あー、ハイハイ。
中国、日本産水産物を税関で留め置き 処理水巡り圧力か
2023/7/19 17:54
松野博一官房長官は19日の記者会見で、日本から輸出された水産物の一部が中国の税関で「留め置かれている状況が発生している」と明らかにした。中国は東京電力福島第1原子力発電所の処理水海洋放出計画に反発しており、日本側に圧力をかける狙いがあるとみられる。松野氏は「政府として詳細な状況を確認している」と説明した。
産経新聞より
台湾にも似たような事やっていたから、手口自体は特に驚くような話でもない。そして、岸田君、舐められているよ?君ぃ。
安心と安全の違いは越えられない
福島第一原発の事故が特に問題なのではない
バカバカしい話ではあるが、ちょっとBBCの記事を引用しておこう。
福島第一原発の処理水放出、恐怖と事実が対抗する地元を取材
2023年7月17日
認定NPO法人「いわき放射能市民測定室 たらちね」の理事を務める木村さんは1年に4回、ボランティアの人たちと共に、原発周辺の海から魚を採取してくる。「たらちね」は2011年、東日本大震災による壊滅的な津波が原子炉を襲い、メルトダウンが起きた数カ月後に設立された。それ以降、この作業は続いている。
~~略~~
国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長も、2年間にわたる調査の結果、処理水の放出が人や環境に与える影響は「無視できる程度」だと述べた。韓国も同様の評価を下したものの、原発の周辺地域でとれた日本の水産物の輸入禁止を堅持している。中国と香港も、同様の禁止措置を延長すると発表した。
しかし、福島やその周辺に住む人々は納得していない。
BBCより
何というか酷い。平成23年3月11日、東日本を襲った巨大地震の影響で、福島第一原発は被災した。
しかし、原子炉建屋が水素爆発で吹き飛んだものの、炉は壊滅的な被害を免れて、周囲への放射性物質の拡散もチョルノービリ原発事故と比べると、未だマシではあった。
問題はメルトダウンによる地下水の漏出で、豊富な地下水が日本を苦しめることになる。それが、この処理水問題なのだ。
ALPSという放射性物質の除去装置を使って、汲み上げた汚染された水を処理。1000基以上の巨大タンクにひたすら水を溜め続けている。
本来ならば、処理した地下水は、処理水として海洋放出する計画だったのだけれど、日本政府はその判断を引き延ばした。結果、もはや敷地内にタンクを設置する場所もなくなってしまった状況である。
そこで、今年の夏、IAEAのお墨付きを貰った上で、処理水の海洋放出を始める。そういうお話だ。が、BBCは感情論で不安をかきたてている。事故が不安というよりは、不安な感情を汲み上げている、そんな記事だ。
そりゃそうだろう。安心と安全は違うのだ。
世界的にも原発関連施設からの処理水放出は行われている
だが、感情論はさておき、世界中の原子力関連施設から処理水放出は行われていて、文句を言ってきている支那や韓国も例外ではない。
BBCが紹介しているいわき放射能市民測定室「たらちね」は、その名前からして頭が悪い感じ(「放射能を測定するのか、へー、そうなんだ」と)だが、それはさておき、測定結果を律儀に開示している。そして、その結果について公表している。
公表数値に信憑性があるかどうかは分からないが、減少傾向にあるとはしている。
「私たちはホームページに常にデータを公表して、誰でも見れるようにしています」と木村さんは言う。
木村さんは、「測定を通じて、少しずつ放射性物質が食物の中から減少していることを確認してきたんです」と話す。処理水が海洋放出されると、せっかくこの減少を支えてきた自然の力が無に帰してしまうのではないかと懸念している。
BBCより
この傾向は東電などが報告している数値とは異なるものだが、全体傾向としては同じだ。そりゃ、半減期などの影響もあるので、未来永劫放射性物質の影響が検出されることはないのだ。
そして、処理水を出すことが不安だとはしているが、大きく変わるのかといえば、そんなことはない。万が一問題があれば停止することになっているわけで。
そもそも、世界中の原子力関連施設から、大量のトリチウムが海洋放出されているのである。
不安を払拭するためにも、むしろ日本は海洋放出をしなければならない。
風評被害は防げない
では、反対している方々は何を言っているのかと言えば、風評被害が困るというのだ。
高橋さんは、処理水が放出されれば事態はさらに悪くなると危惧している。中国と韓国はすでに、輸入禁止措置を取っている。
科学的な証拠がこうした懸念を払拭するのに十分かという質問に、東京電力の山中さんは、「風評だけは、我々がどんなにきれい事を言っても直るものではない」と認めた。
「地道にこういう一つ一つの努力が積み重なって、収まっていくものだと思います」
失った信頼の回復には時間がかかる。原発関係者はBBCの取材にこう話した。
BBCより
だが、風評被害は海洋放出する事実とは何ら無関係に発生する。海洋放出をしないからと言っても風評被害はなくならないのだ。
漁業関係者の気持ちはなんとなく理解出来る。排水を流されれば気持ちが悪い。例えて言うのであれば、下水処理場で処理された水を流す河口付近で採れる水産物を食べたくないと思うのと似たような話なのだろう。
こうした「気分」の問題は、実際に食べてしまえば、知らなければ気にならなくなる。実害はないのだ。風評が問題なだけで。
