前のめりに宇宙開発を切望する韓国

迷走韓国宇宙開発史

え?毎年10基打ち上げ?

韓経:韓国、6G通信・月軌道船・独自の測位衛星まで…毎年10基打ち上げ

2021.02.19 09:35

人工衛星と月探査機などを宇宙に積んで運ぶ初の国産化ロケット「ヌリ号」が、10月の打ち上げを前に実戦演習の真っ最中だ。ヌリ号は韓国航空宇宙研究院と現代(ヒュンダイ)重工業、ハンファ、スペースソリューションなど韓国企業300社以上が合同で開発した韓国型ロケットだ。通信・測位衛星の国産化事業も、ことし初めて始まる。

「中央日報」より

凄い期待だな!

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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衛星打ち上げ計画は……ある!

2027年までに71基

毎年10基が何がというと、この記事のこの部分に書かれている。

18日、韓国科学技術情報通信部と航空宇宙研究院(以下、航宇院)、セトレックアイなどによると、韓国がことしから2027年までの7年間に打ち上げる衛星は71基に及ぶことが確認された。来月、カザフスタンが打ち上げる次世代中型衛星1号に続き、来年は多目的実用衛星(アリラン)6・7号と試験用月軌道船(月人工衛星)が宇宙に向かう。2024年からは3年間、観測・偵察用小型群集衛星50基あまりを発射する計画だ。韓国初の通信衛星・千里眼(チョルリアン)3号は、2027年の打ち上げを目指し、来月主管機関を選定する。

「中央日報”韓経:韓国、6G通信・月軌道船・独自の測位衛星まで…毎年10基打ち上げ”」より

わーお、なかなか心躍る内容だな。

  • 2022年
    • カザフスタンが打ち上げる次世代中型衛星1号
    • 多目的実用衛星(アリラン)6・7号
    • 試験用月軌道船(月人工衛星)
  • 2024年~2027年
    • 観測・偵察用小型群集衛星50基あまりを発射(観測衛星11基+レーダー衛星40基)
  • 2027年
    • 韓国初の通信衛星・千里眼(チョルリアン)3号を打ち上げ

あれ?計算が合わないのだけれど、何か漏れているのかな。

まあいいや、壮大な計画だけれども、2027年までに71基を打ち上げるので、毎年10基という計算になるそうな。

取り敢えずは2022年に注目だね!月人工衛星って、打ち上げて貰えるんだろうか?結構コストがかかると思うんだけど。

GPSも自前で確保するぜ!

更に驚きなのは、韓国悲願のGPS打ち上げも計画しているという点である。

7基の測位衛星を製作する4兆ウォン(約3800億円)規模の韓国型測位システム(KPS)事業も、ことし上半期に予備妥当性調査を経て、来年から開始する。人工知能(AI)技術の結晶である自律走行車、フライングカー、ドローンなどの運行に必要な未来型通信システムを構築するためだ。

「中央日報”韓経:韓国、6G通信・月軌道船・独自の測位衛星まで…毎年10基打ち上げ”」より

うーん、マヂですか。

そもそも韓国型測位システムって、韓国の上空を飛ばすためには色々と制約があるはずなんだけど、どうやって問題を解消するのだろうか。

7基でどこまでカバーする予定かは知らないが、例えばGPS(アメリカ軍)であれば31基、ガリレオ(ヨーロッパ)で30基、グロナス(ロシア)であれば24基、北斗(支那)であれば30基+5基、NavIC(インド)であれば7基、みちびき(日本)であれば7基だ。

とはいえ、インドはちょっと地政学的な事情があって対地同期軌道が使えるのだが、日本はそういうワケにはいかないので、準天頂衛星を使う事と、基本的にアメリカのGPSを補助するスタンスで運用している。

