【韓国海軍】再び欠陥の発見され全艦運用停止危機を迎えた214型潜水艦

海軍

韓国の潜水艦はドイツから輸入した209型と214型がメインで、新たに建造した3000t級潜水艦は今のところテスト中……、いや、島山安昌浩級潜水艦は1番艦が2021年に就役していたな。あれ、使えるとも使えないともニュースにならないんだけどどうなっているのやら。

さておき、214型である。

Major Defects Found On South Korea’s Type 214 Submarine Fleet

14 Oct 2022

According to Shin, defects in the inverter modules’ cables were found on 7 of the Son Won-il class submarines, while 2 of them had “functional” defects in the inverter modules themselves. The modules, produced by Germany’s Siemens, are a critical component in a submarine’s propulsion system, with twelve installed in each submarine. Naval News reported earlier this year that three of the Son Won-il class submarines suffered from problems with the system. The latest briefing by Shin has confirmed that the issue is significantly more extensive than previously thought.

~~対訳~~

韓国の214型潜水艦に重大な欠陥が発見される

シン氏によると、ソン・ウォンイル級潜水艦のうち7隻でインバータモジュールのケーブルに欠陥が見つかり、そのうち2隻ではインバータモジュール自体に「機能的」な欠陥があったとのこと。ドイツのシーメンス社が製造するこのモジュールは、潜水艦の推進システムの重要な部品で、1隻に12個が搭載されている。海軍新聞は今年初め、ソンウォンイル級潜水艦のうち3隻がこのシステムに問題を抱えたと報じた。今回のシンのブリーフィングでは、この問題がこれまで考えられていたよりもかなり広範囲に及んでいることが確認されたという。

「NAVAL NEWS」より

ふーん、重大な欠陥ねぇ。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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全艦運用停止になる事案

引きこもりの214型潜水艦

ドイツ製214型潜水艦は、韓国では孫元一級潜水艦と呼ばれる。ところがこのネームシップとなる一番艦がトラブル続出で、殆ど運用出来ていないらしいことは、以前から指摘している。韓国の潜水艦についてはこちらの記事で言及しているので、参照頂きたい。

修理期間が長く、ドッグに引き籠もって出てこない引きこもり艦として有名な孫元一級潜水艦一番艦なのだが、発覚したトラブルはこんな感じだ。

  • 推進軸から異様な震動と異音の発生、解体されて調査されるも原因特定に至らず。なお、韓国海軍は騒音問題を否定している。
  • 燃料電池の不具合で、本来は数週間の連続潜航作戦遂行が可能だったはずが2~3日しか潜航していられない事実が判明。後に問題を解決したと報じられる。
  • 燃料電池は、納入前から93回も故障、納入後は102回停止している。
  • ボルトが折れたり緩んだりする事故が2年間に6回発生し、ドイツの技術者の手を借りて修繕。
  • ドイツのシーメンス社製造のインバーターモジュールにトラブルが発覚して、本国送りになる。

最後の項目に関しては、韓国の責任かどうかハッキリしなかったのだが、どうやらこの問題が長引いているというのが冒頭のニュースの関わる話のようだ。関連記事はこちらだ。

この話は2月の記事なんだけど、この記事の通りであれば修理が終わってきたハズなんだな。冒頭の引用記事を読んでも、修理が完了したかがよく分からないのだが。

ケーブルに欠陥

で、何が問題かと言うことなのだけれど、どうやらインバーターモジュールのケーブルが問題が発見され、シーメンスが製造したインバーターモジュールにも機能上の欠陥があったとか。

意味がよく分からないな。

To make matters worse, the exact cause of the cable-related defects remains unknown, meaning that seven of the ROKN’s submarines have been deployed without the necessary repairs. This has led to numerous incidents, including one involving the third ship of the class, ROKS An Jung-geun, which had to be towed back to shore after being stranded in the middle of the East Sea when the inverter modules failed abruptly in January last year.

~~対訳~~

さらに悪いことに、ケーブル関連の欠陥の正確な原因は不明で、韓国海軍の潜水艦のうち7隻が必要な修理をしないまま配備されていることになる。このため、同級3番艦の安重根は昨年1月、インバータモジュールが突然故障し、日本海の真ん中で座礁した後、岸まで曳航されなければならなかったなど、多くの事故が発生している。

「NAVAL NEWS”Major Defects Found On South Korea’s Type 214 Submarine Fleet”」より

ドイツで調べても正確な原因は不明だ、と。

Shin also went on to say that the problem is “most probably” a result of the depolymerization of the cables’ outer coating instead of structural defects in the cables themselves, given that they have three layers of protection.

