なかなか衝撃的な事故のようだ。
EVタクシーが時速188kmで暴走し衝突…ブレーキも利かず250m飛ばされる 韓国・テグ
9/27(水) 18:43配信
9月15日、韓国南部の大都市テグで客を乗せて走っていたタクシーが、飛び出してきた車と衝突した。
FNNプライムオンラインより
リンク先には映像もあるが、現時点では事故原因は特定できていない。コメントでも触れられていた方が居たよね。
死傷者も出ていることから、あまり不謹慎な扱い方は出来ないのだけれど、今後、問題が大きくなる可能性が高そうなので、触れておきたい。
暴走するEV
EV暴走は頻発
この手の自動車暴走事故というのはさほど珍しくはなく、アメリカやEUでもプリウスなどが暴走したとして集団訴訟が起こされたことがあった。
ただ、現時点でハイブリッド車が原因で事故を起こしたと認定された事件は一件もない。その多くは、ブレーキとアクセルの踏み間違いか、偽証だという事で決着している。
ところが、今回の韓国のこの事故は、どうもそれとはケースが異なるようだ。
その途端、タクシーはなぜか急加速し、時速はあっという間に120kmに到達。
乗客「ブレーキを踏んでください。ダメですか?」
タクシー運転手「ブレーキをかけてるけどダメだ」
命の危険を感じた後部座席の乗客は、あわててシートベルトを締める。
アクセルを踏んでいないという運転手の訴えとは裏腹に、暴走タクシーはさらにスピードアップ。
ついには時速188kmに達した。
乗客「サイドブレーキはないですか? エンジンを一度切ってみてください」
タクシー運転手「エンジンが切れない…切れない…」 暴走を続けたタクシーは、信号待ちの車に激突して、ようやく停車。
このタクシーは、EV(電気自動車)だった。
FNNプライムオンラインより
事故を起こしたのは、ヒュンダイのアイオニック5をタクシー化したものだったようで、日本では「かなり」の売り上げをたたき出している車だ。
ヒョンデは売れているのか? 日本に再上陸した2年目の通信簿
2023.09.20
日本自動車輸入組合(JAIA)の統計によると、2023年8月期におけるヒョンデの車両販売台数は20台。2023年1月から8月までの累計販売台数は224台となっている。
webCGより
なんと!月間20台、1月から8月までの累計販売台数は224台である。めっちゃ売れている。
で、冒頭に紹介したFNNプライムオンラインでは、どういう訳か車名を伏せて報道しているが、動画を見れば一目瞭然だ。
韓国国内ではこうした事件が最近頻発しているようで、2023年に入ってから数十件の事故が起こっているらしい。
発火は分かるが暴走は…
EVが使っているバッテリーはリチウムイオン電池が多く、これが燃えると結構な事件となる。
充電中のヒョンデEVで火災発生、車両全焼=韓国ネット「もはや爆弾」「こんな完成度で…」
2022年8月9日(火) 6時0分
2022年8月8日、韓国経済TVによると、充電中の電気自動車(EV)で火災が起き、車両が全焼する事件が発生した。
8日午前5時1分ごろ、韓国・済州市内の住宅街に駐車してあった現代自動車の電気自動車アイオニックの2019年モデルで火災が発生した。火は約4時間後の午前9時8分ごろに消し止められたという。
レコードチャイナより
充電中のトラブルは多いが、充電中でなくともバッテリーには高密度のエネルギーが蓄積されていて、バランスが崩れれば発火のリスクはある。何しろ、中に使っているのは事故発火性のあるリチウムである。
リチウムイオン電池絡みのトラブルは、車に限らず航空機や携帯電話など様々な分野で発生しており、発火すると消化することが難しいことでも有名である。
とはいえ、バッテリー自身に物理的損傷がなければ、発火に至るようなトラブルは起きにくいのも事実。まあ、「バッテリーが真っ当に作られていれば」の話だけどもね。
一方、暴走の方はかなり不可思議である。
何故ならば、入力された指令に対して異なる出力をしたというのが、今回の事故の状況で、「ブレーキを踏んでいた」「アクセルを踏んでいない」「エンジンを切ろうとした」「ハンドブレーキも使ってみた」と、減速を試みる操作を続けたのに、加速し続けたという。
動画も残っていて、信憑性は高そうである。
どうして暴走したのかを調べなければならない
まずはっきりしていることは、今回の事故も含めて、メーカー側から事故の原因がメーカー側にあるというような発言は一切ない。
だが、幾つもの情報を組み合わせてみると、少なくとも事故を起こしたEVは、外部入力を受け付けない状態でのフル加速をしてしまう状況が起こり得たようだ。
