前にもこんな記事書いたなー。
韓国軍の米国製艦対空ミサイル試射、3発に1発「標的に命中せず」
2023年1月21日 8:30
韓国軍が米国から持ち込んだ艦対空ミサイル「SM-2」が、これまでの試験発射で3発に1発の割合で標的に命中しなかったことがわかった。これを受け、政府は先月、米国を訪問し、補償を含めた再発防止対策など後続措置を要請した。
AFPより
当たらないことで有名な韓国軍の運用するミサイル。概ねアメリカ製なのだが、それが果たして本当にアメリカ企業のせいと言えるのだろうか?
訴えてやる!
的に当たらないSM2
さて、「いつものことー」的な発言をしたが、実際に韓国海軍が使っているSM-2が外れるという話は定期的に聞く。
これは2022年8月の記事なのだが、この時も韓国海軍の駆逐艦「文武大王」が、艦対空ミサイルSM2を試験発射して、迎撃に失敗している。
恥ずかしいぃ!
なお、前の記事でも取り上げているが、通常運転である。
何というか残念過ぎる。
ちなみに、前回引用した記事でも、米レイセオン社を訴えてやる!と、息巻いていた。
1発当たり18億ウォン(約1億8400万円)のSM2が標的に命中できなかったのは2008年から合計9回(11発)あったという。韓国軍は今回の迎撃失敗の原因が「誘導弾の欠陥」と確認された場合、SM2のメーカーである米レイシオン社に瑕疵求償(補償)を請求する方針だ。
「朝鮮日報」より
コレがどうなったかは続報がないので分からないのだが、これ以前にも「訴えてやる」と騒いで、結局、敗訴していたから、この時も似たようなことがあったのだろう。
防衛事業庁によると、韓国軍は2004~22年の19年間、計36発のSM-2を発射し、このうち25発は命中し、11発は命中せず、迎撃に失敗した。運用者未熟という原因もあったが、6発は誘導弾の欠陥が問題だった。
AFPより
面白いのは、前回の報道では2008年~2022年で合計9回(11発)となっているが、今回の報道では2004年~2022年で計36発発射して11発命中しなかったという内容になっている点だ。
リムパックで何度も恥をかいている
なお、過去の報道を見ていくと、失敗するのはリムパックでのことが多いようだ。
韓国軍の誘導ミサイル、9発のうち4発命中せず
2016.09.26 07:30
過去2年間の韓国軍の精密誘導ミサイル命中率が大幅に低下していると、国会国防委員会所属の金振杓、共に民主党議員が25日述べた。
~~略~~
5月の日本海での合同戦闘弾実射撃訓練中に護衛艦「江原」から発射された海星1はすぐに墜落し、7月14日の「2016環太平洋訓練」(RIMPAC)に参加した駆逐艦「世宗大王」から発射された2発のSM2は1発が命中に失敗したと、金議員側は伝えた。RIMPAC訓練当時、SM2ミサイルを手動モードで発射したが不発となり、先月3日に駆逐艦「姜邯賛」から発射した2発のSM2ミサイルのうち1発も目標物打撃に失敗した。
「中央日報」より
2022年だけでなく、2016年にも失敗していて、この時は駆逐艦「世宗大王」が失敗をしている。韓国の駆逐艦、武器が使い物にならないと実戦でも困るんだろうけど。
まあ、恒例行事だな。
運用者未熟の意味
なお、上の記事で、11発中、5発が運用者未熟が原因で的に当てられていないと書かれていたが、どういうことだろうか。
SM-2シリーズは、SM-1シリーズをもとにプログラマブルなオートパイロットを導入し、指令誘導に対応した改良型である。ミサイルは、母艦からの指令誘導を受けつつ目標近傍まで飛翔したのち、セミアクティブ・レーダー・ホーミング(SARH)誘導によって突入する。すなわち、SARH誘導のためのレーダービームの照射は、ミサイルの航程の終末部分だけでよくなっており、同時に複数の目標に対処できるようになった。なお、これはアメリカの戦術ミサイルとして初めて慣性航法装置を導入したものであった。
Wikipedia「スタンダードミサイル」より
