「韓国型スペースXを育成するニダ!」と発表する韓国政府

迷走韓国宇宙開発史

あ、はい。

「韓国型スペースX育成する」 政府、民間業者支援へ 

Write: 2022-03-16 12:02:57/Update: 2022-03-16 12:31:08

科学技術情報通信部は、民間主導で小型ロケットを打ち上げる産業の育成を目指して、ことしから5年間に278億ウォンあまりを投じて民間業者が「2段型小型ロケット」を開発できるよう支援する計画です。

「KBS WORLD」より

良いんじゃないでしょうか。

記事としてはちょっと前のモノだけれども、取り上げるのを忘れていたので軽く触れておきたい。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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「韓国型」と付けられると、途端にダメ臭がただよう

75t級エンジンを活用!

何処から突っ込んで良いかよく分からない記事だな。

具体的には、韓国独自開発のロケット「ヌリ号」に搭載されている75トンエンジンを活用し、民間業者が技術移転などを通じて小型エンジンを独自に設計・開発したあと、これを結合した「2段型小型ロケット」をつくるということです。

「KBS WORLD”「韓国型スペースX育成する」 政府、民間業者支援へ ”」より

多分、ではあるが、韓国としてはこの75t級エンジンがなかなか好調っぽいから、民間も活用してどんどん使おうという意図があるんだろう。

で、「ヌリ号」の75t級エンジンという話になれば、前提としてこちらの話を理解しておかねばならない。

韓国が今手掛けているヌリ号打ち上げだが、1号機打ち上げは2021年10月21日に行われて、失敗をしている。韓国としては部分的成功ということにしたいようだが、ヌリ号の目的は人工衛星の軌道投入であるのだから、ソコが実現できなければ実質的には失敗といって良いだろう。

そして、その原因がエンジンに使われている燃料タンクの設計ミスであったという。

ただし、ヌリ号は7t級エンジンと75t級エンジンを用いていて、75t級エンジンについては特にトラブルが発見されなかった。だからこそ75t級エンジンを活用しようなんていう話が出てきているのだと推測される。

ウクライナ製エンジンがベースになっている

で、75t級エンジンだが、これ、実は今、ロシアに侵攻されているウクライナから輸入した技術をベースにしている。正確には、30t級エンジンの図面をウクライナから入手したようなのだ。

ウクライナにはソ連時代に培われた優秀なロケット技術が存在した。

ウクライナでは、1940年代半ばから1950年代初旬にかけて、宇宙ロケットや人工衛星などを開発するユージュノエ設計局やこれらを製造する国営企業ユージュマシュが設立され、1950年代以降、世界の宇宙開発において重要な役割を果たしてきた。1991年のソビエト連邦からの独立に伴って、1992年にはウクライナ国立宇宙機関(SSAU)を創設している。ウクライナの宇宙産業がなければ、多くの宇宙開発計画は存在しなかったといえるだろう。

「Newsweek」より

ソ連崩壊と共に、ウクライナは独立してウクライナ国立宇宙機関を創設したものの、豊富な資金を使っての宇宙開発ができたソ連時代のようなワケには行かず、大掛かりな打ち上げこそ出来なかった。だが、着実に打ち上げ実績を積み上げ、世界の宇宙への打ち上げのうち1割程度がウクライナによるものだった時代もある。残念ながら、今はそんな余裕は無いのだけれど。

で、ウクライナは過去に発展させた技術の切り売りやエンジンの提供などをやって、宇宙開発を存続させてきたわけだが、韓国もそんなウクライナからの技術を獲得することに成功した。

また、ロシアからも技術を獲得しようと試み、ロシアの高性能ロケットエンジンのRD-180とその関連技術をアメリカから韓国に不正輸出しようとして失敗している。だが、後にヌリ号の前に開発されていたロシアとの共同打ち上げとなる羅老ナロ号のエンジン模型から技術を盗んだことをゲロっているので、ロシアからのエンジン技術獲得にも成功したというべきだろう。

そして、ウクライナから入手した30t級エンジンの図面を基に苦心の末、75t級エンジンに拡大して使い物になる様にしたらしい。ガス発生器サイクルのこのエンジン、構造が単純なだけに出力効率は若干劣るが、それでも完成させただけ立派ではある。

そして、どんな手法であっても75t級エンジンをクラスタリングして制御できたわけだから立派なものである。ソコは素直に称賛したい。

ただ、変に改造するより、ウクライナから入手した図面の通りに作った30t級エンジンを使った方が無難だと思うんだけど。

民間企業に丸投げ?

そして、このエンジン開発を行っているのは韓国航空宇宙研究院(KARI)で、ここから多分KAI(韓国航空宇宙産業)辺りに技術データを丸投げして作らせるという流れになるのではないかと。え?KAIも半官組織じゃないかって?いや、実情はそうかもしれないが……、建前は民間だぞ。

科学技術情報通信部は来月までに公募を通じて事業に参加する民間業者3社を選定したうえで、小型エンジンの設計・製作を支援し、この中から最終的に1社を選んで、性能試験を実施する方針です。 今回の事業は、民間業者がロケットの小型エンジンの開発をはじめ、2段型小型ロケットの開発と発射を実現するのが目標だということです。

「KBS WORLD”「韓国型スペースX育成する」 政府、民間業者支援へ ”」より

というか、KAI以外に韓国国内でロケットエンジン作れそうな所が無いんだよね。

そもそも、ウクライナから貰ったエンジン技術をそのままであっても、冶金の分野が未熟なこともあってイマイチ耐久性能に不安がある。75t級エンジンが上手くいっているのなら、そのまま使ったら良いのに、そこはどうなんでしょうか。

上手くいっているところに下手に手を加えるとまた大変なことになるぜ。

科学技術情報通信部は、「世界的に民間宇宙市場が小型ロケットを中心にシフトしているが、韓国の業者は技術が足りないのが現状だ」としたうえで、「今回の事業を通じて韓国の民間業者が、『韓国型スペースX』のような企業に成長するようサポートする」と説明しました。

「KBS WORLD”「韓国型スペースX育成する」 政府、民間業者支援へ ”」より

それと、「小型ロケット中心」等と書かれているが、残念ながらヌリ号も能力的には十分小型の分類に入る。

https://www8.cao.go.jp/space/comittee/yusou-dai2/siryou3-8.pdf

JAXAの資料を紹介しておくが、LEO(低軌道)に1.5t程度の物体を投入する能力のあるロケットは、既にごまんとあるのだ。1度も成功していないヌリ号に競争力があるとはとても思えないし、「小型エンジンを独自に設計・開発」しては、より失敗する可能性が高くなる。

もちろん失敗することが悪いとはいわない。むしろ、積極的に実績を積み上げればイイと思うのだが、エンジンの開発は国主体で行って、民間に技術移転して発展させるべきなんじゃないだろうか。エンジン開発まで丸投げとなると、失敗する未来しか見えない。

コメント

  1. 国費の支援を受けて、なおかつ国が他国から調達した設計図を流用して作られたロケットは果たして「民間主導」と言っていいのでしょうかね?

    • 大丈夫ですよ!
      韓国で作られれば全て韓国製です。
      民間で作れば全て民間主導なのです。

      ……まあ、そういう国なんで。

  2. ロケットエンジンに拘り続ける韓国の本音は、北朝鮮と同じ-弾道弾ミサイル開発-でしょうね。

    • うーん、韓国のいうことはその時々によってコロコロ変わりますからねぇ。
      北朝鮮は手の付けられない厄介な国ですが、主張が一貫している分まだマシな気がします。