スポンサーリンク

白菜マンションが人気な支那

中華人民共和国ニュース
この記事は約11分で読めます。

意味が分からないね。

宴の後の中国不動産4 若者集う「白菜マンション」

2023/12/1付

青空を背にそびえ立つ超高層ビルは、日が暮れると視界から姿を消した。中国東北部の中心都市、遼寧省大連市。一等地にある地上86階建てのランドマークは、夜でも明かりがともらない。「まるでおばけみたいだ」。地元の人々は口をそろえる。

日本経済新聞より

この話は、ちょっと前に朝日新聞も報じていたんだけど、日本経済新聞も取り上げたようだね。会員記事だから中身を引用できないけど。

人気が出てきた白菜マンション

地方のマンションの値段が下がる

「白菜マンション」以外にも「空心村」という言葉もあるようだ。

不動産は「白菜の値段」、驚きのペースの人口減 故郷が「空心村」に

2022年10月3日 14時00分

「白菜の値段で、不動産が買える」。こんな枕ことばで有名になったまちが、中国東北部にある。

ロシア国境に接する黒竜江省鶴崗市。かつては炭鉱で栄え、省の4大産炭地の一つに数えられた。いまは財政が極度に悪化し、人口減も止まらない。

朝日新聞より

この記事は2022年10月の記事なので、1年以上前から安値のマンションが出ていた事を意味する。当時も「値下がりが問題だ」と言及はしていたのだけれど、そもそも黒竜江省にマンション建てても、買い手がつかないってのは別におかしな話ではない。

この鶴崗市は、かつては経済のエンジンとなっていた炭鉱が枯渇してしまって、2011年には資源枯渇都市として認定されていた。

更に、「環境」を重視し始めた習近平氏の方針に従って、支那国内での石炭価格が下落しはじめたことで、鶴崗市は資金難に陥った。そのお陰で、1軒3万元(約60万円)という驚きの価格でマンションが購入できるという。

経営破綻

ちなみにこの鶴崗市は財政悪化によって財政が破綻したと報じられている。

中国地方財政悪化が加速 黒竜江・鶴崗市が初の「破綻」

2022年1月7日 21:30 (2022年1月8日 5:16更新)

中国で地方財政の悪化が加速している。東北部の黒竜江省にある旧産炭地、鶴崗市が事実上「財政破綻」したことが明らかになった。省直下の市としては初めてとみられる。地方財政の悪化は公共事業の足かせになるほか、公務員給与の削減を通じて個人消費の下押し要因にもなる。

「不動産価格が白菜の値段のように安い」。鶴崗市は「5万元(約90万円)あれば家を買える」といわれるほどの過疎地だ。かつて黒竜江省四大炭鉱の一つとして発展したが、2011年に国が資源枯渇都市に認定。その頃から経済成長が止まった。

~~略~~

同市は21年12月下旬、職員採用計画を取り消すと発表。その公表文の中で、財政再建計画を実施していると明らかにした。国の管理下で北海道夕張市が抜本的な財政再建を迫られたのと似た状況といえる。

日本経済新聞より

再建計画がどうなっているのかは知らないが、そもそも経済がうまく回っていないのだから、どうしようもない状況なのだろう。

日本でも夕張市が破綻して以降、かなりの過疎が進んでいると聞く。人口も加速度的に減っているので、インフラ維持という事も困難になっている。完全に負のスパイラルに陥っているのだ。

コラム:中国債務危機、次の火種は地方政府 裏付け弱い資金調達も

2022年1月11日3:44 午後

中国で最も手ごろな価格で不動産を取得できる地域の1つは、ロシア国境沿いに流れるアムール川の南岸だ。北京なら寝室2つのマンション1戸の平均価格は100万ドル(約1億1500万円)だが、当地の鶴崗市は同じタイプが1万ドルで買える。その鶴崗市の地域経済は炭鉱からの収入ほぼ一本に依存しており、ここ何年も青息吐息が続いていたが、新型コロナウイルスのパンデミックでついに引導を渡されてしまったようだ。

