかは力量次第ですが……
※同じ事はアジアにも、というか非白人国家全般に言えるはず。