こうしたトラブルは設計時点で除外されねばならないが、バイ・ワイヤが主流になってきた車両には起こりうる話。その為にシステムを多重化して、おかしな挙動を検知した場合にブレーキがかかるようになっている車両が多い。
おそらくは、何らかの理由でこれが動作しなかったと考えられる。
【映像】「急発進」主張するアイオニック5の事故映像
2022.05.09 17:04
9日、馬山中部警察署によると、6日午後7時55分ごろ、昌原市馬山合浦区海岸道路を走っていたIONIQ5が片側1車線の隣接する建物の壁面に突っ込んだ。車両は突然30~40メートルほど疾走した後、建物に突っ込んだ。この過程で壁面が破損して車両が横転し、前輪がすべて取れた。この事故で60代の運転者と助手席に乗っていた同乗者2人がケガをして病院に運ばれた。運転者は「車両が急発進し、ハンドルとブレーキが作動しなかった」と主張したと伝えられた。
中央日報より
ヒュンダイは、しきりに自社のEVの安全性を主張しているが、どうしてもこの手のニュースが付きまとう。
EV安全度を確認してみると…現代自アイオニック1等級、テスラ3は2等級=韓国
2021.08.17 14:57
現代自動車のアイオニック(IONIQ)5が電気自動車(EV)に対する自動車安全度評価で最高等級である1等級を受けた。反面、テスラ(Tesla)のモデル3(Model 3)はこれより低い2等級という評価だった。
17日、韓国国土交通部と韓国交通安全工業団地はこのような内容をまとめた「2021自動車安全度1次評価」結果を発表した。今年の評価対象は電気自動車2種や内燃機関自動車9種など全11種で、このうち1次電気自動車評価が完了した。
中央日報より
韓国内で調査して、一番安全性が高いと評価されていたのに不思議だな。
しかし、数年前から似たような話があることを考えても、設計論理がどこかおかしい可能性が高い。損切りは早い方がいいから、さっさと洗い出して修正すべきだ。おそらくはかなりの額の損害賠償をしなければならないだろうが、しかしこれ全世界に売っている商品である。どこかの国で問題点を指摘されるような事態になると、取り返しがつかないぞ。
追記
リコール来たねぇ。
Consumer Alert: Kia and Hyundai Issue Recalls for 3.3M Vehicles, Advise Owners to Park Outside
September 27, 2023
Hyundai Motor America and Kia America have issued “park outside” recalls for more than 3.3 million vehicles due to the risk of fire.
Until these recalled vehicles have been repaired, the manufacturers say the safest place to park them is outside and away from homes and other structures. Fires can occur whether the vehicle is parked and turned off or while driving.
~~対訳~~
消費者警告:起亜自動車と現代自動車が330万台のリコールを発表、所有者に屋外駐車を勧告
ヒュンダイ・モーター・アメリカとキア・アメリカは、火災の危険性があるとして、330万台以上の車両に「屋外駐車」のリコールを発令した。
これらのリコール対象車の修理が完了するまでは、家屋やその他の建造物から離れた屋外に駐車するのが最も安全であるとしている。火災は、車両を駐車して電源を切っていても、走行中でも発生する可能性がある。
nhtsaより
で、冒頭部分を読んだらバッテリーの問題かと思ったのだが、ここの部分。
The vehicle’s anti-lock brake system module could leak brake fluid internally and cause an electrical short. An electrical short could result in significant overcurrent in the ABS module, increasing the risk of an engine compartment fire while driving or parked.
