【韓国海軍】214型潜水艦に重大な欠陥が見つかる

海軍

まあ、欠陥が存在することは知っていたよ。これまでも色々あったもの。アレで終わるとは思えない。

ROK Navy Finds Major Defects On Three Of Its Type 214 Submarines

19 Feb 2022

ROK Navy submarine force will face a major setback in the coming months as the submarines go through major overhaul and parts are sent to Germany for repairs.

「NAVAL NEWS」より

ん、オーバーホールの為にドイツに送られる?あれ、韓国海軍の運用する214型潜水艦って1番艦以外は韓国国内で製造したんではなかったっけ?違ったかな。

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ドイツ設計の214型潜水艦

トラブル満載214型潜水艦

えーと、調べてみると韓国海軍の214型潜水艦は、1番艦から韓国国内で建造されているようだ。

設計はドイツのHDW造船所が行っているが、1番艦の「孫元一」は、現代重工業蔚山造船所で2002年10月に起工され、2006年に進水、2007年に就役している。それ以降も、9番艦まで韓国国内企業である現代重工業と大宇造船海洋が交互に受注して建造している。

ドイツから製造技術を手に入れて韓国国内で建造する流れは209型潜水艦と同様ではあるが、ドイツでユニットを製造してもらって韓国国内で組み立てている流れなので、韓国国内でライセンス生産と宣伝はしているが、その実ノックダウン生産に近いものである。

特に1番艦はドイツでの組み立て比率が高かったと聞くが、にもかかわらずトラブル続発という話は既にこのブログでも言及している。

就役後、プロペラシャフトの不具合やら異音やら、燃料電池に不具合(冷却系のトラブル)が発生したり、プロペラに細かい傷が入ったりと、様々な問題を抱えていたはずだ。細かいところでは船外に付けたボルトが緩んでしまうとか、よくわからないトラブルもあったと思う。

5番艦、6番艦にもトラブル

しかし、トラブルに関する詳しい情報が出ていたのは、1番艦から3番艦までだったはずだが、今回のトラブルはどうやらちょっと違うらしい。

The ROK Navy found defects in the cables of the inverter module, one of the central components in the propulsion system, aboard ROKS Son Won-il, ROKS Yoon Bong-gil, and ROKS Yoo Gwan-soon. These are the first, fifth, and sixth boats of the class. Each submarine will have to go through a complex overhaul to receive repairs. This will immobilize each vessel at least four months.

「NAVAL NEWS」より

今回、トラブルが見つかったのは、9隻中3隻。

  • 1番艦 孫元一:現代重工業製造 2007年12月就役
  • 5番艦 尹奉吉:現代重工業製造 2016年6月就役
  • 6番艦 柳寛順:大宇造船海洋製造 2017年7月就役

トラブルはいずれも駆動系に用いられるインバーターモジュールらしい。

To make matters worse, the inverter modules, produced by Siemens, cannot be fixed in Korean shipyards due to legal barriers concerning technology transfers and intellectual property. Therefore, the parts will need to be shipped to Germany for repairs, with the round way trip expected to last 2 months, leading to each submarine being out of action for at least 6 months.

「NAVAL NEWS」より

ドイツ、シーメンス社製造のインバーターモジュールにトラブルがあって、それの修理のためにドイツに本体を発送することになった。何やら特許技術に関係する部品らしく、韓国国内では修理ができないのだとか。

駆動系トラブルがついてまわる

インバーターモジュールは、電圧の変換に用いられる。

214型潜水艦は燃料電池を用いてAIP(非大気依存推進:Air-Independent Propulsion)が可能なのだが、固体高分子形燃料電池を用いていて、燃料に水分を含ませた状態で発電を行う構造になっている。それ故に水の物性を維持する温度条件を満たしておく必要がある。

そして発電した電力は直流であるため、三相モーターを回すには交流に切り替える必要がある。これにインバーターを用いていると思うのだが、そうだとするとインバーターの故障でAIPが使用不可能になっているということだろう。

Siemens has already been awarded a ₩7 billion (~$6 million) contract to make repairs to the three subs. Work on the ROKS Son Won-il began in January. Repairs for the ROKS Yoon Bong-gil and ROKS Yoo Gwan-soon will begin in August this year and February next year, respectively.

