スポンサーリンク

【アメリカ】反イスラエルデモで狙撃班が出勤

北米ニュース
この記事は約22分で読めます。

コメントを頂いて、そういえば扱わなかったネタだなと。

米下院議長、「反ガザ戦争デモ」で緊迫する大学を訪問 学生抗議者からやじ

2024年4月25日

アメリカの大学で、パレスチナ自治区ガザ地区での戦争に抗議する行動が広がる中、連邦議会のマイク・ジョンソン下院議長(共和党)は24日、ニューヨーク市のコロンビア大学を訪問した。同大学は抗議で緊迫しており、ジョンソン氏はやじを浴びせられた。

ジョンソン下院議長は、コロンビア大学の関係者が現状をコントロールできなくなっていると述べた。

BBCより

アメリカでガザ地区制圧に関する反イスラエル抗議デモが過激化しているらしい。

内紛リスクと緊張するアメリカ

イスラエルを支援するアメリカと反対する学生達

正直、開戦当時はイスラエルにも理があるのかなと思っていたけれども、最早、どうしようもない泥沼状態になっている。

アレで他国がどう干渉すべきなのか良く分からない。

米政府、イスラエルに10億ドル相当の武器供与を計画

2024/5/15

アメリカ政府は14日、イスラエルに10億ドル(約1560億円)を超える規模の武器を送る計画を連邦議会に通告した。

ロイター通信によると、このパッケージには戦車弾薬、迫撃砲、装甲戦術車両(ATV)などが含まれているという。

BBCより

そして、未だにイスラエル支援を続けるアメリカにも狂気を感じる今日この頃である。早期に作戦を終わらせて欲しいとは思うけど、やっていることはジェノサイドだからなぁ。

当然、政府の方針に反対する抗議行動は出てくるわけなんだけど……。

ガザ地区での戦争をめぐる抗議行動は、アメリカ各地で起きている。テキサス州とカリフォルニア州では警察がキャンパス内で抗議者と対立し、数十人の逮捕者が出た。

コロンビア大学でも、パレスチナを支持する抗議者たちが、抗議行動に対する警察の行動をめぐりシャフィク学長の辞任を求めた。

BBC「米下院議長、「反ガザ戦争デモ」で緊迫する大学を訪問」より

各地の大学で抗議行動が過激化し、逮捕者を出す事態になっている。そして、今尚、沈静化の目処が立っていないようだ。報道で分かっているのは以下の大学である。

  • ニューヨーク市、コロンビア大学:ニューヨーク市警が学生ら100人以上を逮捕。「外部の扇動者」の存在が疑われている。
  • インディアナ州、インディアナ大学:抗議テントの強制排除、抗議した学生が逮捕される(狙撃班が確認されている)
  • マサチューセッツ州、ハーヴァード大学:抗議者たちがキャンパス内にテントを張った
  • オハイオ州、オハイオ州立大学:学生2人逮捕(狙撃班が確認されている)
  • カリフォルニア州、カリフォルニア大学バークリー校:警察と抗議者が対立、破壊行為と対立を受け、キャンパスへの入構が制限