Hyundai plans to notify owners to bring their vehicles to the nearest dealership to replace the ABS module fuse. Kia is still working on a remedy.
~~対訳~~
車両のアンチロックブレーキシステムモジュールが、内部でブレーキフルードを漏らし、電気ショートを起こすおそれがある。電気ショートはABSモジュールに大きな過電流をもたらし、走行中または駐車中にエンジンルーム内で火災が発生する危険性がある。
ヒュンダイは、ABSモジュールのヒューズを交換するため、最寄りのディーラーに車両を持ち込むよう、オーナーに通知する予定である。起亜自動車は現在も改善策を検討中である。
nhtsaより
これはかなりヤバイ話なんじゃ…。
ABSモジュールのヒューズ交換だけで大丈夫なのか?これ。ABSモジュールごと交換しないとだめなんじゃないか。文章の書き方の問題なんだろうか。
まあ、この文章だけでは暴走の原因に直結する話にはならないのだけれど、電装系のトラブルを抱えていた事実はなかなか不安を感じる話。
ちょっと調べてみると、恐ろしいほどにリコール頻発しているんだよね、ヒュンダイや起亜って。
コメント
ぶつかられた信号待ちの車の人は無事だったのでしょうか。
避けようがなかったですよね。
(以前、日本の高速料金所で支払いのために止まっていた車が、居眠りの車に突っ込まれて乗車していた人が命を落とした事故があったような…。)
本件、188km/hで暴走したタクシーに関連した事故では、幸いにもけが人は出ても死者は出ていないようですよ。
動画を見ると、「アレを避けるのはムリゲー」という感想しか出てきません。
車は走る凶器。韓国の場合は狂気が感じられますが、なんにしても一刻も早い原因究明が求められますね。
韓国には自動車用半導体製造装置が無い、高温・低温・温度変化、振動、電磁波などに耐えられる半導体は何世代か旧式の半導体製造装置で製造される。
韓国の半導体メーカーは古い半導体製造装置を維持していない。
現代起亜は輸出向けには輸入した半導体を使用し、国内向けには韓国製半導体を使用している疑いがある。
当然軍用半導体に韓国製を使用してアレコレやらかしている、明後日の方向に飛んで行ったSM-2はリバースエンジニアリングじゃなかったベンチマークしたんじゃないかな?
>現代起亜は輸出向けには輸入した半導体を使用し、国内向けには韓国製半導体を使用している疑いがある。
デザインルールが数世代違うと論理ICの電源電圧は変わるが、コントロール対象のアクチュエーター・モーターの電圧は変わらないのでパワーIC、パワー素子の電圧は変わらない。
、
すると韓国製ICを混在させるにはレベルシフタを多数かます、あるいは全て韓国製ICで組む、どちらにしてもECUから新規設計する必要があり
すなわち大幅コストアップなので民生機器≒自動車でそんなことはしないでしょう。
もっとも、もともと少量・高価格な軍用回路ならハナシは別なのですかね?
