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九段線が十段線に、支那の新地図

中華人民共和国ニュース
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意味がわからないね。

中国の新地図にアジア一斉反発 領有権主張「十段線」に拡大

2023/9/1 18:10

中国が発表した新しい地図に対し、アジアで非難が一斉に広がっている。地図には、中国が南シナ海周辺の領有権主張に用いる独自の境界線「九段線」を拡大した「十段線」が記され、領有権を争うフィリピンやベトナムなどのほか、台湾も反発。一方的な領有権の主張は、9月上旬にアジアで相次ぎ開かれる国際会議で火種となる可能性がある。

産経新聞より

いつの間に十段になったのやら。

勝手に認定

第一列島線

このブログを読んでいただいている方は、おそらくご存知な予備知識なんだけど、改めて説明しておくと、支那の海洋進出のために独自に設定した軍事防衛ラインに「第一列島線」「第二列島線」というものがある。最近は「第三列島線」があるという話もあるんだけど。

さておき、こんな感じになっている。

「軍事防衛ライン」などと書かれているんだけど、初出は支那共産党が1982年に打ち出した中国人民解放軍近代化計画のなかの概念である。

当時副主席だった劉華清が掲げた海軍建設のタイムスケジュールは、こんな感じになっている。

  • 「再建期」 1982-2000年 中国沿岸海域の完全な防備態勢を整備 ほぼ達成済み
  • 「躍進前期」 2000-2010年 第一列島線内部(近海)の制海権確保。
  • 「躍進後期」 2010-2020年 第二列島線内部の制海権確保。航空母艦建造
  • 「完成期」 2020-2040年 アメリカ海軍による太平洋、インド洋の独占的支配を阻止

要は、海洋進出をしていこうという厄介な計画なのである。本来であれば、公海上にこんな勝手な仮想ラインを設けて制海権を確保するというのは荒唐無稽な話だ。

十段線

で、この「第1列島線」は「ガセ情報だ」と主張される方もいるんだけど、支那が公式に発表したものではないにしても、その先端は牛舌線などとも呼ばれる形状をしていて、一致している。

ただ、以前は九段線と呼ばれており、支那共産党が勝手に地図上に引いた断続する9本の線より示される領域が第1列島線の先端として位置づけられていた。これは支那の発行するパスポートにも印刷されており、公的に主張している内容だと言える。

ところが、ここへ来て一本線が追加されて広がったという。

なお、九段線に関して言えば、何やら中華民国も主張していて、十一段線というもの(1947年12月)があったらしい。

これを支那共産党が修正したのが九段線(1953年)だったらしい。ソレが一本増えちゃったということらしいね。

インドの領土も

なお、海だけじゃなくて陸にも尖った発言をした模様。

地図は中国自然資源省が8月28日に公表した「2023年版標準地図」。南シナ海のほぼ全域の領有を主張しており、九段線を台湾東部に拡大した十段線が記されている。また、ヒマラヤ地域では、中国が「南チベット」として領有権を主張するインド北東部のアルナチャルプラデシュ州も中国領として記載された。

産経新聞より

全方位に喧嘩を売るスタイルは健在なようだ。

インドとは以前から仲が悪いので、コレくらいの煽りはやっちゃっても問題ないというあっても不思議はないんだけど、しかし今やらなくても。

北東部のアルナチャルプラデシュ州といえば、世紀末な高層を繰り広げていることでも有名である。

中国・インド国境で両国軍が再び衝突、双方に負傷者 続く緊張関係

2022年12月13日 21時30分

インド国軍は12日、中国と国境対立を抱える北東部アルナチャルプラデシュ州タワン地区で両国軍の兵士が9日に衝突し、双方に負傷者が出たと発表した。いずれも軽傷だという。両国軍は2020年にも別の地域で衝突し、約45年ぶりに双方に死者が出るなど、緊張関係が続いている。

インドメディアなどによると、インド側は6人が負傷し、中国側の負傷者はより多いとみられる。

朝日新聞より

ヤクザの抗争みたいなものではあるが、最近は死者が出るようなケースもあって、対立は激化しているようだ。

おそらくは、人民解放軍のガス抜きというような意味合いがあるんだろうね。

根拠がない

しかしこの話の凄いところは、支那の言い分は何も根拠がない勝手な線引だったところである。本来であれば、法的根拠などに基づき決定する話なのだが、支那の一方的な主張だけで決めたものなのだ。

地図を巡ってフィリピンは31日の声明で「中国の主権を正当化しようとする試みで、何の根拠もない」と反発。南シナ海での中国の主権主張を退けた16年の仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)裁定の順守を求めた。

ベトナムも31日に「ベトナムの海域に対する主権、管轄権を侵害している」との声明を発表し、台湾の外交部(外務省に相当)報道官は「(台湾は)絶対に中国の一部ではない」と批判した。

マレーシアもボルネオ島(カリマンタン島)沖の自国の排他的経済水域(EEZ)と重なる水域を中国領にしていると非難し、インドは「国境問題の解決を複雑にするだけだ」と中国の姿勢に反発した。

産経新聞より

既に、2016年にハーグの仲裁裁判書にフィリピンから提訴されて、支那は負けている。根拠がないのだからそりゃそうだ。今回、更に線を一本追加しちゃったことからも、その身勝手さはよく分かるだろう。

