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選挙妨害の疑いで捜査されるつばさの党と選挙制度の欠陥

政治
この記事は約9分で読めます。

民主主義の根幹に関わる話なのだが、そろそろ今の選挙制度に限界が来ているんじゃないのかなぁ。

選挙の根幹揺るがす つばさの党の悪質「妨害」にメス 警察幹部「看過できない」

2024/5/13 20:12

民主主義を支える選挙制度を根幹から揺るがしかねない活動を展開した「つばさの党」の関係先に13日、捜査のメスが入った。

産経新聞より

この手羽先……つばさの党だが、今回の衆院東京15区補欠選挙で随分とご活躍なされたようだ。

選挙制度の見直しを

表現の自由はどこまで許されるか

実のところ、この話にはあまり興味を持てないでいるのだが、しかし選挙制度の在り方に関しては少し考え直した方が良いように思う。

警察幹部は「公正な選挙に反するもので、看過できない」と話している。

警視庁捜査2課が家宅捜索に踏み切った13日、東京都千代田区の党本部前では機動隊が警戒に当たっていた。ものものしい雰囲気に包まれる中、捜索は約2時間半にわたって行われた。捜査関係者によると、本部などから選挙カーや携帯電話、パソコンなど数十点を押収したという。

産経新聞「選挙の根幹揺るがす」より

家宅捜索をして何を押収したのかはちょっと疑問だが、つばさの党を名乗る不法集団が何をやったかと言えば、選挙活動の仕組みを悪用した選挙妨害である。

「つばさの党」代表「逮捕されることがあっても活動続ける」…警視庁、選挙妨害容疑で事務所捜索

2024/05/13 21:48

4月の衆院東京15区補欠選挙で、政治団体「つばさの党」幹部らが他陣営の選挙活動を妨害した疑いがあるとして、警視庁は13日、東京都千代田区の同団体本部事務所など3か所を公職選挙法違反(選挙の自由妨害)容疑で捜索した。演説日程や会場の事前告知を取りやめるなどの事態に追い込まれた複数の陣営が被害届を出しており、警視庁は幹部らの立件を視野に捜査を進める。

~~略~~

黒川代表は13日夜、報道各社の取材に「逮捕されることがあっても活動は続ける。我々のやっていることは表現の自由を守る行為だ」と話した。

讀賣新聞より

おそらく警察は、つばさの党が何処かの依頼を受けて選挙妨害を行い、金銭授受をしているのでは無いか?という点を洗っているのだと思う。

ただし、おそらくはそういった証拠は出てこないだろう。

彼らは「表現の自由」を標榜して、合法の範囲内でやっていると吹聴している。いや、「公共の福祉」(憲法12条)に反しているのだけれど、分かっているのだろうか?この話は以前もやったから説明は割愛するが。中学校からやり直せ。

こんな人達に負けない

しかし、このつばさの党の主張にはある程度の法的な裏付けがある。残念なことに、それは事実であり、炎上商法としてならば寧ろ成功を収めたと言えるのではないだろうか。

そして、彼らの主張を補強するのは、実は左翼系の活動家だったのだから、笑えない。

実は、過去にこんなことがあった。

安倍晋三首相の演説を妨害した「こんな人たち」を封じた聴衆の「声」 「選挙妨害をやめろ」はメディアにも向けられた

2017/10/24 17:39

安倍晋三首相の演説を衆院選期間中、2度聞く機会があった。18日の池袋駅東口、21日、選挙戦最終日の秋葉原駅電気街口の演説だ。

安倍首相は過去4回の国政選挙で秋葉原駅前での演説をフィナーレにし、勝利を収めていた。だが、東京都議選の7月1日に行った演説で1時間以上にわたる「安倍やめろ」コールに演説を妨害され、堪忍袋の緒が切れた安倍首相は「あんな人たちに負けるわけにはいかない」とやって、その場面だけを切り取った一部テレビ局の「印象操作」もあって、自民党は大敗を喫した因縁の地だ。

~~略~~

7月の演説で起きた抗議は自然発生的なものではなく、初めから安倍首相の演説を妨害する意図で、左派団体が組織的に動員をかけたものだった。1時間以上も「安倍やめろ」コールをやめないとあっては、公職選挙法225条違反は明らかだ。組織的な妨害である証拠にその団体の関係者のツイッターでは、秋葉原に集結するよう呼びかけていた。

産経新聞より

故安倍晋三の選挙において、パヨク陣営は人員を動員して選挙妨害を行った。ごく一部で扇動者が騒いだことをパヨク系新聞は針小棒大に報じて、安倍晋三を悪者に仕立て上げた。