現代・起亜のATのエンジン車・ハイブリット・BEVが韓国内でだけ暴走するのが謎なんだけど。
パワー半導体は韓国国内でも作るところがあった気がしますが、殆どが輸入品に代わっているハズ。
国内製造の半導体を使用しているのは事実なんでしょうけど、恐らくは殆どがモジュール単位で部品になったASSY交換レベルのものを輸入して組み込んでいる状況なのでは。
詳しい話はそのうち報道されるかもしれませんが、個人的にはハーネス辺りをケチった結果なのではと。
在来型のエンジンに見切りをつけてEVに大転換中の韓国自動車業界だが、EVにはまだまだ”問題が多い”ことは事実。今回はシステムトラブルの疑いが濃そうだ。この暴走事故で死傷者が出たのならば、現代自はしらばっくれることはできないだろうね。
これが米国なら、弁護士が被災者をかき集めて集団訴訟コースだ。因みに、米国では昨年のアイオニック5の販売数は2.3万台(全世界で9.8万台)、今年は8月までに2.1万台ほど売れている。すごいね。何も起きないといいけどね。
https://www.theguru.co.kr/news/article.html?no=59481
EVだからダメだという積りはないんですがね。
しかし、トラブルが多いのは問題ですし、何よりバッテリー回りのトラブルは問題ですよね。
ただ、今回の事故はEVだから、という理由で発生したのではないと思っています。
こんばんは。
実はこの車種、昨年の夏頃京都の某タクシー会社が50台ほど採用し、京都市内で走っている姿を見かけます。
そういえば、京都だったかタクシー会社が買って使っているというニュースがありましたね。
確か、バスもEVのを導入したという話をどこかで。あれは大阪だったか。
木霊様、皆様、こんばんは
>韓国内でだけ暴走するのが謎
以下、推測(想像)にすぎませんが、
半導体は高電圧に弱い。静電気がたまると、簡単に何千ボルトにもなります。乾燥した時にドアを開けようとすると、パチ!、のアレです。
これがECUなどに紛れ込むと誤動作したり破損したりします。
かつて電子機器の静電気対策をした事があります。ある部分に電圧をかけて
〇kV以下:誤動作しないこと。(kV はキロボルト、1000 ボルト)
□KV以下:破損しないこと。動作が止まってもよいが、安全な状態で止まること。
□kV以上:破損してもよい。当然動作は止まるが、安全な状態で止まること。
設計で難しいのは「その電圧に耐える」事と「安全な状態で止まること」
相応にお金もかかります。設計のコストだけではなく、部品代も必要です。
輸出しているのだから、設計は出来ているのでしょうが、製造は??
もし静電気の問題で、国内仕様では手抜きをしているならば「韓国内でだけ暴走する」事になりますね。「1ウォンでも安く」ならば、あり得ると思います。
音楽大好き様 匿名様 木霊様 こんばんは
>韓国内でだけ暴走するのが謎
個人的には、単なるタマタマ&証拠隠滅が上手く行ってる(例:タイガーウッズ)だけで、これから海外でもワラワラ出てくると思ってますが
>電子機器の静電気対策(中略)国内仕様では手抜き
それなら有りそうですね(笑)
具体的に思いつくのはハーネス類の「絶縁・シールド・防水パッキン等」の「材質」を安物に変える。なら図面上は材料記号変えるだけですしね。
代償として絶縁劣化等によるノイズ侵入ー誤動作確率が上がる。
あ、これで思いつきましたがハーネス犯人説では別バージョンもあり得て
・ハーネス供給サプライヤーのインチキ
・輸出ではOEMやノックダウン品もそれなりにあり、最終工程に近いハーネス組付けは韓国外
まあ、答えはどこか? 原因究明されるのかな?
こんにちは。
電装品、やっかいなんですよね。
あくまで想像、エビデンス無い話ですが。
直前の側突を原因として、コネクタが外れたか、断線したか、基盤にひびでも入ったか。
それをきっかけとして、車載PCがアクセル全開でラッチしちゃった(あるいは、全ての数値がMAXでラッチした)、断線してるからメインスイッチOFF信号も受け付けない(物理的に電源引っこ抜かない限りリセットも出来ない)。
そんなところじゃないかと。
そうならないように、念には念を入れて、車屋は(車以外の業界でも)テストを繰り返すはずなんですが……
※スラドに、中国で、テスラが暴走して、ブレーキ踏んだ踏まないの話になって、ブレーキ踏んだログが残ってないらしいって話がちらっと出てきてて。PCがラッチしてログ採れない応対になってたら何もかも御破算だよなって思いましたです。
こんにちは。
やっぱりそれ系のトラブルを疑いますよね。
そして、韓国はテストをコストダウンのために減らしそうですから、なおさら怪しい。根拠はありませんが。