韓国海軍の特殊浸透艇はヨット製作の会社が作るよー!

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[単独] 1兆ウォンの「特殊浸透情報」事業… ヨット会社に任せた

記事入力2020.09.09 午後8:08 、最終修正2020.09.10 午前11:57

北朝鮮の延坪島砲撃と天安艦沈没事件が起きると、当時の海軍は対北朝鮮戦力を強化したいとし、特殊浸透艇事業というものを推進ました。

必要に応じて特殊部隊員を北朝鮮に密かに浸透させて要人暗殺のような作戦を実行するつもりです。

ところが最近、監査院がこの事業に集中監査を繰り広げ、総体的不良が明らかになったことが確認されています。

「NAVER」より

9月から年末にかけてのこの時期、韓国議会では野党あたりから、何なら与党からも軍事関係のリーク情報がバンバン出てくる。韓国特有の予算獲得の為の口上だと言われているんだけど、何というか国防機密ギリギリだったり、それは不味いんじゃねーのというネタが出てきてなかなか興味深い。

本日のネタもそんな事情の一端を垣間見せてくれる小ネタである。

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特殊浸透艇は特殊部隊の使う艦艇

特殊部隊が産み出される背景

どこから解説を加えたら良いのか、と、悩ましいのだけれど、この手の話で韓国で有名なのがポプラの木事件(1976年8月18日)とか、青瓦台襲撃未遂事件(1968年1月)とか、シルミド事件(1971年8月)とか。

えーっと、時系列的には青瓦台襲撃未遂事件(1968年1月)から説明しておくのが良いのかな。

<青瓦台襲撃未遂事件(1968年1月)>

朝鮮戦争(1950年~)が休戦を迎え(1953年7月)、一応だが韓国国内も落ち着きを取り戻し始めた1960年代、韓国の大統領を務めていたのは朴正煕だった。韓国の独裁者朴正煕は、第5代から第9代までの韓国大統領を務める(1963年12月~1979年10月)ワケなのだが、職務中に側近に暗殺されるという衝撃の最期を迎える人物である。

その朴正煕の暗殺を狙って、北朝鮮の工作員が韓国国内に入り込んだ事件が青瓦台襲撃未遂事件で、実行犯達31名は韓国軍の模擬制服に身を包んで休戦ラインを突破した後、ソウル市内にまで入り込み、青瓦台800m手前の北漢山にまで侵入する。そこで通報を受けて警戒にあたっていた韓国軍及び警察隊による2週間にわたる掃討作戦が実行され、29名射殺、1名自爆という壮絶な最期となる。

この事件を切っ掛けに、北朝鮮における特殊部隊の存在が明らかになって、朴正煕が激怒。その時の勢いに任せて作った特殊部隊が後にシルミド事件(1971年8月)を起こすのだから、因果というのは残酷である。

<シルミド事件(1971年8月)>

朴正煕にとって、青瓦台襲撃未遂事件は屈辱であったようで、まずアメリカに金日成を暗殺してくれと言って迫った。だが、敢えなく袖にされる。仕方なく朴正煕は、1968年4月に韓国軍に特殊部隊の創設をする。それが空軍2325戦隊209派遣隊(通称684部隊)である。

この部隊、「ゲリラを使って金日成暗殺」という理念の元に作られ、その構成員が軍人ではなく特別報酬を提示しての募集をかけて集めた一般市民だったというからオドロキである。

彼らは、仁川近くの実尾島で隔離されて過酷な訓練を受ける事になるのだが、北と同じく31名の隊員は3年間の訓練を続けるうちに7名が命を落とし、それでもなお島を出ることを認められずに訓練を続けていた。しかし、南北の情勢変化によって、1971年4月には暗殺計画は撤回され、悲惨なことに部隊は存在しない扱いになる。

この事実を知ってか知らずか、1971年8月23日、684部隊24名は反乱を起こす。教育隊員を殺害して実尾島を脱出、バスをハイジャックして青瓦台へ向かうが、軍隊や警官隊との銃撃戦となって道半ばで斃れることに。20名が射殺され、生き残った4名は軍法会議にかけられて死刑となる。