「NAVAL NEWS」より

修理費用は約600万ドルで、6ヶ月程度の活動停止を余儀なくされるらしいのだが、単にインバーターの交換だけでそれほど時間を要するというのは、多分、交換するためには潜水艦を輪切りにする必要があるのだろう。

これは214型潜水艦の輪切り構造写真で、公開されること自体が非常に珍しい。実は、韓国のテレビで公開されてしまったのだが、勝手に公開されてドイツは怒ったんじゃないかな。艦体の構造がまるわかりだから、軍事機密もあったものではない。

さておき、こんな感じで輪切りにして分解した後で内蔵されたモジュールを取り出し、再び溶接という手順が必要になるのが一般的な潜水艦の修理の流れで、輪切りにするのは韓国国内でも出来るはずなので(インドネシアの運用する209型を改造した実績がある)、インバーターモジュールだけ取り出してドイツに送れば良いような気もする。

それがやれない理由が多分あるのだろうね。

韓国海軍の守備力が低下

そして、ただでさえ稼働率の悪い214型潜水艦は9隻のうち3隻も修理が必要な状況となってしまった。作業期間が1番艦は今年の1月~7月、5番館は8月~来年1月、6番艦は来年2月~8月といったスケジュールになると想定されるので、順次修理するということらしいな。

尤も、風の噂では1番艦~3番艦は随分と長いことドッグで修理せざるを得なかったらしいと聞くから、実際にはこれまでも214型潜水艦の稼働率はさほど高くなかったのかもしれない。この際に徹底的に修理すると良いよ。

ドイツに運ばれたら、あっちこっちからトラブルが見つかるなんて事態になる可能性はあるのかも。KF-16戦闘機はそんな感じだったしね。

それにしても、インバーターの不具合とは一体どんなものなのだろうか?一部の部品に問題があるからと言って、このスケジュールを考えると任務の遂行は可能(AIPは使えない)ということなのだろうか。

追記

ソースは発見できなかったが、minaQさんのところでこんな記事が。

SS-073といえば、214型潜水艦の2番艦「鄭地」である。記事によると2021年の一昨年、つまり2019年10月末に「推進電動機内部の構成品であるインバータモジュールが故障した」とある。

この時もシーメンスに送って修理を依頼した模様。記事では2020年1月の時点で修理完了が確認できていないのだとか。で、「今年上半期に修理が終わる見込み」とあるのだが、2021年1月の記事だから、1年以上修理に時間を要したことになる。

海軍内部では、「SS-073チョンジ艦は建造当初から不具合が多く、ほとんど作戦に使用されたことが無い」としながら、「導入初期に発生した不具合を補完しながら運用してきたが乗組員クルーも解散した状態」としている。

潜水艦固有の乗組員は長期間の訓練を経て乗船するが、過酷な勤務環境と冷遇される運用により、必須人力充員率65.9%にとどまっている。

「minaQのつぶやき」より

これ、今回のトラブルとどう考えても同じ原因である。

つまり2番艦の不具合は、1番艦にも5番艦にも6番艦にも見られるという話になるようだ。となると、他の艦もちょっと怪しいねぇ。

コメント

  1. 栄光のドイツ工業力も、今じゃなんかって感じですね。環境原理主義に振り回され燃料政策もメタメタ。まあ敗戦の為とは言えドイツ軍も強いのやら弱いのやら。EUの王だったらしいのですが世界での立ち位置が霞んでますね。

