……はて、何処かで聞いた話だ。
250億ウォン投入した韓国海軍特殊戦艦艇の開発が座礁…「経済性ない」
2020.12.22 11:10
13年前から推進している1兆2500億ウォン(約1170億円)規模の海軍特殊作戦用艦艇事業が座礁の危機を迎えた。今年に入って事業の妥当性を再検討した結果、「経済性がない」という結論が出てきた。
「中央日報」より
韓国海軍特殊戦艦艇デスか。
韓国海軍の特殊戦戦団
いわゆる海兵隊
韓国海軍にはアメリカの海兵隊を模した部隊を擁している。
大韓民国海軍特殊戦旅団(Republic of Korea Naval Special Warfare Flotilla/Special Warfare Flotilla)は、海上作戦のみならず陸戦能力も有していて、敵地での破壊工作や偵察任務に従事することもあるのだとか。
- 海軍特殊戦旅団(ROKNSWF)
- 特殊作戦部隊(Special warfare squadron)
- 掃海作戦部隊(Mine Warfare Squadron)
- レスキュー部隊(Rescue squadron)
- 船舶回収ユニット(Ship Salvage Unit、SSU)
4つの作戦部隊があるのだが、今回は特殊作戦部隊が使う予定のものだったらしい。
軍は2008年、海軍特殊戦戦団(UDT/SEAL)が浸透作戦などに使用する特殊戦支援艦(母船)・特殊浸透艇(子船)の導入を決めた。例えば隊員らが北朝鮮側の海岸から遠く離れた母船から出動する子船に乗って密かに浸透するという概念だった。
「中央日報”250億ウォン投入した韓国海軍特殊戦艦艇の開発が座礁…「経済性ない」”」より
これがどんなイメージかというと、こんな感じらしい。

母船から4隻の浸透艇がでているイメージらしいが、母船で夜陰に紛れて沿岸部まで近づき、そこから敵に発見されないように浸透艇で上陸するということのようだ。
ヨット会社が作成?
そういえば、以前触れた記事ではこの特殊浸透艇の製造は、ヨットを作っている特殊な船艇の製造実績のない会社にお願いしたという話を紹介している。
もちろん、韓国国内で浸透艇を作った実績はないのだから、どこの会社が引き受けたところで、「初の製作」と言うことにはなるのだろうが、この時の話は実に不可解なのである。
プロトタイプはイギリスのメーカーの支援を付けて作り上げたようだが、技術移転して貰って韓国内で製造することにした上で、小さなヨットメーカーに「作って」と丸投げしちゃった。
母艦の開発の方も随分と費用を要していて、1兆1,400億ウォンも必要になったとか。そんな話があった。
計画は頓挫??
ところが、今回はそれどころの話ではないようだ。
4年後、防衛事業庁は大宇造船海洋と母船開発契約を締結し、事業を本格化した。子船は2014年から別に分離して国内の中小企業に開発を任せることにした。母船4隻(約9405億ウォン)と子船20隻(約3125億ウォン)を合わせて1兆2500億ウォンを超える大規模な事業だった。
ところが研究開発方向や事業費をめぐり論争が続くと、防衛事業庁は韓国国防研究院(KIDA)に依頼して事業の妥当性を再検討した。その結果、KIDAは2月、「(子船の)特殊浸透艇の総事業費が大きく、経済性はない」という結論を出した。
母船に子船を搭載するため、子船の諸元がなければ母船の設計もできず、事業の中断が避けられなくなった。結局、来年度の予算で防衛事業庁が当初要求した事業の予算約227億ウォンは全額削減された。
「中央日報”250億ウォン投入した韓国海軍特殊戦艦艇の開発が座礁…「経済性ない」”」より
なにやら特殊浸透艇の製造が巧く行かないが為に、母艦の製造もできないとか言う話が出てきちゃった。
しかしこれがオカシイのだ。だって、前の報道ではイギリスのメーカーがプロトタイプを作ってくれた(正確には、韓国内で技術移転込みで作ったということらしい)のだから、少なくとも特殊浸透艇の設計は終わっていないとオカシイのだ。
防衛事業庁の関係者は「来年上半期まで(国内開発、海外導入など)事業推進方式を含む先行研究をし、来年下半期には事業を推進できると期待する」と説明した。しかし軍関係者の間では「これまで開発費として250億ウォンも投入したが、事業を原点から再検討することになった。こうした埋没費用に対して軍であれ防衛事業庁であれ誰かが責任を取るべきだ」という声が出ている。