~~対訳~~

また、シン氏は、ケーブルが3層構造であることから、ケーブル自体の構造的な欠陥ではなく、ケーブルの外被の解重合によるものであることが「最も可能性が高い」とした。

「NAVAL NEWS”Major Defects Found On South Korea’s Type 214 Submarine Fleet”」より

書いてあることがサッパリ理解出来ないな。外被の解重合って、被覆樹脂が溶けたって意味だよね。どうしてケーブルが溶けるのか意味が分からないのだけれど、ケーブルを交換したら問題解決とか、そういうレベルの話ではなさそうだ。

だが、記事全体からは、シーメンス製のインバーターモジュールにトラブルがあり、214型潜水艦9隻全てに重大な欠陥を抱えているという風に読める。

1月頃から修理

修理のためにドイツ送りになった1番艦は、2022年1月より工事が開始されていて、600万ドルほどの修理費がかかっているらしい。

Siemens has already been awarded a ₩7 billion (~$6 million) contract to make repairs to the three subs. Work on the ROKS Son Won-il began in January. Repairs for the ROKS Yoon Bong-gil and ROKS Yoo Gwan-soon will begin in August this year and February next year, respectively.

~~対訳~~

シーメンスはすでに3隻の潜水艦の修理を70億₩(〜600万ドル)で受注している。ROKS Son Won-ilの工事は1月に始まりました。ROKS Yoon Bong-gilとROKS Yoo Gwan-soonの修理は、それぞれ今年8月と来年2月に開始される予定である。

「NAVAL NEWS”Major Defects Found On South Korea’s Type 214 Submarine Fleet”」より

えーと、情報を整理しよう。

  • 一番艦「孫元一」SS-072:1月に工事開始
  • 五番艦「尹奉吉」SS-077:8月に工事開始予定
  • 六番艦「柳寛順」SS-078:2月に工事開始予定

と、2月の記事ではこうなっていたわけだ。2月の段階ではこの3隻に問題があるということだったが、10月になって9隻全部に問題があるという話になったのだな。

航海中に停止した1800トン級潜水艦…「異常警報による安全措置」=韓国海軍

2021/01/23 19:27配信

定期修理を受けていた韓国海軍の孫元一級(1800トン)潜水艦が、推進系統の異常警報によって航海中に停止する事態が発生した。

海軍によると23日、孫元一級潜水艦1隻は前日(22日)、ポハン(浦項)の東側の海上で試運転を終えて基地に戻っていたところ、原因不明の推進系統の異常警報が発生した。

「Wowkorea」より

この3番艦のトラブルも、どうやらインバーターモジュールの故障に起因する可能性が高いと、冒頭の記事では指摘している。

組み立ては全て韓国国内で

さて、問題がインバーターモジュールの故障なのか、ケーブルの問題なのかはハッキリしないらしいのだが、韓国が保有する214型潜水艦は全て韓国の国内で製造されている模様。

The Son Won Il-class is based on the Type 214, a diesel-electric submarine developed by Howaldtswerke-Deutsche Werft which features diesel propulsion with an air-independent propulsion (AIP) system. The ROK Navy has nine of those submarines in its inventory. The first three types were assembled by Hyundai Heavy Industries (HHI) and the six others were split between HHI and DSME.

~~対訳~~

孫元一級は、ハワードツヴェルケ・ドイチェヴェルフト社が開発した214型ディーゼル電気潜水艦をベースに、ディーゼル推進に空気独立推進(AIP)システムを搭載したのが特徴だ。韓国海軍は、この潜水艦を9隻保有している。最初の3種類は現代重工業(HHI)が組み立て、他の6種類はHHIとDSMEが分担しています。

「NAVAL NEWS”MROK Navy Finds Major Defects On Three Of Its Type 214 Submarines”」より

うーん、嫌な予感しかしないな。

1番艦から3番艦、5番艦、7番艦、9番艦が現代重工業製で、4番艦、6番艦、8番艦が大宇造船海洋。で、その全てにシーメンス製のインバーターモジュールが搭載されていて、全艦共通の欠陥を抱えているから問題だと言うことだね。

更に配備中の7番艦は修理無しで運用されている状況だと。

追加情報として、2番艦「鄭地」は、冷却システムからの水漏れによってインバーターモジュールが故障していて、2019年10月以降配備されていないのだとか。それが適切に修理されておらず、錆が侵攻して更にダメージを受けている可能性もあるとか。

というか、逆に今使えるのは7番艦だけだという状況がスゲーよ!

