これも、確定的な情報とは言い難いんだけれども、記事にしておかないと忘れてしまいそうなので。
韓国タンカー、北に油類4300t渡した
入力2019-04-04 03:00修正2019-04-04 13:26
韓国国籍の船舶が北朝鮮の船舶に不法に石油製品の積み替えを行っていた疑惑を日本が1月に指摘してきたが、韓国はそれを認めなかった。
ただ、今になり瀬取りを認め、船舶を釜山港に抑留中だと明らかにした。
「dongA.com」より
1月と言えば、日本の哨戒機に対するレーダー照射事件で大揉めに揉めていた時期である。
アメリカ財務省が作った「疑わしいリスト」に
韓国籍のパイオニア号もリストに
なかなか大掛かりな瀬取りをやっていたらしいね。
3日に韓国海上警察と関係省庁によると、北朝鮮の船舶に不法積み替えたことが確認された韓国籍のパイオニア号は2017年に2度にわたって合計4320tの軽油を北朝鮮船舶の渡した疑いを受けている。
この韓国籍の船舶に注目したアメリカ当局が3月に米財務省などが北朝鮮と違法に積み替えをしたと思われる「疑わしいリスト」に韓国船舶が挙げられた。このリストによると2017年1月から今年2月まで合計27回にわたって合計16万5400tの石油製品を瀬取りにより積み替え。韓国籍船舶はパイオニア号とルニス号の2隻が確認されている。
合計16万5400tの石油製品って、随分と多量だね。
北朝鮮の年間石油輸入量は日本の2日分!制裁強化の効果は?
2017年12月28日
北朝鮮に対する制裁論議で焦点になってきているのが、北朝鮮への原油やガソリンなどの輸出である。2017年12月の安保理制裁決議2397は石油関連の制裁強化が目玉の一つで、ガソリンなど石油精製品の供給を年間50万バレルに制限することとした。2016年比で9割減だから厳しいのだろうとは思うのだが、単位が身近とは言えないこともあってか今一つピンとこない。そこで北朝鮮と石油について調べてみた。
「WEDGE Infinity」より
この記事によると、北朝鮮が一年間で輸入する石油精精品の合計は年間850万バレルなんだそうで。これが、日本の2日分の石油精精品の分量に相当するんだそうで。
重さで換算すると、850万バレル × 0.135 = 114.75万tってな事になる。概ね14%か、それなりの量を瀬取りで渡していたことになるねぇ。
瀬取り監視で国際協力
アメリカが瀬取りに関与している話は今に始まったことではない、が、3月頃にはイギリスやフランスが参加するとかなんとか。
北朝鮮の「瀬取り」監視にフランスも参加
2019.3.8 11:15
外務省は8日、北朝鮮による「瀬取り」を阻止するため今月中旬から、フランスが在日米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)を拠点とした航空機での警戒監視活動に加わると発表した。警戒監視は日米が恒常的に行っているが、フランスが加わるのは初めて。
「産経新聞」より
日英なぜ急接近? 英軍艦「モントローズ」来日と一般公開の背景にブレグジット問題
2019年03月15日 10時24分
来日したイギリス海軍フリゲート艦「モントローズ」が一般公開されました。今回は北朝鮮の瀬取り監視のための派遣ですが、EU連合からの離脱(ブレグジット)を控え、その後を見据えた日英関係強化の意図も見られます。
「@niftyニュース」より
ここら辺の国際協力は、日本に恩を売りたいという話と、支那への牽制という意味合いが含まれていると考えられる。
なお、報道で見かけなかったが、他の国も参加している。
「瀬取り」に対する関係国による警戒監視活動
平成30年9月7日 防衛省
1.国連安保理決議により禁止されている北朝鮮籍船舶の「瀬取り」を含む違法な海上での活動に対して、米国に加え、関係国が、9月中旬以降、再度在日米軍嘉手納飛行場を拠点として、航空機による警戒監視活動を行うことになりました。現時点では、オーストラリア及びニュージーランドが哨戒機を派遣し、国連軍地位協定に基づき当該活動に従事する予定です。
「防衛省サイト」より
オーストラリアやニュージーランドも名を連ねているが、合計7カ国が監視作戦をしているという計算になるらしい。
えーっと、日本、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダと、そういう事になっている。
北朝鮮の瀬取り監視、フランスも参加へ
2019/3/8 10:20
外務、防衛両省は8日、北朝鮮が海上で積み荷を移し替える「瀬取り」の警戒監視活動にフランスが初めて参加すると発表した。在日米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)を拠点に3月中旬から哨戒機による警戒監視を実施。春には仏海軍のフリゲート艦「バンデミエール」が東シナ海周辺で監視にあたる。
瀬取り監視を巡っては、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドが航空機による警戒活動を実施している。
「日本経済新聞」より
あれ?韓国は??