「中央日報”250億ウォン投入した韓国海軍特殊戦艦艇の開発が座礁…「経済性ない」”」より
それどころか海外導入を検討する話が出てきてしまったのだ。
オイコラ、韓国内で作ったプロトタイプはゴミになったのかよ!1兆2500億ウォンは溝に捨てる事に??いやまあ、良いんだけど、「何が問題だったのか?」をしっかり理解しておかないと、何の意味も無い事になってしまうんだけど。そこは大丈夫なのだろうか。
後続業務は敗戦処理か
さて、そんな訳で、計画そのものを見直す話になってきているのだが、一応、特殊作戦部隊は機能している様だね。どんな方法で機能させているかは知らないが。
軍関係者は特に開発が遅れて事業費が急激に増えた部分が監査で指摘されるとみている。母船は2018年当時の7489億ウォンから9405億ウォンへと26%増え、子船は同じ期間に1440億ウォンから3125億ウォンへと総事業費が倍以上に増加したからだ。防衛事業庁は「監査院の監査結果などを総合的に考慮して後続業務を進める予定」と明らかにした。
事業が遅滞し、軍の海上特殊浸透戦力の確保も難しくなった。その間、情報司令部が商船に偽装した母船と子船の半潜水艇、潜水艇などを運用していたが、老朽化で数年前にすべて淘汰された状況だ。ある軍関係者は「情報司令部の特殊艦艇はあまりにも古いため、任務をするたびに事故が発生しないか心配になった」とし「今はその艦艇さえもないのが現実」と吐露した。
「中央日報”250億ウォン投入した韓国海軍特殊戦艦艇の開発が座礁…「経済性ない」”」より
もちろん、時代の移り変わりによって、時間がかかっている事業が水泡に帰すなんて事は、ままある事である。特殊浸透艇を使った作戦だって、本当に必要なのか?時代遅れでは無いか?という批判は仕方がない事だ。
そもそも、韓国軍は北朝鮮とどのように戦うのか?という点について定まっていないのが最大の問題なのである。今のムン君率いる政権は、親北政策を推進しているが、それが破綻した時にどうするのか?に関して一切ビジョンを示してはいない。
下手すれば、争いになった場合でも戦わずに逃げてしまう可能性だってある。
そんな状況だから、韓国軍のビジョンが定まらないのは無理はない状況であると言えるだろう。そして、予算は一体誰がポッケナイナイしちゃったのか。その辺りは、明らかにならないのだろうね。
コメント
木霊様、皆さま、今晩は
「経済性がない」って・・・
軍事的に必用ならば多少高くても「必用」なんだし、「経済性がない」からヤメに出来るならば、元より「必用」ではなかったのではないかな。
「ポッケないないに必用」以外、理由はなかったのでは、と思ってしまいます。
面白い表現ですよね、「経済性がない」って。
翻訳の問題かもしれませんので、言葉に突っ込みを入れるのは野暮なのかもしれませんが、軍事兵器に経済性というのはナンセンスではあります。
ムン君は斬首作戦にせよ浸透作戦にせよ、北朝鮮に害を為す手法を徹底的に絞り上げています。
どうしようもないのかもしれませんよ。
木霊さん、今日は。
アメリカ海兵隊を模倣したにも関わらず装備や予算はショボすぎる軍隊って印象ですけどね。
内容がよくわからないけど、これって斬首作戦にも使う気があったんじゃないかなァ~。
親北一直線の文クンだから横槍入れた可能性もありますね。
しかし、母船4隻で900億円足らず(1隻・200億)・子船20隻で300億円足らず(1隻・15億)...、北との有事に海兵隊特殊部隊浸透する予算としてどうなんでしょうね?
>オイコラ、韓国内で作ったプロトタイプはゴミになったのかよ!1兆2500億ウォンは溝に捨てる事に??いやまあ、良いんだけど、「何が問題だったのか?」をしっかり理解しておかないと、何の意味も無い事になってしまうんだけど。そこは大丈夫なのだろうか。
いつものポッケナイナイ事業の臭いプンプンです。(冷笑)
ところでプランBは用意しているのかな?(失笑)
海兵隊が必要であれば、予算を注ぎ込んで整備すべきですし、そうでなければ無くすべきでしょう。
韓国軍の状態を考えれば、海兵隊を整備すべきではあるのですが、ムン君にとっては邪魔なんでしょうねぇ。