ロイターより

で、支那の鶴崗市の話に戻るのだが、青息吐息だった経済が武漢ウイルス感染症の蔓延で完全にトドメを刺されたのが2021年末の話。

マンションは北京の1/100の価格で買えるそうだが、ソレで人が集まって経済が回るかというと、まあ無理だろう。

つまり足元で民間不動産会社の社債や買掛金のデフォルトが発生し、手掛けた開発物件が未完成のままになっているところに、地方政府の資金調達機関として評判が芳しくない融資平台(LGFV)が、次に相次いで破綻に直面する恐れがある。昨年4月に明らかになった国務院の文書では、返済能力をなくしたLGFVは清算できるようにすべきだとの見解が示された。ゴールドマン・サックスが試算した2020年末のLGFVの債務残高は8兆ドルと、中国の国内総生産(GDP)の半分程度に相当する。昨年段階で、中国のオフショア市場での最大口発行体も不動産開発会社からLGFVに入れ替わっており、今年中にLGFVのドル建て債310億ドルが満期を迎える。

ロイターより

ここでも出てくる融資平台だが、この時期に既に多額の債権を抱えていて破綻を囁かれていた。

LGFVの債務の多くは、「理財商品」に組み直され、一般の人々にも販売された。LGFVは、中小銀行の大口の借り手でもある。

ロイターより

で、債権ロンダリングをやっているので、どれが健全な債権かサッパリ分からないと……、地獄かな。

スポンサーリンク

日本のメーカーもマンション建設に手を出す

なお、アホな住宅メーカーは支那でマンションを作るなんてことをやっていた。

大和ハ、中国・江蘇省に967戸15棟の大規模マンション供給

2022年10月12日 16時31分 配信

大和ハウス工業はこのほど、中国・江蘇省常州市で3ヵ所目となる大規模分譲マンションプロジェクト「玖越花苑きゅうえつかえん・(グレース・レジデンス)」(総戸数967戸)の販売を開始した。

~~略~~

今回の開発に当たり、当プロジェクトの開発会社を昨年1月に設立した。出資比率は大和ハウス工業が49%、同社の現地完全子会社が51%。総事業費は約720億円。

なお、同社は06年から江蘇省を中心にこれまで7件・8230戸の分譲マンションを供給。常州市では、17年に竣工した「龍州伊都りゅうしゅういと・(グレース・レジデンス)」(総販売戸数1178戸)や今年竣工した「琅越龍洲ろうえつりゅうしゅう・(グレース・レジデンス)」(総販売戸数636戸)などを供給、いずれも竣工前に完売した。

住宅新報webより

どうやらちゃんと売り抜けたようだが、こうした海外進出がどの程度の商売になったかは良く分からない。

住宅大手が「過去の苦い経験」越え海外進出のワケ
20年ほど前の話。当時、筆者はハウスメーカー各社の取材にあたって、ことあるごとに問いかけていたことがあった。「海外で住宅を売ることを考えていないのですか」と。で、回答は総じて「そんなことあるわけないじ...

他のメーカーも海外展開を行っているので、そういったものの一環と考えればそれなりにリスク込みでやっていたのだとは思うが、結果がどうなったのかは知りたいところ。

海外ビジネスは日本の商慣習が通用しないので、案外苦戦しているのかも知れないね。尤も、各社の株価など見ていると、さほど悪くない感じなので、大きな失敗をしたと言うことは今のところなさそうだが。

白菜マンションを買うとキャッシュバック?

なお、ソースが良く分からないが、面白い記事を紹介していたのがコチラ。

中国の”白菜マンション”、15棟で22万元(440万円)の投げ売り
白菜のように安いマンションが増えている地方マンションの投げ売り販売ロイターによると最近中国では不動産の投げ売りが起きていて、ある投資家は黒竜江省鶴崗市でアパート15棟を22万元(440万円)で購入でき...

頭金を支払うと、支払金額よりも高い金額が戻ってくるとかなんとか。こういったビジネスが支那の地方中心に展開されていて、支那の若者に人気だというのが冒頭の日本経済新聞の記事なのだが、売れたからと言って経済的に何かプラスになるかというと、これがまた。

何しろ、原価割れでマンションを売って、メンテナンスはやらないという支那の慣習的な話に照らすと、若者達に購入されたマンションが一体どうなるのか?という点には不安が残る。安値で買ったマンションは、生活環境の悪い地方でどの程度の執着を持たれるのか?居着かずに、直ぐ別の場所に移転してしまうのではないか?