この他にもあるのだが、具体的な動向は報道では確認できていない。

コロンビア大学での抗議のエスカレーションを受け、アメリカ各地の以下の大学などで同様の野営抗議が起きている。

  • 北東部:ジョージ・ワシントン大学、ブラウン大学、イェール大学、エマーソン大学、ニューヨーク大学、ジョージタウン大学、アメリカン大学、メリーランド大学、ジョンズ・ホプキンス大学、タフツ大学、コーネル大学、ペンシルヴェニア大学、プリンストン大学、テンプル大学、ノースイースタン大学、マサチューセッツ工科大学、ニュースクール大学、ロチェスター大学、ピッツバーグ大学
  • 西海岸:カリフォルニア州立工科大学、フンボルト大学、南カリフォルニア大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校、カリフォルニア大学バークレー校、ワシントン大学
  • 中西部:ウィスコンシン大学、ノースウエスタン大学、セントルイス・ワシントン大学、インディアナ大学、ミシガン大学、オハイオ州立大学、ミネソタ大学、マイアミ大学、オハイオ大学、コロンビア・カレッジ・シカゴ、シカゴ大学
  • 南部:エモリー大学、ヴァンダービルト大学、ノースカロライナ大学、シャーロット大学、ノースカロライナ大学チャペル・ヒル校、ケネソー州立大学、フロリダ州立大学、ヴァージニア工科大学、ジョージア大学アセンズ校
  • 南西部:テキサス大学オースティン校、ライス大学、アリゾナ州立大学
BBCより

沢山参加しているねぇ。流行しているのだろうか?ここから分かることは、学生達が集まって各地で抗議活動を行い、一部で摩擦が起きているだろうと言うことだ。

ただ、不思議なこともある。ここまで大規模な野営抗議がひとときに広まったというのは、果たして純粋な抗議にだったのか?ということである。当然、学校側が許可を出したとは思えない。

屋上に出てきた狙撃班

で、頂いたコメントの話はおそらくこちら。

米の親パレスチナデモ、キャンパスに狙撃班も 学生ら抗議「いくらなんでもやりすぎ」

2024/04/28 19:50

パレスチナを支援するアメリカの学生運動が拡大するなか、一部のキャンパスに警察の狙撃班が登場し、学生から「やりすぎだ」と抗議の声が上がっています。

中西部のインディアナ大学で撮影された映像です。施設の屋上に狙撃銃が準備され、親パレスチナの学生デモ隊に銃口が向けられています。

goo ニュースより

「記事では学生デモ隊に銃口が向けられています」とあるけれども、そんなアホな。

この映像(オハイオ州立大学の様子)だけでは分からないのだけれど、別の映像(インディアナ大学)を見ると、狙撃用のライフルが用いられていた可能性はある。

これだけ見ても僕にはどんな種類の銃なのかは特定できない。インディアナ大学で撮影された映像にはデモ隊排除の為にSWATが投入されたようで、狙撃銃にはレミントンM700を装備しているらしい。そう言われて見ると、そんな感じにも見える。

27日には特殊部隊「SWAT」が抗議テントの強制排除に乗り出し、抵抗した学生が次々と逮捕されました。

goo ニュースより

ふむ、記事にもSWATが投入されたとあって、装備を見ても恐らくは間違いなさそうな感じ。

こちらは別の動画なのだが、オハイオ州立大のものとインディアナ大学のものと紹介されている。

https://twitter.com/i/bookmarks?post_id=1783658975809962474

尤も、銃の種類を特定することは難しいが。

大学への不法侵入

さて、このような抗議集会について、各大学で対応は様々なようだ。

一部の大学ではキャンパス内に留まることを認めたようだが、オハイオ州立大学は認めなかった模様。

この背景には、恐らくは思い出した方もいると思うのだけれど、ケント州立大学銃撃事件(1970年5月4日)があるのだと思う。この時はオハイオ州にあるケント州立大学で、カンボジアへの爆撃に対する大規模抗議活動(1966年~1970年)があったと思われる。

当時、ベトナム戦争の泥沼の中でアメリカ軍も苦しんでいた。しかし、ソンミ村虐殺事件などセンセーショナルな報道が巻き起こると世論は戦争反対の気運が高まり、ケント州立大がその舞台となった。民主社会学生同盟(SDS)と黒人学生団体が手を組んで、大学敷地内を占拠。そこから長い警察と抗議デモ側との闘争が繰り広げられ、過激派が大学を破壊するという風説が流布し、州兵を招集。大学敷地内にあるROTCビルが燃えていることを確認し、この消火活動を抗議側が邪魔したことで騒ぎが激化。数日後、切っ掛けは不明だが州兵がライフル(M1ガーラント)で狙撃。推定67発が発射されて学生4人が死亡、9人が負傷する結果に。狙撃前に軍曹一人が何らかの理由で医療措置を要する負傷を負っていることや、州兵達が命の危険を感じる事態があったと証言していることから、暴動に発展するような事態があった可能性がある。

