あれ?まだ、その段階なの??
中国3隻目空母が射出実験 香港紙、電磁式カタパルト
2023/11/27 17:20
中国上海市で2022年6月に進水した中国3隻目の新型空母「福建」が上海の埠頭で、艦載機発進用の電磁式カタパルト(射出機)の射出実験を行ったと、27日付の香港紙、明報などが報じた。インターネットに出回っている映像を基に伝えた。
産経新聞より
支那が満を持して作った新型空母「福建」だが、2022年6月に進水している。
実験は成功?
実験空母「福建」
支那が空母を作り始めたのは2008年頃からだ。ウクライナから購入したロシア空母のヴァリャーグは、支那が莫大な予算を突っ込んで001型航空母艦「遼寧」にお色直しして、2012年9月に就役している。
コレを完全コピーして作ったのが002型航空母艦「山東」で、2019年12月に就役した。
そして、この2隻を改良して作ったのが003型航空母艦「福建」である。
中国の3隻目空母が進水 米国に対抗
2022年6月17日 17:45
中国国防省は17日、上海で建造していた同国3隻目の空母が同日に進水したと発表した。限られた甲板スペースで高い頻度で艦載機を発射させられる電磁式カタパルト(射出機)を初めて搭載した。最新の軍事技術を誇示することで米国への対抗姿勢を鮮明にしている。
日本経済新聞より

ある意味、満を持して投入した空母なのだが、どういう訳だか電磁式カタパルトを採用してしまった。
言い方は悪いが、この艦も巨大な実験船なのである。
電磁式カタパルト
で、目玉として「電磁式カタパルト」の採用を喧伝したのだが、この電磁式カタパルトが余り宜しくない。
電磁式カタパルトは莫大な電力を消費するため、米国のような原子力空母ではなく通常動力で稼働する中国の空母で本格運用ができるのか疑問視する声もある。「ジェラルド・R・フォード」では電磁式カタパルトの不具合がたびたび見つかっている。中国がどこまで完成度を高めることができるかも注目される。
日本経済新聞より
アメリカが開発して完成させたと言われている電磁式カタパルトだが、色々と欠陥を抱えている。蒸気式カタパルトも使い勝手が悪いのだが、電磁式カタパルトは莫大な電力を喰うほかにも色々と問題がある。
莫大な電力を発電する発電機と、その大電力を瞬時に供給するためのルートの確保などが設計が難しいことだ。支那の空母はどうやら交流電力の代わりに注電圧の直流電力システムを採用した上、エネルギー貯蔵にスーパー・キャパシターを用意したようだ。これはかなり画期的なシステムではあるようだ。

理屈的には可能なんだろうけど……。
実験は成功か
というわけで、かなり先進的な前例のないシステムを採用したようで、それが上手く行くかはアメリカを含めて色々な国が注目している。
同紙は軍事専門家の話として、停泊した状態の空母から車輪がついた物体を射出するのに成功したとの見方を伝えた。
ネットに出ている映像では空母の前方に水柱が上がる様子が写っている。実際にカタパルトが作動している場面はない。
産経新聞より
とりあえず、支那としては物体の射出に成功したという段階のようなんだけど、そういえばXで動画が出ていたな。
なお、この動画は空母「ジェラルド・R・フォード」電磁式カタパルト射出テストだという方もいるので、参考動画という位置づけでお願いしたい。僕にはどちらの動画かは区別がつかないし、見る限りは空母「ジェラルド・R・フォード」の方かなという印象を受けたけれども。
何にせよ、発射テストしたっぽい!ということは分かった。
ただ、空母「ジェラルド・R・フォード」は、電磁式カタパルトのテストウェイト射出実験が2015年6月に行われ、就役後にテストを繰り返して試験完了が公表されたのは2020年1月になってからである。
背景情報は色々異なるのだろうけれど、それでも支那の空母もかなり時間を要する可能性は高そうだ。
追記
11月の記事に1月に追記するのはどうかと思うんだけど、大した記事でもないので追記にしておく。
中国国営テレビ 3隻目となる空母の最新映像伝える
2024年1月3日 21時14分
中国の国営テレビは、おととし進水した中国として3隻目となる空母の最新の映像を伝えました。中国の軍事情勢に詳しい専門家は「試験航海に向けて準備が順調に進んでいることをアピールするねらいがある」と指摘しています。
国営の中国中央テレビは、おととし6月に進水した中国として3隻目となる空母「福建」の最新の映像を、2日伝えました。
NHKニュースより
「映像を伝えました」と言いつつ、戦闘機が発艦したり着艦したりする様子はなかった模様。
写真だけ出されてもなぁ。え?動画だ?いや、そりゃ動画なんだけど、何も動いていないぞ。
この空母は、中国の空母として初めて、艦載機を加速して発進させることができる電磁式のカタパルトという装置が装備されているのが特徴で、映像からも飛行甲板の上に、カタパルトと見られる3本の装置が確認できます。
NHKニュースより
確かに、3本のカタパルトは見えるんだけどさぁ……。
コメント
X(エックス)の映像は、2015年に米空母フォードで撮影されたものです。
つべに同じ映像がいくつもありますよ。@Defence_IDAはいい加減ですな。
福建のカタパルトは、まだ未成功と診ておいてもいいでしょう。
なにしろ戦闘機は重いからね。
やっぱり、ポストされた動画は、アメリカでの実験ですよね。
ただ、確証が持てないので、まあ、参考動画ということで。
福建のカタパルトが、実用段階にあるかどうかはわかりません。
ですが、アピールして見せるだけの段階にはあるということなのでしょう。其れなりに自信ありと、そういう事なんでしょうね。
横合いから失礼。
カタパルト射出されている台車、”NAVAIR”って書いてあって、何かと思ったら。
https://www.navair.navy.mil/
海軍航空システム・コマンド(Naval Air Systems Command, NAVAIR)
の事なんですね。
これが中国の公式の映像放出だとしたら、その、なんというか……
……バカなんですかね?
