【韓国型ロケット】ヌリ号の打ち上げが大統領選挙後に

迷走韓国宇宙開発史

順調に遅れていますな。

韓国型ロケット「ヌリ号」の最終打ち上げ、2022年の大統領選挙後に延期

2020.12.29 12:07

これまで韓国で初めて独自開発してきた韓国型ロケット「ヌリ号」の最終打ち上げが次期大統領選挙以降に延期される。

科学技術情報通信部は29日に第18回国家宇宙委員会を開き、韓国型ロケット開発の今後の計画案と静止軌道公共複合通信衛星開発事業計画を確定したと明らかにした。

「中央日報」より

えーと、記事によると2021年10月に取り敢えずの打ち上げがあると言うことなんだけど、元々の予定は2月だったので、8ヶ月延期ということになるのかな。

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順調に遅延

もともと延期する予定だった

このブログでは度々登場しているヌリ号だが、「韓国型ロケット」と名付けられていて、何がどう韓国型なのかもイマイチよく分からないが、いつもの事ではある。

実は2020年7月には、既に2021年2月の打ち上げは無理だろうという事が言われていた。その時の理由が武漢肺炎の影響で、国内企業の部品供給が遅れているというものであった。

まあ、実際に韓国国内で武漢ウイルスは猛威を振るっていて、そこからの入国を断らない日本政府はアホなのか?日本国内の陽性判定者数はついに東京だけで2,400人を突破してしまった。何か数ヶ月前は100人超えたと大騒ぎだったが、危機感が麻痺しそうな勢いである。

おっと、話が逸れてしまった。

ともかく、前の記事では「半年後に」という予想がなされていたが、実際にはもうちょっと遅れそうだというのが、今回の冒頭の記事である。

ただし原因は技術不足

ただまあ、武漢ウイルスの影響というよりも、単純に技術不足が問題で延期ということのようだよ。

科学技術情報通信部が明らかにした日程延期の公式理由はロケット1段部の開発参加企業交替だ。1段部はロケットで最も大きな推進力を出すため75トン級エンジン4基を束ねた構造で設計されシステムが複雑だが、参加中小企業の技術力が足りず他の企業に交替させられたためだ。

「中央日報”韓国型ロケット「ヌリ号」の最終打ち上げ、2022年の大統領選挙後に延期”」より

何やら、開発参加企業が交代したというのである。

課題受託を引き受けた韓国航空宇宙研究院はこれまで認証モデル開発まで分解と再組み立てを繰り返す過程などを経なければならなかった。

「中央日報”韓国型ロケット「ヌリ号」の最終打ち上げ、2022年の大統領選挙後に延期”」より

韓国航空宇宙研究院(KARI)が後続を引き受けたというように読めるのだが、はて、それ以前に参加していた中小企業とは一体……。だって、KARIは最初からこのヌリ号(KSLV-II)打ち上げ計画に参加していたハズだ。どの企業が脱退したのかは調べてもよく分からなかったが、まあ、そういう事もあるよね。

当初の予定では2019年に実際に打ち上げるという事だったハズだが、そこから2021年に先送りして、クネクネの決断で2020年に前倒し。でも、結局、2021年2月に延期する決定がなされ、更に2021年8月頃まで延期されそうだというのが、去年7月の話。今回の決定で2021年10月以降にするという事になったようだ。

ただ、原因が技術不足で、企業を交代したら解決しましたという事ではないようなので、「又ダメでした」という展開はあり得る。

これによると、当初来年2月と10月に予定されていた韓国型ロケット打ち上げはそれぞれ来年10月と2022年5月に延期になる。1度目の打ち上げは8カ月、2度目の打ち上げは7カ月延ばされることになる。

「中央日報”韓国型ロケット「ヌリ号」の最終打ち上げ、2022年の大統領選挙後に延期”」より

こんな記載がなされているが、実際には8月頃になってみないとハッキリした事は分からないだろう。

科学技術界関係者は「韓国型ロケット打ち上げ計画延期には韓国ならではの構造的問題が隠れている。ロケット開発と打ち上げが国の研究開発課題形式で進められたため参加企業は利益を残しにくく規制が多いため技術力の優れた大企業は参加を敬遠するほかない」と話した。

「中央日報”韓国型ロケット「ヌリ号」の最終打ち上げ、2022年の大統領選挙後に延期”」より

何故ならば、技術不足は韓国の宇宙開発計画の構造的な欠陥によるものだからである。……根本的に技術不足だという可能性も十分にあるが、ここでは取り敢えず韓国大企業には技術があると言うことにしておきたい。

そんな訳で、今年の10月以降にお楽しみは持ち越しなのだが……。

そもそも4基束ねるのが無理

技術不足の中身がちょっと気になるところではある。

実はこのヌリ号は、75t級エンジンを4基束ねて推力を選る方式である。中央に大型のエンジンがあり、その周囲に小型のエンジンを置いて補助するという考え方ではなく、あくまで4基協調制御をやりながら打ち上げるというかなり難しい技術を要求される。