この事件でも、反戦運動を起こしていたのは学生だけではなかったようで、一部の活動家が煽動していた疑いがあるとされる。一方で、州兵がデモ隊を追い払うのに必要とされる装備飲み直しが進み、非殺傷手段の導入が進んだ。

しかし、こうした話がある一方で、抗議活動は暴動に発展する兆しも見せている。

大学側は卒業式シーズンを前に、キャンパス内での野営などへの対応に苦慮している。

ニューヨークのコロンビア大学で4月30日夜に100人以上が逮捕されるなど、抗議参加者の逮捕はこれまでに1000人を超えている。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)では同夜、抗議行動に反対する集団が棒やバットなどを手にバリケードを破ろうとし、抗議者らと衝突。緊張が高まっている。

BBCより

日本でもかつて大学における学生運動に火がついた時期があったが、蓋を開けてみると共産主義にかぶれた活動家の自己主張をこじらせた破壊活動が散見された。

こうした抗議活動は過激化しやすい傾向にあるため、程度によって州兵を招集するようなケースもあり、今回も一部でそのような事態になっている。

ロックアウト

そして、こういった抗議デモはどうやら出口を見失っている部分も見受けられるようだ。

アメリカの大学で広がるガザ抗議デモ、社会への不満が根底か…大統領選の争点に

2024/05/07 05:00

全米各地の大学に広がる抗議デモの「震源地」は、物々しい雰囲気だった。5日、米ニューヨークのコロンビア大学の出入り口は施錠され、周囲は二重の鉄柵で囲まれていた。

~~略~~

米国で近年、若者を中心とする急進左派が存在感を増している。2011年には格差の解消を求めて「ウォール街占拠運動」を起こした。ガザをめぐる抗議デモは、米国の社会問題への不満が根底にあるとの見方もある。

讀賣新聞より

バイデン氏も抗議デモに対して「混乱を引き起こすな」と警告したという。かなり過激化の様相を呈している様だ。無許可の野営抗議だけではなく、ホールの占拠や破壊活動にも繋がっているケースがあるらしく、警察介入は妥当なケースも見られる模様。

更になかなか恐ろしい話だが、こんなコメントも。

参加した女子学生は「若い人たちはガザ地区での大量虐殺に自分たちのお金が使われていることに黙っていられないと考えている。犯罪行為が続かないよう、自分たちにできることをやるのがわれわれの責任だ」と話していました。

また、別の女子学生は「われわれがいるのはホワイトハウスのすぐそばだ。多くの参加者がいることは力であり、その力が最大限に働くようにしたい」と話していました。

NHKニュースより

最早、テロリストの発想ではあるが、「その力」が暴走しないことを願ってやまない。ホワイトハウスに突撃するようなことは、なんの解決も産まないのである。

内戦が囁かれるアメリカ

ちなみに、アメリカで内戦が?!という話は数年前からあるのだが、特にトランプ氏の行動に絡めて「アメリカの分断がー」という論調で語られていた。

昨今もまたこんなニュースが。

「5年以内に内戦の可能性」 米有権者4割が回答 保守系調査会社

2024/5/11 10:49(最終更新 5/11 20:07

米国が5年以内に内戦に陥る可能性があると答えた有権者は41%――。こんな刺激的な調査結果が保守系の米世論調査機関「ラスムセン社」から発表された。

毎日新聞より

この話も別に記事にしようと思ったのだが、断念。上手くまとまらなかったのだが、フェンタニルをバラ撒かれて崩壊状態にあるアメリカ中西部から北東部に横たわるラストベルトに不満が渦巻いていて、ここがトランプ支持層であったこともあって、強ちトランプ氏が無関係であるとも言えない側面はある。

