青瓦台のミサイルに関する「大本営発表」が報道される

陸軍

大した記事でもないが、軽く触れておこう。

韓国大統領府が「試射成功」と自慢したミサイル、実際は標的もなかった

記事入力 : 2022/03/04 12:11

青瓦台(韓国大統領府)と韓国国防部(省に相当)は先月末、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応するための長距離地対空ミサイル(L-SAM)と長射程砲要撃システム(韓国型アイアンドーム)の試射が成功したと発表した。しかし、ミサイル試射の核心と言える標的の迎撃もなしに実施された、ごく初期の実験を「成功」と大げさに言った、との指摘が相次いでいる。

「朝鮮日報」より

お笑い韓国軍」の記事と並行して「迷走韓国宇宙開発史」の記事も扱っている僕にとって、韓国が報じるミサイル関係の記事は実に不可解である。成功率が高い、迎撃に成功した、などという報道が出る一方で、ロケット開発は不調が伝えられることが多いからだ。

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成功・失敗以前の問題

L-SAM構想と韓国型アイアンドーム

先日、こんなニュースが流れた。

韓国軍「韓国型アイアンドーム」 ミサイル実験発射で北朝鮮に警告

Feb 23, 2022 (Gmt+09:00)

韓国軍は北朝鮮のミサイル攻撃に対抗するため、新たな邀撃ミサイルの実験発射を行った。先月だけで7回も行われた北朝鮮の武力挑発に備えて、多層的な防御体系を構築する目的だ。

複数の韓国軍情報通によれば、国防科学研究所(ADD)は23日、忠南泰安郡に位置するアンフン実験場で長距離地対空ミサイル(L-SAM)の実験発射を行った。

「THE KOREA ECONOMIC DAILY」より

えらく早いな、という印象であった。

去年の8月頃にM-SAM(天弓2)の量産に入ったというニュースが確認できたが、このときに報じられたL-SAMの配備予定が2025年ということだったからだ。

韓国が開発した「天弓1」中距離地対空誘導兵器(M-SAM)は、ロシアのS-400ベースで開発されたとかいう噂が流れていたが、長距離地対空誘導兵器(L-SAM)は、THAADの構想を真似て作られる予定である。

しかし、ロシアのS-400の性能も割と怪しい部分があると言われているが、それでも資金に困って設計図を売る展開は考えられたので、劣化版の性能を韓国が手に入れていたとしても不思議はない。したがって、不完全とは言えM-SAMならば手に入れられた可能性はあったと思う。

だが、THAADはアメリカから技術提供があったとは思えない。単純に飛距離を伸ばせばOKということではなくて、まず、長距離を探知できる高精度なレーダーを手に入れるところから始める必要があるが、韓国のレーダー技術の大半は外国頼みである。

したがって、とても2025年には間に合わないというのが個人的な評価であった。にもかかわらず大幅にスケジュールを短縮してきたというのが驚きだったわけだ。

なので、もう少しデータが出揃うまでは記事として扱わない予定だった。

韓国型アイアンドームは開発が始まってすらいない

ちなみに、韓国型アイアンドームの方はもっと信頼していなかった。

韓国軍当局はこの日「韓国型アイアンドーム」と呼ばれる長射程砲邀撃体系(LAMD)という武器体系も発射した。韓国軍は最新の国産艦対空ミサイル「海弓」を改良し、LAMDを開発する予定である。

「THE KOREA ECONOMIC DAILY」より

「発射した」などと報じられていたが、そもそも独自開発決定は2021年6月のこと。そこからいきなり「「海弓」を改良してLAMDを開発する」と言われてもねぇ。

イスラエルが運用するアイアンドームは、割と高コストなシステムだと紹介したけれども、それなりに有用であることもまた証明されている。

ただ、それを韓国が自主開発できるかというと、難しいだろう。

特に、K-SAAM「海弓」を改良と言われても、そもそも海弓って開発が完了したかどうかもよくわからない代物なんだよね。

どうやら、大邱級フリゲートに搭載されていく兵器らしいのだけれど、この船がまた調子が悪いことはこのブログでも触れている。

その船に搭載されているらしいのだけれど、短SAMの「海弓」の性能(報道では高性能だということになっている)を、いきなりアイアンドームに転用するというのは意味がわからない。

案の定

で、冒頭の記事である。

韓国軍関係者は最近、保守系最大野党「国民の力」の姜大植(カン・デシク)議員に対し、L-SAMと韓国型アイアンドームの試射に関して「いずれも標的なしの試射だった」と報告した。別の中心的な開発関係者は、韓国型アイアンドームに関して「われわれはまだ本格的な開発に着手していない」とし「そこで本格開発の着手前にリスクを減らすため、飛行試験を行った」と明かした。

韓国軍関係者は「標的迎撃試験に成功して初めて、本格的な開発完了が迫っていると言える」と語った。しかしL-SAMの場合、標的迎撃試験前の段階に当たる飛行試験を5回中3回まで終えた、という状況だった。標的迎撃試験は、L-SAMについては今年の末、韓国型アイアンドームについては2025年にようやく行われる予定だ。この二つの武器システムはごく初期の実験、もしくは開発前の段階であるにもかかわらず、青瓦台と国防部は「試射に成功」という表現で戦力化が迫っているかのように宣伝した-と姜議員は指摘した。

「朝鮮日報」より

「まだ予備試験の段階だよ」ということのようだ。

色々成果の乏しかったムン君が、「とにかく何でもいいから大げさに発表しろ」とせっついた可能性もあるが、記事では次期大統領候補の意向もあったらしいと書かれている。いずれにしても政治用の報道だったというオチだ。

兵器の性能を誇張するやり方は、さほど珍しいわけではないが……、流石にちょっとやりすぎじゃないかな。

成功を報じるために、違う動画を混ぜて使ったとかいう話もあるのだから、呆れるしか無いのだが。

コメント

  1. 韓国のビッグマウスはいつものこと。ホンマの韓国・朝鮮理解者は裏付けを取るから、ウソかどうかはすぐわかる。最近の韓国のうさん臭いところは、韓国型と称す武器・兵器開発に力をいれているところ。米国の縛りから抜け出したい与党・左翼民族主義者たちの動きと見える。

    • 武器に関する韓国メディアの記事は色々な意味で面白いんですよね。
      実に興味深い。
      でも、日本としては注意深く見ていく必要があると思いますよ。

  2. こんにちは。
    「計画したら半分終了」の国ですから、さもありなん、としか思えないですよね。

    ただ、たとえ話半分だとしても。
    確かにミサイルは迎撃出来るかもですが、そもそも論として、DMZのあっち側にずらっと並んでいる(であろう)火砲に対しては、どうするんでしょうねぇ……(カタログ)性能的には砲弾だってロケット砲だって迎撃可能でしょうけれど、肝心の弾数が……

    なお、万が一、本邦と事を構える場合、本土攻撃しなくても海上封鎖だけで充分締め上げられる事は、今更言うまでもないとは思います。

    • 韓国軍の正確な戦力分析って、なかなか難しそうですよね。
      「アノ国、本当にその能力を持っているの?!」と疑心暗鬼になってしまう。
      一緒に演習をやって、データを取る必要があるのかも?