現政権のユンユンは、「前の政権が悪いニダ!」と言っているみたいだけど、さっさと修理しちゃいなよ。

コメント

  1. 今日は。
     推進系に使われているインバーターモジュールに障害があるのに、ドイツまで回航するのですか。自力ですとインド洋の真ん中で漂流する可能性もあるわけで、非常にリスキーですね。漂流した実績もあるのに。それとも、アリババにでも乗せていくのでしょうか。一隻あたり、3億円の修繕のために。むしろ、割高でもジーメンスの技術者に部品、治具等こみで来てもらった方が良さそうですが。
     島山安昌浩級が推進系をどうしているか知りませんが、214系の技術を取り入れているとしたら、この問題が発生する(発生している?)可能性もありますね。

    • そういえば、どうやって運んだんでしょうかね?
      その辺りを考えてみた事はなかったのですが、流石に大きさ的に何かに載せていくのも難しいことを考えると、回航していったと……。
      いや、流石にそれはちょっと。
      ……あるんでしょうかね?

      引用記事にありましたが、どうやらシーメンス社の知的財産権絡みの制約があって、国外での整備は難しいっぽいんでスよね。技術流出を警戒しているのかもしれませんが。
      それと、島山安昌浩級ですが、こいつもバッチ1は燃料電池AIPなので、おそらくはシーメンス社製のそのものか、コピー製品を積んでいる可能性は高いでしょう。もちろん、トラブル込みでのコピーでしょうから、同じ問題を抱えている可能性は高いですよ。

  2. こんにちは。

    本件、
    「ああ……(遠い目)……さて、メシでも食うか」
    程度の感想しか。

    いやだって、韓国海軍ですもの。これくらいはご愛敬。
    ※という認識を抱かれる時点で相当ヤバい。

    これ、インドネシアだかどっかに輸出を企んでましたよね……

    まあ、(今のところ)人死にが出てなくて何よりです、としか。

    • そうなんですよねー。
      「またかー」というか「まだかー」というか。
      毎度恒例になっていますから、もはやどうしようも無い。

      インドネシアに輸出したのは……、チャクラ級とナーガパーサ級で、あれは何れも209型潜水艦ですね。インドネシアは214型が欲しかったらしく、追加で別の潜水艦を買う話が出ている話っぽいです。

      • 失敬、本件、
        「韓国が、混迷極めるオーストラリアの潜水艦更新に再度、今度は3000t級を打診」
        https://news.yahoo.co.jp/articles/e93c1e7245e1b2a0160ebe0ae1a2021b1faabef6
        という事でした。

        エジプトが「そうりゅう」級に興味持ってる話と、他にもどこかが潜水艦の更新を計画していたような話を聞いた気がして、ごっちゃになってました(それがインドネシアの新しい方の話かも)。

        どっちにしても「部品アセンブリした」214ですらこの体たらくなのに、214をウリジナル拡大した3000t級を売り込もうとは……VLS積めるのは魅力かもですが、K219三宅ならないことを祈るのみです。

  3. 214級は欧州でも何ヵ国かで運用されているはずですよね。
    それらで同様のトラブルは起きているのでしょうか?
    起きていないのであれば韓国特有のトラブルなのかな。
    随分と可能性がありそうですが。

    • どうなんでしょうか。
      214型潜水艦の導入実績があるのは、ギリシャ4隻、韓国9隻、ポルトガル2隻、トルコ4隻(予定)の4カ国。
      うち、ギリシャでは導入時にトラブルがありましたが、かなり揉めた上でドイツ側が作り直すレベルで手を入れて改修をし、その後どうなったかは報道を見かけていません。
      ただ……、潜水艦の詳細に関しては余り表に出ることがないようで、本当に無事かどうかは分からないです。

      そもそも、ドイツ海軍が運用中の212型潜水艦(214型の原型)がかなり怪しく、今運用出来ているかどうかが不明であります。そもそもダメだったんでは?という気も少ししています。

  4. 韓国で修理すると、色々と秘密事項を暴露されるので、出来ないのではないでしょうか?

    http://japainworld.blogspot.com/2016/05/blog-post_46.html