この情報に踊らされた人々が、SNSで批判の声を挙げたのだ。

そして、彼らは逮捕されることはなかった。

北海道の選挙妨害裁判でお墨付き

さらに、このパヨクの方針はある判決を切っ掛けに増長することになる。

北海道警のヤジ排除「表現の自由侵害」  道に賠償命令 札幌地裁

2022年3月25日 18時05分

2019年の参院選で、札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばした男女が、北海道警の警察官に違法に排除され、憲法が保障する表現の自由を侵害されたとして、道に慰謝料など計660万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、札幌地裁であった。広瀬孝裁判長は「2人の表現の自由などが違法に侵害された」と述べ、道に計88万円の支払いを命じた。

朝日新聞より

地裁レベルとはいえ、地裁がこのやり方にお墨付きを与えたのである。

そして、今回の一連の動きはこの結果を背景にしている部分もある。

つばさの党・根本良輔氏「安倍氏へのヤジが合法で俺らが違法なわけがない」 選挙妨害疑い

2024/5/14 10:29

4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙に出馬した政治団体「つばさの党」幹事長の根本良輔氏が13日、警視庁に公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで同団体本部などを家宅捜索されたことについて、X(旧ツイッター)で「候補者以外の安倍(晋三氏)へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない」と書き込み、自身の行為を正当化した。

産経新聞より

つばさの党は確信犯なのである。選挙制度を悪用すればここまでできるんだということを身をもって証明したと言ってもいい。

テロリスト的な発想ではあるが、困ったことに法律的にはクロでもグレーとしてきた部分に踏み込んだだけに、そう簡単に規制できる話でもないという側面がある。

なお、おかしなことをやっているのはつばさの党だけではないことも言及しておきたい。被害にあったと主張する日本保守党も明らかに選挙違反が疑われる動画が出回っている。そして、選挙違反というのであれば、日本共産党は割と常習犯的にやらかしている。

慎重論(笑)

どんな話かというとこちら。

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与野党、つばさの党を批判 法改正に慎重論も | 河北新報オンライン
与野党は13日、公選法違反の疑いで家宅捜索を受けた政治団体「つばさの党」への批判を展開した。自民党の茂木敏充幹事長は記者会見で「選挙妨害以外の何物でもない」と罰則強化に言及。ただ共産党の小池晃書記局…

笑ってしまうのだが、共同通信が流したソースを使ったニュースを東京新聞他各社が報じたが、東京新聞はこの記事を消してしまったし、他社も会員限定記事で読めないようにしている。

与野党、つばさの党を批判 法改正に慎重論も

共同通信 2024年5月13日 20:45

与野党は13日、公選法違反の疑いで家宅捜索を受けた政治団体「つばさの党」への批判を展開した。自民党の茂木敏充幹事長は記者会見で「選挙妨害以外の何物でもない」と罰則強化に言及。ただ共産党の小池晃書記局長は「時の政権に盾突く言論を規制する方向につながりかねない」と法改正に慎重姿勢を示し、現行法での対応を求めた。

熊本日日新聞より

公開しているところもあったので引用しておこう。

内容は、日本共産党の小池氏が「時の政権に盾突く言論を規制する方向につながりかねない」などとほざいたらしいのである。法改正には慎重になる理由は、パヨクの戦略を封じられることを危惧したということなんだろう。だから公共の福祉(以下略

個人的な話で恐縮だが、選挙演説や街頭演説で、平気で嘘を垂れ流していても、「選挙活動だから」と許容されてしまう風潮を僕自身はどうしてももやもやとしたものを感じてしまう。あんなの、明らかに嘘だろうという広報活動を平気でやるのだ。

特に政権与党への批判は、事実無根の嘘だろうが声高に叫ばれる傾向にある。一方で、おかしな政策を掲げてもパフォーマンスだけで選挙を戦えてしまう実態にもうんざりだ。もうちょっと納得感のある政治をしてもらえる選挙制度にならないものだろうか?慎重論を唱えている場合ではあるまい。

追記

少なくともヤジだろうがなんだろうが、政策の演説を妨害するような行為は禁止する方向に動いた方が良いだろう。合いの手とヤジの違いとか、結局のところどこに線引きをするのか?という話に繋がる気はするのだけれど、拡声器などを使って相手の演説を妨害するやり方は許されてはいけない。では、人を動員して大声で演説妨害をするのはどうか?というと、こちらもできれば規制して欲しいところ。ただ、じゃあどうやって規制しろという話になるのかといえば、クローズドな空間で政策説明をするに留めるとか、一定の不自由さの枷を嵌める必要がある。適切な建物がないところだと、入り口が規制できる広場とかかなぁ……。不特定多数の人が侵入できるところで演説するスタイルは、リスクの観点から見ても是正されるべきではないか。

本件に関しては、無事逮捕されたようだが。

つばさの党 代表ら3人を逮捕「選挙の自由妨害」の疑い 警視庁

2024年5月17日 9時18分

先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体「つばさの党」の陣営が拡声機などを使ってほかの陣営の演説が聞き取れないようにして、選挙活動を妨害したとして、警視庁が選挙に立候補した幹事長や代表ら3人を公職選挙法の「選挙の自由妨害」の疑いで逮捕したことが捜査関係者への取材でわかりました。