要は、地方経済の活性化にプラスになるのか?という不安がついて回る。

スポンサーリンク

追記

白菜の起源

コメントを頂いて、「へーそうなんだ」と思ったので、記事と直接関係ないのだが白菜について。

白菜が舶来野菜?! その歴史は意外に浅かった。〜野崎白菜2号~

2015.10.01

白菜と言えば、みずみずしい葉が幾重にも重なり合い、頭部の葉がキュッとまとまった円筒状の形を思い浮かべます。これがいわゆる結球白菜で、現在最も一般的な白菜のイメージです。実はこの結球白菜、その国産第一号は名古屋で生まれました。それが野崎白菜(愛知白菜)です。

~~略~~

でも、白菜の原産地は地中海沿岸で、中国を経て日本に伝来したのは明治時代、そして国内に広く普及したのは大正時代になってからと、その歴史は意外に浅いのです。

国産第一号の結球白菜の歴史は、明治8年(1875年)の東京博覧会に端を発します。博覧会には中国(清国)から根付きの山東白菜が3株出品されました。これが日本に初めてお目見えした結球白菜です。

花ごころメディアより

白菜の原産地が地中海沿岸で、支那を経て日本に伝来したと言うのも驚きだったんだけど、それが明治8年(1875年)頃だったと言う事にも驚きが。結構最近なんだ。

白菜はもともと同じアブラナ科のカブとパクチョイの自然交雑したものと考えられています。そのせいか白菜はアブラナ科の野菜を近くで育てているとすぐに交雑し、形質が変わってしまうのです。

花ごころメディアより

ん?地中海沿岸原産という話は何処に行ったんだ??

明治になって中国から日本に渡来した、結球白菜の話です。

李家文著・篠原捨喜他訳の『中国の白菜』によると、チンゲンサイのような茎が太くて葉数の少ないナッパ(菘)と、茎が細くて葉数の多いナッパ(蕪菁)とが自然交雑して広い葉で葉数の多い大型のナッパが生まれ、たくさんの葉の中央が白や黄色で半結球の花芯白菜になり、その中から結球白菜が誕生したのが清朝初期と言いますから、日本の江戸時代初め頃のことです。

野口種苗研究所 のサイトより

うん、うん?

はくさいは英語名で「CHINESE CABBAGE(チャイニーズ キャベッジ)」といわれるように、中国北部が栽培種の原産地とされ、10~11世紀頃から中国で栽培されています。はくさいの先祖は、2000年以上前、ヨーロッパから中国へ渡ってきたナタネがカブと漬け菜に分化して、その後中国北部のカブと中国南部のチンゲンサイ(パクチョイ)が自然交雑したものだといわれています。

独立行政法人農畜産業振興機構のサイトより

なるほど、地中海から支那にもたらされたのは菜種の仲間で、支那にて蕪菁とパクチョイが自然交雑したものが白菜の原種になった、と言うことで良いようだ。なお、青梗菜(パクチョイ)というのはこちら。

「パクチョイ」delishkitchen.tvより

まんま青梗菜ちんげんさいのようにみえるんだけど、青梗菜よりも軸が白いのが特徴らしい。これが白菜の祖先の姿なのか……。

スポンサーリンク

伝来後も栽培には苦戦した

しかし、白菜がパクチョイとカブの交雑種だということが影響して、栽培には苦戦したようだ。現代であれば、F1種の野菜の育成は2代目以降別物になってしまうという事が広く理解されているのだが、当時はそうではなかった模様。

そして遂に!明治28年、徳四郎氏が栽培を初めて10年、中国から日本に渡来して20年、日本の地で初めて結球白菜が誕生したのです!

品種改良はその後も進められ、大正6年には県から正式に新品種と認められ「愛知白菜」と命名。そして、さらに純度を高めた「野崎白菜2号」へと発展して行きます。

花ごころメディアより

愛知郡荒子村で園芸農業に取り組んでいた野崎徳四郎がこの白菜の栽培に取り組み、10年かけて新品種を開発している。

株式会社 野崎採種場のサイトより

現代に残っているのは、「野崎白菜2号」と名付けられた品種だ。

日本への渡来は意外にも遅く明治初期でしたが、栽培はうまくいかなかったようです。その後、日清戦争、日露戦争において当時の日本兵が旧満州・朝鮮で大きく結球した美味しいはくさいに出会い、日本に種を持ち帰り、現在に至っています。

独立行政法人農畜産業振興機構のサイトより

とはいえ、サイトによっては旧満州に渡って持ち帰った白菜の種が主流だとしているようだが……。

沼倉吉兵衛(1859~1943)登米郡登米町出身。東京駒場農学校に学び、宮城県農学校の教師となった。日清戦争時に、第二師団参謀長がもち帰った芝罘(中国山東省)白菜の種子を、仙台市養種園技師として栽培研究を続け、大正三〇年になって二〇年の苦心が報いられて、品種改良に成功、現在の宮城県特産の仙台白菜を作りあげた。