    • ドイツの工業力もかなり怪しい感じですが、韓国の潜水艦に関しては、韓国側のやらかしの比率が多いので、今回のもちょっと怪しいですよね。

      なお、ドイツ軍ですが、現状は惨憺たるもののようです。

  2. こんにちは。
    これは某電機メーカの話ですが、ファーストロットはジャンパ線貼りまくりでとにかく性能出す事が主眼、セカンドロットはその刷新改訂版、サードロットからコストダウンが入る、と聞いた事があります(だからPS(おっとっと(笑))買うならセカンドロット、と当時聞きました)。信憑性とかは分かりませんが、なんとなく納得出来る話。
    してみると、1番艦と5番6番艦というのはこれにバッチリ符合する気がします。多分、偶然ですが。
    どっちにしても、たかが600万ドルぽっち、サイボーグ男性一人分じゃないですか。どーんと払っちゃいましょう!>韓国政府

    ※そして、この214の拡大型である島山安昌浩級潜水艦も、どうなることやら……

    • 七面鳥さん 木霊さん みなさん こんばんは
       >これは某電機メーカの話ですが、ファーストロットはジャンパ線貼りまくり

       いやさすがにそれは、PL法のお仕置き確率が低い、エンタメ向け視聴覚家電に限定したハナシと思いますよ。少なくともドイツや日本のようなマトモな工業国では、、、

      しかし、インバーターの故障しかもケーブルが? – 推定してみた。

       前提事実:
        kWオーダー以上のハイパワー電子回路や配線は水冷であることが多く、配線の正体は銅パイプで、内側に冷却水を流しているようなタイプがある。ものによっては、この冷却水は漏電やパイプの電蝕を防ぐため循環系にイオン交換フィルター等+水導電率モニタを備えた簡易超純水製造装置がかまされて高絶縁の超純水となっている。

       仮説:214型のインバーター冷却系はこのタイプ

       さて韓国あるある:
       ・フィルター類の納入業者がポッケナイナイして低品位品を軍に納入。
       ・導電率が下がってるけど、とりあえず動いてるし軍メンテナーは意味がわかんないので、導電率モニタの検定値を下げちゃう。
       ・なんかケーブル系に錆び出てるけど、とりあえず錆び落とし、さび止め塗料でごまかす
       ・インバーターモジュール内部まで電蝕進行、不具合が出る.。
       ・モジュールは対振樹脂モールドされて分解不可能で、どこまで錆びてるかワカンナイ、アッセンブリ交換のためドイツへ <-今ここ
       ・まともにフィルターメンテ・運用されてたら出るわけのない錆びだらけで、ドイツ人技師が調査するも原因不明

      なのでフィルター納入業者がゲロするまで(するわけないけど)214型はいずれ全て同じ不具合が、、、、の(喜)悲劇が

      • このトラブルの前に、燃料電池の冷却問題が出ていました。
        記事の中でも触れていますが、214型潜水艦の燃料電池は水を触媒に使うので、どうしても温度条件がシビアになるそうで。
        そのための冷却システムがイマイチだったようなのですが、インバーターモジュールもその系統のトラブルのような気がしますよ。

    • ファーストロットが信用出来ないというのは、何処の世界にもある話ですが、サードロット以降も余り信用が出来ないのですねぇ。
      メーカーにも寄るのかも知れませんが。

      なお、今回の問題、韓国の新聞記事では1番艦、5番艦、6番鑑に問題が出たように書かれていますが、実際には3番艦も怪しいようです。同シリーズに共通の課題があるのでは?と、疑っています。ただ、他国に輸出したものに関して、その手の情報が見当たりません。韓国特有の問題かも知れませんね。

  3. そもそも韓国が強力な海軍力を保有する戦略上の意味がない….
    まぁ、よその国の話なのでそれは構いませんが、
    どうやら韓国の造船業にはサブの建造はムリのようですね。

    • 「そもそも韓国が強力な海軍力を保有する戦略上の意味がない」を言ってしまうと本末転倒になってしまいます。
      それはタブーですよ!
      まあ、事実なんですけどね。

  4. 時節柄、何故かそのまま黒海あたりに沈むことになりかねない気もしないでもないです。

    • 朝鮮半島ごとでお願いします。