何とも救いのない話だが、この事件の悲惨なところは、韓国政府によって事件そのものがなかったことにされて長い間隠蔽され、隊員の死亡通知書すら遺族に出される事は無かった。事実が広く知られたのは2003年に映画化された後のことであり、死亡通知書は2005年になって、34年の時を経てようやく交付されたと聞く。

<ポプラの木事件(1976年8月18日)>

ポプラ事件、またはポプラのまさかり事件などと呼ばれるこの事件は、軍事境界線上にある板門店で発生し、1976年8月18日、共同警備区域内に植えられていたポプラ並木の一本を、韓国軍兵士と韓国人作業者が剪定しようとした事が切っ掛けで発生する。

韓国側伐採部隊に対して北朝鮮人民軍将兵が攻撃を加えてきて、その付近に警護のために控えていたアメリカ陸軍工作隊がにもその攻撃が及んだ。結果、2名のアメリカ陸軍士官が殺害され数名の韓国軍兵士が負傷してしまう。

どうやら、事前に北朝鮮人民軍に剪定作業実施が伝えられており、北朝鮮の監視下で剪定作業が進められていたとのこと。ところが剪定が始まると、北朝鮮人民軍将兵が作業中止を求めて抗議を始め、しかし報告を受けたアメリカの大尉は作業継続を命じる。北朝鮮人民軍側は、しばらくは作業を静観したようだが到着した増援と合流後に韓国側に対して攻撃を加え始め、トラックで突っ込んでくる始末。結果、アメリカ軍の将兵2名が死亡してしまった。

当然、アメリカ軍は激昂する。その後、ポール・バニヤン作戦を発動。ポプラの木を伐採することに……。ポプラの枝の剪定から木事態を伐採する流れだが、話は何とも小さいよね。ただし、この伐採にあたって武装した軍隊が陸にも海にも展開するなど大騒ぎとなり、これで朝鮮戦争再開か?という状況になったが、結果的にはそうはならなかった。

で、このポール・バニヤン作戦に参加したのが韓国軍の特戦司令部隊員であったとのこと。実はムン君もここの関係者だったらしい。特殊作戦司令部というのは、いわゆる工作部隊ではあるのだが、浸透作戦を実施した際には北朝鮮奥深くに侵入して各種妨害活動を実施することを目的とした部隊だそうだ。

そう言えば冷遇されていた斬首部隊

とまあ、最後のポプラ事件は微妙な感じだが、相手の領域に浸透して作戦を行うと言うことが、割りと身近にあったのが北朝鮮であり韓国なのだ。

……ここのところ、前置きが長くなる傾向にあるな。

さておき、そんな訳で特殊部隊にトラウマを感じつつも斬首作戦の実施を計画するなど、浸透作戦に対して韓国軍は拘っている。ただ、その扱いがねぇ……。

特戦司令部は精鋭扱いらしいのだけれど、その先行任務を担当するであろう斬首部隊は冷遇される傾向にある模様。

浸透作戦をする任務を課せられているのに、ヘリコプターなどの移動手段や身につける特殊装備も満足に用意して貰えていないらしいのよね。そりゃ、移動手段に関しては空軍や陸軍の助けを借りれば良いのかも知れないのだけれど、部隊で迅速、隠密を必要とする作戦遂行にあたって、毎回余所から装備を借りる前提というのはどうなんだろう。

特殊浸透艇が……

そして今回話題になった特殊浸透艇は、特殊部隊員が使用すると言うことらしいのだが、これが特殊任務旅団(斬首部隊)の装備かどうかはハッキリしない。ただ、不遇である事は間違いなさそうだ。

小型ボートが少ない海岸近くに入ると、水の下に沈みました。

特殊部隊員たちが敵警戒網を避けてこっそり浸透する際に使用される潜水可能な特殊浸透艇です。

海軍はこの特殊な浸透艇複数隻を大きな母艦に載せて通って、有事の際の要となる暗殺作戦など投入するという計画を出した。

「NAVER”[単独] 1兆ウォンの「特殊浸透情報」事業… ヨット会社に任せた”」より

沈んだよ。

いや、多分これは訳の問題で、「進水した」という意味だよな、そうだよね?

