韓国型ロケットの開発順調?エンジン燃焼テストで100秒間

迷走韓国宇宙開発史

大したニュースでは無いんだが、記録のために記事にしておきたい。忘れちゃうからね。

100秒間火をふいたロケット…宇宙を飛ぶ韓国型発射体に大きく一歩前進

2021.02.26 08:08

25日午後3時、全羅南道高興郡外羅老島(チョルラナムド・コフングン・ウェナロド)にある羅老宇宙センター。75トン級液体エンジン4基が同時に真っ黄色い火を吹き出した。強力な火炎のせいで、静かな島はすべて真っ白い煙と振動に包まれた。

「中央日報」より

このブログでは韓国のロケットを積極的に応援している。そう、応援だ。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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計画通り!

2027年までに71基の衛星打ち上げ!

沢山の人工衛星打ち上げ計画が持っている事は前回紹介した。

コチラの記事でも指摘したが、多数の人工衛星を打ち上げるためには、自前のロケットを保有する事が必須だが、しかし、韓国には未だに自国でロケットを打ち上げる技術は保有していない。

そこでここ数十年、あっちこっちにコナをかけて技術を引っ張ろうとしているのだけれども、今のところ成功した感じでは無く、今回のヌリ号打ち上げに期待がかかっている状況なのである。

で、前回の記事で「難易度が高い」と書かれていた100秒間の燃焼試験は成功裏に終わったよと言うのがこの記事だ。

韓国航空宇宙研究院(航宇研)はこの日、国内技術で開発した初めての発射体(ヌリ号・KSLV-II)の最下段である第1段ロケットの性能を検証した。「燃焼試験の結果は成功的だ」と航宇研は発表した。来年予定されている実際の打ち上げと同じ自動発射ソフトウェアを使って100秒間燃焼テストをしたところ、特別な問題はなかったということだ。韓国型発射体が宇宙を飛ぶ時がまた一歩大きく近づいた。

~~略~~

ヌリ号第1段ロケットの燃焼試験は合計3回にわけて行われる。先月の30秒燃焼試験に続きこの日100秒燃焼まで成功し、残すは最終試験だけだ。航宇研は来月末ごろに130秒間の燃焼試験を行う予定だ。ここで成功すれば第1段ロケットの開発が完了する。

「中央日報”100秒間火をふいたロケット…宇宙を飛ぶ韓国型発射体に大きく一歩前進”」より

3月末に130秒間の燃焼試験をして、第1段ロケットの開発が完了するようだ。

素人的は発想で気になっていることがあって、これって本当に出力の調整が上手いこといったよという理解で良いのだろうか。韓国のヌリ号が抱える最大の難関は、なんといっても4基のエンジンを同じ様に燃焼して飛ばすというところなのだが、今回のこの記事を読んでも、その辺りに気を遣ったという感じの部分が見当たらない。

どうなっているのだろうか。

75tf級エンジン×4

えー、今回のヌリ号は3段式のロケットという事になっている。各構成は以下の通り。

  • 第1段 75tf級×4 (ケロシン/液体酸素、ガス発生サイクル)
  • 第2段 75tf級 (ケロシン/液体酸素、ガス発生サイクル)
  • 第3段 7tf級(ケロシン/液体酸素、圧送式サイクル)

ハングルなので見づらいとは思うが、これは前回のテストで75tf級エンジンを1基搭載したロケットを打ち上げた際の説明である。

今回のテストのポイントは、こちら。

来年予定されている実際の打ち上げと同じ自動発射ソフトウェアを使って100秒間燃焼テストをしたところ、特別な問題はなかったということだ。

「中央日報”100秒間火をふいたロケット…宇宙を飛ぶ韓国型発射体に大きく一歩前進”」より

上でも引用した内容だが、自動発射ソフトウェアを使って100秒間燃焼テストをして問題無くテストを終了したという点である。つまり、発射シーケンスに基づいて同じ手順でエンジンが燃焼されるけれどもOKだったということだね。

……ということは、バランスは後で調整するんだろうか?

問題は最も大きな推進力(重さを押して持ち上げる力)を出さなければならない第1段ロケットだった。1基のエンジンだけを使う第2段(75トン級)・第3段(7トン級)とは別に、第1段ロケットは75トン級液体エンジン4基が束になっている。エンジン4基が一心同体となって同時に点火して出力・性能までほぼ同じように発揮してこそ発射体を制御することができる。

「中央日報”100秒間火をふいたロケット…宇宙を飛ぶ韓国型発射体に大きく一歩前進”」より

同時着火できれば、出力調整なんかは必要無いという認識なのかな?

ともあれ、既に2段目の検証は2018年に行った打ち上げて終えている。3段目は7tf級エンジンだが、これも過去の技術が残っていれば問題無いだろう、多分。

で、1段目も130秒間の連続燃焼試験が成功すれば、OKという流れに。

となると、10月の打ち上げは予定通り行われるということで間違いなさそうである。

100%韓国産技術

そして、本当かどうかは知らないが、100%メイドイン韓国ということなので、外国の嫌がらせでロケットの打ち上げが注視になるという事を心配しなくても良さそうだ。

この日火炎を吹き出した75トン級エンジンはハンファエアロスペースが組立業務を総括した。主要エンジン部品も100%国内企業が製造した。花火を点火するのに使う部品(パイロ始動機)は(株)ハンファ火薬部門が供給した。ヌリ号が空中に飛び上がる動力は液体酸素と灯油(ケロシン)だ。酸化剤タンクに入っている液体酸素と燃料タンクに入っている灯油をターボポンプが吸い込むが、このターボポンプをハンファエアロスペースとS&Hが製作した。

