韓国の新型魚雷、2020年に配備予定

海軍

おお!白鮫の後継機がついに!

MADEX 2019: South Korea aims to deploy Tiger Shark torpedo by 2020

24 October 2019

South Korea is expected to deploy the Tiger Shark torpedo on its naval submarines by 2020, a South Korean government agency has told Jane’s .

The weapon, which has been designed for the KSS-2 and KSS-3 classes of submarines, was showcased at the International Maritime Defense Industry Exhibition (MADEX 2019) in Busan.

「Jane’s 360」

どんなのだろうか。

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新型はタイガーシャーク!

白鮫・青鮫・赤鮫では不十分

鮫シリーズは、とうとう「タイガー」になった模様。

虎鮫とか言う名前なのかな?

The Tiger Shark is designed to strike enemy vessels from longer distances and features enhanced speed and processing capabilities over its predecessor, the White Shark torpedo.

「Jane’s 360」

さておき、この兵器はどうやら白鮫の後継機らしい。「the White Shark torpedo」と書かれているからね。

こんな感じのアイテムらしいんだけど、まだモックアップしか無いみたいだね。

どうやら、白鮫はサイズ的に直径19インチ(約48cm)だったらしく、直径21インチ(約53cm)までサイズアップするのが目的らしい。内蔵する爆薬の量が変わってくるので、サイズアップすればそれなりの破壊力を得られるのは道理だ。

ただね、この53.3mm直径の魚雷は既に世界標準といって良いレベルで認知されているんだよね。

参考までにアメリカの魚雷と日本の魚雷を紹介しておこう。

<アメリカ軍が採用した対艦誘導魚雷:潜水艦用>

魚雷名配備期間直径推進最大速度
Mk14魚雷1931年ー1980年533mmウェットヒーター35ノット
Mk37魚雷1956年ー1972年480mm電動36ノット
Mk48魚雷1971年ー現在533mm斜板式ピストンエンジン55ノット

アメリカ軍で採用する魚雷は複数あるので、潜水艦から発射するタイプでメジャーなものを3つ程紹介した。次に日本の自衛隊が使っている魚雷を紹介しておこう。

<自衛隊が採用した対艦誘導魚雷:潜水艦用>

魚雷名配備期間直径推進最大速度
80式長魚雷1965年ー1975年483mm電動30ノット以上
89式長魚雷1970年ー1984年533mm斜盤機関55ノット

なお、89式魚雷の後継として開発されている18式魚雷というのが現在導入予定になっているけれど、詳細はまだ不明な部分が多いので紹介は割愛しよう。

ただまあ、21インチ、つまり533mm直径の魚雷を用いるのが主流になっていて、この直径を採用することで大きなエンジンが積めるようになるので、「速度と処理能力」も強化されるという事になるようだ。

なお、白鮫では多くの火薬を積むことで、21インチ魚雷である89式魚雷やMK48よりも破壊力に優れるといわれているのだけれども虎鮫でもこれを踏襲するようなことになるようだ。

良い事ばっかりだね!

白鮫は有線誘導に対応出来ない

魚雷には後部から通信用ワイヤーを延ばして艦船から直接操作できる有線誘導という技術があるのだが、白鮫はこの有線誘導に対応することが出来なかった。

虎鮫魚雷は光ファイバー慣性航法システム(INS)を採用しているらしいので、この問題点も解決できることになる。

白鮫の時は「中間誘導過程が必要無く、敵の音を自分で追跡して攻撃する最先端アクティブ音響魚雷で、多数の目的を同時に攻撃することがで、中間誘導による速度低下がないという長所を持っている」とホルホルしていた気がする。

確かにワイヤー付きだと発生する速度低下が発生するのは避けられない。デモそんなことは各国の軍隊はみんな知っているよ。知っている上でわざわざ有線誘導しているのは、海中での無線誘導が未だに使い物にならないからである。

魚雷戦用意! | チャンネルNippon

こちらのサイトで説明された内容が分かりやすいので紹介しておきたい。

魚雷はそもそも標的となる艦艇の進行速度や方向などを予測して発射される武器なのだが、魚雷自身が音波を出しながら標的の位置を確認して誘導していくのは、自身の居場所をバラすことになるのでリスクが高い。

そんな訳で、複数の魚雷を扇状に発射して誤差をカバーするか、誘導する方法を考えねばならないのだけれど、白鮫は「アクティブ音響魚雷」とのことで、これはアメリカが開発したMk32魚雷やMk44魚雷に採用されていたのだけれど、これらは短魚雷と呼ばれる大戦誘導魚雷であり、潜水艦から発射する類の魚雷ではない。