大統領選挙になる前の火種という感じになってはいるのだが、大学での抗議デモもちょーっと厄介なネタになりそうである。

中国企業が「世論工作システム」開発か、Xアカウントを乗っ取り意見投稿…ネットに資料流出

2024/05/12 05:00

中国政府と取引関係にあるIT企業(本社・上海)が、X(旧ツイッター)のアカウントを通じて、世論工作を仕掛けるシステムを開発した疑いがあることがわかった。このシステムを紹介する営業用資料とみられる文書がインターネットに流出していた。日本の情報機関も入手して本物とみて分析を進めており、中国の対外世論工作との関連を詳しく調べている。

讀賣新聞より

工作部隊も手薬煉を引いているようだし。

党派別でみると、「起こりそうだ」と答えた人の割合は、共和党支持層の54%、民主党支持層の35%、無党派層の32%だった。

大統領選は、民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領を軸に展開している。どちらが勝った場合により内戦になりやすいかという質問では、「バイデン氏が勝った場合」が37%で最も高く、「トランプ氏が勝った場合」が25%。「どちらが勝っても変わらない」が30%だった。

毎日新聞「5年以内に内戦の可能性」より

ただ、内紛のリスクはトランプ氏が勝っても負けても発生しそうだと、アメリカ国民は考えているようであるのは、興味深い。

SWAT投入に見る本気度

というわけで、頂いたコメントの話に少し触れておきたいのだが、M4カービンかSR25なのか、あるいはMk.11ライフルかという話なんだけれども……。前述したように、僕には良く分からない。

そして、記事にもSWATが投入されたと書かれているけれども、州警察でもSWATは組織されているところがある。オハイオ州もSWATを組織していて、それなりの装備を持っているようだ。

The picture taken at Ohio State, visible from the banner in the bottom right, shows what looks like two people in front of tripods. A video shows one of them approaching a piece of equipment on the tripod.

University spokesperson Ben Johnson told Newsweek that “Ohio State Highway Patrol provided overwatch support, which is a standard safety measure when they assist with large gatherings.”

“We don’t discuss specific public safety protocols. In general, overwatch support is armed, and the team carries standard equipment, including firearms, that would only be used reactively to protect the safety of all present, including demonstrators.”

~~対訳~~

右下のバナーから見えるオハイオ州立大学で撮影された写真には、三脚の前にいる2人の人物のようなものが写っている。ビデオには、そのうちの1人が三脚の上の機材に近づいている様子が映っている。

大学広報担当のベン・ジョンソン氏は、『ニューズウィーク』誌に対し、「オハイオ州ハイウェイ・パトロールは、大規模な集会を支援する際の標準的な安全対策である監視支援を行った」と語った。

「具体的な公共安全プロトコルについては、私たちは議論していません。一般的に、監視支援は武装しており、チームはデモ参加者を含むその場にいる全員の安全を守るためにのみ反応的に使用される銃器を含む標準的な装備を携帯している。

Newsweekより

そして、銃器を含む標準装備を持ち込んだと、警察側は回答しているね。

In the other photo, which was shared widely on social media, a person can be seen from the top of the Indiana Memorial Union building, overlooking the Dunn Meadow green where protestors have been gathering.

Other pictures shared on social media allege that officers have been seen carrying rifles through the university buildings.