ターボポンプが吸い込んだ燃料と酸化剤は自動車のシリンダー役を果たす燃焼機で爆発が起きる。燃焼機を作ったのはVitzroネクステックだ。また、バルブ・点火器・配管などエンジンに動力・酸化剤を供給する各種部品が集まったエンジン供給系はスペースソリューションとハイロクコリア・NK・三養(サムヤン)化学など国内6社の合同作品だ。

「中央日報”100秒間火をふいたロケット…宇宙を飛ぶ韓国型発射体に大きく一歩前進”」より

余り聞かないメーカーが名を連ねているが、ロケットの場合はスペシャルメイドで作る事が多いので、そんなものだろう。

日本でも下町ロケットでお馴染みの零細企業が部品供給をしているしね。

そんな訳で、本日の記事は大したトピックスも無く、順調に進んでいるよという内容であった。テスト回数が少ない気もするのだけれど、まあ、大丈夫なのでしょう。

とにかくテスト打ち上げを期待したい。

これを受け、韓国のネット上では「応援する」「そのうち弾道ミサイルも造れそう」「すごい!今後韓国の技術で人工衛星を発射する日もそう遠くないだろう」など喜びの声にあふれており、「宇宙科学技術にもっと投資する必要がある」「韓国も少しずつ国の地位を高めて月の探査や宇宙飛行士を輩出しよう」と宇宙科学の発展を望む声も多い。

「recordchina」より

韓国人達の書き込みかは知らないが、ホルホルも全開らしい。

コメント

  1. 思ったよりヌリ号の開発は順調なんですね。もしこれが成功したら韓国は実質大陸間弾道ミサイルの技術を持つ事になりますし、日本の開発が遅れているH3ロケットはMRJの二の舞になりそうな中でヌリ号は圧倒的な価格競争力を持って海外の衛星打ち上げ受注競争でも脅威になるのでは無いかと国防と経済両方で不安視しています。

    しかも韓国では民間の小型ロケットベンチャーの分野でも三星などの企業が出資するペリッジー・エアロスペースという企業

    https://zapzapjp.com/56039081.html

    が今年ブルーホエールというロケットの本打ち上げを開始するとの事です。

    一方日本の民間では今年にキヤノン電子やIHIエアロスペース等が立ち上げたスペースワンがロケットを打ち上げる筈なのに全く音沙汰なしですし、ホリエモンロケットことインターステラテクノロジズのロケットは一昨年観測ロケットで一度成功したきりなので日本は宇宙開発の分野でも韓国の遅れを取るのかと思うと暗澹たる気分にさせられます。

    • 確かに、日本のH3ロケットはそれなりに苦労しているようですし、民間ロケットに関しても芳しくない感じのニュースが聞こえてきますね。
      ただ、H3のエンジン開発トラブルは「順調では無い」という見方も出来ますが、そもそもロケットのエンジン開発は順調に行かないのが普通なので、新機軸の能力を付与したことでのトラブル発覚は、ある意味「予定通り」であり、遅れは厳しいですが仕方が無いところでしょう。H3ロケットのLE-9エンジンがクラスター化したエンジンというところも開発を難しくしているようですね。配管や配線が難しくなりますから。

      韓国のヌリ号は、75tf級エンジンと、出力は低めで求められる技術水準は低く、これを束にして運用しようというところが新機軸の部分であります。未だまともな打ち上げ用のエンジンを作ったことが無くて、いきなりクラスター化しようというのですから、大したものですな。
      あと、紹介頂いた記事の民間ロケット、ブルーホエール1ですが、2020年7月1日の打ち上げ予定でした。どうなったんでしょうかね?
      固体燃料ロケットも解禁されたという噂ですから、そのうち喜ばしいニュースが聞かれるのかも知れませんが……。

      キヤノン電子は去年打ち上げ成功させていましたね、そういえば。資金繰りには苦労しているようですが。
      https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65591350Z21C20A0X20000/

  2. 姿勢制御のためのジンバル制御も含めて130secの作動試験がクリアできるなら、掛け値無しに大したものです。
    あとは、実環境で発生する振動その他の影響がどれほどかとか、そういう泥臭い部分にかかってます。
    ※本邦も、枯れてるはずの固体ロケットでフェアリングまわり替えて配線引き直したら振動で被覆剥けてショートして失敗した、なんてのが割と最近ありました。
    冗談抜き、本気で当方としても応援しております。

    • 取り敢えずは試作機打ち上げを期待したいと思います。
      実機に組み付けて、飛ばしてみて初めて得られるデータもありますしね。
      ただ、願わくば日本がこれを迎撃しなければならないような未来が来ないようにして欲しいところです。

  3. >願わくば日本がこれを迎撃しなければならないような未来が……

    一番怖いのは、燃料が満載のままエンジン止まってこっちに落ちてくる、なんて事が無いようにして欲しいですね。

    • いやまさに、それの心配なのですよ。
      韓国が幾ら完璧だとしても、失敗の1つや2つは出てくるハズで。
      何処に向かって打つのやらというレベルなんですよね、アノ国。
      数を増やそうとロケットをバンバン打ち上げられると、日本としてもちょっと困った事に。