ロケット発射前に「完全な宇宙開発の始まり」とか言ってしまう

迷走韓国宇宙開発史

完全にホルホル記事である。

【韓国宇宙時代本格開幕】「純国産技術のヌリ号は完全な宇宙開発の始まり」

2022.06.12 10:12

「ヌリ号の打ち上げは国家宇宙力の完成を意味し、もう新しいガバナンス(管理体系)を準備すべき」。航空宇宙システム工学が専門の建国大学の李昌鎮教授は「ニュースペース時代に宇宙開発を活用する民間産業の生態系をどのように作るかが今後の課題」としながらこのように話した。李教授は科学技術情報通信部傘下の韓国研究財団で宇宙団長を歴任し、2010年の千里眼衛星2号、2013年のナロ号と2021年のヌリ号国家企画報告書を作成した航空宇宙専門家だ。7日に建国大学の研究室で李教授と会い韓国の航空宇宙産業が進むべき道を聞いた。

「中央日報」より

建国大学の李昌鎮教授がナニモノかは知らないのだけれど、2021年のヌリ号国家企画報告書を作成した人物であるらしい。どんな報告書だったんでしょうねぇ。

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宇宙開発を夢見る

6月15日に打ち上げ予定

さて、来る6月15日にはヌリ号の2回目の打ち上げが予定されている。

韓国産ロケット2回目打ち上げ、今度は実際に衛星を載せ宇宙へ

2022年5月29日 12:00

2022年5月25日、韓国メディア・毎日経済などによると、韓国初の国産ロケット「ヌリ号」(KSLV-2)の2回目の打ち上げ日が6月15日に確定した。

科学技術情報通信部が25日に発表した。天候などによる日程変更の可能性もあり、6月16~23日を予備日とした。打ち上げ時刻は打ち上げ当日に確定する。

「exciteニュース」より

天候によっては日時が変更する可能性はあるが、基本的にはヌリ号の6月15日の打ち上げが予定されている。

それについてはもう3月に予定が決定しているので、その時の記事に何の問題があって何処が見所なのか、なんてことには触れさせて貰っている。

純韓国技術ニダ!

あ、ハイ。

Q:ヌリ号は韓国にどのような意味なのか。

A:「純韓国技術で作ったロケットの成功は完全な宇宙開発の始まりを意味する。これまでは韓国の技術で人工衛星を作ったとかロケットを作ったとかいうことに意味があった。しかしこれからはこの技術で何をするのかを考える段階だ。韓国が強みを持っている製造業でも似た経験をした。例えば自動車にしても爆発しないで走れるということを目標にしない。問題なく作ることができてもこの自動車をどのように活用するのかを提示できなければ市場を作ることができない。こうした悩みなしで今後さらにロケットを打ち上げるのは意味がない」。

「中央日報”【韓国宇宙時代本格開幕】「純国産技術のヌリ号は完全な宇宙開発の始まり」”」より

純国産技術……だっけ?

エンジンはウクライナから図面を買って、ロシアのエンジンRD-151の模型(1段地上検証用発射体)を手に入れて(羅老号打ち上げの時にロシア側が置き忘れていったらしい)それらを参考にしてエンジンを作り上げたから、ギリギリ韓国産と言えるのかも知れない。

ただ「純」と付けてしまうのに抵抗はないのかな?

そして、「これからはこの技術で何をするのかを考える段階」って、未だ打ち上げ成功していないんだけど、大丈夫か。

「例えば自動車にしても爆発しないで走れるということを目標にしない」という下りもギャグにしか聞こえない。電気自動車で電池を燃やしてリコールになっているケースが多発しているんだけど、まだ「爆発しないで走れる」段階に至っていないんじゃないかな。

GMと現代自、EVバッテリー発火で複数のLG工場との関連指摘

2021年8月30日9:15 午前

米ゼネラル・モーターズ(GM)と韓国の現代自動車は米当局にそれぞれ提出した資料で、電気自動車(EV)最新モデルのバッテリー発火問題について、韓国のLG化学子会社の2カ所以上の工場から供給された電池セルに関連付けた。

「ロイター」より

これ、去年のニュースだよね。

民間企業の参加?

更に更に。

Q:どのように活用すべきなのか。

A:「民間企業の参加が必要だ。米国や欧州、ロシアなど宇宙開発先進国はいずれも国の主導で産業を育てた後に民間が参加する形で発展した。インフラが蓄積され専門人材が民間市場にも出てきていまはニュースペース時代を迎えている。民間では宇宙旅行や宇宙インターネットなどの試みが出ており、コストは低くして市場は育てている。韓国も技術獲得だけ追求した従来の方式から一歩踏み出して宇宙開発と打ち上げ需要を創出する民間の力をどのように育てるのかを悩んでこそ宇宙開発の好循環構造を作ることができる」。

「中央日報”【韓国宇宙時代本格開幕】「純国産技術のヌリ号は完全な宇宙開発の始まり」”」より

民間が参加……、だと?