~~対訳~~

ソーシャルメディアで広く共有されたもう1枚の写真では、インディアナ記念ユニオンの建物の上から、抗議者たちが集まっているダン・メドウの緑地を見下ろす人物が写っている。

ソーシャルメディア上で共有されている他の写真では、警官が大学の建物内をライフル銃を持って移動しているのが目撃されているとしている。

Newsweekより

インディアナ大学の方も、州警察がライフルを持ち込んだことが確認されていて、警視総監はライフルを持ち込んだことは認めたようだが、「狙撃位置ではなかった」と、学生に狙いをつけたことは否定している。

そして、過去の抗議活動の時にも、スナイパーが配置された実績があり、今回特別に何か用意したということではなさそうだ。

ただし、ここ数年でかなり警察としてもデモの過激化を恐れて、色々想定している様子はこの記事から読み取れた。

In 2020, a leaked Department of Homeland Security document showed that elite swat teams and sniper-trained units were sent to Washington D.C. amid protests outside the White House against police brutality.

~~対訳~~

2020年、国土安全保障省がリークした文書によると、警察の横暴に反対するホワイトハウス前の抗議デモの中で、エリート・スワット・チームと狙撃訓練を受けた部隊がワシントンD.C.に派遣された。

Newsweekより

つまり、アメリカの警察組織としても、近年の暴動への発展リスクなどを踏まえてピリピリしているのは事実で、おそらく狙撃班を用意したのも確からしい。

そして、トランプ氏が訴えるような極左陣営の扇動者が紛れ込んでいることを懸念している可能性は高い。

そんなわけで、武器の種類の特定については調べた限りにおいては僕には無理で、おそらくSWATも州警察の部隊であるというのが僕の見立てで、その背景にアメリカ国内における内戦不安というものがあるのだろうというのが今回の結論となる。

力不足で申し訳ないけれども。

スポンサーリンク

追記

こちらの記事を。

アメリカ・コロンビア大学が5月15日の卒業式中止と発表 イスラエルへの抗議デモの影響か 南カリフォルニア大学も

2024年5月7日 火曜 午後5:44

イスラエルへの抗議デモの影響で、大学が卒業式を中止。

アメリカ・ニューヨークのコロンビア大学は6日、声明で、5月15日に予定している卒業式を中止すると発表した。

反戦デモによる混乱の影響とみられ、大学は、学生などからの意見を聞いたうえで中止を決め、規模の小さいグループごとに式典を行うとしている。

FNNニュースより

アメリカの大学の卒業式って、今の時期なんだ。

で、抗議デモの影響で卒業式が中止したニュースなんだけども、当然ながら大学側はデモをしている組織の排除が出来ていない為に、安全が確保できないので式典の見送りをしたということなんだろうと思う。

しかしこんな状況を見る限り、学生達が主体的に抗議をしているという印象とは随分異なる景色が見えてくるな。

昨年10月7日のハマスのイスラエル襲撃とそれに続くイスラエルのガザ侵攻以来、米国各地の大学、なかでもコロンビア大のようなアイビーリーグ(米北東部にある名門私立大8校)では、キャンパス内での反ユダヤ主義やイスラム恐怖症をめぐって懸念が高まっている。

米議会でも大学当局側の対応が追及され、ハーバード大学のクローディン・ゲイ学長をはじめ著名な大学トップ数人が辞任に追い込まれた。

コロンビア大の学生らは先週、イスラエルによるガザでの行動に抗議するキャンプを設置し、ニューヨーク市警察と対峙する事態に発展した。イェール大学やニューヨーク大学など、米各地のほかの大学でも同様の抗議活動が報告されている。

Forbesより

大学内で一体何を教育しているのか?

ハーバード学長辞任とDEIの迷走

2024.02.02 14:30

1月2日、黒人女性であるハーバード大学のクローディン・ゲイ学長が辞任した。

辞任の最初のきっかけは、下院での公聴会(12月5日)に、ゲイ学長が、ペンシルベニア大学のリズ・マギル学長、マサチューセッツ工科大学(MIT)のサリー・コーンブルース学長とともに出席したときの質問者エリス・ステファニク議員(共和党)との問答だ。