SM2の指令誘導は、発射時に目標が設定され、この設定にしたがって目標近傍まで飛翔する。そして、終末部分はレーダービーム照射をしてSARH( Semi-active radar homing)誘導による指令誘導が行われる。中途航程においては慣性/指令誘導を採用しているので、初期の目標設定さえ間違っていなければ、目標から大きく逸れると言うことはない。
一方、SARH誘導は、発射母体の電波によってミサイルを自動誘導する方式なのだが、イージスシステムを使って誘導されることになるので、よっぽどのことが無い限りは外さない。

つまり、「運用者未熟」の部分は、最初の標的設定に問題があったのだとそのように推測される。
……プロにあるまじき失態だな。
なお、「6発は誘導弾の欠陥が問題だった」とあるが、これも韓国側の主張なので信用できない。むしろ、運用者未熟と原因特定された5発の方が問題のような気もする。おそらく、明らかに言い逃れできない証拠(データの入力ミスなど)があったんだろうね。
飛行中に爆発
あと、興味深いのは去年の事例。
当時、世宗大王艦が発射したミサイルは標的に命中したが、文武大王艦が発射したミサイルは探知・追跡・発射手続きが正常に進行した後、標的に向かって飛行中に空中で爆発した。
AFPより
意味が分からない。
これ、誘導ミサイルの問題とか、それ以前の話のような気がするんだけど、気のせいだろうか。

SM-2はモジュラー構造となっており、大きく4つに区分される。
先端はレドームで、内部に電子妨害に強いモノ・パルス方式のセミ・アクティブ・レーダー・シーカ(探知機)およびINS(慣性航法装置)などを内蔵する誘導部分である。
この後方は弾頭部分となっており、目標方向に破片を集中できるMk115指向性爆風破片弾頭である。信管は海面近くを飛行する巡航ミサイルにも対処可能なMk45 Mod8を使用し、近接または着発モードで弾頭を起爆する。
weapons-schoolより
SM2は複数のバージョンがあるが、残念ながら韓国軍が運用しているSM2のバージョンを確認できていない。
が、何れにしても、終末段階での爆発する仕様になっているので、中間誘導の時点で爆破してしまうというのは、確かに問題である。
ただ、韓国軍は、開けてはいけない封印(ブラックボックス)を開けてしまう悪癖があるので、「整備」と称して色々やっちゃった可能性は否定できないんだよね。
だって、他の国がSM2で的を外したなんて話、聞いたことないもの。
追記
コメントを頂いて、興味深い記事を紹介頂いたので、引用していきたい。
陸・海・空ミサイル体系総体的不良… 再整備が必要
入力2022.11.22 午前10時36分 修正2022.11.22 午後6時14分
ラクタン事故などで浮上した韓国軍のミサイル不良対応論議が海軍でも現れた。北朝鮮の弾道ミサイル迎撃試験が核心部品整備不良で失敗したことが遅れて確認された。韓国軍の不十分なミサイル体系管理がまたまたまな板の上に上がるようになった。
注:機械翻訳を使っています
NAVERより
「ラクタン事故」??落胆したくなるのは分かるけど、おそらく別の意味だろう。
さておき、知りたいことは分かった。
海軍は誘導弾調査機に問題があると内部結論を下した。SM-2を発射するとすぐにミサイルが標的を見つけることができず、自爆機能で空中爆発したためだ。誘導弾調査機は海軍艦艇から発射されたミサイルを標的まで誘導する装置で、迎撃ミサイル運用の核心部品として挙げられる。海軍は2004年から米国で誘導弾調査機を導入したが、2018年整備人員退職と施設閉鎖などの理由でこれ以上整備ができなくなった。
NAVERより
あー、整備不良なんだ。
え?違う?いや、直接的には「自爆機能が働いた」ということになっているのだけど、その前の「すぐにミサイルが標的を見つけることができず」という部分が問題でしょうよ。