なんかこんな感じの絵があったけど、そこそこの大きさの小型浸透艇ということらしい。一人乗りなのかな。

【業界関係者】

 そうしたら評価のためのプロトタイプも、英国メーカーの支援を受けてやっと作りました。技術移転の費用まで含めながら必要な予算も3千1百億ウォンと2倍以上かかった。最初から英国製の製品をそのままつかっていれば、最大1,200億ウォンにすることが可能だったと推定されます。

 さらに大きな問題は、このように多くのお金をかけて作っても正常に機能するか知ることができないだろう。合同参謀本部と海軍は最近、この特殊な浸透情報プロトタイプの試験評価を行ったところ、重大な欠陥が多数発見されました。それでも合同参謀は「暫定適合」つまり、通過判定を下してくれました。

 軍関係者は、「試験評価書を見れば、補完要件のみA4用紙10枚を超える」とし、事実上「不適合」 「今潜水艇のような場合は、OOO業者は実績がない会社だったんです。だから、実績から見ても、または設計能力から見ても私どももちょっと不思議に思いました。 」

「NAVER”[単独] 1兆ウォンの「特殊浸透情報」事業… ヨット会社に任せた”」より

いやはや、不具合満載で、補完要件のみでA4用紙10枚越えちゃったとかなんとか。いや、どんだけダメなんだよ。

イギリスから技術支援を受けて作ったんだろ?2倍の費用をかけて!

多数の欠陥が発見されるというのはまあ、ある意味、プロトタイプの試験評価だから仕方がない面はあるにせよ、既に2倍の費用がかかっちゃっているのはどうなのよ。そうなる前に、イギリスメーカーが作った製品を素直に買っておけよ!

まあ、かかっちゃったものは仕方が無いかも知れないが。

受注したのはヨットを建造するメーカー

さて、記事で問題だと指摘されているのは、この浸透艇を受注した業者である。

記事の中では、「私どももちょっと不思議に思いました」とか書かれているが、「ちょっと」どころじゃないよな?今まで民間用とのヨット(小型船舶)しか作ったことのない業者が、高額で受注して、いきなり浸透艇を作るとか無理だろう。

あれ、ちょっとまてよ、確かセウォル号の時にも似たような話が……。

まあいいや、どのような企業が受注したにせよ、特殊浸透艇のの製造が始まった。そして、特殊浸透艇を20隻建造するために1200億ウォン(約107億円)の費用が注ぎ込まれ、技術移転を含めて既に3100億ウォンの予算が必要になるんだって。で、更にダメ工事(不具合修正)が必要な状況だと。

何よりも特別な浸透情報作戦自体が非現実的とは議論が数年間続いています。

特殊浸透艇自身に長距離の移動ができない、これ載せて通う母艦が必要だが、その大きな船浮いて通えば秘密奇襲作戦が可能かということでしょう。

「NAVER”[単独] 1兆ウォンの「特殊浸透情報」事業… ヨット会社に任せた”」より

そして、これが無事に出来上がったとしても、この特殊浸透艇には長距離を潜航したまま航行する能力が無いらしく、別途母船が必要になるのだとか。

母船を使って沿岸部に近接するとなれば、北朝鮮人民軍に発見されるリスクは浸透艇だけで近接するよりも遙かに高くなり、結果的に奇襲効果が見込めないのだとか。

……アホなのかな?

母船の製作コストは1兆1400億ウォン

一方、母船の方は、というと大宇造船海洋が受注したのだとか。大宇造船海洋は、巨額の赤字を抱えて倒産寸前だとも言われるような経営状態である。とはいえ、多数の海軍の船艇手掛けている実績はあるので、製造する技術はあるのかな。

母艦の開発を担当した大宇造船海洋は、予想コストを7千4百億ウォンから1兆1,400億ウォンにこっそり増やしました。

このように特殊な浸透錠20隻空母コストを合わせると、最先端のイージス艦1隻コストと匹敵します。

「NAVER”[単独] 1兆ウォンの「特殊浸透情報」事業… ヨット会社に任せた”」より

ただ、その製造コストは当初7400億ウォンで、更にここから予算をこっそり増やしてしまって1兆1400億ウォンになるのだとか。参考までに大宇造船海洋が製造したKDX-II「李舜臣級駆逐艦」は約5000億ウォンであり、最新のKDX-III「世宗大王級駆逐艦」は約1兆3000億ウォンである。そういえば、最新の強襲揚陸艦(独島級3番艦)は3兆ウォンかかるとかいう報道を何処かで見かけたな。