~~略~~

この公聴会の前から、ハーバード大学初の黒人女性学長であるゲイ学長には、盗作(Plagiarism)疑惑と、業績となる出版物が少ないという批判があったのだが、公聴会問答への批判が高まるにつれて、この盗作疑惑と学者としての業績批判がクローズアップされるようになった。Ph.D.論文では引用部分に「括弧」をつけていなかったというような一見マイナーな問題が指摘され、ゲイ学長はPh.D.論文の事後修正を申し出ていた。さらに、ゲイ学長の業績とされる成果も、実はほかの黒人女性学者の業績を広範に利用する一方、十分な功績評価をしていない、とその黒人女性学者から告発されるなど波紋が広がった。

このゲイ学長批判の背景にあるのは、アメリカにおけるDEI(多様性、公平性、包括性)が行き過ぎて、黒人女性ということだけで学長に選ばれたのではないか、という社会規範の揺り戻しという側面もある。

Forbesより

大学においては、数年前から「入学選考で黒人などの人種を考慮している措置」、すなわち行きすぎたポリコレ問題に起因する混乱がある。これが、キャンパス内にある反ユダヤ主義やイスラム恐怖症に影響を及ぼしている可能性があるのだ。

ここも「アメリカの分断」とか「内戦リスク」という解釈に結びつけていく人はいると思う。バイデン氏の内政が不味かったという話だとは思うけれども、しかし無関係とも言い難い気がするね。アメリカの大学内部もかなり混乱しているということかも知れない。或いは、教育界に左派勢力が浸透する下地があったというべきか。

スポンサーリンク

追記2

これは……。

Contagious Disruption: How CCP Influence and Radical Ideologies Threaten Critical Infrastructure and Campuses

Across the United States

This report analyzes the activities and foreign connections of the Shut It Down for Palestine (SID4P) movement since its formation in October 2023. It examines SID4P’s use of protests, direct-action initiatives, and sophisticated media campaigns to advance anti-America and anti-Israel narratives both online and offline. Additionally, it highlights the involvement of a network linked to the Chinese Communist Party (CCP) that funds and supports both alternative anti-establishment media organizations promoting antiAmerican narratives, as well as seemingly grassroots activist movements, such as, and including, SID4P.

~~略~~

伝染する破壊: 中国共産党の影響力と過激な 重要インフラとキャンパスを脅かすイデオロギー
アメリカ全土

本報告書は、2023年10月に結成された「パレスチナのためのシャット・イット・ダウン」(Shut It Down for Palestine 2023年10月の結成以来のパレスチナ(SID4P)運動の活動と外国とのつながりを分析したものである。SID4Pの 抗議行動、直接行動イニシアティブ、洗練されたメディア・キャンペーンを駆使し、反米・反イスラエル運動を推進するSID4Pの活動を検証する。反米・反イスラエルのナラティブをオンラインとオフラインの両方で推進するためのSID4Pの利用を検証する。さらに 中国共産党(CCP)に連なるネットワークの関与に焦点を当てる。に資金を提供し、反米ナラティブを推進するオルタナティブな反体制メディア組織と、SID4Pのような一見草の根の活動家運動の両方を支援している。SID4Pを含む。

NCRIのサイトより

このレポートは……。

パレスチナ支援運動(SID4P)は、パレスチナ支援デモに乗じて反資本主義、反米、反政府抗議活動を主導し重要インフラや公共施設をターゲットにした直接行動をエスカレートさせている工作組織である。ここに対するレポートが出てきたわけだが、これはなかなかエグい。

The emergence and activities of the “Shut It Down for Palestine” (SID4P) movement highlights a trend in which the instruments of democracy are being exploited to undermine its foundations. This report has demonstrated how SID4P, with its connections to, and backing from, foreign entities, and its affiliations with terroristlinked organizations, has effectively exploited the U.S. non-profit system and
institutions that are afforded democratic protections to propagate anti-democratic ideologies and disrupt societal norms.

Its deployment of influence and action to target critical infrastructure and educational institutions exemplifies what appears to be a new wave of decentralized, network-driven disruption that poses national security concerns.