パッシブ式音響誘導も魚雷に利用されるケースがあるようだけれども、精度が劣る点が問題となっている。

有線誘導は、こうした誘導方式をカバーする目的で、潜水艦本艦の探知能力を使って魚雷の進路を補正し、「ここまで来たらあとは外さない」というところまで誘導する方法である。その後はワイヤーを切り離して魚雷は目標に到達することになる。

実現できれば性能向上

そんなわけで、虎鮫魚雷が完成すれば、今までショボかった韓国潜水艦の対艦攻撃能力を向上させることが出来る。

何しろ、アクティブ音響誘導をするということは、敵側から潜水艦が発見されるリスクを高めるという問題点もあるけれども、対魚雷用デコイなどを使われると魚雷が狙いを外してしまうという問題があった。他に大きな音が出ると、そっちの方向に行ってしまう落ち着きの無い魚雷だったんだな、白鮫君は。

それをカバーする為に、韓国はドイツからSUT魚雷を買っていたらしい。

ドイツのSUT魚雷といえば、こんなニュースもあったな。

Taiwan navy offers £630 reward to fishermen for missing torpedo

1:17PM BST 15 Jun 2010

Taiwan’s navy has appealed for help from local fisherman, offering a cash reward to anyone who finds a torpedo its sailors lost during a drill last week.

The offer follows four days of futile searching in the area around the Tsoying base in southern Taiwan, the navy said in a statement on Tuesday.

Any fisherman who snares the German-built SUT torpedo will scoop 30,000 Taiwan dollars (£630).

「The Telegraph」より

台湾がSUT魚雷を紛失して、賞金をかけて漁師に探させたみたいな話だ。台湾はこの後Mk48魚雷に置き換えることにしたらしいのだけれど、Mk48魚雷もそう新しい魚雷じゃ無いぞ。

さておき、出来たら良いなーという韓国の魚雷なんだけれども、2020年ってそう時間はないけど大丈夫なのかね。いや、2020年に配備といっているくらいだから、もう出来上がっているのかも知れないぞ!

テストをしないのが韓国海軍の特徴だけど。

コメント

  1. 独ボッシュ向けOEM製品の製造に関わった事が有るけど、それなりに独自のリバースエンジニアリング対策がされている(日本製OEMだと二重)。
    さて、魚雷はベンチマーク出来たのだろうか?

    • ほほう、案外OEM製品でもリバースエンジニアリング対策ってやられるものなんですね。
      勉強になります。

      魚雷ですが、これを開発するのは難しいのでしょうね。
      日本もそうですがアメリカも開発には苦労していたようで。

  2. 木霊さん、おはようございます。

    お笑い性能への期待はともかく基本的な疑問です。

    これを搭載して使える潜水艦って現時点であるのかなァ~?
    もし、建造中の3000t級用としたら本船と新型魚雷をいきなり同時にテストっていう、いつもながらの無計画&無謀な構想...?

    海自には世界に誇る89式魚雷があり、そうりゅう型はもちろん潜水艦で運用中ですね。
    射程は50kmなんですが震度900mから撃てる優れもの、対して南朝鮮海軍の相当する長距離魚雷「白鮫」は実戦配備されているようですが、ロストして漁船を追い回したりその能力はお笑いレベルと紹介されていましたよね。

    つまり、3000t級であろうが原潜であろうが攻撃する前に、海自潜水艦の恰好の餌食となっちゃう可能性大ですね。(実戦演習用としては最高のサービスアイテム-笑-)
    攻撃用に特化したい気持ちは判りますが、その為の魚雷なんかより先に防御用の高性能デコイなんかを開発するほうが優先じゃないのかなァ~?

    • 一応、韓国の潜水艦、214型などはドイツの魚雷を撃てる仕様なっているので、試射自体は可能だと思うのです。
      ただ、過去の事例を考えて見ると、試射そのものをしない(お高いので)ケースが多い様に思えますので、案外撃てなくても問題無いかも知れません。

  3. 白鮫魚雷もスペックがヘンですね。MK48、89式と並べてみると、長さと直径から重量は妥当なのですが、弾頭重量がやたらに重く、速度は遅いのでエンジンが小型過ぎ、射程は比較できる書き方では無かったですが、かなり短いように思えます。当たれば破壊力は大きそうですが、「当たらなければどうということはない」と言ったところですか。

    重量 長さ 弾頭重量 速度
    白鮫 1100kg 5.7m 370kg  35kt以上
    MK48 1558kg 5.79m 295kg   55kt
    89式 1760kg 6.25m 267kg   55kt