NHKニュースより

選挙の自由妨害罪ね。

(選挙の自由妨害罪)

第二百二十五条 選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役若しくは禁又は百万円以下の罰金に処する。

 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。

 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。

 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき。

公職選挙法より

(選挙犯罪による処刑者に対する選挙権及び被選挙権の停止)

第二百五十二条 この章に掲げる罪(第二百三十六条の二第二項、第二百四十条、第二百四十二条、第二百四十四条、第二百四十五条、第二百五十二条の二、第二百五十二条の三及び第二百五十三条の罪を除く。)を犯し罰金の刑に処せられた者は、その裁判が確定した日から五年間(刑の執行猶予の言渡しを受けた者については、その裁判が確定した日から刑の執行を受けることがなくなるまでの間)、この法律に規定する選挙権及び被選挙権を有しない。

 この章に掲げる罪(第二百五十三条の罪を除く。)を犯し禁以上の刑に処せられた者は、その裁判が確定した日から刑の執行を終わるまでの間若しくは刑の時効による場合を除くほか刑の執行の免除を受けるまでの間及びその後五年間又はその裁判が確定した日から刑の執行を受けることがなくなるまでの間、この法律に規定する選挙権及び被選挙権を有しない。

公職選挙法より

具体的には公職選挙法225条1項2号に抵触して、「集会の弁を妨げ」「演説を妨害し」辺りが適用されたか。これさぁ、ヤジも十分に該当するんだけどパヨク活動家には適用しないのはちょっとねぇ。

なお、日本保守党も似たような容疑がかかっているんだけど、そこはスルーなのだろうか?

コメント

  1. アバター 山童 より:

    あのう……こいつら公衆電話ボックス(いまどきあるんだ😯)の上でがなったりしていた連中ですよね?
    正直、どういう政治的主張の連中なのかすら知らないです。不勉強すまぬ。
    百田氏の党にしても、どうせ何もできないと思ってるので興味もない。ベストセラー作家なら本を書いて世に放て。
    んで、こういうの放置するとどうなるか? どんどん過激化しますよ。
    戦前のドイツで、左翼とナチスが街宣闘争を繰り広げたでないですか。あれで宣伝になって突撃隊は巨大化するです。
    今の日本人がそうそう暴力に頼るとは思いませんが、そこに、何らかの国難がバッティングした時はどうでしょうね?
    派手に街宣闘争して、それが宣伝になればショーとしての実力行使を繰り広げる連中は現れる。そのときにコロナの時みたいな社会不安が重なれば、それが昔の新左翼みたいなテロリズムに出る可能性は否定できないのでは?
    あの左翼べったりドイツで、クーデター騒ぎがあったのを忘れてはいかんと想うです。オウムがクーデターを図ったの忘れてはいけんです!
    もしオウムが現在のドローンと、3Dプリンターを持っていたらどうなりました?
    失敗だらけだったAk47の無稼働銃再生も、3Dプリンター技術でゴーストガンを作れば(いま米国で問題になっているような部品を製造して作る銃)1000丁のカラシニコフで国会襲撃プランは成功したかも。やろうとする意志と金と揃えばやれるテクノロジーが野放しの時代です。

    • 木霊 木霊 より:

      そうですね、公衆電話ボックスの上で騒いでいた連中です。
      彼らにとって政治的主張はどうでも良く、言ってみればNHK党と一緒ですよね。騒ぐことで利益を得るタイプです。
      日本保守党は……、僕自身は支持できません。
      ご指摘通りに先鋭化しているんですよね、取り巻きが。
      そうなってしまうと、レイワとか参政党と何ら変わらない感じですよね。おそらく向かっているのはドイツのAfDとかあちらの方面でしょう。
      武装するかどうかに関しては分かりませんが、このまま先鋭化すると危険な感じはしますよね。

  2. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >選挙制度に限界

    性善説を前提とした法制度、ポジティブリスト方式の警察&自衛隊運用は、とっくに限界ですよね。
    かといって、性悪説ベースで「疑わしきは罰する」をするわけにも行かない。
    最適解は「全ての人のモラールの向上」なのですが、水は低きに流れ、覆水は盆に返らない。
    まさに、縁なき衆生は度し難し……
    とも言っていられないので、「真面目な」公僕&議員の方々、ご苦労様です。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      選挙制度も設計が古いので、憲法同様にメンテナンスしないとダメなんですよ。定期的に公職選挙法には手が入っていますが、基本設計の古さはどうしようもありません。
      モラルの問題は性善説を前提に設計されている以上、意図的に破ってくる手合いには無力ということになります。
      運用面で何とかしたいところですが、じゃあどこが動くべきか、どうすべきか?となると、道路で演説させるスタイルそのものが、随分とナンセンスな様に思うのです。

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