As the United States approaches a presidential election, the potential for these movements to catalyze further unrest is not only likely but could even escalate into a scenario where electoral processes are disrupted by widespread riots and protests.

~~対訳~~

「シャット・イット・ダウン・フォー・パレスチナ」(SID4P)運動の出現と活動は、民主主義の手段を悪用してその基盤を弱体化させようとしている傾向を浮き彫りにしている。本報告書では、SID4Pが外国の団体とつながり、その後ろ盾となり、テロリストとつながりのある組織と提携することで、いかに効果的に米国の非営利システムを悪用してきたかを明らかにしてきた。非営利システムや反民主主義的なイデオロギーを広め、社会規範を混乱させるために、民主的な保護が与えられている機関を効果的に利用してきた。

重要なインフラや教育機関を標的にしたその影響力と行動の展開は、国家安全保障上の懸念をもたらす、分散化されたネットワーク主導の破壊の新たな波と思われるものを例証している。

米国が大統領選挙に近づくにつれ、こうした動きがさらなる不安を引き起こす可能性が高まっている。選挙プロセスが妨害されるというシナリオにエスカレートする可能性さえある。選挙プロセスが広範な暴動や抗議行動によって混乱するというシナリオに発展する可能性さえある。

NCRIのサイトより

長いレポートだけど、今のアメリカの混乱を助長するSID4P運動に対して支那が資金援助していることを示唆し、大統領選挙にも影響を与える可能性についても言及している。

アメリカのシンクタンクの警告だけれども、こうもあからさまに指摘されるとなかなか。学生運度の資金源も支那が関与しているのか。そして、SNSを通じた工作活動にも言及。

BLM運動の時もそうだったけど、アメリカの社会的混乱の原因が支那の工作にあるというレポートが公式に出てくると、更にアメリカと支那との間は拗れそうだね。

コメント

  1. アバター 山童 より:

    あー、どうも私が見た画像は、やはり加工写真ぽいですね。
    んで結論から言うと七面鳥様の仰る「何が起きるか判らんから、とりあえず色々と待ってけ」が正解なのかと。
    プラス木霊様の仰る「治安当局も想定外の暴動→下手すると市街戦」を警戒せざる得ない状況なのかと。アンテイファが潜りこんでるか、バイデン側の偽旗かはともかく、これだけ内戦危機感が募れば
    治安当局は相当に緊張してるだろうし。
    オハイオ州は州兵によるベトナム反戦での学生の一件もありますしね。
    木霊様の画像だと、それぽいとも言える気がするが良くわからない。でもMKを用意しててもおかしくはないか……。
    それと相手は素人ですから、連射でビビらせてという七面鳥様の意見も納得。
    何より私は米国内部の分断を観てあたのですが、言われてみれば、ロシアや中国が裏で画策してても、というか関与はさてるでしょうね。アンテイファが潜りこんでいるとしても、統制されて支援の窓口が一つとは思えない。結論から言うと、国外・国内の複数の思惑が絡んでデモを操ってる可能性の方が高いかと。ようはグチャグチャな背景って事ですねぇ。
    反ユダヤだあ〜って意見も、いやいやユダヤ経の若者も参加してるよ、の意見も
    どっちもどっちだし。そこでモメるのはロシア大歓迎でしょう。
    まぁイスラエルの人は解らんですが、このまんま行くと、戦後に西側で根絶されたと観える「反ユダヤ思想」とか「ユダヤ陰謀説」とかが再燃する可能性はありますね。正直、もうポグロムやホロコーストは先進国で起きる可能性はゼロ。
    いざという土岐の逃場(亡命先)とさてのイスラエルの存在価値は下がってる。
    すると「ユダヤ人の被害者としての賞味期限はオワタ」と見られてしまう可能性がある。だから在米のユダヤ系の若者がイスラエル批判に回るのは可能性ある。
    だからって、あそこまで大騒ぎするかと言うと解らない。黒人の命がなんたら運動だって、騒いでる者の多くは実は一部の白人だったですよね。なので、ここは国内の政治的理由の他に、外国つまりロシアあたりの煽動が背後にある可能性は否定できない。すると治安当局も万一に備えて重武装せざる得ない。
    そういう事なのですかね?