あらー、確かに動画をよく見るとNAVAIRって書いてありますね。
しかし左上には「単手槎核弾」「天下布武」とか書かれていて、一体何処の動画なんだと。
新しい技術に朝鮮して実用レベルで使おうとしているのは素直に評価すべきだし、正しく恐れるべき。
問題は旧帝国海軍が空母に挑戦して機動部隊としてハード、運用合わせて完成させたようなことができるかどうか。中途半端なら日清戦争時の北洋艦隊の鎮遠、定遠よろしく見せかけの相手を脅すだけのハリボテになるだけ。あえて最初に朝鮮と誤字ったけど中国人はそこまで馬鹿じゃないし、19世紀と決定的に違うのは中国が核を持っていること。ハリボテのままでも使わないので十分効果はあるんだよな。
やはりソ連と同様に経済的に崩壊させて分裂させるしかないので、米国としてもその戦略を実行してるようだけどソ連のように経済的に孤立してないのが心配。それにその前に米国自体も怪しくなりそう。安倍さんがいないのがつくづく悔やまれる。
偽物かどうかはともかくとして、新技術をつぎ込んでそれなりに動くものを作り上げたのは事実なんでしょう。
注視していくべきかと。
というか、寧ろ支那にはもっと空母を作って欲しいものです。
セット運用を考えてあと3隻位は欲しいところですね。もっとお金を使って、でかい空母を作っていただければ幸いだと思っていますよ。
こんばんは。
あの…これ成功なのすか?
80年代にプジョーがテレビCMで自社車を空母のカタパルトから発射する映像あったのですが、もっと飛んでたと想うし。
そもそもカタパルトって蒸気式でいけないんですかね? 確か米空母のは20トンの重さを時速200だか300kmだかで射出できた想うんですが。ミサイルを沢山積むとそれくらいじゃ済まないのかなぁ?
使い勝手が悪いのは変わらない気がするのですが。蒸気式なら原子炉で熱した蒸気をタービン回すのに使った後で、余剰をカタパルトに回せないのかなぁ?
回せるならば蒸気式の方がリーズナブルな気もするのですが。解らない。
こんばんは。
蒸気式のカタパルトを実用化出来るのは、アメリカと、ぎりぎりイギリスくらいでしょう。
配管の取り回しや適切な出力の供給など、色々ノウハウがあるようですね。
そもそも支那の空母は今のところ原子力機関を採用できていません。潜水艦に積む奴は入手できたのですが、空母に積むやつは未入手。
なんと、ディーゼル機関を積んでいて、カタパルトを動かそうというのだからびっくりですよね。
え? ディーゼル?
それで電磁カタパルトなのすか?
なんちゅうか……チゲハグな。
スチームパンクですな(笑)
空母に搭載する原子炉を開発する方が先では?
エンタープライズを近く廃船するそうですが、アレでも8機の原子炉を積んでるそうですよ。半世紀ちかく前の空母なのに。やはり背伸びし過ぎな気がするのですが。
そういや艦船から外した原子炉の置場の空撮写真を見たのですけど、容器で囲っただけで野ざらししてる。
流石に燃料棒は抜いてるのでせうが、アレは空爆されたりしたら大丈夫なのかなぁ?
ディーゼルというのは正しくありませんでした。
正確には、ボイラー8基に蒸気タービン4基を搭載して船を動かしていますね。
「遼寧」および「山東」はギヤード・タービン方式を採用していて、「福建」はそれよりは新しい統合電気推進(IPS)方式を採用しているようです。が、原子力機関は搭載していません。まあ、原理は違いますがやっていることは同じですかね。