そう言えばそんな話もあったね。

基本的にはこのプランは多分この教授の発案だろうから、民間業者への技術移転という話もおかしくは無いのだけれど、かけ声だけで終わる可能性は高い気がする。

国家レベルでの支援をして、失敗する。これが韓国のいつもの在り方なんだが、チャレンジしないと成功を手に入れられないのも事実。頑張るしかないよね、この分野では。

Q:どのように支援すべきなのか。

A:「新しいガバナンスから悩まなければならない。ロケットを作ることにだけ満足した時代が過ぎニュースペース時代に進入しているが、韓国は大きなビジョンを描く所がない。宇宙開発先進国もそうだったが、いまの段階では政府発注が宇宙産業の唯一の顧客なのにまだ宇宙開発をどのようにするのか戦略的アプローチが不足している。事業重複は避け果敢に支援すべき分野には投資するようなコントロールタワーが必要だ。同時に宇宙開発に対する韓国のビジョンが何かを提示すべきだ」。

「中央日報”【韓国宇宙時代本格開幕】「純国産技術のヌリ号は完全な宇宙開発の始まり」”」より

ところが、民間に宇宙開発を任せるという話をしながら、「コントロールタワー」を置くとかいう話になっている。民間に任せるのであれば、ソコに商機が出れば十分であり、「韓国のビジョンの提示」は国家でやるべき事業のみである。

ちょっとおかしな話をしている気がするぞ。

Q:参考になるような事例を挙げるならば。

A:「韓国と情緒的に似ている日本を見ると、首相直属で宇宙開発戦略本部を置いている。韓国でいえば大統領直属の宇宙開発戦略本部という形だ。主管官庁は文部省だが、各省庁が参加しながら国家的宇宙開発需要をまとめて計画を立てる。各官庁で重複する計画は調整し限定的な予算を効率的に活用することだ。日本が小惑星探査船を送って成果を出したのにはこうした背景があった。日本の事例が正解とはいえないが韓国も新たなガバナンスを準備しなくてはならない」。

「中央日報”【韓国宇宙時代本格開幕】「純国産技術のヌリ号は完全な宇宙開発の始まり」”」より

あれ?任せるんじゃないの、民間に。

宇宙開発戦略本部は参考にならない

なお、このコラムにある様に確かに日本の内閣府には宇宙開発戦略本部が設置されている。

だが、宇宙開発戦略本部の設置は、設置前に宇宙開発事業団(NASDA)や宇宙科学研究所(ISAS)、航空宇宙技術研究所(NAL)という別々の省庁が管轄する機関がバラバラに宇宙開発を行っていたから、コレを一本化して方向性を定めようという目的で行われた。

民間企業の参加推進を行うようなことは、余りやっていない気がするんだけど。宇宙開発戦略本部の行動指針は宇宙基本計画に定められている。

<宇宙基本計画に定められる事項>

  • 宇宙開発利用の推進に関する基本的な方針
  • 宇宙開発利用に関し政府が総合的かつ計画的に実施すべき施策
  • 宇宙基本計画に基づく施策の推進

よく分からない基本計画なんだけど、内閣が宇宙開発に関与しているよと理解すればいいんじゃないかな。

ロケット打ち上げ「抜本強化」 岸田首相表明、宇宙計画改定で

2022年05月20日18時12分

政府は20日、首相官邸で宇宙開発戦略本部(本部長・岸田文雄首相)の会合を開き、年末に予定する宇宙基本計画工程表の改定に向け、ロケット打ち上げ能力の強化などを盛り込んだ重点事項を決定した。ウクライナに侵攻したロシアのロケットを活用できないことから、首相は「わが国の打ち上げ能力を抜本的に強化する」と表明した。

「時事通信」より

……ただ、こういう話、民間に任せる話をするのであれば、アメリカなんかをモデルにした方が良いんじゃないのかな。

ほら、韓国が大好きなスペースX社なんか、スゴイよね。こっちを見ないでくれ!

……随分と話が脱線してしまったが、結局のところはロナ号の打ち上げが成功しないと話は始まらないのである。それを、打ち上げ2日前にこんなことを言い出す辺り、「韓国らしい」とは思ってしまうね。

コメント

  1. 韓国の宇宙開発は、ロケットを打ち上げるまでじゃないのかな?
    あの国にあるのは打算くらいで、そもそも哲学とか夢とかあるようにみえないし。
    (あるとすれば、ノーベル賞受賞のために、国が特別予算を組んだりしないでしょ。)

    • 打ち上げて満足するなら、ロシアの手を借りた前回までで止めておけばよかったのにと思う訳ですが。
      その先の展望がないのでは、ご指摘の展開になっても不思議はありませんね。
      今の所、月に観測衛星を送る、人を送る辺りまではやる積りみたいですけど。

  2. そうか、15日でしたね。明日だ(14日に書いています)

    どんな喜劇を演じてくれるか・・・わくわく・・・

    • いやー、今回は流石に成功するんじゃないでしょうか。
      流石に前回の問題は修正してくるでしょう。

      ただ、構造的な問題が解消されているわけではありませんから、設計を見直して作り直すところまでやらないと、今後また何処かで問題になると思います。

  3. 韓国航空宇宙研究院は15日午後、韓国が独自開発した初の国産ロケット「ヌリ」の2回目の打ち上げについて、ロケットの酸化剤タンクでトラブルが発生したため打ち上げ準備を進められなくなったと伝えた。

    だそうです。流石です。

    • ありゃ、朝方、16日に延期だというニュースを見て残念に思っていたのですが、理由は違ったのですか。
      構造系のトラブルとなると、明日も無理っぽいですね。