今のところこの方式を採用したロケットは、ロシアのアンガラロケットくらいだったはず。ただ、アンガラロケットも奇数で構成される方式で、1本、3本、5本、7本と束ねて飛ばすんだよね。基本的には1基のURM-1コアとして複数のURM-1ブースターを使って打ち上げる設計になっているので、複数の同出力のエンジンを協調制御するという思想ではないんだよね。同じエンジンを複数使うという点では韓国のソレと同じなのだけれど、コアとブースターとはキッチリ役割を分けている点では違う。

ロシアのURM(ユニバーサル・ロケット・モジュール)構想はなかなか良く出来てはいるのだけれど、そのロシアですら開発には苦戦しているようで。まあ、ロシアも予算の獲得に苦慮していると言う側面もあるので、支那のようにバンバン金を使ってバンバンロケットを打ち上げる体制はもはや難しい。開発に時間がかかるのは当然の帰結だとも言える。

そんなわけで、もともと技術力と実績のあるロシアですら苦戦し、ロシアが採用しなかった4基協調制御でのロケット打ち上げという茨の道を選んでしまった韓国は、更に苦戦するのは必至だろう。

彼は「結局さまざまな問題で2022年3月の次期大統領選挙後に打ち上げが延期されることになった。いっそ成功しようが失敗しようが政治的負担と影響力からは抜け出せるという長所もある」と付け加えた。

「中央日報”韓国型ロケット「ヌリ号」の最終打ち上げ、2022年の大統領選挙後に延期”」より

んでまあ、2回目の打ち上げは2022年3月に行われる大統領選挙の後、2022年5月に行うということにしているというから、まあ、「オラ知らね」とムン君が言ったかどうかは知らないけれど、最後の打ち上げを回避することで「責任をとりたくない」という意思表明をした様に思えるし、そんな状況になっていることだけは確実そうである。つまり、開発は順調では無いということだ。

2021年10月にロケット打ち上げ予定もどうなるかは、正直分からない。でもさー、こうしたロケット打ち上げに関しても失敗は付きものなので、せめて75t級エンジン1基のロケットを何回か打ち上げて試すという姿勢を見せた方が良い気がするんだよね。

前回の2018年11月28日の打ち上げでは75t級エンジン1基を使ったロケットで、目標の140秒を超えて151秒間燃焼して、高度209kmにまで達したとされている。ただこれ、ロケットを持ち上げて落っことしただけで、人工衛星を打ち上げたとかそういう話ではない。

1段ロケットでも人工衛星をパージする実験をしておいた方がいいわけで、日本では低高度の試験機打ち上げ(高度200km程)をしていたけれども、こういった衛星でもテストしておけば良かったのに。

え?低高度人工衛星のつばめは初期投入位置は高度600km以上だったって?まあ、そうなんだけど、わざわざガスジェットエンジンを使って高度392kmまで降りてきて試験開始をしたわけで、やる意味はあると思うんだ。

……そういう事を考えないところが、韓国なのだけれど。

追記

記事中で心配していたエンジンの4基結束だが、どうやら成功したようだ。

【写真】韓国型ロケット「ヌリ号」 エンジン4基結合燃焼試験に成功

2021.01.29 09:42

韓国型ロケット(KSLV-2)「ヌリ号」1段目の75トン液体ロケットエンジンの最初のクラスタリング(4基束)燃焼試験が28日、羅老(ナロ)宇宙センターで実施された。国産技術で開発中の「ヌリ号」は今年10月に最初の打ち上げが予定されている。

「中央日報」より

個人的には大変期待している韓国型ロケットなのだが、どうやらエンジンを4基束にして点火する燃焼試験を成功させたようだ。

何がどう成功したかについては何も記事で言及されていないが、写真を見て何か分かる事があるほど知識はないので、まあ成功したということにしておく。

そして、今年10月に最初の打ち上げの予定は今のところ変更は無さそうである。

コメント

  1. 開発に関わっていた中小企業群が外されたって事は、一番の難関であった1段目のクラスタ技術がまったくダメだったって想像しますね。

    そもそも75t級エンジン×4基で300tなんですが、仮に成功したとしても肝心のペイロードはどれくらいで乗せれる衛星はどうなんでしょうかね?

    他にもフェアリングなんか大丈夫なのかなァ~。

    まあ、順調に遅れ遅れてまたお笑いを提供してくれそうなアイテムで楽しみです。(爆笑)

    • 興味深くはありますが、この話が一体どうなったのか?に関してはまだまだこれからでしょう。
      クラスタというのは、組み付けるところまではイケルと思うのです。
      ただ、協調制御が出来るのか?というところが問題となると思っています。

      フェアリングに関しては実験できたかなーと思うのですが、羅老号で実際に失敗していたはずです。その上で、次の機会に成功していますから、そこまで心配する必要は無いのかも知れませんね。