当然ながら、韓国もそれを理解した上での、日本と類似した形での運用になるとは思うのだけれど、そうするとみちびきの衛星軌道と干渉することも考慮しなければならない。みちびきの衛星開発費は約400億円、運用も含めると2000億円程度と試算されているが、これはあくまで自前で打ち上げる技術を持っているからこの価格なのであって、韓国の場合はちょーっと3800億円で足りるのか?という心配はあるよね。何故かというと、準天頂衛星打ち上げの場合は、衛星軌道の問題で他の衛星と一緒に打ち上げてという事が難しいからなのだ。

韓国がどんな方式を採用するかに関しては下の方に記載がある。

ことし上半期の予備妥当性調査を終え、来年から本格化する韓国型ナビゲーションシステム(KPS)構築事業は、2035年までに衛星7基の打ち上げ、インドと日本が保有している地域航法システムに匹敵する独自の航法システムを造成するのが重要な内容だ。事業規模は約4兆ウォンだ。KPS事業の事前準備の段階で、航空宇宙研究院が国土部・海洋水産部と韓国型衛星測位補正システム(KASS)を構築している。GPS信号の誤差を減らす搭載体を製作し、衛星に搭載して性能を検証する事業だ。江原道襄陽(カンウォンド・ヤンヤン)、京畿道楊州(キョンギド・ヤンジュ)、慶尚北道栄州(キョンサンブクド・ヨンジュ)、忠清北道清州(チュンチョンブクド・チョンジュ)、光州(クァンジュ)広域市、釜山影島(プサン・ヨンド)など全国11カ所に関連機器を設置している。事業が完了すれば、全地区の航法システム4種(GPS・グロナス・ガリレオ・百度)を補完する補正システムを保有する7カ国目となる。

「中央日報”韓経:韓国、6G通信・月軌道船・独自の測位衛星まで…毎年10基打ち上げ”」より

ふーむ、どうやら日本やインドが採用している地域航法システムを作るというのが、韓国側の狙いという事になるようだ。ただし、上で書いたように日本とインドでは事情が異なって、韓国は日本が採用した技術に近いものを採用することになるだろう。

ここで気になるのはGPSとの連携はともかくとして、グロナスやガリレオとも互換を計画しているのはなかなかスゴい。そして、何故か百度……だと?北斗じゃないのか?!

調べて見たら、どうやらこれが原因らしい。

その中でも、今後の中国の国際的な影響力に大きな影響を与えると考えられるのが、中国独自の衛星測位システム「BeiDou」である。BeiDou(北斗)とは、北を示す北極星のこと。国際展開を考慮したのか、北斗衛星測位システム(BeiDou Navigation Satellite System)には同時に「COMPASS(コンパス)」という英語名も付けられている。

「みちびきのサイト」より

音が同じなので漢字を間違えたっぽいね。

ちょっと分からない事が色々あるので、ここへの突っ込みは勉強してからにしておきたいが、前のめりだと言うことだけは分かったよ。

最後のゴールデンタイム

とまあ、素人ながらも見積もりの甘さを懸念する訳なんだけれども、多分大丈夫なのだろう。

ビッグデータに基づくディープラーニングやクラウド技術が発展したことで、観測・偵察、通信、測位全般にわたり衛星の需要が急増しているという分析が出ている。モルガン・スタンレーは、2040年に世界の宇宙産業市場が1兆1040億ドル(約116兆6400億円)に及ぶと予想した。2019年(3660億ドル)に比べ、約3倍増の規模だ。航宇院関係者は、「今が世界の宇宙開発競争で遅れをとらない最後のゴールデンタイム」と述べた。

「中央日報”韓経:韓国、6G通信・月軌道船・独自の測位衛星まで…毎年10基打ち上げ”」より

大丈夫だよな?