まあ、そういう国なんだよね。

コメント

  1. アバター 砂漠の男 より:

    これはいつもの支那のサラミスライス戦略。
    (石平氏によると、支那は何かを始める前後に宣言するらしい。)
    ひとつの有効な対抗策は、バシー海峡を台湾-フィリピンで管理することだろう。
    今年、フィリピン北部の複数箇所に米軍がレーダー基地と駐留地を構えたね。
    https://www.cnn.co.jp/world/35202359.html

    • 木霊 木霊 より:

      良くもまあこんなことを恥ずかしげもなくやるものだと感心しました。
      他国から見た評価など気にしないのでしょうね。

      しかしこれ、ちょっと事態が進むと本当に海上での衝突も有り得ますね。

      • アバター 砂漠の男 より:

        海上衝突の危険性は現実味があるね。支那艦は米艦の進路妨害を数回やったし、
        支那海軍は台湾の東側(西太平洋)でのプレゼンスを強化してくるだろうから。
        そこは米海軍の縄張りだけど、その内日米台比の連携が叫ばれるんでしょう。

        最近航空万能論さんで、比が潜水艦購入に動いているとの記事が出ていたね。
        また台湾のニュースによると、この9月にも初の国産潜水艦が進水する運びらしい。(最速で25年前半にも就役可能とか書かれているが???)
        https://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2023/04/02/2003797167
        https://www.youtube.com/watch?v=-oHN8sFm2F4

        • 木霊 木霊 より:

          台湾やフィリピンが潜水艦を手に入れる方向で動いているのは、こうし支那の海洋進出に対応するためなんでしょう。
          インドネシアも頑張っているみたいですし。

  2. アバター BOOK ごめんなさい より:

    当然のごとく日本の尖閣諸島「魚釣島、大正島」も中国領土と主張されているので日本政府も支那に厳重抗議を行う必要があります。

     岸田首相は認識してるのか?

    p.s.

     KF-21のコスト高騰の話題が出てますが、日・英・伊共同開発予定のGCAP関係でもっとヤバイ話
    https://grandfleet.info/european-region/saudi-arabia-can-buy-britain-and-italy-with-huge-amount-of-money-to-join-gcap-japan-is-unknown/

    サウジアラビアがGCAP参加表明、英はサウジとの50年超の軍事関係を重視したい意向。しかしサウジは近頃反米親中に舵取変更中。(ちなみに支那はサウジのオイルの最大消費国)

     当然サウジは日本とも交渉中だが日中に領土確執が存在することをサウジは知らない可能性もあり、少なくとも軍事は支那と交渉切らねばGCAP参加は不可と日本はサウジに知らせる必要がある。(これなければ基本はサウジは親日ですからね)

     日本は国連敵国条項における「旧敵国」なので、少なくとも軍事では常任理事国で軍事同盟国である「米国」のポチであることは、屈辱だろうが受け入れる必要があり、常任理事国である英国や、例え「旧敵国」であってもNATO加盟国であるイタリアとは立場が異なる。

     こうした事は英・伊にも伝え、サウジをGCAP加盟させたければ、理想的には日本・サウジのNATO加盟、無理なら日米安保と同等の「日英同盟」の発効を条件とする必要がある。

     まとまればサウジも支那デカップリングに参加することになり、、、、しかしこんなタフな国際交渉を担える日本人指導者は故安倍さん、あるいは菅さんぐらいか、、、英国ならまとめるだろうが、日本・サウジのごたごたでGCAPは大幅に遅延することになり2035年のF15J後継に間に合わない。

     だとすると「繋ぎが必要」でベストはF35-Block4だが、F35はベストセラーすぎで2035年に欲くても今から発注しても間に合わない&Block4はエンジン問題で転けるor大幅遅延の可能性も高く
     ・https://grandfleet.info/us-related/f-35-design-fundamentally-miscalculates-cooling-requirements-and-has-problems-with-engine-life/
     ・https://grandfleet.info/us-related/lockheed-martin-supports-aetp-for-new-f-35-engine/

     ならば、このときもし米国大統領が民主党のままだと、F-15Jの後継としてKF-21を買えと無茶支持が飛んでくる可能性もある。
     しかし韓国「軍」が仮想敵国とする日本にまともな戦闘機を供給するはずがない。

     ならば2。GCAP、英国駆け引きで2035年に間に合わずとも良い。繋ぎはTF-Xとする。(IHI、XF9-1はTF-X用ならこのまま要求水準を満たしてるし、BAEorR&RのOEMとして逃げれば)、TF-Xにパキスタンが参加する前に、トルコ・英国と交渉する手は、

     例えば菅さんバックの高市首相なら、出来るのかなあ?

     

    • 木霊 木霊 より:

      岸田氏が尖閣諸島の件で支那に抗議した話は聞きませんね。
      岸田氏はお忘れかも知れません。

      GCAPにサウジアラビアが参加する噂は聞き及んでいます。
      ご指摘のようにかなり不味い状況ですね。この辺りは一度記事に取り上げたいと思っていましたが、的確に纏めて頂いたし、もう少し先送りでも良いかなと思いました。
      アメリカがサウジアラビア参加を容認する可能性はありますが、さて、どうなんでしょうか。評判の悪い茂木氏ですが、タフな交渉ならばそれなりに定評があったはず。任せる展開になるかも知れません。岸田氏にその度量があれば良いんですが。

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