なお、敢えて突っ込んでおくが、東電が莫大な費用をかけて地下水のくみ上げをやってALPSで核種の取り除きをやっているが、地下水は100%回収出来ているわけではないし、そのことは誰にも立証ができない。
それ故に、未だに福島沖の海産物は全数検査しているわけで。
政治的な駆け引き
支那の嫌がらせ
とまあ、そういう話はさておき、冒頭のニュースは、完全に支那の嫌がらせだと冒頭にも言及している。
水産物が税関で長期間留め置かれれば、鮮度保持が難しくなり、中国への輸出を断念する業者が相次ぐ可能性もある。
産経新聞より
全数ダメになったとき、支那政府はこれを補償してくれるんですかね?そんなわけがない。
事実上の禁輸である。
松野氏は「処理水の放出は国際安全基準に合致しており、人や環境への放射線の影響は無視できる程度であることが結論として示されている」と強調した。その上で「日本産食品の安全性は科学的に証明されており、今後とも政府一丸となってあらゆる機会を通じて中国側に働きかける」と語った。
産経新聞より
これは、譲歩を引き出したい支那の駆け引きであって、日本側はこれに安易に乗る必要はないのである。
既に、香港が似た措置をやったことにはこのブログでも言及している。
こちらの記事でも触れたが、完全に嫌がらせだ。
香港 宮城や福島など10都県の水産物輸入禁止へ
07月13日 17時09分
東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水を薄めて海に放出する計画をめぐり、香港政府は、実際に放出が行われた場合、宮城や福島を含む10の都県からの水産物の輸入を禁止すると発表しました。
NHKニュースより
なお、子分の韓国も大した騒ぎである。
勝手にすれば良いんじゃないかな。
支那も韓国も同じモデルで経済的に困窮し始めていて、これが国内の努力だけで解決するようなものではないことは既に多くの人の知るところだ。
他国への嫌がらせは、支那も韓国も敵を作り出すテクニックとしてやっているだけで、舐めやすい岸田氏が狙われているのが実情である。
地元の動揺には買って応援
正直、こういった海産物の不買に関して、何か直ぐにやれることがあるかというと、ない。
いや、長期的にはWTOへの提訴とか、あるにはあるんだけど、相手側に言うことを聞かせるという類いの話ではないし、結局これも風評の問題なんだよね。
となると、国内で国民が買って応援するくらいしか手がないのだ。
政府が直接漁師などに補助金を出すと歪なことになるので、国内の流通をしっかり整備する方向で手助けすれば良いんじゃないかな。
追記
全面的に始めたらしい。
日本の水産物を全面検査 処理水放出で圧力強化―中国
2023年07月19日19時43分
中国政府が日本産の水産物に対する輸入時の放射性物質検査を全面的に始めたことが19日、分かった。
時事通信より
いやー、韓国の時にも書いたけどさ、未だ放出してないから。
追記2
いや、無理無理。
中国、民間セクター活性化と企業の保護誓う-国有企業と同様の扱いへ
2023年7月19日 23:32 JST
中国共産党と政府は、民間企業を取り巻く環境の改善に取り組む方針を共同で表明した。企業の信頼感向上を目指す政府の姿勢が強く示唆された。
新華社通信が19日報じた共同声明によると、中国は民間企業に対し、国有企業と同じように扱うと約束した。あらゆる所有形態の企業が平等に扱われるとともに、全レベルの政府機関に対し、政策を立案・評価する前に優れた起業家を招いて協議することが奨励された。
Bloombergより
あれだけ民間企業を締め付けたのに、「これからは国有企業並み」って、誰が信じるのか。流石にちょっと無理があるだろう。
仮にソレが実現できるのだとしたら、キャピタルフライトはある程度抑制可能かもしれなけれど、口先だけだと思われるんだろう。少なくとも海外投資家は信用出来ないだろう。
コメント
これでTPP加盟を申請しているのだから笑止千万。
ですよねー。
説得力が無いにも程があります。「我が国は、CPTPPに参加できる条件を整えている!」ですって。
木霊様、皆さま、おはようございます。
お魚を人質に半導体などを手に入れる・・・
戦略物資の対中包囲網に対抗するカードの1枚のつもりなのかしら。
それにしても
中国の政治はずいぶん劣化したと思うのは私だけではないでしょうね。
福島第1原発の事故の話が関わってきますから、政権批判している層に影響が大きいと思っているのでしょう。
岸田政権には案外効いているかも知れませんよ。
こんにちは。
・風評被害を緩和するのは、本来はマスコミの役目。(なのだが……)
・中国、水産物禁輸なら、こっちに来る漁船も締め上げてやれ。「日本の魚」はダメなんでしょ?って言って。
・風評被害を丸く収めれば、岸田政権の評価上がると思うけど、その頭はなさそうですよね……
メディアはそんな責任が自分たちにあるとは、露ほども思っていないのではないでしょうか。
公正な報道をして読み手に判断させるという事を、日本はやってこなかった。海外のメディアがやってきたかどうかは知りませんが、日本は少なくとも公平中立な報道を目指しているのかは疑問です。
被害者に寄り添った報道というのは、本来、メディアの得意とするところのハズなんですが、実際は、声が大きい方の味方をするのが、楽で良いし、記事も売れやすい。楽して儲けようという事を考えるメディアが多くなったので、現状のようなおかしな事になっているんですね。