予算確保のための皮算用のニオイがプンプンするのだが、これは多分中央日報が勉強不足だからだろう。多分キット。

ヌリ号打ち上げが鍵

ヌリ号の打ち上げ期待が高まる

そんな訳で、自前のロケット打ち上げは必須という事になるはずなのだが、燃焼実験は順調らしい。

少なくとも「失敗したニダ!」と大騒ぎはしていない。

航宇研は先月28日、第1段エンジンの30秒燃焼試験に成功したが、難易度が高い100秒、127秒の燃焼試験を控えている。一度でも失敗すれば、ことしの「ヌリ号」の打ち上げはまた、水の泡になりかねない。韓国経済新聞がヌリ号専用発射台と燃焼試験場を韓国メディアで初めて訪れた。

~~略~~

当初は今月打ち上げ予定だった日程が10月に延期されたのもエンジンのクラスタリングの問題のためだ。先月末、1次燃焼試験が初めて成功にエンジン4基が合わさった第1段が実際に火を噴く段階までようやく到達した。

「中央日報”韓経:韓国、6G通信・月軌道船・独自の測位衛星まで…毎年10基打ち上げ”」より

多分成功したっぽい。

航宇研は、後続事業を通じてスペースXが100基あまりの人工衛星をまとめて打ち上げた「ファルコン9」ロケットに搭載されたエンジン「マーリン1D」の水準に引き上げる計画だ。

「中央日報”韓経:韓国、6G通信・月軌道船・独自の測位衛星まで…毎年10基打ち上げ”」より

そうでなければ、こんなに鼻息が荒くなったりはしないんだよな、普通は。が、韓国の場合はその「普通は」が通用しないことが良くあるので恐ろしいのだが。

ともあれ、今年の10月にはいよいよテスト打ち上げが為されるヌリ号に、期待は高まる一方である。

鼻息が荒い理由は?

ところで、記事の途中で幾つか気になる単語があった。

ハンファグループのセトレックアイ買収、韓国航空宇宙産業(KAI)とLIGネクスワンの小型衛星開発協約など韓国の宇宙産業界でも年初から新しいニュースが続いた。衛星産業が国際市場でブルーオーシャンに浮上し、企業の動きも早まっている。衛星は観測(偵察)、通信、測位衛星用に分類されるが、まだ韓国は独自の技術で開発した通信、測位衛星がない。この2つの衛星の国産化がことしから始まる。観測衛星の種類も多様化する。

「中央日報”韓経:韓国、6G通信・月軌道船・独自の測位衛星まで…毎年10基打ち上げ”」より

セトレックアイ?

鼻息が荒い理由は、この会社の買収が成功したからだろうか??

韓国製人工衛星、初の欧州輸出

Posted June. 17, 2014 05:50,

韓国が作った人工衛星が、宇宙産業の先進市場である欧州の扉を開いた。

韓国の衛星製造メーカーの「セトレックアイ」は16日、スペインに輸出した「デイモス2号」衛星が20日午前4時11分、ロシア・ヤスニ発射場から宇宙へ打ち上げられる予定だと発表した。セトレックアイは、韓国初の小型人工衛星の「ウリビョル」を開発したKAIST人工衛星研究センターの研究員らが1999年設立した企業で、昨年までアジア諸国に合わせて3台の衛星を輸出したが、欧州に輸出したのは初めて。

「東亜日報」より

どんな会社か調べて見ると、セトレックアイとはどうやら韓国の衛生製造メーカーらしい。ただ、衛生製造技術に関しては、韓国初の人工衛星「ウリビョル1号」(KITSAT-A)は、イギリスのUoSAT-5を元に開発されていて、「英サリー大学から技術の伝授を受けて製作した」ということになっている。

そもそもKITSAT-Aの開発は、韓国の衛星技術者の育成、及び開発技術の取得が目的であったとされているので、セトレックアイという会社に技術があるかというと、疑わしい。イギリスの技術をベースに地道な技術開発を積み重ねて、その後一流の技術を獲得したということかも知れないが……。

多目的実用衛星の技術も外国頼み

なお、このセトレックアイという会社が高い技術を持っているのであれば、来年打ち上げる予定のアリラン(多目的実用衛星)6号、7号は、自前の技術で作る事が可能なハズだ。