忌まわしいあのレーダー照射事件
主張が二転三転するレーダー照射事件
改めて思い出したくも無いのだが、一応触れておかねばならない。
2018年
- 12月20日 – 15時頃、能登半島沖で海上自衛隊第4航空群所属P-1哨戒機が、韓国海軍の駆逐艦が数分間、複数回に渡りレーダーを照射される。
- 現場は日本の排他的経済水域内
- 防衛省の当該航空機は照射を受けた後、韓国側の艦船に無線で意図を問い合わせたが応答はなかった。
- 12月21日 – 防衛省が事態の公表に踏み切る。
- 12月22日 – 防衛省は本事案について
- 火器管制レーダーによる照射だったことを確認
- 韓国も採択しているCUES(洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準)に違反していることを指摘
- 韓国海軍は「火器管制用レーダーを作動させたことは事実だが、日本の哨戒機を狙う意図は全くなかった」と話した。
- 12月24日 – 外務省アジア大洋州局長が大韓民国外交部を訪れ、強い遺憾の意を表するとともに、再発防止を強く求めた。
- 韓国政府は一転して、「レーダー照射を行った事実はない」として、日本が事実と異なる発表を行ったと主張した。
- 12月27日 – 第1回実務者協議を実施。
- 韓国側は照射を否定
- 12月28日 – 17時12分、防衛省はP-1が撮影した当時の映像を公表
2019年
- 1月2日 – 大韓民国国防部が、「友好国の艦艇が公海上で遭難漁船を救助している人道主義的状況で、日本の哨戒機が低空威嚇飛行をした行為そのものが非常に危険な行為」であったとして謝罪を求める声明を発表。
- 1月4日 – 国防部が、韓国側の正当性を主張する映像を公開
- 1月7日
- 韓国海軍参謀総長が、海軍第1艦隊司令部を訪問し「すべての諸隊は外国艦艇・航空機遭遇など海洋で発生し得るいかなる偶発状況にも作戦例規や規定、国際法に則り即刻に対応し、現場で作戦を終結させなければならない」と注意・叱責
- 同日夜、反論動画に、新たに6ヵ国語を追加した計8ヵ国語分の映像を公開
- 日本の防衛省は新たに韓国語の字幕等を追加した動画を公開
- 1月14日 – 第2回実務者協議を実施。
- 韓国は日本が提案したデータの情報交換を拒否
- 1月21日 – 防衛省は「本件事案に関する協議を韓国側と続けていくことはもはや困難」との異例の声明を出す
- 1月22日 – 国防部が「日本が両国関係と韓米日協力、さらには国際社会の和合に何の役にも立たない不適切な世論戦をこれ以上しないことを今一度厳重に求める」との立場文を出す
Wikipediaを編集した感じのリストになっているが、まあ酷いものだな。
で、レーダーを照射したのがこちら。

韓国海軍駆逐艦「広開土大王」で、これに搭載されたSTIR-180射撃指揮レーダーが問題の行動をした。
ところが、これに纏わる映像で、韓国海洋警察庁所属の警備艦「参峰」(ARS-5001)とその搭載艇と思われるゴムボート2隻、そして、北朝鮮の船がいた事が確認されている。
瀬取りを疑われる韓国海軍と海洋警察
そもそも日本のEEZに、これらの船がいたこと自体が問題なのだけれど、問題は何をやっていたか?だ。
コレに関しては様々な憶測が飛び交った。
しかし、当時から日本の海上保安庁と海上自衛隊は、韓国が北朝鮮との瀬取りをしている疑いが強いという認識を持っていたことが伺える。
そうでなければわざわざP3C哨戒機で哨戒行動を行わないわけで。自衛隊は「通常任務」と説明していたが、P3CP1での瀬取り監視をやっていた可能性は高そうである。
そんな訳で冒頭のニュースは、これらの疑いが裏付けられた事を意味する。
射撃レーダー照射事件の際に韓国側が一体何にやっていたかはハッキリしないが、凡そまともな説明が出来るような状況に無かったことは推測できる。
韓国は国をあげて北朝鮮を支援していた、と、そういうことなのだろう。
コメント
一番の当事国が瀬どりの片棒担いでいるのですから、何と言っていいやら滅茶苦茶ですよね。
キツイ制裁でお灸をすえなきゃならないと思いますが、国連とアメリカの制裁適用要件がイマイチ判らない。
船舶調査でクロと判定したら当該企業はもちろん、メインバンクももちろん、そして南朝鮮政府にも制裁を科しキチンとした再発防止策を提出させる必要があると思いますが。
国連は支那・ロシアも疑惑だらけなんで制裁した結果の反発を恐れているのかな? でも、アメリカは同盟国の背信行為を理由に南朝鮮を締め上げる事はできるはず。
僕としてはイラつく展開ですね。
本来であれば、真っ先に対応しなければならない国なハズなのですが、しかし、韓国のリアルは違うのでしょう。
良い悪いはさておき、今の韓国は北朝鮮を味方、日本を敵として見ています。
それは、建国の経緯(1919年建国という建前になっている)や、憲法に書かれた精神を考えれば、韓国としては今の姿の方が正しいのだと思います。
日本が勘違いしていた、と、そういう話なのでしょう。もう、気がつくべきです。
11日(木)にトランプさんから何を言われるか楽しみ💛
何言われるんですかねぇ。
とても楽しみですが、トランプ氏もなかなか味わい深い対応をする事が多い様に思います。きっと、意表を突いた対応をしてくれるのでは無いでしょうか。
P3Cでも瀬取り監視を行っているのですが、レーダーを照射されたのは、
最新の「P1」哨戒機です。
現在は厚木航空基地のみに配備されています。
1999年の能登半島沖不審船事件の時には岩国航空基地からP3Cが展開していますが、今回同じような海域に厚木の「P1」が展開していたのは偶然ですかね・・・?
ご指摘通り、誤記がありましたので修正させて頂きました。
P1で哨戒活動をさせていたのは、間違い無く意図的だと思いますよ。