    • アバター 山童蛇足 より:

      ちなみに警察でなくて消防でした。

    • アバター 七面鳥 より:

      「地獄への道は善意で舗装されている」「始まりは善意だった」って奴ですよね。
      恐らくは、ガザで大量に死者が出ている※に対しての、一部純真な※※学生の単純な抗議だったものが、速攻で活動家に乗っ取られてコノザマ。
      ※そもそも、「イスラエルの民間人を大量に拉致殺害したハマス」をかくまっていた&支援していたのがガザ市民、という事は問題視されていない
      ※※純真さは、核と同じで平和利用出来ない限りは邪魔でしかない。この場合は火種にしかなってない。

      ベトナムだって、命がけで(よその国のために&主義主張のために)米兵が命がけで戦っているその最中に、米本土の大学では反戦運動して、帰還兵がいじめられて……
      ※小林源文さんの傑作漫画、Cat Shit Oneにもその描写がありまして。ラッツが涙無しには観れない。

      その運動をして、最終的に喜ぶのは誰か(どの陣営か)をよく考えてほしいものです。
      煽動する奴は、本当に狙撃してOKだとすら思ってます。

      ガザのあれはやり過ぎとは思えるけど、だからといって「当事者」以外は口出しちゃダメだとも思ってます。
      一族郎党皆殺しにされた生き残りが仇討ちするのに「人殺しは良くない」なんて、七面鳥は口が裂けても言えませんから。
      「それより前を、明日を向いた方が良い」とは諭せますけど、止めることは出来ない。

  2. アバター 山童 より:

    そういや大統領が任期中にくたばった時って、次席は副大統領すね。
    でも政府高官乗せたヘリが撃墜とかも起こり得るわけで、副大統領以下がくたばった時の席次ってあるはずすよね?
    私が知る範囲だと、
    副大統領→下院議長→上院議長→国務長官だったと思うけど、その下はどうなってるのか、何番目まで席次があるのか解らないです。などと考えてしまいましたよ。やめて欲しいなぁ。

  3. アバター 山童蛇足 より:

    七面鳥様の言ってた散弾銃ってAA12かと思ったんだけど、あれ軍に採用されてないしブルバップじゃない。
    そしたらチューブを銃身下に2本も持ったやつだった。なるほどグリップの後方にチューブ弾倉へ詰める口が開いてれば、
    グリップ前に装填口あるやつより装弾数は増えますね。この銃はタルコフで見かけた記憶があるですが、私はゲーム内で使った事がない(AKとドラグノフが好きだから)ので知りませんでした。
    なるほどねぇ。

    • アバター 七面鳥 より:

      KSG、ブルパッパーとして見逃せないのです。

      ※ブルパッパー:サバゲなどで好んでブルパップ形式の銃を使いたがる奴。妙に語感が良い。
      ※ファマサー、と言われたこともあります。FA-MAS大好きな七面鳥には勲章!

  4. アバター 山童 より:

    そうそう比較ですが、例えばフランス。
    ジビエ料理が盛んで、実は狩猟用ライフルやショットガンの所有率はEUでもトップクラス。もとは軍直属であった(今は違う)国家憲兵隊や国軍を警備に当ててる事はあるけれども……
    黄色ベスト運動や年金交付期引き上げの全土のストで、焼き討ちがあっても、刑事警察はBRI-PP(パリ市警捜査介入部隊)を投入してない。たしかCRSでしたっけ大統領直属の、アレも投入してない。
    なんか意気込みが違う気がします。

タイトルとURLをコピーしました