来年にはアリラン(多目的実用衛星)6号と7号の打ち上げが予定されている。アリラン6号は、気象条件に関係なく韓半島(朝鮮半島)一帯を全天候で観測するレーダー(SAR)衛星だ。高難易度の技術が必要で欧州連合(EU)のエアバスDSから技術を伝授され、航空宇宙研究院などが開発中だ。

「中央日報”韓経:韓国、6G通信・月軌道船・独自の測位衛星まで…毎年10基打ち上げ”」より

しかし、どういうわけだかエアバスDSから技術を伝授されて開発を続けていると伝えられている。多分、来年辺りには「独自技術ニダ!」と胸を張るのだろうが。

超小型群集衛星事業も最近、システム要件分析(SRR)を終え、今月から基本設計検討(PDR)に入る。光学解像度1メートル以下の観測衛星でKAISTとセトレックアイが開発中だ。2024~2026年に11基打ち上げる。これらと同時に群集運用するレーダー衛星40基は国防部が打ち上げる。

「中央日報”韓経:韓国、6G通信・月軌道船・独自の測位衛星まで…毎年10基打ち上げ”」より

一方で、観測衛星とレーダー衛星はセトレックアイが開発するとある。

こちらは独自開発(ただしベースはイギリスの技術)で行くようだけれど、複雑な技術を必要としない可能性もあるので、案外やれるのかも。

5Gや6Gを視野に

韓国がここまで宇宙開発に前のめりになる理由は、5Gや6Gの開発に遅れまいという焦りがあるのだろう。

ことし4月、韓国初の通信衛星・千里眼(静止軌道複合衛星)3号の開発主管機関が選定される。韓国電子通信研究院(ETRI)が有力だ。この衛星はKaバンドの27~40ギガヘルツの周波数搭載体が入る。「真の5G」と呼ばれる28ギガヘルツブロードバンドサービスは、基地局だけでは不可能でKaバンドの衛星が必要だ。移動通信標準化国際協力機構(3GPP)が地上の通信網と衛星間の連携を5G以降、国際標準として採用した理由だ。それだけ衛星と交信するアンテナの需要も増えている。

「中央日報”韓経:韓国、6G通信・月軌道船・独自の測位衛星まで…毎年10基打ち上げ”」より

韓国の5Gは世界に先駆けて実装されたようだが、その後の経緯はあまり宜しく無いらしい。

韓国5Gは世界最高と言っているけれど…速度は米国の半分

2020/05/31 14:00

第5世代(5G)移動通信システムを世界で初めて商用化した韓国の通信キャリア3社のメンツが傷ついた。韓国通信各社の5Gサービスの接続速度が米通信最大手ベライゾンの半分にも満たないことが分かったからだ。韓国ではまだ28ギガヘルツ帯の電波が利用できないことが原因だ。

~~略~~

SKテレコム、KT、LGユープラスなど韓国の通信キャリアは昨年、5Gサービスを開始するに当たり、28ギガヘルツ帯を除き、第4世代(4G)よりもやや高い3.5ギガヘルツ帯、いわゆるミッドバンドの周波数だけを使用してきた。このため、韓国の5Gサービスを巡っては、サービス開始初期から「速度が出ないのではないか」とする指摘があった。消費者の間からも「5万-10万ウォンという高い料金を払ってもまともに5Gの性能を享受できずにいる」という不満が相次いでいる。

「朝鮮日報」より

日本も5G普及には苦戦しているが、韓国も良好なサービス提供というわけにはいかなかったようだ。その苦い経験があるからこそ、人工衛星打ち上げに前のめりなのだね。

6Gの事情はまた別なのだろうが、ともあれ、自国の技術発展のために宇宙開発は必須という事になるのだろう。そうなるとやっぱりロケット打ち上げ成功は必須だろう。頑張ってくれたまえ!期待しているよ。

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