母船のイメージは、強襲揚陸艦に近い感じかな、このイメージ画像だと。ただ、特殊浸透艇が潜水状態で出てくる構想になっているということは、半潜航状態で扉を開放する必要があるのだろうし、今まであるタイプの強襲揚陸艦ではダメなんだろうなー。

それでも最先端のイージス艦1隻分の予算を注ぎ込んで、浸透艇はダメ、母船の方も出来たかどうか分からないでは困っちゃうよね。韓国メディアもその辺りには噛みついている。

だが、作戦が実施可能であればそれはそれで予算に見合うかもしれない。作戦遂行能力も今のところは怪しいが。

流石にこの事態に監査院が出てきて事業管理と試験評価などの総合的な不良状況を確認したことで、今回の報道に繋がったらしいのだけれど(この調査結果は国会に報告される)、白紙化されるとなるとそこに注ぎ込んだ予算はどうなってしまうのやら。

えー、白紙化ですかー?ポッケナイナイですか?

残念だ。

コメント

  1. 木霊さん、おはようございます。

    特殊部隊侵入用としては北朝鮮の半潜水艇が有名で、12m・11t位で最大8名搭乗可能とか。(もちろん居住性は無視した構造)
    そして、航続距離は約700km位らしく南朝鮮南部まで往復可能らしいですが、この場合は母船に搭載して運び、近距離潜入なら短時間停止潜水しスタンドアローンで作戦実施しているみたいです。
    また運用実績も1980年代からみたいで40年近いノウハウを持っているのに、南朝鮮の高額特殊浸透艇は開発着手から10年経ってこの有様ですかァ~。
    まさに、朝鮮民族クオリィー満開で笑わせてくれますね。(冷笑)

    でも、ご指摘通り「予算獲得」の為に監査院が利用されたり暗躍するのもいつもの事なんで、まさにポッケナイナイのネタ作り恒例行事と言っていいんじゃないかな。

    さて、約1000億円の母艦の行く末はどうなっちゃうんでしょうね、そちらの方も気になります。

    • そうですねー。
      北朝鮮の工作船は有名ですね。韓国はそれに随分としてやられたし、入手してその構造を調べているはずです。まさかそれを利用するという発想にならなかったのでしょうけれど、技術者であれば参考にするという発想になりますよ。
      イギリスからどんな技術を移転して貰ったのかは知りませんが……。

      母船の話はこのニュースではさっぱり分かりませんが、そのうちハッキリするとイイですね。

  2. これ、普通に北から工作船一式(潜入用の半水中船つき)貰って来た方が早いんじゃないのかな?あっちは既にJapanの海保とやり合った実績もあるし。

    どっちにしても、中南米の麻薬組織の持ち物以下の代物であることは間違い無さそうですな……

    • みなさん思い至るのは北朝鮮のソレなんですねぇ。
      真似できる技術は参考にすれば良いんですけどねー。

  3. 木霊様、皆さま、今晩は

    韓国軍の、韓国製の兵器、装備、特に「独自に開発」した(開発する)ものって、ポッケないないのネタに過ぎず、機能、性能はどうでもいい。問題になったら、○○(政府機関の名前でも閣僚の名前でも軍幹部の名前でも)の指示に従っただけ。と、人のせいにすればよい。最終的には大統領のせいにすればよい。結局、誰も責任を取らない。と考えれば「お笑い」なのも納得できますね。

    原潜、空母 –> 値段が高い –> ポッケに入る金額が大きい –> 「必用な装備である」とわめく –> 失敗 –> 軍の決定であってオレのせいじゃないよ・・・

    まともに国防とか考えている人っているのかしら・・・多分いると思いますが、韓国風の「上下関係」とかで声を出せないのかな。

    それでも亡びない(まだ亡びていない)のだから、いい時代なのかなぁ。

    • 韓国が新しいもの、規模の大きなものを購入したがる、作りたがるのは、素晴らしいと思いますよ!(ブログ的に)
      ご指摘のサイクルは、実にネタを提供してくれるには都合の良いサイクルであります。
      まあ、それでもK9自走砲のように成功事例(輸出に関して成功したという意味ですが)もありますから、数打ちゃ当たるのかも知れません。