しかし、より大きな問題は、米国企業の整備中断にも軍の対策が不十分だった点だ。整備がもはや行われず、広開土大王級であるDDH-Iは調査機502品目のうち215品(42%)が、忠武公異臣級であるDDH-IIは208品目のうち102品(49%)が廃止された。軍関係者によると、艦艇間の部品返却で殴ったと伝えられた。
このため、韓国海軍のSM-2命中率(70%)は米海軍(75%)より低い。現在、韓国海軍はSM-2ミサイルを400足余り保有しているが、誘導弾調査機の根本問題を解決しなければ命中率は壮大ではない。
NAVERより
ほー、アメリカ海軍のSM-2命中率って75%なんだ。韓国海軍の70%は怪しいけれども、命中率という点では大差ないだろう。これで「損害賠償請求」というのは又違うんじゃないかな。兵器の命中率が保証されているわけでもないし。
そして、そこよりも気になるのは、海軍の艦艇の整備が「もはや行われていない」という事実にビックリ。SM2もメンテナンスフリーじゃないんだぞ。もちろん、海軍の艦艇も同じだ。
コメント
こんにちは。ムンムンが国政を劣化させている間、軍は北に対して丸腰になるよう工作されていたようですから、そりゃ当たらないのでせうね。人災。
まぁムンムンに投票したのは彼らですから、北や中国に奴隷化されても仕方ないですなぁ。
人災なのは間違いなさそうですね。
しかし、韓国軍はそれでOKなのか。
こんにちは。
ほら、あれですよ。
「韓国軍の軍艦のFSCは386で動いてる」
「一日に複数回リセットする」
細かい事言うと、
・純正品のアメリカ
・純正品と、互換性を確認済み(ものによっては純正以上)の国産品の自衛隊
・セールストークに釣られて安いもの買いの継ぎ接ぎシステムの韓国軍
ですから……
まあ、所詮は使う人の腕次第、って事なんでしょうけれど。整備も含めて。
韓国海軍の「軍艦のFSCはintel386」というネタは鉄板ですが、PC自作に興味を持たれない方にはいまいち伝わらない感じ。
しかし、「一日に複数回リセット」はOS絡みの問題のような。彼ら、未だに「割れOS(海賊版という意味)」を使っていますからね。
まあ、今はきっと改善されているはず。
……そんなニュースは見たことがありませんが、流石に使い続けるのは難しいでしょう。
李舜臣級はどれも老朽化が酷くSM-2用のイルミネーター(図のレーダー波照射装置)が2018年から部品の終売で整備が出来てないという報道がある様です
https://n.news.naver.com/article/277/0005180958
また改修話も出ては消えを繰り返してたのですが2022年12月末にようやく方針が決まった様です
https://www.msn.com/ko-kr/news/politics/2034%EB%85%84%EA%B9%8C%EC%A7%80-f-15k%EC%97%90-aesa%EB%A0%88%EC%9D%B4%EB%8D%94-%EC%A0%84%EC%9E%90%EC%A0%84-%EC%9E%A5%EB%B9%84%EB%8F%84-%EC%97%85%EA%B7%B8%EB%A0%88%EC%9D%B4%EB%93%9C-%EC%A2%85%ED%95%A9/ar-AA15JNFX?ocid=msedgntp&cvid=de19c23ba6904f2b9f47b21e1cc724c6
ただ改修費用は正直ショボいのでホントに壊れた所しか直さないのはもはや伝統ですね
横合いから失礼します。
記事にあまり関係ない話ですが。
英国(うろ覚え)でのイベントに参加した際、場内アナウンスが「チュ……チュン……?」ってなって、しまいに「コリアンシップ」って呼ばれたのは、この李舜臣級1番艦でしたっけ?
そんな事があったのを、ふと思い出しました。
なんにせよ、ネタに事欠かない船だ……
※個人的には、朝鮮語は、その他の言語と比べて濁音と「ん」音が異常に多い印象があります。
おお、情報ありがとうございました。
どうしてもハングルだけの記事は検索に引っかからないんですよね……。助かりました。