国立国会図書館 レファレンスデータベースより

実際には、松島白菜(仙台白菜)、野崎白菜(愛知白菜)に加えて、加賀白菜と呼ばれる松下仁右衛門が育成した品種の3種類が主流の白菜品種ということになっているようだ。

朝鮮半島にも伝来

なお、韓国人のソウルフード、キムチなんだけれども、白菜は支那から伝来し、唐辛子は日本から伝来している。

高麗時代になると、書物「高麗史」に祭祀のお供え物として、キムチが登場します。

さらに、詩文集「東国李相国集」によると、醤漬けと塩漬けのことが記されていました。醤漬け(チャンアチ)の醤は味噌や醤油のことを意味しているので、現在も食べられている醤漬けは歴史が古いことが伺えます。また、キムチを意味する「沈菜(チムチェ)」の記述を見つけることができます。チムチェは塩漬けした野菜に、ニンニクや生姜を入れて漬ける方法。さらには、大根を丸漬けにして漬け汁も楽しむトンチミもありました。

韓国農水産食品流通公社のサイトより

高麗時代(918年~1392年)の末期になって、李奎報(1168~1241)が編纂した詩文集「東国李相国集」に沈菜の文字が出てくるようだが、この漬け物は支那から伝来しており、塩漬けが主流だったようだ。唐辛子が朝鮮半島に伝来するのは、文禄・慶長の役(1592年~1598年)頃のことで一節に寄れば秀吉(実際には加藤清正)が朝鮮半島に武器(目潰しや毒薬)または血流増進作用による凍傷予防薬目的で持ち込んだとも言われている。

白菜は、そこから更に時代を下って、19世紀末に支那から伝わったとされている。

え?キムチの話はどうでもいい?そりゃご尤も。

支那で大規模に栽培される白菜

さて、話が色々逸れたのだけれども、白菜の話である。

中国のはくさいの作付面積は2,023.4千ha(2000年)です。およそ日本の98倍です。中国全土で栽培されていますが、主な産地は、秋は山東省等、冬は福建省等、夏は河北省等です。

独立行政法人農畜産業振興機構のサイトより

支那では大規模な白菜栽培が行われていて、大量に消費されている。つまり、白菜を原産国である支那では白菜が安い。その白菜並に安いのがマンション、というのが今回の本題に関わる話である。

コメント

  1. アバター 山童 より:

    白菜は漬物やキムチに出来ますが、マンションは塩漬けにしても劣化するたけすからねぇ。
    てか鬼城だらけなので驚きませんが。
    黒龍江省は寒いすからねぇ半端なく。暖房も入れず手入れしないで放置すれば、
    寒暖と乾燥で、コンクリが劣化して新築価値はあっと言う間になくなりますね。

    • 木霊 木霊 より:

      なるほど、黒龍江省の環境が更にマンションに厳しい試練を……。
      この話は、支那の地方行政が悲鳴を上げていますよ、というお話でありまして。これは以前書いた、中央政府はまだマシだけど地方行政はかなり悲惨な状態にありますよと言う事を下敷きに、中央主権の状況にヒビが入っていく流れになります。元々そういう構造ではあるんですが、何処までコレが許容されるのやら。

  2. アバター 砂漠の男 より:

    白菜の値段のマンションとか、支那人はウィットに富んでいるね。
    そういえば、我々がいま食べている白菜は、明治期に満洲産原種が日本人によって現地で品種改良された『清国1号』(明治政府制定)が、輸入されてさらに国内で品種改良されたものだね。品種改良前の原種を写真で見たことあるけど、現代の白菜よりちんまりしていた。

  3. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    記事冒頭数行読んだ時点で「こんなんで地方財政復活するなら、夕張は破綻してないよなぁ」って思ったら直後に書かれていたという……

    まあ、こんだけ建物を作りに作ったのですから、地球温暖化にも相当に貢献した事でしょう。

    >中国南部のチンゲンサイ(パクチョイ)

    なんか聞き覚えが……と思ったら、アレです、朝鮮語の「白丁」。ペクチョン、でしたっけ、読み。
    話が超音速でズレますが、
    http://specificasia.blog.jp/archives/1074076515.html
    このリンク先記事のネタで覚えました。

    で、アレですね。
    江戸時代の作品で、鍋や漬物に白菜出したらダメと。
    勉強になりました。

タイトルとURLをコピーしました